チャンピオンに憧れて   作:ユンケル

4 / 9
第4話クロガネゲート

 ヒコザルをくれ、そしてポケモン図鑑も渡された。実家であるフタバタウンから離れ、さらには見慣れたコトブキシティを離れるということとなると少し寂しいかな。

 「しかし、旅するのは断然構わないが、それまでの準備は大変だったな。」

 そうため息をつくのも当然。まずは、しばらく帰れないということを親に伝え、実質トレーナーズスクールの卒業したものだし、それの認定。さらには、図鑑所有者ならではの特権としてのポケモンセンターをはじめとする、ポケモントレーナーの宿泊施設の負担費用の契約・・といった様々なことをしなければならなかったからな。当然ジュンも飛び出たのに、結局それについての契約のためにまた戻ってきたことだし・・。

 そういえば、ナナカマド博士はいい時代になったものだとも言っていた。確かに、各町でのトレーナーの宿泊施設の向上をはじめとして、よりトレーナーや研究者が旅に出ることが容易な時代になった。よくみれば、ポケモンウォッチ・・縮めてポケッチもより進化して通話ですらできるようになったものだ。

 しかし・・・

 「お!君もトレーナーだね。勝負しようよ。」

 いつなんどきいかなる場所でもバトルを申し込まれるのは変わらないようだ。

 もちろん俺は引かないし、受けられた勝負はよほどのことがない限りは極力受けてる。

 というのも、ヒンバスはともかくヒコザルもどこまで通用するのかがポイントとなるし、早めにモウカザルにさせてあげたいところではある。ヒンバスともう一匹でもジムリーダーのヒョウタには勝てるとは思うが、ヒコザルは技範囲が広くポテンシャルが非常に高い。タイプ相性を覆せるような能力も秘めてるのは事実。そのため、早い段階でヒコザルの能力を把握し、かつあわよくばモウカザルに進化できれば・・とは思ったが、

 「うわー・・負けちゃった。君のヒコザル強すぎだよ。ムックルが即KOなんて・・。」

 ごらんのとおり、203番道路のトレーナーはまるっきり歯が立たない状態である。

 「悪いな。うちのヒコザルはそこそこ鍛えているのでな。」

 とはいえ、レベル上げにはなってるからちょうどいいな。しかも、ただレベルを上げたり、戦闘スタイルを確立するといったことではなく、最近の研究ではポケモンのステータス面・・例えば攻撃力や防御力といった数値的要素は倒したポケモンにより変化していくのではという説が有力となっている。それだけではなく、ポケモンの性格によって伸びやすかったり、反対に伸びにくかったりするという説もここ近年において非常に取り上げられている。

 つまり何が言いたいかというと、ヒコザルは基本的にアタッカーとして機能させたいので、攻撃力やすばやさを極力高めたいのが本音である。そういう点では、学会や講義等でささやかれた攻撃力が上がりやすいムックルなどが出現するからいいペースであると思っている。

 さて、そんなことでクロガネゲートまでやってきた。クロガネゲートはクロガネシティを結ぶ洞窟というより、トンネルに近いものだ。しかし・・・

 「前から気になってたのだが、地下が気になるな。邪魔な岩があるが、このぐらいならヒコザルで壊せるかな。」

 ヒコザルに殴ってもらった。すると、真ん中からひびが入り、ピキピキとなって割れた。

 遠い昔では秘伝技が必要だったそうだが、現代ではその秘伝技は限られている。残っていたのはなんだったのかな・・。少なくとも、ある地方では秘伝技そのものが存在しないらしい。

