インドの奮戦と敗北、そして…   作:空社長

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ふう…ここまで来たァ…


chapter6 暗躍する影

4月25日深夜

 

新ソビエト連邦 サハ共和国ティクシ

 

サハ共和国北部、レナ川河口にあり北極海ラプテフ海に面した港湾町、北極海の重要な港湾の1つであり、約6000人が暮らしている()()()()()

 

だが、今のティクシには住民の姿が見受けられず、住宅街や港湾は無惨にも破壊され、空港の管制塔のみが無傷に残されていた。

元より『大侵略』によってティクシはロシア空軍の飛行場や空港の滑走路等がズタズタに破壊されており、空港は解体されることも無く放棄されていた。

 

しかし、現在のティクシの惨状は『大侵略』とは無関係だった。ティクシにいた全ての住民は皆殺しにされた。

何故か明かりのついている空港管制塔にいる地球人では無い者によって。

 

ティクシ空港 管制塔

 

黒い羽衣を着た3人の謎の人物がたった一つの丸いテーブルを囲んで椅子に座り、テーブルの中央に置かれたホログラム装置と会話していた。

 

3人とも紫色の肌を見せるが完全に顔を覆い尽くし、ホログラム装置の通信相手は顔を見せず、『Z』というマークが映し出されていただけであった。

 

「なるほど…インド、パキスタンの制圧は順調ということか、ギュルティーゲ」

 

ギュルティーゲと呼ばれたホログラム装置の先の通信相手は答える。

 

『はい、パキスタンはインダス川を超え、我々の軍団を侵攻させています。ルクス(光線)級だけで十分であります』

 

『インド方面は北部のヒマラヤ山脈南側地域の制圧は順調、インド南部もムンバイを超え、侵攻中であります。疎開がほぼ完了しており、全くと言っていいほど、人がおりません』

 

「そんなものはどうでもいい。文明の全てを破壊し尽くせ」

 

『はっ!報告を続けます。

北部、南部の制圧は順調ですが、首都ニューデリーを含む首都圏制圧がうまくいっておりません。ニューデリーは鉄壁の防御により、光線による破壊を試みるも弾かれています。』

 

「その件についてはある人物に任せておる、タイミングを合わせるのだ」

 

『人を、人間という資源を信用するのですか?我々は人をも超えた高等生物、どうなのです?ラノル』

 

「ラノル」と呼ばれた男は顔を覆うフードを外し、わざとホログラム装置の相手と向き合う。

その顔は地球人とは異なる…紫色の肌をしており、額の中央と左目に傷跡があり、頭はスキンヘッドとなっていた。

 

「信用はしていない。人間の悪知恵を利用しているだけだ」

 

『はっ』

 

「宰相閣下から通信が来たぞ」

 

別の男がそう言うと、ホログラム装置から新たなホログラムが現れ、「宰相」と呼ばれた人物の顔が映される。

その人物の顔は「ラノル」と似ており、登坂帽子のようなものを肩の上に載せて装飾が豊かな少し豪華な服装をしていた。

 

「宰相」は3人を見渡した後、すぐに口を開く。

 

『ギュルティーゲよ、よくやっている。人類の殲滅と"あの目的"は忘れておるわけではあるまいな?』

 

『分かっております』

 

『よろしい、我らが神のために!』

 

「「「我らが神のために!」」」

 

『我らが神のために!』

 

「我らが神のために」

そう宰相が声を上げて言うと、続けてラノル含む3人の男が復唱し、ギュルティーゲも復唱する。

それを聞き、満足したかのように頷きながら「宰相」のホログラムは消える。

 

「ギュルティーゲ、引き続き作戦を継続せよ。ニューデリー打開策は貴様も考えることが出来よう?」

 

『もちろんだ』

 

「新ソ連、大亜共和国はどうなっている?」

 

「既に報告が入っている」

 

「新ソ連方面はシベリア地域の制圧完了後、西進を開始。2手に分かれたようだ…ノヴォシビルスク、エカテリンブルク方面で進撃中だ」

 

「大亜共和国方面はラサを制圧後、重慶に向かって進行中…現在迎撃を受けているが、問題は無いらしい」

 

「航空戦力がない状態で通常機甲戦力での迎撃はたかがしれている。」

 

「これにて報告は終わりだ。各自、我々ARIAの名誉の為に

全力を尽くせ!」

 

「「「аннигиляция!!!」」」

 

彼らは三度『ARIAの名誉の為に!』とロシア語の様にも聞こえる言語で復唱し、解散した。

 

