インドの奮戦と敗北、そして…   作:空社長

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蠢く暗躍する影の方は次回に回します。すいません。




オリジナル登場人物解説出さないとなぁと思ってきました。


chapter5 悪夢の進撃

 

4月25日…

 

 

 

~アメリカ軍インド方面ムンバイ臨時作戦司令部~

 

 

士官「司令。パンジャーブ、ハリヤナへの核攻撃後、BETA梯団20万以上の個体の殲滅を確認しました。」

 

エイデン「これで、一安心だな…おっと…」

 

士官「…また、地震ですか…しかし、最近地震が続いてますね…」

 

エイデン「あぁ、俺は妙に嫌な予感がする。」

 

士官「嫌な予感ですか…」

 

エイデン「…少し屋上へ出るぞ。風を浴びたい。」

 

士官「では、私も。」

 

 

 

 

 

 

臨時司令部としてインド管区海軍西部コマンドから使用を認可されたムンバイ司令部の屋上…

 

 

 

 

エイデン「…『Hey…』」

 

マティアス『トーマス少将か…』

 

エイデン『…数日ぶりですね、レアード国防長官。』

 

マティアス『お前が私的の電話を入れてくることも慣れたよ…まったく…で、何の用だ?』

 

エイデン『パキスタン方面の戦況を確認したい。』

 

マティアス『…分かった、直ぐに情報を送るが、少し話そう。』

 

『首都イスラマバードは放棄され、既にBETAの占領下にある。そして、パキスタン管区政府はムルターンに遷都していたが、BETAの猛攻により、さらに遷都し、現在クエッタに臨時首都を置いている。軍司令部はロラライに移動した。パキスタンは既に北部領土を損失して、インダス川東岸の領土は放棄している。』

 

エイデン『なぜ、最大都市であるカラチに遷都を行わないのでしょうか?』

 

マティアス『……憶測に過ぎないが…国民へ大統領は逃げないということを示したいのだろう。』

 

エイデン『…なるほど…』

 

マティアス『他には…?』

 

エイデン『…最近ムンバイ周辺、いえ、北側ですね。地震が起きている。探ってくれませんか?』

 

マティアス『それは地震学者に…』

 

エイデン『…嫌な予感がする。ただの地震ではないような気がする。』

 

マティアス『…分かった…探ってみよう…』

 

 

 

 

 

 

エイデン「…あれは…」

 

マティアス『どうした?』

 

エイデン「少し待ってください。」

 

 

エイデンは双眼鏡を取り出し、除くと…

 

 

1条の光が伸びてるのがはっきり見えた…

 

 

 

エイデン「あれは…」

 

その時…エイデンは悪寒がした…

 

 

 

エイデン『…国防長官。』

 

マティアス『トーマスか…少し緊急事態だ。』

 

エイデン『何が…』

 

マティアス『…在パキスタンの大使館との連絡がとだえた。既に定時連絡が来ているはずなのに途絶えた…第五艦隊から通信させているがそちらも繋がらないらしい…』

 

エイデン『…監視衛星をクエッタ上空へ回したらどうでしょう…』

 

マティアス『……そうだな。』

 

 

 

 

 

 

その頃…アメリカ国防総省…

 

 

 

 

 

 

マティアス「…監視衛星をクエッタ上空へ回せ!」

 

職員「そんな事するよりも大使館への連絡を!」

 

マティアス「俺が今更パキスタンを監視するか?!クエッタの状況を確認するんだ!連絡などさっきからしてるが途絶えっぱなしだ!」

 

職員「…分かりました…」

 

 

 

 

その後…監視衛星の映像がモニターに移され、マティアス以下職員達は言葉を失った…

 

 

 

その映像は上空からパキスタン管区臨時首都クエッタを移していたはずであった…

 

しかしそこには…中心部は消滅し…外縁部に辛うじて建物の残骸が残ってる更地であった…

 

 

 

