俺のリアルFGO   作:砂嵐に潜む昆虫

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とりあえず作者の気分的なサムシングで書いていこうと思う。
そして更新遅れて申し訳ありません。


ロボのはいつでもモフモフボディ

 「うーん…」

 

 俺は今、大型浴場にて現在進行形で悩んでいる。俺の目の前には、お行儀よく伏せながら尻尾を振ってこちらを見ているロボ(図体はデカイが可愛い)。俺も風呂に入っていなかったからこの際と思い全裸で腰にタオル一枚を巻き、右手にはブラシ、左手にシャワーヘッドを持っている。

 

 「………どうやってロボの体洗おう」

 

 おまけに、俺が今抱えている悩みも他人から見れば割りとどうでもいいことである。しかし何故、俺がロボの体を洗おうとしているのか。それは今からおよそ十数分前の話だ。

 

 「えっ、俺にロボの体を洗って欲しい?何だって突然」

 

 「……」

 

 今日は特に欲しい種火クエストも素材クエストも無く、マイルームで入浴時間まで読書に耽っていた俺は、マイルームにやってきたサーヴァント――新宿のアベンジャーの片割れことヘシアンからのお願いに疑問を浮かべた。

 このカルデア最初のエクストラサーヴァントとして召喚に応じてくれた新宿のアベンジャー。当初はロボやヘシアンから微塵も信頼されてなどいない俺は、全力で保管室に放置していた種火を使いレベルを上げ、種火周回に連れ回したものである。

 その成果もあってか、今はヘシアンとは読書仲間に、ロボからは体をモフモフさせてもらうほどの仲になったのである。だが、流石に体を洗い合う程仲が超良い訳ではないと俺は思っていた。だからこそ、今回のヘシアンからのお願いは意外と言えば意外である。

 

 「……」

 

 「『マスターがどう思っているのかは知らないが、彼はもうすっかり君の事を信頼しきっている』ねぇ…。いや、それは俺としてはマスター冥利に尽きるってもんだが、ロボの体洗う担当は俺じゃなくてヘシアンやんか。だったらヘシアンが洗ってやんなさいよ」

 

 「……」

 

 「えっ、『それにこのお願いはロボ自身が私にお願いしてきたことである』かぁ。それを言われて断ったら後が怖そうだな。分かったよ、俺ももうそろそろ入浴時間だし、この際だロボの体も洗ってやんよ」

 

 「……」

 

 「何?『因みに今まで彼の体を洗ってきた私の経験ですが、彼の体毛は中々のクセモノですよ』?。大丈夫大丈夫、俺はあいつのマスターやぞ?今まで多くのクエストを乗り越えてきたロボのクセモノ体毛なんぞ綺麗に洗ってやるよ。なんなら体毛キューティクルに仕上げてやろうか!?……………『それは流石に彼も憤慨するかと』か………それなぁ!」

 

 そんな下らない会話を経て、話は冒頭に戻るのである。とりあえずそろそろ俺も体を洗って熱々の湯に浸かりたいのでロボの濡れた体毛に洗剤をつけたブラシを使って擦り始める。

 

 ゴシゴシ…

 

 「おぉ、確かにこれは中々のクセモノ体毛だな。毛元までブラシ通らねぇ」

 

 「ワフッ」

 

 「そうかそうか、気持ちいいか!」

 

 ゴシゴシゴシ…

 

 「次は首元…って首元の体毛滅茶苦茶反発力高ッ!」

 

 ゴシゴシゴシゴシ…

 

 「次は体をっと……」

 

 ゴシゴシゴシゴシゴシ…

 

 「…………」

 

 ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ…

 

 「いや、最早クセモノ体毛なんて領域の話じゃねぇだろ!おまけにロボの体デケェから疲れる!!」

 

 頭から胴体半分までいった所で、俺は手に持っていたブラシを浴場のタイル貼りの地面に叩きつける。その突拍子もない行動には、気持ち良さそうにしていたロボも一瞬だけ驚く。