 

4月26日早朝

 

中央アジア連合インド管区 首都ニューデリー

 

要塞都市ニューデリーは以前よりも数倍以上強固な防護結界が展開されてる為、既にジャンムー周辺にいる超重光線級8体から20回以上の最大出力照射の集中攻撃を受けている。

 

だが、それでも宇宙戦艦以上の防御力となる防護結界はその貫通を防いでいた。

 

インド管区軍ニューデリー総司令部

 

「なんとか…防げているようだな」

 

将校「ええ…地中侵攻も防いでおり、BETA群は未だにここを落とすことは出来ていません。」

 

技術主任「もちろんです。我々白の世界が全力を尽くしたのですから…」

 

アサーヴ「……現在の状況を出せ。」

 

 

 

その後、モニターに現れた…

 

 

アサーヴ「…やはり、南下しているか…疎開は既に完了しているものの…奴らは我々の建物を破壊しているな…北部も依然進撃中か…」

 

将校「確実に…我々のいるニューデリー、いえ、ニューデリーを含むニューデリー都市圏一体を包囲しようとしてきてますね。」

 

アドリーグ「…まあ、ゲートが使えればそれはほぼ無駄になるが…だが…一つ心配なことがある。パキスタン臨時首都クエッタ、ムンバイを襲ったあの荷電粒子砲を放った個体…通称デルタ個体、あのエネルギーが直撃しても耐えれるのか?」

 

技術主任「…可能でしょう。」

 

アドリーグ「それは予測に過ぎないのか?」

 

技術主任「………いえ…」

 

アドリーグ「…ふんっ…」

 

アサーヴ「…ジャイプール、ボパールの二箇所に魔法士を含む多国籍軍が駐留している。その2つが落ちたとき…我々はニューデリーを放棄する!」

 

技術主任「だが…ここは前線基地として…」

 

アサーヴ「…ここが絶対に落ちないと確信できるか?ゲートのみに頼った輸送だけで運営を維持できる前線基地等…軍人としては容認出来ん。」

 

将校「では、放棄の為の準備を今のうちに。」

 

アサーヴ「あぁ…まずは非武装員から退避させてくれ。武器弾薬生産工場の従業員もだ。あとは備蓄だけで足りる。」

 

アドリーグ「戦略ミサイル師団もいるか…?」

 

アサーヴ「…全ての兵器はまだ必要だ。」

 

将校「…ですね…。」

 

 

オペレーター1「…BETA群接近!数30万以上!」

 

アサーヴ「いつも通りだ!巡航対艦ミサイル部隊、対地ミサイル連隊!ミサイル攻撃を開始しろ!巡航ミサイルは準備出来自体連続発射!」

 

 

 

 

ニューデリー近郊の陸軍基地よりMLRSからなる対地ミサイル連隊、長距離巡航対艦ミサイル部隊がミサイル攻撃を開始…

 

陸軍基地内の地下サイロより巡航ミサイルが連続して放たれた…

 

 

 

 

その後、光線級が迎撃を開始…

 

 

上空に火球が生成されていった…

 

 

 

オペレーター2「BETA群、ジャイプール、ボパールにも侵攻を確認!それぞれ数は30万以上です!」

 

アサーヴ「同時攻撃だと!?」

 

将校「新しい戦術形態ですね。」

 

アサーヴ「……」

 

 

 

 

 

 

 

その時…総司令部の明かりが全て消えた…

 

 

 

アサーヴ「!?…非常電源に切り替えろ!」

 

オペレーター1「は、はっ!」

 

アドリーグ「何が起きた?」

 

オペレーター2「……何者にかに外部電源が切断されたようです!」

 

アドリーグ「BETAにより破壊工作か!?」

 

アサーヴ「いや…現状、外部からの移動はできん…」

 

アドリーグ「…味方に敵と繋がるものがいると!?…どうせ、奴らに殺されるのに…協力するのか!?」

 

 

オペレーター3「外部の部隊との通信が来てます!」

 

アサーヴ「繋げろ!」

 

 

『こちら、第31歩兵部隊!襲撃を受け交戦中!人だ!!敵の所属は不明!…くっそ!…ガフッ』

 

『通信代わります!敵は少数ですが、数で優る我々を圧倒しています!精鋭部隊です…バタっ』

 

『…なんで、人が撃って来るんだよ!俺らの敵はBETAだろ!くっそぉ!!…ブチッ…』

 

 