マティアス「……これは…」

 

 

 

黙って数十秒後…

 

 

マティアス「ムンバイの部隊とインド軍に情報を送信しろ。第五艦隊には私から伝える。」

 

 

マティアス『…リアム。』

 

リアム『国防長官…』

 

マティアス『クエッタが…』

 

リアム『消滅したと…?』

 

マティアス『…そ、そうだ。なぜ、知ってる。』

 

リアム『薄々勘づいていたのですよ。ジャンムーみたいにね…』

 

マティアス『そうか…リアム、貴様はロラライのパキスタン軍司令部と連絡を取れ。情報を集め、トーマス少将の所に送れ。』

 

リアム『はっ!』

 

 

 

 

 

 

そして…場所は戻り、臨時司令部屋上…

 

 

 

エイデン「…」

 

士官「司令!緊急事態です!」

 

エイデン「すぐに戻る!」

 

士官「では!…」

 

 

 

エイデン「…化け物め…」

 

 

 

 

~アメリカ軍インド方面ムンバイ臨時作戦司令部~

 

 

 

 

 

士官1「パキスタン管区臨時首都クエッタが消滅しました。現在、パキスタン国内は混乱状態、一応、ロラライの軍司令部にいたイブラム・ハーン中将が臨時大統領に就任。混乱を収めようとしてますが、同時にBETA梯団が侵攻を開始、民間人の避難が上手くいってません。」

 

エイデン「……インダス川防衛線が崩壊したか…」

 

士官1「はい…ハーン中将は最高司令官ではありません。また、光線はただの光線ではなく…荷電粒子砲という事です…その影響で電磁波により通信システムがダウンし各部隊が各個に孤立してる状況です。」

 

エイデン「立て直せるのか?」

 

士官1「分かりません。数日中は無理だと思いますが…」

 

エイデン「…第五艦隊に一任するしかないか…」

 

ドタドタドタ…!

 

 

 

 

士官2「司令!BETAがこちらに…!」

 

かなり、焦ってより…言葉を選べなかった…

 

 

エイデン「詳細を話せ!」

 

士官2「ふぅ…はっ!」

 

 

「…前線部隊の前方にBETAが出現しました!」

 

 

 

エイデン「突然か!?数は?」

 

士官2「いえ…地中から現れたのです…数は確認できるだけでも10万以上。」

 

エイデン「地中…地中侵攻だと…」

 

士官1「司令、最近続いていた地震はまさか…奴らが掘削していた振動では…?」

 

 

ダンッ!…

 

エイデンは机を激しく叩き…

 

 

エイデン「くそっ!!今までの嫌な予感はこれか!」

 

 

士官1「しかし…ジャンムーから前線部隊のアフマダーバードまで1000㎞以上あります。いくら、ジャンムーから生産したとはいえ…直ぐには…」

 

士官2「司令、本国より通信です。」

 

エイデン「分かった。」

 

 

エイデン『トーマス少将です。』

 

マティアス『トーマス少将…情報を送る。見ながら聞いてくれ。』

 

 

エイデン『…これは…』

 

マティアス『あぁ…核攻撃が行われる数時間前だ。約50万のBETA梯団がいる。分かるな?』

 

エイデン『…ニューデリーに向かった20万とこちら側へ向かった10万以上の個体……』

 

マティアス『そうだ。奴らは…再生産されたのではない。分かれたのだ。途中でニューデリー方面とムンバイ方面で!』

 

エイデン『…他の20万は一体どこに…』

 

 

 

 

 

 

 

 

士官3『司令!緊急事態です!前線部隊が前方のBETA群を全力迎撃していた矢先、後方、アフマダーバード市街地に20万近いBETA群が出現!地中侵攻と思われます!現在、後方支援及びミサイル連隊が急襲を受けており、壊滅寸前!現地部隊司令部との通信途絶!前線部隊が挟撃の危機にあります!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その報告に臨時司令部の人員のみならず…通信が繋がっていた国防総省のマティアス・レアード国防長官とその通信を聞いていた数人の職員が唖然とし凍りついた…