 

 「ハァ……ハァ……つ、疲れた。てか湯冷めする少しだけ風呂の湯に浸かろう。このままじゃあ俺が風邪引く」

 

 俺は冷えだした自身の体を温めるためにロボの体を洗うのを中断し、熱々の湯船に浸かる。因みに、自分の頭と体はロボの体を洗う前にさっさと洗っておいたので全く問題ない。

 

 「はぁ~極楽極楽。やっぱり日本人は風呂に限るわぁ。日頃の周回やら素材集めやら人理修復の疲れが抜けていくじぇ」

 

 「ワンッ!」

 

 「あぁごめんなロボ、俺もそろそろ風呂入らねぇと風邪引いちゃうんだわ。少し浸かったらまた体洗ってやるからってロボ?何してんのなんで泡ついたままこっち来るのえっちょっ待って待ってて!」

 

 「ワン!」

 

 俺の制止虚しく、ロボは伏せていた場所から大きく跳躍し、マサキのすぐ横に着水する。これがロビン・フッドのようなサーヴァントであれば敏捷で避けられたかもしれないが、俺は只の人間で魔術師だ。ロボのそれを避けらる訳もなく着水の際に生じた小さな波にのまれていく。

 

 「よぉ大将。今から俺らも入って良いかって…大丈夫ですか大将それ」

 

 ロボが風呂にダイブした数分後、浴場の横開きの扉を開けて現れたのは、クラスアーチャーのロビン・フッドである。その後ろにはクラスアサシンの呪腕のハサン、そしてクラスランサーのカルナがいた。

 

 「……大丈夫に見えるか?」

 

 「いや全く見えねぇ。大方新宿のアベンジャーが突っ込んで来たんだろ?」

 

 「そうそう、てか逆にこの状況で分からない奴このカルデアにいないだろ。いたらいたでそれは只のアホだ」

 

 「だよな」

 

 「魔術師殿、お怪我はありませぬか」

 

 「大丈夫大丈夫、これぐらいで重傷とか負ってたらカルデアのマスター勤まらんでしょ」

 

 「しかし、もし新宿のアベンジャーが邪魔だと言うのであれば、オレとロビンと呪腕で退かせるが、どうする?」

 

 「いいよいいよしなくて、ロボも寒かったんだろ風呂に入れておこうや。それに、ロボいてもまだ3分の2空いてるし」

 

 「ワンッ!」

 

 「そうか、了解した」

 

 風呂場の惨劇を目の当たりにした三人はそれぞれ三者三様の反応を見せた後、これ以上特に言うことは無かったらしく各々が体を洗ってから湯船に浸かる。

 

 「ハァ~いい湯だねぇ。まさかサーヴァントになってから風呂に入れるなんて、人生何があるのか分かったもんじゃねぇなぁ」

 

 「そうですなロビン殿、しかしてマスターよ。何を思ってこの巨大浴場を作ろうと思われたのですかな」

 

 「あぁこの巨大浴場?あれだよあれ、俺の持病のよく分からないテンション症候群だよ」

 

 「なんだよその病気初めて聞いたわ。どうりでこの間までバニアンが楽しげだった訳だ。つか、流石にここまで大きくしなくても良かったんじゃないか?」

 

 「だってこの巨大浴場作る前は簡素なシャワー室しか無かったんだぞ!日本人なら銭湯位のでっかい風呂でサーヴァント達とワイワイしながら入ってさっぱりしたいだろうが!」

 

 「そんなもんかねぇ」

 

 「……オレは時々マスターの考える事がよく分からん。湯浴びなど、一人で入るも複数で入るも関係ないのではないか?」

 

 「違うんだよカルナ、そういうのは気持ちの問題だよ。お前だって一人だけしか入れない風呂に入るより、大勢が入れる風呂でワイワイした方が楽しいだろ?」

 