アサーヴ「…大統領府へ繋げられるか?」

 

オペレーター3「可能です。」

 

バレン『あぁ…アサーヴか…』

 

アサーヴ「フォッシュ議長、ウラヴミッチ大統領、そちらの状況は?」

 

バレン『…なんらかの武装部隊に襲われている。現在、SP部隊及びアメリカ陸軍特殊部隊が交戦中だ。一応優勢なそうだが、確定的な勝利は出来そうにない。』

 

アサーヴ「そうですか…」

 

バレン『アサーヴ、貴様のところもそうだろう?』

 

アサーヴ「ええ。現在歩兵部隊が交戦中です。ですが、奴らの攻勢が強く、苦戦しているとのことです。」

 

バレン『そうか…我々インド人の国土が犯されようとしているのに…なぜ…我々を攻撃するのか…』

 

アサーヴ「今、それを言っても仕方ありません。首都一帯に厳戒態勢を敷きましょう。非常事態宣言も場合によっては…」

 

バレン『そうだな…では、これにて通信をおわる。』

 

アサーヴ「はっ!」

 

 

……

 

アサーヴ「首都の各部隊との通信回線を開いとけ。状況を把握するんだ!」

 

 

その後…各部隊との通信が開かれ…悲鳴と怒号が交わりながらも状況を理解して行った…

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

ドンッ!!ズダダダダダダダ!!

 

 

という音が外から聞こえてきた…

 

 

 

 

アサーヴ「今のは…全員武器を持て。」

 

 

 

 

警備兵『くそっ!…やめろ…』

 

パンッ!

 

 

 

 

 

グレジェフスキー「…大将閣下…ご無事でしたか…」

 

アサーヴ「貴様、今、警備兵を撃ち殺したな?」

 

グレジェフスキー「いえ…私は別の入口から来たのですよ?それに、彼はスパイだったので、私の部下が撃ち殺したのです。気づきませんでしたか?」

 

アサーヴ「相変わらず…口が悪いな…貴様は…」

 

グレジェフスキー「いえいえ…」

 

 

 

その瞬間…グレジェフスキーがアサーヴの拳銃を取り出そうとし…

 

アサーヴ「…貴様!?」

 

グレジェフスキー「動かないでください。」

 

 

気づいた時には…拳銃を向けられていた…

 

 

 

アサーヴ「貴様、何が目的だ。」

 

 

 

グレジェフスキーはそれには答えず、指を鳴らした…

 

 

すると…

 

10名の兵士が入ってきた…

 

 

 

そして、アサーヴ以外の全員に銃を向けた…

 

 

 

 

グレジェフスキー「動かないでください。そして、武器を捨てろ!皆さんが信頼する最高司令官殿が…どうなってもいいのか!」

 

将校「貴様…くっそ!」

 

アドリーグ「……チッ…」

 

 

 

 

各々の感想を口にしながらも…人質に取られては何も出来ないとして…武器を手放した…

 

 

 

 

アサーヴ「…その兵士の服装…第1特殊連隊か…確かに…貴様の部下であり、精鋭部隊だったな…。」

 

グレジェフスキー「ふっ…」

 

 

………

 

 

グレジェフスキー「…じゃあ、大将閣下。結界を解除してもらおう。」

 

技術主任「…なっ、それ…グッ…」

 

 

グレジェフスキーは黙れと言わんばかりに、技術主任の肩に銃弾を当てた…!

 

 

グレジェフスキー「黙っとれ…」

 

アサーヴ「俺に解除を?俺はそんな権利を持っていない。魔法協会だけだ。」

 

グレジェフスキー「…いくら、魔法協会が超法規的な組織であろうと、国家の軍隊が相手なら言うことを聞くだろう。アサーヴ殿、貴様が命令しろ。」

 

アサーヴ「…断る!」

 

グレジェフスキー「何…」

 

アサーヴ「まず、教えてもらおうか、なぜ、こんなことをする?目的はなんだ?」

 

グレジェフスキー「……私は…今は…BETA教団という組織に入っている…」

 

アサーヴ「…そんな組織が…」

 

グレジェフスキー「…BETAは神の導き…そう…我々人間は既に定められた滅びの運命…逆らうことなどできない…という教えだ。」

 

アサーヴ「…」

 

グレジェフスキー「その教団の組織から教えられたのだ…結界を解除しろとな…」

 

アサーヴ「…パタンコートからいなくなったと思ったら…」

 

