4月27日早朝
ウィリアム『これより、オペレーション・ブロッサムを発動する!健闘を祈る!』
その直後
総司令部統合管制官『ネヴァダ、ビスマルクへ通達する。第1段階を開始せよ。繰り返す、第1段階を開始せよ。』
その通信後…アメリカ合衆国宇宙軍戦略ミサイル艦『ネヴァダ』、欧州連合宇宙軍戦略ミサイル艦『ビスマルク』より、アメリカや欧州各国、インドの数カ国で共同開発した対魔物用核弾頭、250キロトン級C18熱核弾頭弾が計4発射出された…!
各ハイヴから光線による迎撃…特にジャンムーハイヴからは超重光線級8体からの光線が浴びせかけられていた…
しかし、この核弾頭弾は先端に対レーザー反射魔法が展開されており…光線級による光線も超重光線級の厚いビームも弾き返し…
着弾直前で魔法を解除し、起爆した…!
ジャンムーハイヴで2発、ムンバイ、ボパールハイヴで1発ずつの巨大な熱エネルギーが解放され…
巨大な熱エネルギーは周辺のBETAを焼き付くし…巨大なきのこ雲を形成させた…
ジャンムーハイヴの超重光線級は起爆直後は立っていたものの、満身創痍だったらしく、光線を吐き出したあと…次々に倒れ始めた…
2体が残ったが、損傷が激しかった…
そして…
統合管制官『核起爆成功。繰り返す、核起爆成功。全宇宙軍艦隊へ。作戦に変更なし。繰り返す、作戦に変更なし。予定通り作戦に実行せよ。』
アメリカ合衆国宇宙軍ステーション作戦司令部
『フレッチャー001から100へ。予定通り作戦を実行せよ。繰り返す、予定通り作戦を実行せよ。編成データの通りに編成次第、各部隊は降下を開始せよ。繰り返す、降下を開始せよ。』
日本国防衛省軌道戦闘群地上司令部
『八咫烏1から八咫烏50へ。作戦に変更なし。繰り返す、作戦に変更なし。各部隊は事前会議で行われた通りに作戦を実行せよ。』
オーストラリア・オセアニア連邦宇宙軍司令部
『No.1からNo.50へ。作戦データを各艦艇に送信。作戦を実行せよ。繰り返す、作戦を実行せよ。』
統合管制官『…HQからグリズリーへ。どうだ?』
その後、管制官は秘匿通信へ切り替えた…
グリズリー1『こちら、グリズリー1。準備は万全だ。』
統合管制官『了解した。』
その頃…地球上でも…
統合管制官『海軍部隊へ通達する。本命は宇宙軍部隊だが、海軍部隊も必要だ。作戦に変更なし。繰り返す、作戦に変更なし。速やかに作戦を開始せよ。』
インド洋西部…
アメリカ第五艦隊…
リアム『アストレルを速やかに発艦させろ!各部隊は沿岸部へ制圧砲撃を開始!』
空母ロナルド・レーガンからMQ-1Eアストレル艦上無人偵察攻撃機が発艦し…
第五艦隊海上部隊が次々にレールガンによる攻撃を撃ち放つ…!
時々、16インチ砲音が聞こえてきた…
リアム「まさか…ここでこいつをまたみる日が来るとはな。」
その視線の先には…
アイオワ級戦艦ニュージャージーがいた…
現代化改造が間に合わないため、即席のレーダーや管制システムなどが置かれていた…
リアム「老朽艦だが…まだ、この世界には必要だ。頑張ってくれよ…」
その声に答えるかのように1番砲塔が咆哮を放った…!
