シュリーナガルハイヴBETA群は特級個体呼称『レッドウォルフ』を中心に周回しているのみ
カシミール州南端のジャンムー、インド亜大陸西部のムンバイ、中央部のボパール、亜大陸南端のマドゥライ、南部のバンガロール、ハイデラバードハイヴ、建設途中と見られるニューデリー、ジャイプールハイヴのBETAの大半がマドゥライに集結
インド亜大陸東部沿岸部を北上していた
少し時を遡ること1時間前
ー5月3日午前8時ー
作戦が開始された…
と同時に作戦計画フェイズ1が始動する…
元々作戦条項には"無かった"いや、そもそも極秘作戦会議の際に
インド亜大陸上空のアメリカ合衆国宇宙軍戦略軍事ステーション衛星『カリフォルニア』からの質量弾攻撃が始まった
余談だが……
この黙認事項について作戦前日の極秘作戦会議においてアメリカ宇宙軍が提示したその理論上の計算の上での絶大な威力を目にしたオーストラリア・オセアニア連邦軍将校が
「そもそもこれをインド亜大陸の全ハイヴに放てばBETAを完封できるのではないか?陽動の必要性すらなくなると思うが。」
と言ったところ、
周りの目が正気かと疑うかのような目を彼に向け……
さらに、アメリカ海軍インド洋派遣軍司令ジェームズ・アレン海軍中将が周りの誰にもわかる形で思いっきり
ジェームズ「貴様、正気か?」
オーストラリア軍将校「え?」
返答を予想していなかったその将校は素っ頓狂な声を上げる…
ジェームズ「言っておくが、インドは新兵器の実験場じゃないんだ。それにいずれ我々はインドを奪還するのだ。この質量弾攻撃は命中率は完璧ではないと彼も言っていた……貴様が言うように命中率が完璧ではないこの攻撃を全ハイヴに放ち、当たるまで撃つか?」
アレン中将は最後の言葉を声をかなり低くして聞いた…
オーストラリア軍将校「………」
そのアレン中将の殺気じみた声にその将校はまともな返答もできず……
アレン中将の怒りを買った
ジェームズ「まともな返答も出来んのか!貴様。なら、なぜ、先のようなことを口にしたのだ!発言が軽々しいぞ!もう一度言うが、貴様は新兵器の実験場……『スペイン内戦』のようにする気か?…まあ、答えられないだろうな。」
アレン中将はその将校に問うたが、答えられないと判断した
この時点で彼は既にその将校に見切りをつけていた……
ジェームズ「これ以上話すのにも少し煩わしくなってきた。貴様に任せておけば、インドを地獄にしそうで何をするかわからん。貴様のような人間は西側連合軍にはいらん。こいつをここから叩きだせ!いいですかな?ドゥビー少将。」
アレン中将が左を向いた奥の方にバラト・ドゥビー少将、インド軍最高司令官……そして今次作戦の総司令官を務める男がいた
彼は頷き……
バラト「構わない。文字通り叩きだせ。」
この一言でその将校の運命が決まった…
その将校は作戦会議が行われた部屋を追い出されただけではなく、西側連合軍としての籍を抹消され、オーストラリア軍に連れもどされた
因みにWMTAM軍総司令部に作戦計画がバレたのも、この一件が関係している
その後、紆余曲折を経て、攻撃地点をジャンムー、ボパール、マドゥライに決定された
インド亜大陸上空軌道上……
~戦略軍事ステーション衛星『カリフォルニア』:管制室~
ステーション司令官「よし、作戦が開始された。砲撃用意!」
管制官1「量子エネルギー収縮開始。」
管制官2「砲塔、目標地点に向けます。」
ステーション下部の40.6㎝3連装砲塔5基が回転し、砲身を地表へと向けた
管制官1「砲撃準備完了!」
ステーション司令官「砲撃開始!」
砲身の砲口が青……赤……と変化していき、最終的に黄色く青白く変化したエネルギーが一斉射撃された…!
見た目はゆっくりと見えるがこれでも超音速で地表へと降り注いでおり……
光線級や重光線級がレーザー照射を食らわすも、ビームでも実体弾でもないエネルギー弾に効果が薄く、量子エネルギー弾の塊が
着弾地点周囲のBETAは全て消滅し、巨大な衝撃波も組み合わさり、ジャンムー、ボパール、マドゥライの3つのハイヴはBETAの生産に支障が出るほどの損傷を受けた
管制官「攻撃成功!着弾点付近のBETAの消滅を確認!モニター回復、映像でます!」
モニターには3つのハイヴ…ジャンムー、ボパール、マドゥライ、それらの
周りのBETAの反応も一切なかった
ステーション司令官「よし、作戦司令部に伝えろ!フェイズ1始動準備完了とな。」
そして、今に戻る…
ベンガル湾…
アメリカ合衆国海軍戦時インド洋派遣艦隊
~旗艦:ニミッツ級原子力航空母艦『ハリー・S・トルーマン』~
オペレーター1「カール・ヴィンソン搭載機、次々と発艦。」
ジェームズ「対レーザー防御実戦テストの報告はまだか?」
オペレーター2「アレン中将。カール・ヴィンソンより伝達。」
ジェームズ「読め。」
オペレーター2「はっ。グリフォン1の対レーザー防御は成功。実戦テストは成功した。との事です!」
その報告を聞き、ジェームズはニヤリと表情を変えた
ジェームズ「これで制空権を取り戻せる……よし、本艦も全機上げろ!」
管制官「全機発艦用意。繰り返す、発艦用意。」
F-35似た艦載機、『F-36 ハンター』が4機ずつ電磁カタパルトにセットされていき、次々と打ち上げられていく…!