 

 

 

 

 

 

…遡ること30分前…

 

 

 

~アフマダーバード防衛線~

 

 

 

そこでは…多数の車両が並んでいた……

 

 

 

アメリカ合衆国陸軍第十一機甲師団…通称エンペラー師団…

 

 

主力戦車から、歩兵戦闘車、装甲車、自走砲、自走対戦車ミサイル、自走対空砲、自走多連装ミサイルシステム、直援の攻撃ヘリまで編成されている特別機甲師団であり…小国ならば滅ぼせるほどの部隊であった…

 

 

 

その師団長であるグルトニー・イロンス中佐は…

 

 

グルトニー「さっきからの地震は…なんだ…嫌な予感がしてしょうがねぇ…」

 

戦車兵「ええ…核攻撃が行われる1時間ほど前から地震が頻発しています。」

 

 

グルトニー「さっさと収まって欲しいが…」

 

 

 

「…ん…何だこの振動は…大きい…が、地震じゃねぇこれは…」

 

 

 

 

 

 

その後…巨大な振動は続き…収まりかけた瞬間…

 

防衛線から前方10㎞の地面が巨大な衝撃音とともに土壌を吹き飛ばした…

 

 

 

 

 

グルトニー「…なんだ!?」

 

戦車兵1「…確認してます…BETAです!」

 

戦車兵2「レーダーで数を確認中!数は数百…数千…は…さらに増大中!」

 

グルトニー「…地中からだと!?奴ら、地中から来たのか!」

 

 

『全車両砲撃準備!急げ!食われるぞ!』

 

 

 

 

 

戦車隊は砲撃準備を完了し…砲手達は照準器を覗き込んでいた…

 

後方にいたMLRSで構成される対地ミサイル連隊は射程が長い為、準備出来次第誘導ミサイルを発射し始めた…!

 

光線属種がいないのか、迎撃は全くなく、対地ミサイルが次々にBETA群へ降り注いだ…

しかし、戦車級や要撃級ならダメージを与えられるが、装甲が硬い突撃級は当たりどころが悪ければ弾かれ、要塞級はあまり効果がなかった…

 

 

 

 

 

 

そして…BETA群が3㎞に迫ったところで…

 

 

グルトニー『全車狙え。まずは亀野郎の下部だ!砲撃開始!』

 

 

 

その号令とともにM1A3エイブラムスIII主力戦車は120㎜滑腔砲から改良型劣化ウラン弾を叩きだし…M2A5ブラッドリー歩兵戦闘車は20㎜ 劣化ウラン弾の雨を浴びせ、対戦車ミサイルを撃ち尽くせるまで撃ちはなった!

 

 

 

 

その後…5分で突撃級を殲滅した…

 

 

 

戦車兵1「よっしゃぁ!俺の戦車は10匹撃破したぜ!」

 

戦車兵2「俺のところは12匹だ!勝ちだな!」

 

グルトニー『私語は慎め。次が来る。』

 

 

 

 

そして、BETA群中衛が接近してきた…

 

 

 

 

 

戦車兵「なんとか…やれましたな。」

 

グルトニー「大侵略を戦い抜いた我々だから出来たことかもしれん。だが、中衛、戦車級や要撃級は問題ないとして…問題は…」

 

戦車兵「…要塞級ですか…」

 

グルトニー「あぁ…速度は遅いが、鉄壁の装甲を持ち、触手による中距離攻撃が可能だ。」

 

戦車兵「どうします?」

グルトニー「決まってる…役割分担だ。」

 

『ブラッドリー部隊は戦車級、要撃級を狙え。戦車部隊は要塞級に全力攻撃を集中しろ!』

 

 

戦車部隊は要塞級へ砲撃を集中…

 