その為、インド管区海軍西部コマンド艦隊旗艦空母ヴィクラントからもMQ-1Eアストレルが発艦していき…
随伴する艦艇からは対艦ミサイルが放たれていき…
パキスタン管区海軍部隊のミサイル艇からは次々にミサイルが発射されていた…
インド洋東部…
ここに展開している海軍部隊の目的はインド亜大陸東部のインド軍の支援であり、その領域内であれば航空戦力が使えていた…
よって…
アメリカ太平洋艦隊インド洋派遣艦隊…
空母ハリー・S・トルーマンから航空戦力としてF-35が飛び立ち、輸送ヘリが次々と艦を離れた…
さらに隣にいる空母セオドア・ルーズベルトから艦上大型輸送機が発艦し、インド亜大陸の空港へ向かった…
インド海軍東部コマンド艦隊…
プラハンディグダル級戦艦ネームシップが旗艦を務める艦隊は亜大陸南端部への向かおうとしていた…
当初、亜大陸東部のインド軍支援を任されていた艦隊であったが、アメリカ海軍だけで十分だと判断した艦隊司令は米軍艦隊司令に通信を繋いだ。
~空母ハリー・S・トルーマン艦橋~
士官「司令、インド艦隊旗艦より通信です!」
???「なんだ?」
答えた人物は…米海軍インド洋派遣艦隊司令ジェームズ・アレン中将であった…
インド東部コマンド艦隊司令
『我々を南端部へと行かせて欲しい。』
ジェームズ「…だが、貴様らの配置場所はここだぞ?」
東部コマンド司令『それがおかしいのだ。空母を持たない東部コマンドが前線地域の支援など…輸送船の護衛はできよう。だが、戦艦が飾りになってしまう。どうか…』
ジェームズ「分かった…司令部へ伝えておく。南端部への加勢を許可する。」
東部コマンド司令『感謝する。』
そこで通信は終わり…上陸部隊を乗せていたヘリをハリー・S・トルーマンに移譲させ…輸送船も米艦隊に任せ、東部コマンド艦隊は最大船速で亜大陸南端部への進路を取った…
その後、指揮系統の統一を図るため、マレー海軍部隊とオーストラリア艦隊はアメリカ太平洋艦隊インド洋派遣艦隊の指揮下に入った…
ジェームズ「…まあ、あの戦艦が何も使わずには勿体ないだろうな…」
数時間後…
ジャンムーハイヴ上空…
アメリカ合衆国宇宙軍の宇宙駆逐艦群が次々と大気圏突入し…数千機の爆撃にも匹敵する攻撃がハイヴへと降り注ぎ…ジャンムーハイヴ付近にいた超重光線級は…動かなくなった…
そして、トドメとして戦略ミサイル艦『ネヴァダ』よりMOAB弾頭弾2発が放たれ、超重光線級2体が爆発四散した…!
~フレッチャー006~
士官「ゲーリング少佐やりましたな。」
ゲーリング「そうだな。」
アメリカ合衆国宇宙軍ステーション司令部『対レーザー攪乱膜の展開を確認。突入部隊を降下させよ。繰り返す、降下させよ。』
ゲーリング「聞いたな。我々も降下してお客さんを切り離す。グラデスニア帝国軍だ。丁重に素早く切り離せよ。」
士官「了解。」
ムンバイハイヴ上空でも…
日本国防衛省司令部『八咫烏各部隊へ。対レーザー膜の展開を確認。突入部隊輸送艦は降下を開始。その他の艦は援護せよ。』
ボパールハイヴ上空…
オーストラリア・オセアニア連邦宇宙軍司令部『各部隊へ。No.1からNo30へ降下を開始せよ。繰り返す、降下を開始せよ。その他部隊は降下部隊の援護に当たれ。』
3つの地点にてほぼ同時に降下が開始された…
同時刻
亜大陸南端沖…
インド管区海軍東部コマンド艦隊…
艦隊司令「やはり…カバー出来ていないか…」
そこには…インド管区海軍西部コマンド艦隊のミサイル艇数隻が陸地に向けてミサイル攻撃をしているだけだった…
艦隊司令「東部コマンド艦隊および第五艦隊へ連絡。『南端部への海上支援は任せてくれ。上陸部隊をこちらにも回して欲しい』と伝え路。全艦、砲撃開始!」
戦艦プラハンディグダルの40㎝砲が砲弾を放ち、
巡洋艦群が12.7㎝砲を撃ち始め、
後方の駆逐艦がミサイル攻撃を開始した…!
