「ふう・・・。意外と疲れたな。少しやすも・・・うわ!!」
疲れて少し休もうともたれたところから急に熱風というべきか、温かい風が吹き込んできた。不意打ちにきたのでどうしても焦ってしまう。
「ははは。兄ちゃん。それ空気管だよ。ほら地下通路とかの空気を入れ替えるために定期的に動いているんだよ。あとは、うちは炭鉱の町だからね。こうしなきゃなかなか空気がきれいにならないよ。」
見られてしまったのか・・。いやはや見られてしまったらしかたない。そうか、クロガネシティはシンオウ屈指の炭鉱の町いや、一説によれば世界屈指ともいえる場所でもある。シンオウ地方は寒くて雪が覆われているイメージが強いが、反面地下通路に関しては発展していることでは有名だ。たまに化石が出てきたりするからよく話題になる。確かここのジムリーダーもそうだったな。
「兄ちゃんここの人間じゃないってことは旅人さんだろ?なら、当然ジムに挑戦するよね。じゃあ場所教えてあげるよ。」
短パンの男がそう語る。ここはありがたく道案内してもらおう。
歩いて数分ぐらいか。マンションの近くにあるが、やはりポケモンジムということもあってか存在感を放っている。だが・・・
「おや?あれ前にだれか人いるよ。まぁいいや。ジム戦頑張って。」
短パンの男はそういうと去っていった。しかし、ジム前にいる男見覚えがある。というかあのシルエットはやつしかいない。
「お!ハルトじゃん!!お前も挑戦すんの??だが、残念。ジムリーダーのヒョウタさんはクロガネ炭鉱にいっちまたぜ。まぁ俺はもうジムバッジ手に入れたからどうでもいいんだけどさ。」
さすがせっかち・・じゃなくて行動が早い
「そうか。それじゃあお前どうすんの?ここにいてももう用はないじゃん。」
「そうだな・・。北に行きたかったけど、どうも自転車がないと上がれないから、一度コトブキに戻ってそこからまた北に向かっていくつもりかな。まぁ、もう暗くなるからここで過ごすけど。」
自転車が必要・・?ああ。そういえばテンガンザンの西側はまっすぐに大きな橋がかかったサイクリングロードがあるんだっけな。あの近辺はテンガンザンが見やすいことで有名だもんな。
「わかった。じゃあ俺はクロガネ炭鉱に向かうわ。ありがとな。」
「おう!だけど、暗くなる前にさっさと戻れよ。ここ夜遅くなるとなんでも幽霊がでるって噂らしいぜ。」
おいおい・・そんな迷信に引っかかるかよ。と思いながらも、確かにこの辺り暗くなると見通しが悪い。幽霊が出るのはおいておいて、暗くなってふらつくのはやめた方がよさそうだな。
ジムからクロガネ炭鉱は近いというかほぼほぼ一本道だ。というか、炭鉱がわかりやすい。途中作業員のおっちゃんに何度か話かけられたが、みないい人そうだ。
炭鉱の中はやはり暗い。そのくせ、野生ポケモンもわりといる。とりあえず、奥に進んでみるか。
どれくらい進んだのだろうか。ようやく最深部といったところにたどり着いた。ここまで野生ポケモンと戦っていたりはしたが、みなタフというかそこそこ育てられている印象があった。まぁ、作業員のおっちゃんたちもよく野生ポケモンとバトルするとか言ってたもんな。すると、赤いヘルメットをつけて眼鏡をかけた人が現れた。
「君は・・。なるほどそうか。ちょっとみててね。」
男はイシツブテを繰り出すと、目の前にあった大きな岩を軽々と壊した。
「ポケモンを鍛えればこんな岩だってへっちゃらさ。・・君は僕に挑戦しにきたのだろう。ここまで探しにきてご苦労なことだね。ジム戦今日は厳しいけど、明日なら大丈夫だよ。・・じゃあそろそろ戻るとしようか。」
男はそういうと戻っていった。いやまぁ挑戦するのは確かなんだが、一方的すぎないか。完全にしゃべるタイミングを失ってしまったよ。
とはいえ、ここに長居する意味もないな。いつの間にか二時間ぐらいはいたから、そろそろ戻るか。
炭鉱を出ると、辺りは真っ暗だった。無論町の光はあるものの、炭鉱付近には家がないため光がない。やれやれこれでポケモンセンターに行けるものなのかと。まぁ、とりあえずジム付近にいけばなんとかなるだろう。
少し歩いたが、何か違和感がする。違和感というか、冷気なのか。・・そういえばジュンがここ幽霊がでるらしいぜと言ってたな。いやまさかな。
ふと振り向くと何もいない。まぁ、いるわけないよなと思ったその瞬間いきなり何者かによって攻撃された。不意に突かれたため直撃した。しかし、ただではやられない。こちらもヒコザルを出して応戦する。
「ヒコザルひっかくだ!」
ヒコザルは正体不明の相手に戸惑いながらも、ひっかくを放つ・・しかし、当たらない。そして、謎の敵はシャドーボールを繰り出した。
ヒコザルの身のこなしで間一髪逃れたが、ダメージはもらってしまった。
まずいな・・。相手がなにかわからない。しかし、ポケモンであることは確か。だが、正体不明か。・・・いや、違うな。