ブラッドリー歩兵戦闘車を含む部隊は戦車級や要撃級への攻撃を継続した…

 

 

そして…

M2A5ブラッドリー歩兵戦闘車を含む装甲部隊が数両が破壊されたものの、戦車級、要撃級を含む数百の個体を撃破し…

M1A3主力戦車部隊が数両を串刺しにされながら要塞級を一体撃破していたとき…

 

 

 

異変は起きた…

 

 

 

 

グルトニー「…上手く行きそうだな…っ!…また振動か!?」

 

戦車兵「振動数…発生場所は…後方です!」

 

グルトニー「何!!」

 

 

その時、グルトニー以下数名が後ろを振り返った瞬間、アフマダーバード市街地内で爆煙が発生…土壌や瓦礫等が吹き飛ばされていた…

 

 

グルトニー「…アフマダーバード防衛司令部へ連絡!避難準備しろと!地中侵攻だと伝えろ!」

 

アフマダーバード防衛司令部

『こちら、司令部…我々は無理だ…逃げ道を失い…戦車級が登ってきている。既に数人が食い殺された…もう…バンッ…ドサッ』

 

グルトニー「…くそっ!…対地ミサイル連隊に退避命令!」

 

戦車兵「無理です!既に…」

 

 

対地ミサイル連隊

『こちら、対地ミサイル連隊…くそっ!化け物が当然地中から…ぐわっ…』

 

『やめろ…助け…』

 

『機甲部隊助けに来てくれ!俺らは…俺らは…ガハッ…』

 

『くそぉっ!化け物来るなぁ…来るなぁ…いだァァァァァァァァァい…』

 

 

 

 

 

グルトニー「…舐めていたのかもな…」

 

戦車兵「…中佐!後方より…BETA群!」

 

グルトニー「数は…?」

 

戦車兵「前方の2倍とも思われます。」

 

グルトニー「つまり…20万以上か。」

 

 

 

戦車兵「…死にたくありません我々は…どうすれば…」

 

グルトニー「…泣き言を言うんじゃねぇ!!それでも米国軍人か!アメリカンヤンキーか!守るものが亡くなったとしても…我々は戦うのだ。」

 

 

 

 

『全部隊…これより東への撤退行動に移る。中継地点はボパールを経由しインド東海岸に向かう。危険なものだがやり遂げられれば…価値はある。戦闘しつつ後退に入れ!まずは装甲の薄いやつから撤退させる。我らエイブラムス戦車部隊が殿となり、貴様らを撤退させる。終わるまでが勝負だ。これが最後の戦闘となる。諸君らの健闘に期待する!』

 

 

残った対地ミサイル部隊や自走対空砲、対空ミサイル部隊、装甲車、歩兵戦闘車が続々と撤退行動に移り、イロンス中佐直属の戦車部隊以外の戦車部隊はその護衛についた…

 

 

 

 

その後…

イロンス中佐直属の戦車部隊、数十両はその場に残り、撤退の時間を稼いだとされ…撤退部隊がその場から全て去った後の記録は一切なく…

後日観測衛星による当該地域の観測により、イロンス中佐直属の戦車部隊が全滅したことが分かり、イロンス中佐以下戦車兵は戦死したとされた…

 

撤退部隊はイロンス中佐の戦車部隊の時間稼ぎにより途上の襲撃による死傷者は出したものの、無事東海岸へ到達し、アメリカ合衆国海軍太平洋艦隊のワスプ級強襲揚陸艦に助けられた…

 

 

 

 

 

そして、時は…アメリカ軍インド方面ムンバイ臨時作戦司令部…に戻る…

 

 

 

 

全員が凍りついて数分後…

 

 

 

 

 

マティアス『トーマス少将…これを見てくれ…』

 

トーマス『これは…』

 

 

 

 

そこには移されたのは…ジュリーナガルに建設された巣の出入口に鎮座していた奴だった…

 

 

超重光線級に酷似はしているものの、それとは完全に別格の存在であった…

 