陸地を進むBETA群は多数の砲から放たれるクラスター弾により、次々と撃破されて行った…
光線級はいるものの、砲弾は迎撃しきれず、戦艦に光線を放つも撃沈には至らず、南端部にいたBETA群は数十分で壊滅した…
その間に上陸部隊の揚陸艦が到着、少し沖合に停泊したのち、機甲部隊を載せたLCACが多数降ろされ、浜辺へ上陸し展開を開始した…
機甲部隊として…BETA支配領域に初めて足を踏み入れたのだった…
30分後…
ジャンムーハイヴ上空…
アメリカ宇宙軍ステーション司令部『フレッチャー001から020、降下ポッド着陸可能高度に達した。降下ポッド投下開始。繰り返す、降下ポッド投下開始!フレッチャー021から040着陸地点の後方に投下せよ。繰り返す、後方に投下せよ。フレッチャー041から070は順次支援部隊を投下。着陸地点の要塞設営に入れ。他の部隊は降下ポッド付近に接近するBETA群を撃破せよ。降下ポッドには一切近づけさせるな!』
司令部からの通信将校が言い終わる前に各部隊は行動を開始していた…
独断専行とも思えるが…実は既にこの行動は各部隊に表示していた…
この通信は合図であり…確認の為の通信だったのだ…
そして、第1段階の降下ポッドが大量に着陸した…
ムンバイ海岸沿い…
既にアメリカ第五艦隊やインド西部コマンド艦隊が上陸作戦を実行。ムンバイ南側近郊とアフマダーバードへと上陸に成功していた…
ムンバイ近郊へと上陸した機甲部隊は市内への突入を図る…その最中…
ムンバイハイヴ上空の日本国宇宙駆逐艦群も突入部隊の投下を開始した…
数分前
日本国作戦司令部『八咫烏全部隊へ。事前の予定通りに状況は進んでいる。予定通り八咫烏1から30、突入部隊の投下を開始せよ。繰り返す、投下を開始せよ。突入部隊はムンバイ近郊へ上陸した多国籍軍と協力し市内制圧を目指せ。八咫烏31から50は市内の残存BETA群をピンポイント爆撃で掃討せよ。』
その通信将校が言い終わる前に、各宇宙駆逐艦群は"予定通り"行動を開始した…
八咫烏1から八咫烏30は降下ポッドをコンピュータが割り振った地点に投下を開始した…
ボパールハイヴ上空…
オーストラリア宇宙軍司令部『各部隊、予定通りだ。投下作戦を開始せよ。繰り返す、投下作戦を開始せよ。』
オーストラリア宇宙軍司令部の指令通信は簡潔だった…だが、簡潔であるこそ行動も迅速だった…
No.1からNo.30の宇宙駆逐艦が突入部隊の降下ポッドを投下…
ジャンムーハイヴ近郊…
グラデスニア帝国地球派遣軍第7地上部隊臨時第1大隊およびWMTAM軍特殊戦略情報部第5大隊
グレゴリアン「…全軍再編成終わったか?」
将校「終わりました。しかし…」
グレゴリアン「文句は言うなよ。」
将校「…はっ…すいませんでした!」
グレゴリアン「大きい声は出すな…と言いたいが…既に気づかれてるみたいだな…」
物陰に隠れていた戦車級がグレゴリアンに突進してきた…!
戦車級にしてみれば人は相手にならないと思っていただろう…
だが、相手が悪かった…!
バシュッ!!
戦車級が食いつこうとしたその時…
戦車級は上下ふたつに切り裂かれた…!
グレゴリアン「…知能がない相手など…どれほど脅威であれど造作もない…」
「第5大隊に次ぐ、お前らは防護服などしてるそうだが…BETA相手には役に立たないだろう。我らに盾を任しておけ。お前らは自分たちの任務を果たせ!」
兵士「おう!ハイヴさえ攻略してしまえばこっちのもんよ!」
彼らはハイヴへの突入を開始した…!
ムンバイハイヴ近郊ムンバイ市内…
グラデスニア帝国地球派遣軍第7地上部隊臨時第2大隊およびWMTAM軍特殊戦略情報部第6大隊
第2大隊の指揮官はグラデスニア帝国軍ラーフ中佐だった…
ラーフ「全く…目の前でBETAがいて…直ぐに爆発して煙に覆われるなど…幸先が悪い…」
白井「仕方ありません。第6大隊の隊長…白井一尉であります!」
ラーフ「固くならんでいい。まずは市内掃討か?」
白井「いえ…掃討は上空の部隊の役割です。我々は一直線にハイヴまで。」
ラーフ「分かった。こちらが全員いる…そちらは…。聞くまでもないか。」
白井「ええ。」
ラーフ「では、全軍前進!」
ボパールハイヴ近郊…
グラデスニア帝国地球派遣軍第7地上部隊臨時第3大隊およびWMTAM軍特殊戦略情報部第7大隊
第3大隊の指揮はゲイツ中佐である…
ゲイツ「さて、進むぞ。軟弱な地球人どもは着いてこれるか?」
イェスパ大尉「それは失礼に値しますぞ!第7大隊大隊長のイェスパです。」
ゲイツ「冗談だ。やってやるぜ!」
イェスパ「冗談ならいいのですが…分かりました。」
ゲイツ「全部隊前進!」
数分後…
ジャンムーハイヴ…
グレゴリアン「これがハイヴか…穴を開けるか…」
すると、巨大な大剣を取り出した…
グレゴリアン「イグザム!」
巨大な大剣が二つに分かれ、巨大なビームがハイヴの構造物の壁上に向かい…ぶち当たった…!