 「そういうものなのか?」

 

 「そういうものそういうもの」

 

 「そうか、理解した」

 

 「さて、俺は先に上がろうかね。他の三人は風呂楽しんでな」

 

 そんな和気あいあいな感じで話ながら風呂を楽しんでいた俺達だが、先に入っていた俺は頃合いを見て風呂から上がる。ロボもそれに付き添うように風呂から上がり、脱衣場に向かう。

 

 「さて、次はロボの体を拭くわけだが…」

 

 「ウゥゥゥゥゥ…」

 

 さっさと服を着た俺は、首を勢い良く振って水分を飛ばしているロボに視線を向ける。体毛は水分を飛ばしたにも関わらず未だ湿り気を帯びており、ロボはそれが不快なのか何度も首を振っている。

 

 「よしよしロボ、今俺が体拭いてやるからな」

 

 「ワフッ!」

 

 そう言うとロボは嬉しそうに一鳴きしてから伏せ、俺は大柄サーヴァント用にダ・ヴィンチさんが作った大きなタオルを持ってからロボの体を拭き始める。

 

 ゴシゴシ…

 

 「うわぁこれはひどいな。毛穴付近に滅茶苦茶水分たまってるよ。ロボ、これはどれだけ首振っても水分飛ばねぇわ」

 

 「ウルルルル…」

 

 「怒らない怒らない、俺が拭いてやるから」

 

 「ワフッ!」

 

 ゴシゴシゴシゴシ…

 

 「いやもうこの流れもう風呂でやったわ!」

 

 流石にこの流れには乗るつもりは無かった俺は、手に持っていた大きなタオルをその場に叩きつける。その奇行を見ていたロボは、二度目とあってか全く動じていなかった。

 

 「くそっ、どうすれば効率良くロボの体を乾かせるんだっ!」

 

 『……まさかとは思いますが大将、ドライヤーっていう文明の利器の存在忘れてませんか?』

 

 「………ぁ」

 

 俺がロボの体毛をどうやって乾燥させれば良いのか分からず悔しがっていると、浴場から聞こえてくる鶴の一声(ロビンの言葉)で、脱衣場には当然備わっているはずの存在に俺は今更ながらに気がついた。

 その際俺の口から小さい声が出たのは、近くにいたロボにしか聞こえていない。

 

 『…はぁ、なんでドライヤーなんてハイテクな物が無い時代を生きてきた俺達が先に気づいて、大将が気づかないんだよ。普通大将が真っ先に思いつくだろ』

 

 『……申し訳ない魔術師殿、こればかりは私も弁護のしようがありませぬ』

 

 「…………」

 

 ロビンからは呆れられ、呪腕はとても申し訳なさそうされ、そんな二人の言葉が浴場の扉越しに俺のメンタルをえげつないくらい抉っていった。

 俺はロビンからの忠言のもの、無言で洗面所の壁に備え付けてあるドライヤーを一個と新しいタオルを用意してから再びロボの体をドライヤーで乾かしながら水気をとっていく。

 

 「……」

 

 「クゥ~ン」

 

 「…大丈夫、大丈夫だからロボ、慰めるかのようにそっと顔を舐めるんじゃないよ。別に…別に泣いてないから、お前の剛毛に気が散りすぎてドライヤーに気づいてなかったわけじゃないし、ただ忘れてただけだし…」

 

 ロボの体を乾かし終わるまでの間、俺はずっとロボに頬を舐められ続けていた。止めろよロボっ…俺泣いてない!この頬をつたっているしょっぱい液体は涙じゃなくて頭から流れた汗だからっ!

 その後、ロビン達が風呂から上がる頃に、俺はロボの体を完璧に乾かし終わっており、乾かし終わったロボの体毛は、様子を見にきたヘシアンも今まで見たことが無いほどツヤツヤでモフモフだったそうな…

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