グレジェフスキー「…だから、私は結界を、解除しに来た…仕方がわからんから貴様に命令しているのだ…」

 

アサーヴ「…さっきから聞いていれば…貴様は狂ってるな…かつて印パ戦争で機甲師団を率いた貴様の方が良かったよ…」

 

グレジェフスキー「過去など知らん…BETAは神の導き…ここの全員いや…人類全てが滅ぶのは…定められた運命なのだよ…」

 

アサーヴ「呆れる…」

 

グレジェフスキー「…これで私の目的は伝えた…あとは私の命令を実行してくれれば済むのだが…」

 

アサーヴ「…分かった…」

 

 

そして…全員に言おうと前にアサーヴが出る…

 

その代わりに、左にいたアドリーグが下がり…

 

アドリーグのちょうど右に、グレジェフスキーがいる形となった…

 

 

アドリーグ「(拳銃の射程圏内…行けるか…?)…よう…グレジェフスキー…お遊びはそれまでだ。」

 

グレジェフスキー「なんだと…!?…」

 

 

グレジェフスキーが拳銃の存在に気づく前に…アドリーグが拳銃を撃ちはなった…

 

その銃弾は左脇腹を直撃し…グレジェフスキーは倒れた…

 

 

 

 

それを皮切りに…

 

密かに巨大モニターの天井に展開していたアメリカ軍特殊部隊『グリンベレー』がグレジェフスキー配下の第1特殊連隊兵士に狙撃を開始した…

 

 

グリンベレーは最初から見破っていたのか…第1特殊連隊の兵士達の顔面を覆ったマスクを次々に砕き行動不能にさせた…

 

 

 

 

そして…数分後には意識を保っているのはグレジェフスキーのみとなった…

 

 

 

 

 

アサーヴ「…ヨシフ・グレジェフスキー陸軍中将…全く…貴様がこんなことしてるのが惜しいぐらい有能()()()将校なのにな…」

 

アサーヴはわざと…"だった"と過去形で表した…

 

 

グレジェフスキー「…くっそ…くっそ!!」

 

アサーヴ「…アドリーグ司令…ありがとう。」

 

アドリーグ「…ふぅ…全く…アメリカ特殊部隊がいたとは…元々俺は死ぬ覚悟だったのだがな…」

 

将校「…大将は元から気づいていたのですか?」

 

アサーヴ「いや…俺が承諾する前に上を見たらいただけだ。」

 

将校「危なかったですね…」

 

アサーヴ「ああ。」

 

アドリーグ「…で、こいつはどうするか?」

 

アサーヴ「…殺すしかないだろう。中将という階級もあり…」

 

アドリーグ「理由はいらん。で、どこで殺すかだな…」

 

アサーヴ「……ここでやろう。」

 

将校「…ここで、ですか…?」

 

アサーヴ「そうだ。」

 

アドリーグ「…なら…グリンベレー…こいつを抑えるの手伝ってくれ。」

 

グリンベレー隊長「はっ!」

 

アドリーグ「…よし…アサーヴ…お前がやれ。」

 

アサーヴ「俺がか…?」

 

アドリーグ「…軍として…こいつの始末をつけるんだよ」

 

 

と言い、アドリーグは落ちていたアサーヴの拳銃を拾い…手渡した…

 

 

アサーヴ「…分かった…」

 

 

 

アサーヴはグレジェフスキーの唯一動かせていた頭を片手で抑え…もう一方の片手で拳銃を押し付けた…

 

 

 

その間に手の空いたグリンベレー兵士は負傷した技術主任を治療した…

 

 

 

 

 

アサーヴ「…貴様…死ぬ覚悟は出来ているな?」

 

グレジェフスキー「…俺には…まだ…BETAを世界へ…!」

 

アサーヴ「黙れ…反逆者が…」

 

グレジェフスキー「…BETAは神の導き…!誰にも…逆らうことは出来ん!…」

 

アサーヴ「死後の世界で反省しておれ。」

 

 

アサーヴは狂ったように呟くグレジェフスキーに躊躇することを捨て、吐き捨てるように言ったあと、容赦なく力を込めてトリガーを引いた…!