そして…岩盤が爆砕…!
中にいたBETAごと穴が空いた…
グレゴリアン「こんなもんか…前進!」
これは…ムンバイハイヴとボパールハイヴでも同様の光景が見られた…
ラーフ/ゲイツ「「イグザム!!」」
同様に壁が破壊され、穴が空いた…
~ジャンムーハイヴ内~
ハイヴ内には大量のBETAが生き残っており、
入ってきた異物を見た瞬間、襲いかかってきた…!
特殊戦略情報部第5大隊の兵士は恐怖するも…、襲ってきた戦車級は一閃され、血飛沫を上げた…
グレゴリアン「俺らはただの餌ということか…」
将校「見たいですね…大佐、先程の壁破壊する時、どのくらいのエネルギーを使いました?」
グレゴリアン「6割強だな。」
将校「戦略クラスに匹敵する!?そんなにハイヴの壁は…!?」
グレゴリアン「…まあ…あとは奥まで進んで脱出するだけだ。使うことはなかろう。」
将校「ですね…ん…要塞級を確認。少なくとも10体はいますね…」
グレゴリアン「よし、攻撃開始!」
要塞級から触手が伸び、貫こうとするも、簡単に大剣に弾かれ、エネルギー波によって要塞級本体ごと消滅する…
このような事が何度も繰り返され、ハイヴ中核部にもう少しでたどりつけるところで…
BETAの逆襲にあう…!
グレゴリアン「そろそろか…」
第5大隊長『後方から多数のBETA接近!要撃級です!戦車級もいる!既に部下が10名ほど喰われた!』
グレゴリアン「後ろだと…!?」
将校「恐らく抜け穴です。まるで、蟻の巣ですよ。これは…」
グレゴリアン「手空きのものを即座に後方へ向かわせろ!全周囲を警戒させるのだ!」
将校「既に向かってます!」
その途上…左横の壁が崩れ…戦車級が出現…!
部下「は…ぐ…がぁぁぁぁぁ…!!!!」
グレゴリアン「左から…!?」
将校「右前に動体反応!」
右前の壁が大きく崩れ…要塞級が新たに出現…
その要塞級が鋭い脚で先頭にいたグラデスニア帝国軍兵士数人の心臓を貫き…絶命させた…
グレゴリアン「…くそっ!」
将校「私が…!」
大剣を砲撃モードに切りかえ、要塞級の頭、腹部、脚を薙ぎ払った…!
思いもよらぬ苦戦に第5大隊も加勢し始めた…
夜戦用携行型ATMを撃ち放ち戦車級を爆砕させたり…
第5大隊兵士「これを!手榴弾です!」
グラデスニア兵士「おう、助かる!餌だ。喰らいやがれ!」
と言った感じに、協力して要撃級を撃破したりしていた…
そして…なんとか、この窮地を脱した…
その後…先のような事態に陥らず、BETAの攻撃を退けていた…
そして、ついに中核部に到達…そこでさらなる障害にあう…
中核部…大広間前…
グレゴリアン「この先が…このハイヴの中心か?」
将校「この壁の向こうですね」
グレゴリアン「確かに…この壁はほかの壁とは違うな。よし、破壊するか、お前、戦略クラスで撃て。」
グラデスニア兵士「え…あ、はっ!」
その兵士が大剣を展開し…砲撃準備に入ってる頃…
グレゴリアンはその壁をじっと見ていた…
その時…!
壁の上部から光線が放たれ、一部の兵士がそれに対応出来ずに飲み込まれる!
そして、第2射はグレゴリアン自身に向けられるが、グレゴリアンは大剣を盾モードにすることで防ぐ…!
