インドの奮戦と敗北、そして…   作:空社長

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chapter11 陥落…死者との約定

 

 

 

 

 

 

 

 

4月29日早朝

 

 

 

~中央アジア連合インド管区首都ニューデリー~

 

~管区軍総司令部:中央司令室~

 

 

 

 

 

 

 

 

そこでは多くの司令部要員がわざわざ倉庫から引っ張り出してきたベッドで仮眠を取っていて、一部の司令部要員は目を擦りながら…それぞれの作業に当たっていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オペレーター「……ジュリーナガルにて高エネルギー反応来ます!…」

 

 

 

 

 

 

 

その方向から光が走り…ニューデリー手前で結界にぶつかり…電磁波を散らす…!!

 

 

 

 

 

 

将校「…何回も何回も…どれだけやる気だ…」

 

 

オペレーター「…落とすまででしょうね…」

 

 

 

 

アサーヴ「起きてたか…」

 

 

将校「ええ。では、交代します。」

 

 

アサーヴ「いや、これから会議だ。来い。」

 

 

 

 

 

司令部内のある部屋…

 

 

 

アドリーグ「…まさか、こんな小さい光で会議をすることになるとはな…」

 

 

 

この部屋は電気がつかず、太陽の光も届かない場所の為、なんとか小さい自己発電型ライトで照らした…

 

 

 

 

将校「仕方ありませんな…奴のせいで…」

 

 

アサーヴ「…この小さい光…この老人にはきついぞ…」

 

 

アドリーグ「…主任、やつの放つ荷電粒子砲による電磁波で電子機器は概ね破壊されているが、結界装置は大丈夫なのか?」

 

 

技術主任「白の世界の技術なので今のところ大丈夫ですが…もし、さらなる最大出力の電磁波受けた時は…もしです。突破されるかもしれません。」

 

 

アサーヴ「その時など元より覚悟はしている。分かっていたことだ。」

 

 

アドリーグ「…現状突破はされてはいない。だが、兵士達の疲労も激しい。それに通信によれば、ジャイプール陽動作戦後、バングラデシュへの侵攻が激化したらしい…。残っているのはここだけだ。」

 

 

将校「…また、先程の通り、『レッドウォルフ』の砲撃を食らってますが、それだけです。BETA群はここをガン無視しております。」

 

 

 

 

アサーヴ「…ニューデリー放棄を進めるしかないかもな。」

 

 

技術主任「……ですが、ここを前哨基地として機能できないんでしょうか?」

 

 

アサーヴ「…無理だ…それに毎回あの荷電粒子砲に晒されるんだ。装備や補給が良くても、士気が低下しては戦闘にさえならん。お前もわかっているだろう。」

 

 

技術主任「…分かりました…従います。」

 

 

アサーヴ「司令室へ戻るぞ。それと、全員を起こせ。その間に私はフォッシュ議長と話してくる。」

 

 

将校「はっ!」

 

 

 

 

 

通信室…

 

 

アサーヴ『…フォッシュ議長…そして、ウラヴミッチ大統領…お話よろしいでしょうか?』

 

 

フォッシュ『続きを話せ。』

 

 

アサーヴ『はい。我々インド軍は遂にここニューデリーを放棄することにしました。議長と大統領。構いませんか?』

 

 

フォッシュ『無論…脱出の準備を整えていた…問題ない。』

 

 

ウラヴミッチ『…覚悟はしていた…大丈夫だ。』

 

 

アサーヴ『…では、政府の皆さんは即座にゲートへ向かってください。向かう先はオーストラリアのシドニー演習場です。今後のニューデリーにおける撤退は我々軍の仕事です。』

 

 

フォッシュ『分かった…最後にと思っていたが…直ぐに向かおう。』

 

 

 

 

 

 

 

~中央司令室~

 

 

 

 

 

アサーヴ「ここの要員は…全員集まったか…。恐らく、これから私が話すことは皆予想しているだろうが…あえて話そう。」

 

 

「我々はここ、ニューデリーを放棄する。これは既に議長及び大統領から了承は得ている。…」

 

 

ここまでは多少の違いはあれど、司令部要員それぞれが予想できたことだった…

 

 

 

 

しかし…次の言葉は驚かせるには十分だった…

 

 

 

 

 

「そして…私はここに残る。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「!?!?!?!?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

数秒の沈黙の後、声を発したのはアドリーグ・ヨハントシェフ中将だった…

 

 

 

 

 

アドリーグ「…貴様っ!一体何を考えているっ!他のものは行かせて自分だけ残ると!しょうもない理由だったら貴様をぶん殴るぞ!」

 

 

 

アドリーグはアサーヴの胸ぐらを掴み壁に押し付け叫んだ…!

