5月1日…
その
インド亜大陸中央部にて東進を続ける約80万のBETA群であった…
この情報は直ぐにWMTAM軍シドニー総司令部へと送られた
亡命インド軍司令部はバングラデシュにいる避難民の回収の為に可能な限りの大兵力による分散陽動及び各個撃破を目的とする大規模作戦を提案した
しかし、タイラー大将を含むWMTAM軍総司令部は後に行われる大反攻のための兵力温存を優先させたいが為に少数部隊による
だが、亡命インド軍はこれまでの経験を元に機動防御戦術ではBETAの攻勢は抑えきれないと確信しており、極秘に作戦計画を立案、さらに他国の部隊にも協力を要請
多くの部隊がそれに応えた
翌日、オーストラリア・オセアニア連邦の各軍港より艦隊が出航する…
………
バラト「…まさか、このような形で意地を見せるとはな。」
アドリーグ「…亡くなったアサーヴの為にも…私は全力を尽くす所存です。」
バラト「分かっている。行くぞ。」
アドリーグ「はっ!」
5月3日…
アラビア海北部…
パキスタン管区カラチ沖
ニミッツ級原子力航空母艦『ロナルド・レーガン』を旗艦とするアメリカ合衆国海軍第五艦隊30隻
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦『ムハンマド・アリー』を旗艦とするサウジアラビア王国海軍アラビア海艦隊18隻
パキスタン管区海軍第6ミサイル戦隊12隻
イラク海軍第14駆逐戦隊3隻
が集結…
インド洋中部…
セイロン島ハンバントータ沖に
ロンドン級巡洋戦艦『ロンドン』を旗艦とするイギリス王立海軍第17次インド洋派遣艦隊8隻
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦『ミッドル』を旗艦とするアメリカ海軍ディエゴガルシア島駐屯艦隊6隻
が集結…
ベンガル湾東部…
バングラデシュ管区チッタゴン沖
ヴィクラント級航空母艦『イルデハマータ』を旗艦とする亡命インド海軍広域コマンド艦隊80隻
ニミッツ級原子力航空母艦『ハリー・S・トルーマン』を旗艦し、同級『カール・ヴィンソン』『セオドア・ルーズベルト』を含むアメリカ海軍第七艦隊インド洋派遣艦隊60隻
シドニー級航空母艦『カサブランカ』を旗艦とするオーストラリア・オセアニア連邦海軍インド洋方面艦隊20隻
東南アジア連合タイ・ミャンマー連合艦隊12隻
が集結…
さらに…カザフスタン・ウズベキスタン・タジキスタン管区陸上打撃部隊がインド・パキスタン管区国境ラインに展開し、
パキスタン管区陸軍も全力出撃していた
また、バングラデシュ管区パッドマ・ジャムナ川沿岸では統括軍第6中隊及びオーストラリア・オセアニア連邦陸軍第3機甲連隊が展開していた…
すでに全ての部隊が作戦開始の合図を待ち望んでいた…
同時刻…
~WMTAM軍総司令部: 通路~
WMTAM軍所属のインド軍将校であるカリーニン少佐はその廊下を走っていた…
彼女はアドリーグ・ヨハントシェフ中将から直接作戦について聞いていた…
…これほどの大作戦である為、WMTAM軍総司令部が怪しむのもそう時間はかからなかった…
むしろ、亡命インド軍司令部はそもそも隠し通す気は無く厳重に作戦情報を保管してもいなかった…
その為、WMTAM軍総司令部直轄情報局の捜査により直ぐに作戦がバレた…
その為に彼女は総司令官であるウィリアム・V・タイラー大将に呼び出された…
総司令官執務室前に着き、彼女はドアをノックする
ウィリアム「入れ。」
ウィリアムの声は若干怒気がこもっているようだった…
カリーニン「失礼します。」
ウィリアム「…私がお前を呼び出した理由、分かるな?」
カリーニン「…大規模作戦の無断実行でしょうか?」
ウィリアム「そうだ。我々は少数部隊による
カリーニン「…恐れながら…それは…無理があります。」
ウィリアム「…何?」
カリーニン「機動防御戦術はそもそも推定された範囲内での敵の侵攻を考えたものです。BETAは何を考えてるのかがわからない以上…」
ウィリアム「…その弱点を補強した戦術も立案したのだ!だから理論的に防衛は可能だ!」
カリーニン「理論的という言葉を言わないでください!全ては実戦経験から判断されます!インドはBETAとの戦闘を身体で味わってきた…あなた方オーストラリア大陸に篭もっている人とは違います!それに…今回のインド軍の行動に同調した多数の部隊はオペレーション・ブロッサムに参加し…実際に戦闘に参加したもの達です。…これがあなた方の作戦計画があってないと彼らが判断したんですよ。」
ウィリアム「……分かった…我々の作戦計画の非は認めよう。だが、亡命インド軍の作戦計画も狂ってる!避難民についてとやかく言う気は無いが、オペレーション・ブロッサム並の戦力を陽動として使うのか!もしもの時があった場合、大反攻の為の戦力温存どころではない!逆に戦力を損失してしまうぞ!」
カリーニン「では、どうするのですか!バングラデシュにいる避難民は!見殺しにする気ですか!」
ウィリアム「…水際防衛で対処する」
カリーニン「80万ものBETAに対処出来るほど水際防衛は簡単ではありませんよ!」
ウィリアム「…だが、陽動作戦は危険を伴うんだぞ!お前に行けと言った時、お前は戦場に行く覚悟はあるのか!」