グレゴリアン「おい!さっさと撃て!」
グラデスニア兵士「…無理です…退避…」
グレゴリアン「出来るか!…俺が守ってやるから、さっさと撃つ用意をしろ!」
グラデスニア兵士「…はい!」
だが、襲ってくるのは光線だけではなかった…!
グレゴリアン「…ん…触手だ!切り刻め!」
グラデスニア帝国軍の兵士は問題なく対応したが…第5大隊の兵士は首が切断されるなどで次々と殺されて行った…
グレゴリアン「くっそぉ!まだか!」
グラデスニア兵士「発射準備完了!」
グレゴリアン「撃てぇ!!」
グラデスニア兵士「うぉぉぉぉぉ!!!」
その兵士の大剣に収縮されたエネルギーが一気に飛び出し…その壁の中央部を上から下へと切断した…!
その壁からは血のような体液が流れ出していた…
グレゴリアン「…死んだのか…?」
将校「分かりません…しかし…これも個体だったのでしょうか…?」
グレゴリアン「わからん…今のところ分かっているのは…奴らの個体の特性だけだ。」
損害を出しながらも大広間に入る…
そこには光を放つ謎の巨大な物体が佇んでいた…
グレゴリアン「なんだこれは…まあ、このハイヴの中心にいるのだから、さしずめ、ここを統べるやつだろうな…」
将校「そうなのですか…?」
グレゴリアン「そうだろう…なんだ…」
その物体は先程とは違い、強烈な、人なら目が眩むほどの光を放ち始め…
空間振動波に物理衝撃波が重なった『超振動波』を放った!
その衝撃は凄まじく…全ての人が壁に打ち付けられた…!
中には壁に打ち付けられただけで死ぬ者もいた程だった…
兵士たちがまだ生きていると判断したその物体は周囲に散らばっている未知の鉱石と連動し…青い閃光と共に電磁波も組み合わさった荷電粒子エネルギーを放った…!
それをある1人のグラデスニア帝国軍兵士が盾モードの大剣で防ぐも、その勢いに押され、壁に激突…直後飲み込まれた…
グレゴリアン「くっそ!これが最後の障害か!まるで、ボスバトルだ!」
その物体は次に周囲の未知の鉱石を浮かせ…その鉱石から高圧電流を放った…!
その高圧電流は盾で防ぐ者もいたが…防いだ結果、身体中に感電、数秒後には黒焦げとなった…
グレゴリアン「…ちっ…」
舌打ちする間もその物体は次の攻撃を繰り出す!
新たに何かを生成させたと思えば、それを超音速で飛ばした…!
盾で防げていた者もいたが…
将校「がぁぁ!!!」
グレゴリアン「アンナ!」
アンナ(将校)「…くっ…名前を容易く呼ぶな…くっそ…足が…」
グレゴリアン「大広間から出ろ。そこで応急処置だ。そこに数人の部下もいる。」
アンナ「…分かった…」
その物体の攻撃は熾烈を極め…次々とやられていく…
グレゴリアン「…大剣リミッター解除。」
20名ほどの体勢を立て直した兵士達がグレゴリアンに続いて大剣のリミッターを解除…
グレゴリアン「…戦略クラス用意!」
同じ戦略クラスだが…リミッター解除した大剣は通常のとは数倍も違う…
それが約20人分もだ…
誰もがやれると思っていた…
グレゴリアン「発射…!」
その号令で発射された約20名分のエネルギーは赤い光を伴いながら、全てが正確にその物体へ命中…!
