「使用ポケモンは一匹でいいな。その方が手っ取り早いし。....せっかちなお前にとってもその方が好都合だろう。」
「言ってくれるじゃねーか!負けないぞ。いけムックル!」
相手ジュンは自信との付き合いがながいムックルか。このポケモンも相当厄介だから気をつけなきゃな。
バトルするためだけにわざわざスクールを離れマサゴタウンの浜辺まできたが、まぁスクールから近いし、研究所も近いからということでナナカマド博士も了承してくれた。
俺は当然ヒンバスだ。相性は等倍だが、打点はあるからな。
「いきなりいくぜ!ムックルつばさでうつ!」
ムックルらしい攻撃だ。ムックルは小さい体してながらもパワーは決して侮れない。
「ヒンバスこごえる風で迎え撃て。」
しかし残念ながらこちらは特殊攻撃しかない。もっといえば直接触れる技がないから迎え撃つことは容易だ。
しかし....
「やはりお前のムックル力が強いな。」
そう。ムックルのパワーでムックルはダメージを負いながらもヒンバスを吹き飛ばすことができた。
「へへ。こいつの意地っ張りは俺でも止められない頑固ものだからな。目の前に敵がいたらなぎ払うまでよ。」
しかし、こごえる風の効果で素早さはもちろん落ちてる。これくらいならこちらの方が先手をとりやすくなるが。
「素早さ落としたからって先手を取れると思うなよ!電光石火!」
ムックルが高速で突っ込んできた。スピード感溢れるいい技だ。いとも簡単に吹っ飛ばされるとはな。
電光石火....ポケモン界屈指の先制技で有名だが、仕掛けてくるの早いな。
「だが、俺のヒンバスはそこらのやつと違うからな。なめんなよもう一度こごえる風だ!」
ヒンバスは吹っ飛ばされながらも、空中で体を入れ替え見事相手のムックルにクリーンヒットした。
これはバトル用語で「急所」と呼ばれる部分にヒットした。どのポケモンにも急所と呼ばれる一部体にダメージを受けやすい部分がある。一般的な確率としては1/16だが真偽は定かではない。講義や学会によると他地方によって確率は変動するともいう説もあるからな。
しかしこれのおかげで相手のムックルは瀕死寸前。これはさすがに勝ったと思われた。
「いい攻撃してくれるな!だが、こいつにはとっておきの技がある!1on1には非常に有効な技がな!ムックルがむしゃらだ!」
まずい!かわせと言おうとした瞬間にはダメージを食らってた。がむしゃらは自身の体力と同じくらいに相手の体力を削る技だ。そして、やつは先制技をもってる。
つまり、電光石火でフィニッシュとなるわけか。
万事休すか....と思われた。しかし、ヒンバスはムックルをしがみつき離そうとしない。なぜだ。ジュンもムックルに振り落とせと指示するものの、一向に離そうとはしない。
....まさか
その瞬間俺のヒンバスが考えてることがわかった。
「ヒンバス絶対振り落とされるなよ!どくどくだ!!」
そうヒンバスは意地でもどくどくを当てようとしていたのだ。がむしゃらで大ダメージ受けた。だが、言い替えると相手はもはや瀕死寸前。どくのダメージを一度入れるだけでも落ちるぐらいまできてたのだ。
そしてヒンバスのどくどくが見事当たり、そして完全にどくが回ったところでムックルは力を失いそのまま倒れた。
「....勝負あったな。」
ナナカマド博士がぽつりと呟いた。
「だーー!!もーがむしゃら電光石火で決めるつもりだったのにそんなのありかよ!!!ちくしょー!」
ジュンにいたっては見ての通り悔しがってる。
「まぁ俺も負けるかと思ったが、こいつが意地でも離そうとしなかったからな。なにを狙ってたのか最初はわからなかったが....まさか受け止めてどくどくなんてね。」
「それだけお前に信頼してるということだ。....ハルトといったな。お前とヒンバス出会ってどのくらいだ。」
と急に聞いていた。
「俺とこいつはこいつがタマゴの時から育ててるからだいたい軽く10年は一緒にいますね。だからある程度お互い考えてることはわかってるつもりです。」
なるほどなと。博士はうなずいた。恐らく博士は、いくらスクールで勝ち抜いたからとはいえ、まだまだ新米のトレーナーとポケモンのコンビでそんな一見無謀にみえる戦術をポケモン自らやるなんて信じられんと言いたかったのだろう。
「さて、ジュンいいかな。俺は遠慮なくヒコザルにするぜ。」
「くそー!まぁいいさ。俺はポッチャマに決めた!ヒコザルに相性いいしな。」
お互いに新たなパートナーが決まったことで、図鑑も渡されボールも渡された。