 

放たれた銃弾はこめかみから大脳部分を貫通…

 

 

一瞬にして絶命した…

 

 

……………

 

アサーヴ「…監査局に伝えろ。BETA教団員を洗い出せ。見つけ次第、処断する!」

 

アドリーグ「…今回の反乱に参加した兵士はどうする?」

 

将校「…ここはまだ目を覚ましていないですが、別の場所では目を覚ましているようで…その兵士の供述によると…マスクを被っていた時の記憶が全くないようなのです。」

 

アサーヴ「…一応、監査局に調べさせろ。その謎のマスクについては魔法協会に渡す。」

 

 

 

 

 

 

 

~ヴェルホヤンスク空港:管制塔内~

 

ラノル「やはり…人だからか…使えもしないとは…とんだゴミだな…」

 

???2・3「……別の作戦計画を立てなければ…」

 

ラノル「そうするとしよう…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻…

 

パキスタン管区臨時首都カラチ…

 

 

パキスタン管区は北部領土を損失、その後…インダス川防衛線が臨時首都クエッタ消滅で崩壊して以降、数少ない軍隊で抗戦するも次々と敗れていった…

 

 

 

~カラチ市政庁:臨時政府設置場所~

 

 

 

ハーン大統領「…負け続きか…」

 

臨時軍司令官「ええ。インダス川防衛線が崩壊して以降…」

 

ハーン大統領「…それに…臨時首都クエッタの消滅による一時的な指揮系統の消滅による混乱が…避難にも影響している。」

 

政府職員「現在、カラチ港からカラチ市民や周辺都市の人々を国外へ疎開させています。」

 

ハーン大統領「…政治はわからんが…アメリカの支援を受けられないだろうか…」

 

外交官「…現在沖合いに第五艦隊が展開しているようで…ただ、直接支援は無理だろうかと…」

 

ハーン大統領「前大統領の政策で反魔法派を宣言しているからな…。だが、表面だけなんだよなぁ…翠の世界の技術を導入したかったわ…。」

 

政府職員「ですねぇ…」

 

 

ドォォォン…

 

 

 

ハーン大統領「今の振動は?」

 

政府職員「爆弾テロのようです。現在カラチ警察や保安部隊が対応に当たっています。」

 

臨時軍司令官「…今の振動と距離からして…臨時首都クエッタ消滅の混乱で流出したアメリカから輸入したMOAB(大規模爆風爆弾)ですね…」

 

ハーン大統領「あぁ…。」

 

政府職員「…大統領…イスラム教軍が犯行声明を出しています!」

 

ハーン大統領「…また、奴らか!」

 

政府職員「犯人の最後の声を聞いた人によると、『BETAは神の導き!』と言っていたようです。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

イスラム教軍…

 

 

 

北アフリカ、シリア・ヨルダン等の中東に勢力を広げるイスラム教過激派のこと。

勢力圏はかつて大侵略により壊滅的被害を受けた地域であり、国家が崩壊している。

イスラム教に入信しない者や異世界人、異種族に対して非人道的行為を行う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ハーン大統領「…BETAか…BETA教みたいなのが発生しているようだな…」

 

政府職員「混乱の影響で治安が悪化しており、BETAの侵攻で、兵士の数が足りておらず、治安維持が困難な状況です。」

 

臨時軍司令官「…隣国の反魔法派のイランはなぜ援軍を寄越してくれないのでしょうか?」

 

外交官「…あの国は反魔法派と言いながら、オイルマネーで外国に売って稼いでますよ。それにその効果で国家元首は資産家がなっており、兵士はその資産家達がたてたPMC(民間軍事会社)の私兵ですよ。ただの傭兵に国の為とかできるわけがありません。それに国内は腐敗しています。」

 

政府職員「…それに彼らはBETAは脅威とは思ってないようで、我々に任せているというか、まるで…虫退治の扱いを受けてます。」

 

外交官「その割には…イランは国境封鎖を始めており、パキスタン人を締め出し始めています。」

 

臨時軍司令官「…そんなことが…」

 

外交官「イランよりもイラクの方がよっぽどマシですね。彼らは少ない人口と軍隊で、軍事力を強化し始めているサウジアラビアと共同戦線を張り、イスラム教軍のこれ以上の勢力拡大を抑えています。サウジアラビアの軍事力拡大は顕著です。既に紅海艦隊が設立されており、スエズ運河占領を目指しています。」

 

政府職員「…まあ、国外で頼れる国は余りないということですよ…アメリカに頭を下げるか…オーストラリア、サウジアラビアに頼むか…ぐらいですかね…」

 

ハーン大統領「…難題が山積みだな…」

 

 

 

パキスタンの悩みは今後も続く…




やっぱり、用語集作った方がいいですね…これ()

ただ、次話投稿したあとになりますが…


次回予告

chapter7 反撃の旋風
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