 

アサーヴ「…しょうもない理由ではない…!」

 

 

 

アサーヴはアドリーグに対し一瞬だが殺気放ちながら、いつもより低い声音で言った…

 

 

 

 

 

アドリーグ「…!?…なら、話せ。何故貴様が残るのかを…」

 

アドリーグは一瞬その殺気にたじろいたが…強く胸ぐらを掴んだ後…静かに放した…

 

 

 

 

 

 

アサーヴ「…皆もか…?」

 

 

将校「…もちろんです…"弟子"として…」

 

 

技術主任「…短い間ですが、生死を共にした…聞きたいです。」

 

 

その他のオペレーターや部下、掃除係に至るまでアサーヴが周りを見渡す限り頷いていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

アサーヴ「…全く…アドリーグ…話すとしよう。」

 

 

アドリーグ「…貴様は断言してるが、俺がしょうもない理由と感じたら強制しても貴様を連れていく。老衰になるまでこき使ってやるさ。」

 

 

アサーヴ「…その必要は無い。わかっているだろう。」

 

 

「俺の初戦は第二次印パ戦争というのは言っただろう。年は20歳ぐらいだったな。」

 

 

 

「そこで新兵だった頃に俺は2人の友人にであった、いや、まだ友人ではなかったか。彼らと共に生死を共にしていていつしか親友になったのさ。第二次印パ戦争で3人とも生き残り、勲章級の活躍により昇進した。それでもまだ同じ所属だった。」

 

 

「その後、どこだったか覚えてないが、ある河川の脇で約束…いや誓を結んだ。」

 

 

~回想~

 

 

 

 

 

1つ、我々は生きるのに執念深くあること!

 

1つ、一人一人死ぬ事は運に任せ、諦めん!

 

1つ、我々は生まれる日違えども、同年、同月、同日、そして、一緒の時に死ぬことを願う!

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが、その誓は簡単に破られてしまった…」

 

 

 

「第三次印パ戦争のおいて、友人二人ともが死んでしまい、私だけが生き残ってしまった……」

 

 

 

「二人の戦死の報告を聞いた時、私は死にたかった…だが、誓を守らなければと思い苦しんだ。無意識に前線へ進んでたこともあったが部下にとめられ、それはなし得なかった。」

 

 

 

「その後、私は生き続けた、昇進もし、軍改革において腐った上層部を粛清もした。そして、今の立場、階級になったのだ」

 

 

 

 

アサーヴ「……これが私が残る理由だ。」

 

 

アドリーグ「俺にはどうもしょうもない理由に聞こえてしょうがないのだが…?」

 

 

将校「それに、自発的でしょう。これは…」

 

 

アドリーグ「俺もそう思うさ。どうなんだ?アサーヴ。」

 

 

アサーヴ「自発的ではない!俺の足がここに残るべき…といってるんだ…」

 

 

アドリーグ「……踏み出せんのか…」

 

 

アサーヴ「…ふっ…まさか…俺の生きたい気持ちにこれ程足が抵抗するとは思わんかった…」

 

 

アドリーグ「…寝れば収まるだろう…」

 

 

アサーヴ「だが、このような老人が生きてなんになる?それに…」

 

 

「このBETAに蹂躙された国土を最期まで見届けたいのだ。」

 

 

アドリーグ「…意思は硬い…か?」

 

 

アサーヴ「無論だ…俺の足もな。」

 

 

アドリーグ「…後で2人で話そう。」

 

 

将校「…"師匠"……」

 

 

アサーヴ「師匠と言うな。バラト。」

 

 

バラト…彼の名はバラト・ドゥビーであった…

 

 

バラト「師匠は師匠です!恩師を失くすのは…辛すぎます!…」

 