 

 

頭部の円状に展開された8個の球体よりその中心にエネルギーが集められていた…

 

 

 

 

 

マティアス『…先程、ジュリーナガルで観測された未知の個体だ。我々アメリカ国防総省は現時点で光線属種に含まれる個体と予想している。エネルギーが充填完了するのは2分以内だと思われる…予想目標は…』

 

 

 

トーマス『ムンバイ臨時司令部よりムンバイにいる全部隊へ。ムンバイからの退避急げ!現時点で施行されている命令を全て中止、最優先命令として退避、避難、撤退を命ずる!』

 

 

 

 

マティアス『エイデン…死ぬなよ…』

 

 

 

 

 

トーマス『…はっ。』

 

 

 

 

 

 

 

しかし…2分で退避が完了できるわけがなく…

 

 

 

 

 

 

無慈悲にも…謎の未確認個体から荷電粒子砲に似たエネルギーが発射され…ムンバイに当たる直前で拡散し…

 

 

 

 

 

インペリアルツインタワーを含むムンバイに立ち並ぶ高層ビル群を次々とエネルギーの奔流が貫き…

 

 

臨時司令部にもエネルギーが直撃し…

 

 

 

 

エイデンは強烈な閃光と爆煙を見た瞬間、そこで意識を手放す…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後…

エイデンは何故か生きていた…

 

エイデン「ん…ここは…」

 

 

 

…臨時司令部より高さ10m…距離50mも吹っ飛ばされ…路上に仰向けで倒れていた…

 

 

 

 

 

そして…エイデンが周りを見渡すと…

 

 

インド最大の都市は悲惨な状況になっていた…

 

 

 

 

様々なビルが崩れさり…燃え……そして…軍人や軍産複合体関係の民間人などが海へ向かって逃げていた…

 

 

 

 

その後…エイデンが違和感を感じ…横にずれると…部下が自分の体の下敷きになっていた…

 

エネルギーの直撃の時に既に死んでおり、偶然にも衝撃の緩衝材となっていた…

 

 

エイデン「…また…部下を死なせてしまったか…私だけ生き残って…」

 

 

 

最後に自分の体の状況を確認すると…

 

 

左足が膝下より損失しており、右足はギリギリ皮膚で繋がっていた…

 

右手はえぐれている部分があり…左手は指数本が無くなっていた…

 

 

 

 

 

 

 

士官1「司令!ご無事で!」

 

士官2「よし、運ぶぞ!」

 

エイデン「やめろ。」

 

士官3「え、しかし…!」

 

エイデン「やめろと言ってるんだ!俺がこの出血量で港まで耐えれると思うか…?それよりも…まだ救える士官を搬送しろ!」

 

士官2「…ですが…少将閣下にはこの世に未練はないのですか!!」

 

エイデン「無い!…」

 

士官1「え…」

 

エイデン「…俺は元々不幸だったんだ。まだ小さい時から家族を亡くし…少し大きくなってからは友達もできたがその友達は交通事故で無くなり、その時に一緒にいた俺は生き残り人殺しの烙印を押された…俺は15歳の頃に兵士になり…アフガン、イラン、サウジアラビアを戦った…不幸だから…この世に未練はないと死にたかったからな…だが、生き残り、少将まで昇進してしまった…そして妻もできた…だが…不幸だからなのか…妻にも被害が及んだ…。だから、子供を産んだ後は離婚してもらい…もう、生涯孤独の身だ。」

 

数秒間の沈黙の後…

 

士官3「本当に…いいんですか…?」

 

エイデン「…構わない…俺に楽をさせてくれ…」

 

 

 

その時…エイデンは普段は見せなかった涙を流していた…

 

 

 

「…俺はもう、苦しみたくない…」

 

 

 

 

 

士官1「司令…分かりました…ですが…武器は渡します…」

 

士官2「最後の抵抗…見せてください!俺達に!」

 