「あ、ちょっと待ってください。こいつにいれるボールってもしかしてモンスターボールですか?」
「あぁそうだが。何か問題でも。」
いきなり何を聞くかと思えばそんな当然のことを聞いたのかと感じだ。
「ははーん?お前さてはモンスターボールにヒコザルは似合わないって思ってるだろ。」
ジュンがいやみったらしく聞いてくるがまったくもってその通りである。
「博士。ぼくには譲れないことがありまして、ぼくら人間は外見をいいようにみえるいわゆるオシャレということをしてますが、僕にはポケモンにもオシャレをしてもいいのではと考えてます。だからこそ、そのポケモン一匹一匹に似合ったボールにいれると決めてるのです。....この辺りは父親の影響なんですけどもね。」
博士は一度うーんと考えこんだが、すると奥からなにやら髪が長い女の人が現れた
「いいんじゃないんですか?他のボールにいれても。」
歳は俺たちと変わらないと思うが、ミニスカートが似合ってて顔が綺麗に整ってる。
「だがヒカリなぁ....それなら一度野生に返す状態にしないとならないし、ヒコザルがハルトに簡単になつくのか?」
と考えこむ。
「いえもうなついていますよ。」
ヒカリと呼ばれる女はそう言った。その通り。あのバトルに触発されたのかしらないが、ヒンバスとすぐ仲良くなって、しきりに俺に甘えてくる。
「決まりですね。」
とヒカリはクスッと笑った。ナナカマド博士も観念したような表情をみせた。
「ヒコザルはそうだな....ゴージャスボールなんかどうだろう。....いやゴージャスボールで決まりだな。」
俺はゴージャスボールをヒコザルにみせると、ヒコザルも喜んでボールの中に入った。
一方のジュンはというと
「お、おいポッチャマ無視すんなよー....おーい....」
ポッチャマはプライドが高いポケモンだからそうなるのも仕方ないな。
「まぁいいさ!俺は先に旅に出るぜ!その前に家でタウンマップ取りにいくか!じゃあなじーさんハルトえーと女の人!!」
ナナカマド博士は止めようとしたが、ジュンのせっかちっぷりというのか行動力が凄まじいというのか....まるで電光石火のごとく出ていった。
「なんなの!?あなたのお友達相当せっかちな人なのね!」
とヒカリは驚いてる様子だったが、やつと何年もずーと一緒にいる俺にとっては日常茶飯事というぐらいなので苦笑いすることしかできなかった。
「申し遅れたけど、私の名前はヒカリ。ここの研究所でナナカマド博士の助手をしているの。私もあなたたちと同じで図鑑を埋めるように協力するんだ。よろしくね。」
唐突にあいさつされ、たじろぎながらもこちらも
「俺はハルトだ。で、さっきでていったやつはジュン。まぁ....あいつも悪いやつじゃないからそんなに気にしないでくれ。」
なにそれー悪い人なんて思ってないわよとクスクス笑われた。
そしてオッホンとわざとらしくナナカマド博士が咳払いすると、
「この世界にはたくさんのポケモンがいる。そしてこの地方によると151匹のポケモンが存在すると言われている。長旅になると思うが頑張ってな。」
と簡単なエールをくれた。こうして俺の旅がはじまった....
さて、今回は御三家選びでのバトルということでした。
シンオウ地方のポケモンの御三家では圧倒的にゴウカザルが強いので選びたがりますよね。特にこの世代ではまだ加速バシャーモが存在しなかった頃なのでほんとにゴウカザルが重宝されてた時代でした。
前回もそうですが、今回もバトル中心といった内容としましたがいかがだったでしょうか。個人的にはヒンバスをどうにかして活躍させてあげたいと思い、要所でどくどくをいれていく戦法を採用しました。こちらの方がよりアニメに近い感じがあってバトルに臨場感があるのではと思いました。
そして終盤のヒコザルをゴージャスボールにいれたのは現代のポケモンではボール遺伝ができるので、そのポケモンに似合ったボールをいれるという方も増えました。
ですので、この話では今後ポケモンを捕まえる描写がある度にさまざまなボールがでてくるかと思います。とはいえゴージャスボールはオシャレボールいわゆるオシャボの中では代表格的な存在でありますので、ゴージャスボールがメインになっていくような気はします。
ヒコザルに関してはプレミアボールでもモンスターボールでも合うような気はしますが、やはりオシャボといえばゴージャスボールだよなということでゴージャスボールを採用しました。
では今回はこの辺で締めたいと思います。また次回もよろしくお願いします。