 

 

 

アサーヴ「……そうか…分かった…。皆、ニューデリーから完全撤退するまでの間、希望者だけになるが、一対一で10分程度の話し合いを許そう。これで私とも会うのは最後だ。次があると思うなよ。それと、アドリーグ。」

 

 

アドリーグ「…何だ?」

 

 

アサーヴ「…兵士たちの一部、残留民間人の1部でここに残るものを募ってくれ。」

 

 

アドリーグ「残留民間人だと、まだいたのか?」

 

 

アサーヴ「隠れていたらしいがな。」

 

 

アドリーグ「…分かった。貴様がここに残るのには承諾しかねる…が、役目は果たそう。」

 

 

アサーヴ「済まない…」

 

 

アドリーグ「謝罪は嫌いだ。貴様は悪くは無い。」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後

 

撤退までの時間の間、この司令部の人員やかつてアサーヴが指揮してた者達、残っている士官学校の後輩等がアサーヴと話を交わし…

 

 

 

 

女性であれば、話し終わったあと…ガクッと膝を落とし泣き叫ぶ者もおり…

 

男性であれば、壁に頭をうちつけ、涙を静かに流していた者もいた…

 

 

 

 

そして…

 

 

 

アドリーグ「…やはり、貴様の意思は硬いようだな。アサーヴ。正直に言うが、俺は貴様をぶん殴っても連れていきたい…が、もう、貴様を残す事になったんだ。彼らの泣き顔は台無しにしたくはない。」

 

 

アサーヴ「…話し残すことはあるのか?同僚として。」

 

 

アドリーグ「…無いな。だが、こうやって声を発して会話するだけでも構わんよ。俺の意見だが、声を交わすことだけで別れられるもの同士が親友なんじゃないかとかな…。」

 

 

アサーヴ「…そうか……。アドリーグ、お前…泣いてるな?」

 

 

アドリーグ「うるせぇ!…クククっ…まさか…この歳になって泣くことがあるとはな。聞くことが一つだけある。次のインド軍指揮官は誰にするつもりだ。」

 

 

アサーヴ「順列的にアドリーグ、お前だと思うのだがな。」

 

 

アドリーグ「…いや、俺は軍全体を指揮する立場ではない…やつになってもらおう。」

 

 

アサーヴ「…お前はそれでいいのか?」

 

 

アドリーグ「…構わんよ。おれはそもそも出世欲がない。この階級と役職はなるべくしてなった…それだけの事だ。」

 

 

アサーヴ「…そうか…バラトの補佐は頼んだ。」

 

 

アドリーグ「分かった…。」

 

 

 

次に入ってきたのはバラトだった…

 

 

バラト「……弟子として別れるのは辛いです。」

 

 

既に30であるはずのこの男は…震えていた…

 

 

アサーヴ「そうか…」

 

 

バラト「そうか、じゃありませんよ!弟子が恩師をなくすことがどれほど辛いか!分かってますよね?」

 

 

アサーヴ「分かっているつもりだ。」

 

 

バラト「…ここに残る理由は既に理解はしています。しかし…辛いんです…」

 

 

アサーヴ「辛い…そうか…なら、これを持っていてくれないか?」

 

 

バラト「これは…」

 

 

そこにはあるのは第二次印パ戦争から戦場に出る時はいつも携帯している帽子とタオル、そして、古いライフル銃であった…

 

 

 

バラト「この銃、ずっと使っていたものでは?なぜ?」

 

 

アサーヴ「ずっと使っていたからこそお前に託したい。それは俺の半身と呼べるものだ。だから、お前はずっと俺と一緒にいられる。」

 

 

バラト「…それはただの精神論では…?」

 

 

アサーヴ「…俺もそう思っていたのだが、かつての亡き親友達の道具を持つとな…一緒にいる気がするんだよ。だからだ。」

 

 

バラト「…分かりました。大事に持っています。しかし、死ぬとは決まっていませんが、今回携帯するのは…」

 

 

アサーヴ「無論、誓を交わした二人の愛銃だ。」

 

 

バラト「…やっぱり、分かりませんな…」

 

 

アサーヴ「分からんか…まあ、いつかわかる時が来るだろうな。」

 

 

