彼は月迅竜である。   作:一般的な犬

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二話同時投稿 前編です

いやちゃいますやん。
終の前後編に分けただけですねん。


竹取物語 終(前)

最近、京でこんな噂を聞くようになった。 

 

かぐや姫という、絶世の美女がいる。

 

曰く、今まで様々な身分の人々に求婚されたが、誰一人として色良い返事を得られず、ついには五人の貴族、(みかど)すらもフッたとか。

 

それまでなら、私は特にこれと言って興味を抱かなかっただろう。年頃の少女らしく、自分の恋を追いかけ、他人の惚れた腫れたなど目にも入らなかったはずだ。

 

しかしながら、一つだけ、こんな噂が流れた。

 

「藤原不比等は紛い物を作ってをかぐや姫に献上した恥知らずだ」

 

事実は分からない。様々な人が好き勝手に尾ひれ背ひれを付けて噂を流すためだ。父に聞こうにも、自宅に謹慎し外には出てこない。

 

ただ、そんな父にまつわる噂で、ひとつこんなものがあった。

 

「紛い物で自分を騙した藤原不比等を、かぐや姫が見せしめで辱めた」

 

これも真偽は分からない。だけど、私が好きな父を侮辱されたのは、少し 悲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ある時を境に、かぐや姫が月を見上げて嘆くようになりました。心配になった翁はかぐや姫に理由を訪ねます。

 

「おじいさん、私は実は月の住人なのです。もうすぐ、月から迎えが来るでしょう。私は月に帰りたくない、慣れ親しんだこの地で生きたいのです」

 

それを聞いた翁は、帝や貴族達にこの話を広めます。かぐや姫はどんなことをしても無駄だ、と諭そうとしますが、結局二千の兵がかぐや姫の屋敷を取り囲みました。

 

おじいさんは奥の部屋にかぐや姫を押し込め、前の部屋にはおじいさんが座り込み、兵の指揮をとるために藤原不比等が立ち、かぐや姫がいる対角の部屋にはどうやって忍び込んだのか、妹紅と赫が覗き見していた。

 

朧はというと、不比等の横で壁にもたれかかっていました。

 

 

そうしてしばらく待っていると、月が一際強く輝きました。それを見てしまった外の兵士たちは呆然と立ち尽くします。

 

 

その時、月の方向から宙を歩く牛車がやって来ました。

 

その中から出てきたのは、ガッチガチに武装した兵士たちとら銀色の髪をした美しい女性でしたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

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輝夜の作戦……地上に来る前に永琳が考えた作戦は、あまり賛成出来るようなものでも無かったし、もっと単純に皆殺しでも行けそうな気がする。

と、同じように輝夜が永琳に提案したらしいが、送られてくるのは腐っても月の最新技術で固められた兵士たち。失敗の可能性は極力減らした方がいいらしい。

 

 

先程の強い光はおそらく催眠術の一種だろう。弓を持ち、月を見上げていた兵士たちは全て催眠状態に陥って無力化されている。

 

屋敷の中にいた翁や不比等は催眠にはかかっておらず、そもそも妖怪である俺には生半可なものでは意味をなさない。

 

やがて、宙に浮く牛車がゆっくりこちらに向かってくるが、見た感じブースターも、霊力も使ってない。月の技術力は星間戦争を起こせるレベルで発展してそうだから反重力だとかそんな感じだろう。

 

牛車の周りには九人、先頭には隊長であろう兵士と、銀色の長い髪をした美しい女性……永琳がいた。多分俺には気がついていないだろう。

 

やがて屋敷の前に辿り着くと、先頭の兵士と翁と一言二言会話を交える。

 

「かぐや姫を出せ」

 

「はて、なんのことやら」

 

翁は思ったより肝が据わってるのか、仮初とはいえ、娘への深い愛情がなせる技か。バリバリに殺気を飛ばす兵士に一歩も引かない。

 

ところで、向こうの部屋から覗き見している妹紅と赫はどうやって忍び込んだのだろうか。赫はまあともかく妹紅は危ないんじゃないか?

 

思考がズレ始めた時、ついに埒が明かないと兵士が強硬手段へと出る。

 

「邪魔だ!」

 

翁を押し退け、無理やり奥の部屋へと押し入ろうとする。それを太刀を構えた不比等が行く手を阻む。

 

「邪魔だと言っている!三度目はないと思え!」

 

しかし、動かない。兵士も武器を構え、射撃体制に入った。

 

普通なら撃たない。不比等の後ろには輝夜がいる部屋があり、銃の威力次第では貫通して後ろにも被害が及ぶだろう。

 

しかし、輝夜が不老不死であること その兵士がプライドが高そうなこと。引金は引かれてしまった。

 

 

バシュン、と気の抜けた音が聞こえると不比等が倒れ伏した。畳には血が染み込み、不比等が動く様子もない。

 

 

その時、奥の部屋に続く襖が開き、輝夜が歩んでくる。倒れ伏す不比等をみて、悲しそうな顔をしたがすぐに顔を引き締める。

 

「これはこれは、かぐや姫 我々と一緒に来てもらいますぞ」

「ええ、勿論ですわ。その前におじいさんと今生の別れをさせて頂けないかしら?」

 

兵士は頷くと、輝夜はおじいさんに蓬莱の薬を渡し、一言二言会話を重ねる。

 

「終わりましたかな?」

「えぇ」

 

輝夜は牛車に乗り込み、牛車は月へ向かって動き始める。

 

俺は兵士が全員後ろをむくのを待ってから、不比等の傷の応急処置をする。と、そこで隠れていた赫が妹紅を抱えて出てくる。

 

「不比等さん、助かりそう?」

「さぁな……この分だと助かっても目を覚ますのは時間かかりそうだ。妹紅はなんで気絶してんだ?」

 

妹紅は赫の腕の中でぐったりとしている。顔には血の気がなかった。

 

「親の死に目なんて見たら誰だって冷静にはいられないだろ?飛び出そうとしたから無理矢理ね…………朧君はどうするの?」

 

おじいさんは嘆き悲しむように項垂れており、兵士たちは未だに使い物にならない

 

「俺はあれを追いかける。ちょっと訳ありでな」

「もう見えないよ?光学迷彩かな? 凄いよね月の文明。君の十八番も再現出来るんだから」

「大丈夫だ、前に教えて貰った追跡のヤツを使う」

 

赫は納得したように続ける。

 

「あぁ、かぐや姫になにか持たせてるんだね」

「いや?輝夜にはなんも持たせてないぞ」

「え?」

 

追跡するのは、永琳に贈った指輪。宝石の部分、実は朧月の欠片を埋め込んでいる。

 

訳が分からないといった赫に全てを説明している時間はないので、こういう。

 

「まあまた今度説明する。もしも俺を探すなら[迷いの竹林]って場所にこい。そこの奥に家があるから」

 

それだけいうと、妖力を込めて空を飛ぶ。最近覚えた技術で、それなりに簡単で速度もそこそこでる。元の身体(ナルガクルガ希少種)で飛んだ方が速いが、目立つ。

 

「お、おう。まあ、とりあえず僕は妹紅が俺の事を必要無くなるまでは動けないから。またね」

 

俺は同類の友人に別れを告げ、空へ飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、次回には終わるから……
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