 そしてクロガネゲートの地下に入っていく。

 「やはりな・・。」

 今までとはレベルの違う野生ポケモンもちらほら見つかり、そして辺り一面が水に覆われている。

 クロガネゲートではこの近辺の住民ならだれもが知ってると思うが、地下に地下水脈が形成されており、危険でなかなか立ち入りができないといわれてきた。

 しかし、ジュンや俺のように命知らずというべきなのか、若さなのか知らないがそういうのはお構いなしで、いつか行こうぜと言っていた。

 けれども地下水脈から先へは行けそうにない。先ほど秘伝技がほとんど廃止されたといったが、もちろん残ってるのもある。その一つが「なみのり」だ。

 とはいえ、地下水脈の存在は知ってても、そもそも行ったことがないから地下に行けるだけでもましだとは思った。

 だがここにきたのは単なる好奇心だけではない。これから先どうするかと考えていたところ

 「おやこんなところに人がいるなんて珍しい。」

ある男が話しかけてきた。

 「まぁそう堅くならなくていい。わしのことはそうだな・・ベテラントレーナーとでも言っておいてくれ。」

 男はよくみると、歳をとってるのがわかる。しかし、人が来るのが珍しい場所になぜ来てるのだとは思う。

 「わしは相棒リオルを少し鍛えようと思っての。君は?見るとまだまだ新米トレーナーに見えるが・・。」

 と尋ねられた。

 「そうですね。まだ駆け出しです。しかし、トレーナーズスクールで考古学や、地理の分野もある程度勉強してまして・・ここの水脈がどんな感じなのか一度見てみたかったんです。」

 考古学かと目を見開いて驚く。

 「いやはや勉強のためなら邪魔して悪かったの。じゃが、ここは危険だがらあまり長居するのではないぞ。」

 と忠告を受けた。もちろん俺自身もこんなところに長居をするわけではない。ここの水脈を少し調べてクロガネシテイに向かうつもりでいる。なに、クロガネゲートは一本道だからすぐにつく。

 さて、本格的に調べるか。

 ここの水脈近年野生ポケモンの生息の変化であったり、水脈の面積がやや変動している。俺はチャンピオンになりたいと思った同時に、シンオウ地方の考古学や地理、歴史、神話に関して非常に興味を抱いた。だからこそ、スクールではこれらを専攻し、バトルの知識ももちろんだが、これらのおかげで点数は稼げたもんだといっても過言ではない。

 とはいえ、研究者でもないので洒落た水質調査などはできないが、野生ポケモンの変化ぐらいならわかる。野生ポケモンの生息の変化・・すなわち生態系の変化といっても過言ではないので、十分に調べないといけない。

 あたりの野生ポケモンを比べると、ゴルバット、イシツブテといったポケモンたちが主流であったが、ここの水脈では水系のポケモンも生息しているため、コダックといったポケモンも生息している。だが・・

 「やはりいたな。」

 ここ近年新たに生息しているポケモンが発見されている。

 「サイホーンか。確かにカントー地方のポケモンはシンオウ地方にも多数存在するとはいえ、これまで見たことはなかった。少なくともクロガネゲートではな。発見報告はない。」

 サイホーンをゲットしたいが、残念ながらレベルの差が少々厳しい。仕方ないので、ポケッチで新たに追加された写真機能でとりあえずは記録をした。

 これで、ここにきた目的は達成かな。引き上げるとしよう。

 「・・・それにしてもここの野生ポケモン、上や今までの道路と比べて少々騒がしいな。あまりいい気分にはならない。」

 野生ポケモンが単に活発というわけではなく、なにかこう不穏な空気を感じさせるような騒がしさだ。確かに、生態系の変化はしているが果たしてそれだけなのか・・。

 疑問が晴れるままいつの間にか、明るい陽が射し、クロガネゲートを通ったということを実感した。とりあえず、クロガネシテイについたことだし、今日は休もう。ジュンは今頃ジム戦してそうだし、ヒカリは・・・まぁいいや。地下で少し長居したのもあるが、あんなにレベルの高いポケモンに囲まれると少しばかりか緊張はする。俺のポケモンたちも気がめいってしまってるようだしな。

 

 

 




さて、今回はわりかしシリアスな展開に書いてみました。
 今回の補完はポケモンでいう種族値や努力値や個体値は存在するのか、またハルトのネタバレ防ぐラインでの専攻科目についてですかね。
 まず種族値等の三値は、話にいれるとだいぶややこしいうえに、これらを明確化してしまうと厳選とかの描写が必然的にはいりますので、倫理上どうなのかと思い遠回しないいかたをしてるように心がけています。しかしながら、現代のポケモンではこのような数値や育成論が広まり、またそのように強いられてる時代になったためそのような要素も入れるべきだと思い一応話には入れました。
 また、ハルトの専攻についてですが、彼はシンオウ地方の考古学・・主に神話ですかね。そして、シンオウ地方の地理要素や歴史的背景を学んだといったふうにしてます。
ちょっとインテリ要素が強い気はしますが、後々どうしてそう思うようになったのか伏線を回収していくつもりですので、いつになるかはわかりませんが失踪しないように頑張りたいと思います。
それではまた次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。