バラト「……健闘を祈ります!」

 

 

アサーヴ「…期待しておれ、…というか、言いながら泣くなよ…おれが困る…」

 

 

バラト「ですが…悲しいんです!」

 

 

アサーヴ「…悲しいのはおそらく誰も同じだ。そうだ。今後、インド軍指揮官はお前だ。」

 

 

バラト「…え…」

 

 

アサーヴ「アドリーグの奴は断ったからな。そうすると、お前になる。正直お前には期待しているよ。」

 

 

バラト「…泣かそうとしてませんか?」

 

 

アサーヴ「…そうだろうな…まあ、最後なんだし…」

 

 

バラト「……では。」

 

 

アサーヴ「ああ。」

 

 

 

その後数時間が経ち…ゲートへ兵士たちが次々に進んでいる頃…

 

 

 

 

アサーヴ「さて、そろそろ向かうか。ん?どうした?」

 

 

そこにはアサーヴが嫌っているような感じで接していた技術主任の姿があった…

 

 

 

 

 

技術主任「結界解除準備が整ったことを報告しに来ただけですが、その機会に少し話してみようかと…」

 

 

アサーヴ「…そうか…そういや名を聞いていなかったな。」

 

 

技術主任「今更すぎますな…レーノルド・マッキンリー中佐です。隠していたのですが、アメリカ空軍白の世界派遣顧問そして、白の世界研究者であります。」

 

 

アサーヴ「…ふんっ…」

 

 

レーノルド「しかし、あなたのような人が残るのですか…老人らしく生き延びていく思いましたが…」

 

 

アサーヴ「さらっと悪い冗談を言うな。」

 

 

レーノルド「申し訳ありません。しかし…こうも死ぬ時を前にしてるものを見ると…何かを感じるんですよね…」

 

 

アサーヴ「研究者に相応しくない言い分だな。」

 

 

レーノルド「…さて、これでも私は白の世界の義肢をつけており、戦闘能力は高いです。ゲートの前におりますのでご連絡を。」

 

 

アサーヴ「…分かった…」

 

 

 

 

 

 

 

2時間後…

 

 

 

 

ニューデリー中心街

 

 

 

 

 

ニューデリー全域から民間人、軍人合わせて撤退を開始し、今ここにいるのは残留してアサーヴ・クマール大将と一緒に戦いたいと思う民間人と兵士たちであった…

 

 

さらにそこには旧式兵器が連なっており、例を挙げるならば、1番古いのは戦間期に開発されたイギリス陸軍の『オードナンスQF25ポンド砲』、1番新しいのは旧ソ連陸軍から譲渡された『T-55戦車』がいた

 

 

これらは全て博物館から持ってきた兵器であり、BETAに全て破壊されるよりかは実戦で使った方がマシということで使われることになった

 

 

アサーヴ「お前ら!これが最後の戦いだ!ここが長く保てれば、それだけ退いて行ったもの達への奉公となる!できるだけここを守りきるぞ!人間はBETA等に負けるわけがないんだからな!」

 

 

兵士たちはそれが虚勢を張った言い方だと分かっていた……だが、

 

 

兵士「「うぉぉぉ!!」」

彼を励ますかのように答えた…

 

 

 

 

 

 

 

 

アサーヴ『マッキンリー中佐、準備は出来た。解除してくれ。』

 

 

レーノルド『…いいのですか?』

 

 

アサーヴ『言わせるな…構わん…』

 

 

レーノルド『分かりました…』

 

 

 

 

レーノルド『解除カウントダウン開始!あと5秒で解除されます!では!』

 

 

アサーヴ『あぁ、生き残ってくれよ。』

 

 

5

 

4

 

3

 

2

 

1

 

 

……全員が臨戦態勢のまま、あっという間に5秒が過ぎた…

 

 

 

かすかに結界が蒼く輝き、半透明なフィールドは透明なり消えた…

 

 

 

 

 

 

 

その直後…ジュリーナガルハイヴより放たれた荷電粒子砲と思われる光線が都市上空で拡散

 

最低でも8つの光線に分かれニューデリー市内各地を直撃した…

 

 

 

幸いにしてアサーヴ達義勇部隊のいるニューデリー中心部には直撃しなかった

 

 

 