その物体は攻撃をやめ…自身からも青い光を放ち始めた…
誰もが『青』と『赤』の決戦と思い…勝利を願った…
結果は…
グレゴリアン「は…」
その物体は表面に青い薄い膜を展開しながら…しっかりといた…どこも欠けることもなく…
兵士たちは絶望した…そして…損害の大きさから…士気も急激に下がっていた…
グレゴリアン「…貴様ら!何に絶望してんだ!男なら嫁に会えないことか?!笑わせるな!合わせてやる!全員に!」
その声で全員の士気が回復…
同時にその物体からの攻撃が再開した…
グレゴリアン「全員、大広間からでろ!急げ!」
大広間から出た後…撤退を開始するとグレゴリアンは言った…
その言葉には誰もが納得した…
だが、次の言葉には誰もが驚愕した…
「俺はここに残って撤退の支援をする。」
反対の声が多数上がった…副官でもあったアンナは特に殴りかかるなどして反対した…
アンナ「なんでよ!責任でもとるつもり!あんたの死ぐらいじゃ責任なんて取れない!無駄よ!なんで…父さん!」
グレゴリアン「…今…父さんと言ったよな…なんでだ…」
アンナ「…私は母さんが隠してきた子だったの…」
グレゴリアン「そうか…」
アンナ「…どうして…死に行くの…理由だけでも…」
グレゴリアン「グハ…」
その時…グレゴリアンは吐血した…
アンナ「え…」
グレゴリアン「俺は病気なんだ…ずっと隠してきたが…」
アンナ「治せば…」
グレゴリアン「治せない病気らしい…」
アンナ「嘘……」
アンナは…ポロポロと大粒の涙を泣き始めた…
また、グレゴリアンが上司になってずっと付き添ってきた兵士たちも静かに泣いていた…
グレゴリアン「…済まない…皆…俺はこの負傷した彼らと共に残る…ついて行きたいものがいれば…入れてはやる。だが、老兵限定だ。」
兵士1「わしも行きます…私は貴方様の隣としても働いてきました…」
兵士2「我も…もう、グレゴリアン様無しでは生きていけませぬ…」
そして、7名ほどが加わり…
グレゴリアンはここに残り、小隊を編成…
第1大隊はアンナが指揮を執ることになった…
第1大隊はその後…数度の交戦の末、無事に地上へと脱出…
グレゴリアン率いる小隊は奮戦するも全滅…
最後にグレゴリアン含め数名が自爆してハイヴの1区画を崩壊させた…
ムンバイハイヴ、ボパールハイヴでも突入部隊が脱出してきた…
ムンバイハイヴでは中核までたどり着くことは出来ず、途中で四方八方からBETAに襲われ、大損害を被った…
第2大隊のラーフ中佐は左腕と右手を失い重傷を負うも生還、一方で特殊戦略情報部第6大隊の白井一尉は報告によれば…突如現れた要撃級の触腕に頭を潰され即死だという…
ボパールハイヴでは中核までたどり着くことは出来た…
しかし、そこがBETAの生産転送区画だったらしく、突然頭上から現れたBETA群に多数が踏み潰され、撤退を決断…
第3大隊のゲイツ中佐は生きては帰れなかった…撤退途中に…要塞級が現れた触手からの溶解液で装備ごと腹を溶かされ、応急処置も間に合わず死亡した…遺体は地上へと運び出された…一方、特殊戦略情報部第7大隊のイェスパ大尉は生還した
しかし…五体満足ではなく…両足が切断され右腕がなく左腕が変な方向にネジ曲がり、右耳が無くなっていた状態ではあったが…
アンナ『ジャンムーハイヴ突入部隊から作戦司令部へ。グラデスニア帝国軍第1大隊臨時大隊長のアンナ少佐です。』
管制官『おい、グレゴリアン大佐はどうした!』
アンナ『…戦死しました…報告します…ハイヴの無力化に失敗。生存者は脱出しました。』
管制官『何…』
アンナ『も、申し訳ございません…』
管制官『…報告に感謝する。帰還せよ。』
アンナ『はっ…』
通信が終わると…力を失っていくようにアンナは…地面に倒れ込んだ…そして、号泣した…
ラーフ中佐『ムンバイハイヴ突入部隊です。報告します。ハイヴの無力化に失敗。特殊戦略情報部第6大隊の白井一尉は戦死しました。』
管制官『……速やかに帰投せよ』
ラーフ中佐『了解。』
イェスパ大尉『ボパールハイヴ突入部隊…報告します。』
管制官『待て…イェスパ大尉…ゲイツ中佐は…死んだんだな…』
イェスパ『はい…力になれず…』
管制官『謝罪はいい。無力化に失敗したのか?』
イェスパ『は、はい。』
管制官『速やかに帰投せよ。』
イェスパ『了解。』
西側軍事条約協定機構軍とグラデスニア帝国軍によるハイヴ攻略は失敗に終わった…
BETAはさらなる攻勢に転じるであろう…
ハイヴ攻略は数週間後先まで待たないと…
ところで閑話としてスエズ運河攻防戦を出したいのですが…アラブ人の名前決めるの辛い()
次回予告 chapter9 後始末
攻略作戦が失敗した今、各国はその対応に追われる…