エイデン「…あぁ…。」

 

 

 

そして…エイデンの元に

 

…散弾銃…重機関銃、軽機関銃、小銃、対戦車ライフル、対物ライフル、携行型対戦車ミサイル、対空ミサイル、C4爆薬、グレネード…そして、全ての弾薬…

 

が集められた…

 

 

 

 

 

エイデン「…全く…豪華だな…」

 

 

 

その後…生き残った軍人、民間人等の退避が完了。

全ての人々が輸送艦、揚陸艦等に乗った…

 

 

 

 

 

そのときに…

 

 

 

 

ムンバイ市街地に地中侵攻が発生…

 

 

振動が起こり、いくつかの高層ビルが倒壊、

 

それが原因で奇しくも、BETAの侵攻ルートがエイデンのいる1つに絞られた…

 

 

 

エイデン「来たか…」

 

エイデンはまず、対戦車ミサイルを取り出し…

 

エイデンの姿を捉えた戦車級に…

 

 

エイデン「…喰らえ!」

 

対戦車ミサイルを御見舞した…

 

見事に命中し…爆散した…

 

 

エイデンは咄嗟に次の対戦車ミサイルを取り出し…

 

次々と接近してくる戦車級に当て続けた…

 

 

撃破される戦車級が20体を超えた頃…戦車級が全て後退し…要撃級が前衛に出た…

 

 

エイデンは咄嗟に武器を変え、対物ライフルを取り出し…

 

頭部に連続して当て…死滅させた…

 

 

その後も…エイデンは対物ライフルを使いこなし…死滅させし続けた…

 

 

 

その後…戦車級と要撃級合わせた群体で前進し始めたが…たった1本の細い道しか通れないため、様々な武器を使いこなすエイデンの各個撃破の良い的になった…

 

 

 

 

 

 

その頃…未確認個体のエネルギー再充填が完了…

 

同士討ち等を考慮に入れず…エネルギーが発射された…

 

 

そのエネルギーの奔流は前回と同様…ムンバイの直前で拡散し…ムンバイ市街に降り注いだ…

 

エイデンのいる場所にも…

 

 

 

 

奔流が接近してる中…

 

エイデン「…やっと…死ねる…な…」

 

 

1秒後、エイデンがいる場所をエネルギーが飲み込んで行った…

 

そして、それが晴れた時…エイデンの姿は無かった…

 

 

 

 

 

…ムンバイ沖にいる原子力空母ロナルド・レーガン甲板上…

 

 

士官1「…最後まで奮闘した少将閣下に敬礼!」

 

その空母の乗組員ではなく…ただの陸軍兵士だった彼だったがその言葉に…全ての…陸海空関係無しに…その言葉が聞こえた全ての兵士が敬礼をした…

 

 

 

 

~アメリカ国防総省~

 

 

マティアス「…なに…そうか…エイデンが死んだか…」

 

職員「…どうします?」

 

マティアス「彼は民間人、部下を守ったのだ…戦死扱いだが…勲章を贈ってやれ。そして…陸軍元帥に昇進だ。彼の家族にも慰霊金を支払おう。」

 

職員「了解致しました。」

 

 

マティアス「…どっかで生きてくれると嬉しいが…無理だろうな…あの生き残ることに関しては幸運な男も。」

 

 

 

~インド管区軍ニューデリー総司令部~

 

 

アサーヴ「ムンバイが落とされた…?」

 

将校「はい。アメリカ軍からそう伝達がありました。」

 

アサーヴ「…これで…パキスタンとは繋がれなくなるし…第五艦隊の支援も望めんな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

ムンバイ陥落…

 

 

これは援軍に来た各国軍にとって…様々な思いがあった…

 

 

 

インドはさらなる窮地に陥ることになる…




やばいですね(^p^)



次回予告

chapter6 蠢く暗躍する影

戦士達の死が全て報われるとは限らない…
影がついに姿を現す…

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