が、異変が起きた…

 

 

 

 

 

 

 

 

兵士「偵察兵より伝達、BETA群進路を変え、こちらに接近しつつあり!」

 

 

アサーヴ「やはりか…各員戦闘配置!使えるものはなんでも使え!」

 

 

アサーヴ(やはり、結界が貼られていてBETA群が進行できないと思っていたんだろう…だから、わざと後回しにしていた…か…)

 

 

 

 

周辺のBETA群は突然進路を変え結界が無くなったことによりすんなり入れるようになったニューデリー市内へと進入

 

幸いにして八本脚のデカブツ(要塞級)及び2種類の目玉野郎(光線級と重光線級)足の速い亀野郎(突撃級)はいなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

兵士「てぇーっ!」

 

 

 

オードナンスQF25ポンド砲などの火砲が火を吹き、榴弾が前方の赤いやつ(戦車級)巨大な腕を持った白いやつ(要撃級)に直撃する

 

 

 

 

さらにT-55戦車を中心とする旧式戦車群が100㎜や105㎜、90㎜、76㎜砲等を放つ…!

 

 

 

 

 

 

両者とも現代的な射撃管制装置等持っていないため、命中率は低いがそれでも期待以上の戦果を挙げ、BETA群の先鋒を血祭りに挙げた

 

 

 

 

 

 

しかし…終末の時は迫っていた…

 

 

 

 

数が多いBETA群は元よりその環境適応能力もあり、戦車級は微妙の開いた空間から迂回し、歩兵部隊を突いた…

 

 

歩兵達はRPGや対戦車砲、対戦車ライフルといった対戦車装備で対抗するが、先鋒は撃破しても後続が続々と投入されていく状況に劣勢になり、一部戦線が横からの攻撃で突破された…

 

 

兵士「…ぐ…がぁぁぁ…!」

 

 

 

 

さらに前方の戦線も突破され、戦車達は踏み潰されたり、砲塔を外され、中の乗員を喰われたりで次々と行動不能になってゆく…

 

 

 

 

 

 

義勇部隊の兵士たちが次々とやられていき…

 

 

 

 

遂にはアサーヴが最後の一人となる…

 

 

 

 

 

 

 

わずかに高い建物の屋上にたっていた為、容易に戦車級はそこを上ることが出来た…

 

 

 

アサーヴ「とうとう終わりか…親友達…もうすぐそっちに行く。」

 

 

RPGで1匹の戦車級は吹っ飛ばすも…

 

別の戦車級に左足を掴まれ、右足を潰される…

 

 

 

アサーヴ「…ぐ……だが、お前は巻き添えにしてやる!喰らえ…業火の炎を…!」

 

 

…左に持っていたスイッチを押す…

 

 

 

 

 

 

 

 

その時…アサーヴがいた建物の他、ニューデリー各地の建物が一斉起爆

 

 

 

アメリカ製のMOAB(大規模爆風爆弾)に匹敵する爆発が各地で起き…各地のBETAが道連れに死滅する…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アサーヴ・クマール大将 戦死 享年79歳

 

 

 

英雄程の戦果を上げてはないにしろ、激戦の最中生き残り続ける事で昇進してきた将校

率いた部隊は他の部隊とも比べても生存率が高く、将兵から慕われていた

軍の要職につき、軍の健全化を図った…

 

 

彼の遺体は業火の炎と共に焼け…魂は天へと召された……

 

 

 

 

 

 

 

BETA群はニューデリーを占領後、進行を停止…

 

 

 

 

 

 

その停止を確認したWAMTAM軍は損耗した部隊の回復に務めたが…

 

 

その数日後…

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンムー、ムンバイ、ボパールハイヴ、新たに建設されたマドゥライ、バンガロール、ハイデラバード、ナーグプルハイヴ、建設途中のニューデリー、ジャイプールハイヴ……

 

合わせて80万のBETA群がバングラデシュへ向けて東進を開始した……




次回予告

chapter12 最後の意地


祖国をBETAに奪われた武人たちは避難民達を守るため、BETAに最後の意地を見せつける…

戦艦の砲撃、戦車の砲撃、レールガン、超音速航空機の突風、剣、銃の"咆哮"が戦場に轟く…!

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