体がだるい……アタマが痛い……
確か妖怪に連れ去られて……
「──!八──が目を─ましました!」
どうやら私はまだ生きているようだ。
「八意様!私の声が聞こえますか?!」
「……ここは…何処?」
起き上がると目の前には隊長と部隊員が二人おり、残りの隊員は見当たらない。
周りには霧と森が広がり、妖怪などの気配もない。
「先程妖怪の襲撃があった場所よりも深い場所です。妖怪を退けて急いで追ってきたのですが、その際に二人犠牲に……八意様を連れ去った妖怪は何故かそこで死んでいます」
ふと隊長の後ろに目を向けると、先程の猿妖怪の死体があった。死体は下半身と右腕らしきものしか無く、食いちぎられたような跡があり、まだ生暖かい血が出ている。
しかし解せない。あの猿は何に食い殺されたのか そして何故私は助かったのか。
「八意様、今は悠長に考えている場合ではありません。タダでさえ深い場所で、戦力もたりず、近くに大妖怪が潜んでいる可能性さえあるんです。ですから急いでてっ……」
隊長が不自然に言葉を途切れさせ目を見開き、不意に地面に影が差す。
そっと振り向くと、そこには月が佇んていた。
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どうも俺です
さて、前回意気揚々と巣を旅立ったのはいいんだが、十分程のんびりと移動していると人間(美人さん)に出会った。ただし猿の妖怪に頭を鷲掴みされてだが。
生きた人間……いや実際どうか分からないがもしかしたら生きてるかもしれないので助けることに。
ちょうど小腹がすいていたので上の方をマルカジリ。
うーん 微妙なお味。
さて、この人はどうしようか。見た感じ呼吸してるから気絶してるだけかな?
しかし、見れば見るほど綺麗な人だな。
っと、向こうからなんか走ってくる……人間かな?武装してるし、状況だけ見れば俺が襲ってるようにしか見えないし一旦透明になって隠れよう。
そして起き上がった美人さんとオッサンが何かしら会話を……あれ?向こうからまた妖怪が寄ってきてる。この人達が気が付いた様子もないし。
うーん ここはあれだ。
追い払っていい所見せよう。
たぶん第一印象は良くなるはず。
あれぇ?この人達こっち見たまま硬直しちゃった……
なんで?妖怪もどっかいっちゃったし。
あれこれ考えていると、ようやくオッサンが口を開いた。
「あ、貴方様はこの森の主でいらっしゃいますか?」
おうふ、ガッチガチに緊張してらっしゃる。
とりあえずそんな事実はないので首を横に振る。
「では、私たちを襲う為に姿を表したので?」
ハッとした感じで美人さんが訊ねてくる。
元人間としてはあんまり人間を襲いたくないのでこれも無し。
……今気がついたが、俺って今の姿形は化け物だよね。人間が化け物に出会ったら大概怯えるよね。完全に失念してたわ。道理でみんな緊張してたり警戒してたりするわけだわ。
俺は人間襲わないよーって伝えられたらどんだけ楽か。喋れないしね、人間になりたいね。
そんな俺の思考が伝わったのか、先程の質問の答えを信じたのか、少しだけ緊張と警戒が解けたようだ。
「私達は今都市で流行している病気の治療薬の材料を取りに来たのです。このような果実がなる木を知りませんか?」
おぉう、都市なんてあるのか。まあだいぶ文明的な武装をしてらっしゃるのでもしかしたらと思ってたんですけどね。
しかしこの果実、巣の近くに何本か実る木があって少し前まではおやつにしていたものだ。 まあそのうちまた生えてくるし別にあげてもいっか。
ということで巣の方に案内してあげることにした。
急にヤル気が出て萎んだので。
評価とか感想がくるとテンションの上がり具合が凄い。