カリーニン「…あります。」
ウィリアム「!?」
カリーニン「…これでも私はインド人としての誇りがあります。祖国をBETAによって追われ、むざむざ他国の地で防衛戦…こんな仕打ちがありますか!皆がBETAに一矢報いたいと思ってるんです!私だってそうです!…BETAに…
彼女は…大きく頭を下げ…その間に…抑えていたはずの涙を流した…
ウィリアム「…総参謀長…この作戦どう思う?」
総参謀長「……ただの防衛戦では突破される可能性もあります…ここはこの作戦で陽動し各個撃破をしていくのがいいと思います。バングラデシュ防衛線が突破されれば東南アジア連合に侵攻されるのは確実です…」
ウィリアム「そうか…カリーニン少佐。」
カリーニン「はい…」
ウィリアム「…作戦実行を許可する…」
カリーニン「え…」
ウィリアム「ただし…!作戦総司令官に伝達。作戦を許可する。ただし、我々総司令部は一切の責任はとらないと。」
カリーニン「…あ…ありがとうございます!…」
ウィリアム「その前に…涙を拭け。」
カリーニン「…すいません…では。」
自分の持ってたハンカチで涙を拭き取り…カリーニンは敬礼して執務室を出ていった…
総参謀長「…タイラー大将は涙に弱いのですか?」
ウィリアム「そんな訳あるか。だが…
総参謀長「…とりあえず、期待はしておきますか?」
ウィリアム「そうするとしよう…」
ベンガル湾…
~作戦総旗艦『イルデハマータ』艦橋~
アドリーグ「…WMTAM総司令部のカリーニン少佐からタイラー大将からの伝言だ。」
バラト「なんと?」
アドリーグ「…作戦を許可する。ただし責任はとらないとの事だ。」
バラト「…タイラー大将…」
アドリーグ「…感傷に浸ってる暇はないぞ。そろそろ時間だ。」
バラト「…そうですね。」
バラト『全艦に達する。作戦指令書を開封せよ。開封した後は熟読せよ。』
…作戦参加艦の全ての艦橋で作戦指令書が開封される…
そして…
作戦開始時刻08:00となった…
バラト『時間だ。これより作戦を開始する。作戦名は
『VLS解放…!対艦ミサイルFIRE…!!』
作戦発動後、多数のミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦より対艦ミサイルや巡航ミサイルが連続で発射される…!!
『
『
さらにアメリカ海軍航空母艦『カール・ヴィンソン』よりF-35ライトニングに酷似した戦闘機40機が次々と発艦していく…!
その戦闘機は怖いもの無しかのようにそのまま突き進んでいく…!
当然、二つ目のような照射器官をもつ『
その戦闘機は『レーザー警報』がなっているのにも関わらず回避起動を取らず直進していく…
そして、レーザーが直撃する…!
その戦闘機は半透明の蒼い薄い膜を張り、
《こちら、グリフォン1。カール・ヴィンソン管制へ。防御テストは成功した。繰り返す、防御テストは終了した。これより攻撃に移る。》
バングラデシュ管区ジャムナ川沿岸…
『…最後の意地を見せつけやれ!』
『HQよりCP、全部隊に命令伝達…作戦を開始された。予定通りフェイズ1を実行する。』
クリア「…
???「隊長、こちらを付けて聞きませんか?」
隊長と呼んだ女性の手には通信用ヘッドホンがあった…
クリア「…ラミ…通信魔法で既に聞いてるよ…」
ラミ「でも、こっちが聞きやすいと思いますよ?」
ラミはクリアの耳に勝手にヘッドホンを装着した…
クリア「ちょっと…!」
ラミ「…聞きやすいと思いまして…」
クリア「確かに聞きやすいけどさ…」
ラミ「…まあ、いいじゃないですか…?隊長。」
クリア「はぁ…あと、隊長じゃなくて隊長代理なんだけど…」
ラミ「呼びやすいじゃないですか?」
クリア「確かに…呼びやすいけど…それで、用件はヘッドホンを持ってくることだけじゃないよね?」
ラミ「さすがっ…少し話したくて…」
クリア「いいよ…けど、死亡フラグ立てるのだけはやめてね…」
ラミ「流石に立てませんよ…」
クリア「で、何?ラミの話したいことって…」
ラミ「この作戦の事なんですが…私達は陽動出来なかった群体の対処ですよね…それでもし大半が陽動出来なかったら…」
クリア「…私たち全員喰われると言いたいの?」
ラミ「…そうです…」
クリア「…まあ、そのリスクはあるよね…」
ラミ「…それでは…なぜ参加したんですか…」
クリア「…ジャイプールで…多くの仲間を失った仇討ち…と、後ろの避難民の保護…仇討ちは精神論になるんだけど…後ろには私やラミのような少女だって…そして、赤ちゃんだっている…見殺しなんでできない…」
ラミ「……」
クリア「作戦についてだけど、多分これが最適だと思う。
ラミ「それに比べたら…ですか?」
クリア「たぶん…あとは…味方次第かな?…それに私達の任務はすぐ後ろの避難民がバングラデシュを出たら終わり。あとは後退するだけ…戦闘含めてだけど…」
ラミ「…味方任せ…祈っておかないと…」
クリア「…祈る必要なんてない…私は信じてるよ。かならずやってくれるとね。」
ラミ「…気を引き締める必要は無いんですか…?」
クリア「…まだいいよ…そんなに慌てなくてもね。実戦の時、対処できなくなる…まだ始まったばかりだから…」
そう…
次回
chapter13