よく見るといつの間にか黒い霧に覆われていた。・・黒い霧?ここで俺はひらめき瞬時にヒンバスをだし、黒い霧を命じる。
「やはりか・・・。」
黒い霧にさらに覆われたが、ヒンバスが放った黒い霧と、正体不明の相手との戦闘中に発生した黒い霧とは違う。具体的には色が違うが、微妙に違う。何かが違う。そして、やつはその黒い霧の範囲内しか動けない。
「この霧・・違う。まさか!」
俺はヒコザルをもう一度繰り出し、その不思議な霧からできる限り離れるようにした。・・ここは幸いにも民家はない。なら、盛大にやっても大丈夫。
「ヒコザル・・霧に向かってひのこだ。」
ひのこは不思議な霧にあたる。いやあれは、霧ではない。俺の予想が正しければ・・・
ひのこがぶつかった瞬間大きな爆発が起こり、正体不明の敵もその爆発に巻き込まれた。やはりガスか・・。これ以上悲惨なことにするわけにもいかないのでヒンバスに雨ごいを命じ、さらには水の波動で消火させた。
煙が晴れると、一匹のポケモンがよこたわっていたが、すぐに意識を取り戻した。
「・・正体不明の幽霊はゴースか。」
ゴースは夜にしか出現しないポケモンでしばし幽霊と間違われるが、いくらガスじょうポケモンだからとはいえ、ガスをまとうゴースは聞いたこともない。
するとゴースは、その場からそそくさと去っていったが、いきなり攻撃をふっかけてきた時のような明確な敵意はなかった。とはいえ、これで不穏な空気もなくなり、なんとか無事ポケモンセンターについた。
「さっきなにか爆発する音がありましたけど、大丈夫でした?」
ポケモンセンターのお姉さんから心配そうに聞かれる
「あはは。なんとか大丈夫でしたよ」
それならよかったと語るが表情は浮かない。
「ここの炭鉱昔大きなガス爆発の事故があってね。それでたくさんポケモンや人が亡くなったのよ。だから、たまに幽霊がいるんじゃないのかと不安になってしまうのよね。」
とふとつぶやいた。ガス爆発・・・?さっきの爆発も間違いなくガス爆発だったし、まさかほんとに幽霊が・・・とあれこれ考えてしまう。
ポケモンを回復してもらった後、急いでポケモンセンターのPCで調べる。
クロガネ炭鉱・・ガス爆発・・・
「これか。」
あるサイトがヒットした。クロガネ炭鉱ガス爆発事件の全貌
クロガネ炭鉱ガス爆発事件・・それは昔、何者かがクロガネ炭鉱付近で大量の有毒ガスをばらまき、さらにはポケモンのゴースといったポケモンを使い、辺りに大爆発を起こした事件。 しかし、発生したのが夜であったため、被害は爆発のわりにはあまり出なかったが、少なくとも、炭鉱付近のポケモンはほぼほぼ全滅した。
そう書かれている。さらにこれに続いて、この事件後クロガネシティ全域にしばしば夜にゴースと思われる幽霊がいるという報告があるが、人間に対し明確な悪意や敵意は存在しないと確認されて、特別な処置はしていない。そして極めて信じがたいのはいまだに犯人は捕まっていないということである。
「物騒な世の中になったもんだ。だが、これはまだ俺が幼少期の頃だ。確かに記憶は薄れているが、そうやすやすと忘れるものなのか・・?」
だが、これで一つわかったことがある。俺が戦ったゴースは明らかに普通ではない。なにかによって操られていた・・というか乗っ取られていた。こうなると、幽霊に乗っ取られたということが妥当であるがいまいち説得に欠ける。そして何より、なぜ俺を狙ったのか・・。疑問が深まるばかりだが、これ以上現状考えても意味がない。明日のジム戦に切り替えて今日はもう寝るとしよう。
さて、久しぶりの更新となりますがいかがでしたか?前回に続いてややシリアスというべきか、今後の展開を左右するような感じとなったかとは思います。
さて、今回の補完としてはやはりクロガネ炭鉱の爆発事件とゴースですよね。
ゲームをやった方はご存知かと思いますが、夜になるとクロガネシティ付近の草むらにゴースが出ると一時期噂になったかと思います。まぁ完全なガセネタだったんですがね。そこから引用した形となっています。また、クロガネ炭鉱の爆発に関する文章も、シンオウ地方のモデルである北海道であった実際の事件からきてます。クロガネシティを北海道の地図に合わせてみると、夕張市と一致します。そこの炭鉱で昔ガス爆発があった・・という話ですね。これはポケモンユーザーが巷で都市伝説と騒いでるので有名かと思います。ゲーム本編ではそんな描写は一切ないので、ただの妄想であると思いますが、本稿では入れてみても面白いかなと思い採用することにしました。
補完といいながらも元ネタの説明が雑で申し訳ないですが、気になる方はポケモン都市伝説と調べた方が早いですね。都市伝説なので信憑性を欠ける内容が多いですが。
話はそれた気がしますので、この辺りで締めたいと思います。また、次回もぜひ見ていってください。