隣にいた原子力航空母艦『セオドア・ルーズベルト』も次々と『F-36 ハンター』を発艦させていく
オペレーター1「水上砲撃部隊、砲撃開始しました!」
オリッサ州プリー沖
127㎜から155㎜、203㎜、250㎜、406㎜、480㎜までの火砲が火を吹き、陸上の多数のBETAに着弾し吹き飛ばしていく…!
イギリス王立海軍第17次インド洋派遣艦隊
~艦隊旗艦: ロンドン級戦艦『ロンドン』艦橋~
???「ふむ、順調のようだ。」
そう、呟くのは第17次インド洋派遣艦隊司令
アーサー・ハーディング少将である
アーサー「しかし、アメリカはこの作戦に戦艦をこれ程も投入するのだな。……ふっ、北海艦隊の要を派遣してるのだから、我々も同じか…」
「まあ、我々の目的はWMTAM及びEUへのプレゼンスを高めること。増大し続けるフランスには負けてはおれんのだよ。しかしまあ……現実通り越して理想を言うとは……俺も現実を見ておらんな……生き残ることが大事というのに。」
独り言なのか誰かに話しかけてるのか、また自虐しているのか誇ってるのかよく分からない話に艦橋内のオペレーターや士官は曖昧に反応し苦笑するしか無かった
アーサー「おい、俺がどんな話をしても攻撃は続けろよな?」
士官「あ…は、はい!」
自動装填装置により再び砲弾が装填され、40.6㎝クラスター散弾が再び放たれる…
同型艦『ヴィクトリア』、巡洋艦『バレンタイン』、『エクセター』、その他駆逐艦4隻が『ロンドン』の砲撃に呼応して砲撃する
アメリカ合衆国海軍戦時インド洋派遣艦隊
~第3打撃戦隊旗艦:モンタナ級原子力戦艦『オハイオ』艦橋~
オペレーター「第一次砲撃、成功。イギリス艦隊、連続砲撃を開始しました。」
???「彼らは連射力に長けてるからな、自由に砲撃した方が良い。だが、我々は違う。」
話してるのは第3打撃戦隊司令官ブラッドリー・ダンフォード海軍少将である
管制官「各艦、第二次砲撃準備完了!」
ブラッドリー「よし……」
「FIRE!!」
モンタナ級原子力戦艦『オハイオ』『ルイジアナ』、アイオワ級戦艦『アイオワ』『ウィスコンシン』『ニュージャージー』『ケンタッキー』、ヨークタウン級ミサイル巡洋艦『ヨークタウン』『アトランタ』等の
全ての艦艇がほぼ同時に砲撃し、海面に発射炎を照らし出す…!
『オハイオ』『ルイジアナ』から放たれた480㎜サーモバリック弾頭が陸地で巨大な爆炎をあげ、
『アイオワ』『ウィスコンシン』『ニュージャージー』『ケンタッキー』から放たれた406㎜サーモバリック拡散弾頭は陸地上空で多数のサーモバリック子爆弾に分散し、炸裂音が響き渡った…!
ヨークタウン級ミサイル巡洋艦や他の巡洋艦、駆逐艦は断続的に砲撃を続け、サーモバリック弾頭や誘導砲弾『エクスカリバー』でBETAを引き裂いていった
参謀「しかし、迎撃が全くありませんな。」
ブラッドリー「ふっ…空の連中のおかげだ。BETAの目ん玉共はより高度が高い物体を狙う性質がある事が判明している。」
参謀「ですが、防御力は……」
ブラッドリー「貴様、我々の技術を舐めるな。まさか、BETA戦で空を飛べるとは思ってなかっただろう…パイロットどもは。」
オペレーター「レーダーに反応!重光線級からの初期照射を確認!」
ブラッドリー「電磁放射防壁実体化。」
『オハイオ』の周囲から透明な青白い膜が展開され、その直後……重光線級からの全く見えなかったものから完全なものになったレーザーが直撃し互いに干渉し合い眩しい光が発せられる
ブラッドリー「この防壁さえあれば効かぬわ……あればな。」
オペレーター「艦隊砲撃射程内のBETA群20%まで減少。」
ブラッドリー「徹底的にやれ!上陸部隊が暇になるくらい露払いだ!」
『オハイオ』『ルイジアナ』『アイオワ』『ウィスコンシン』『ニュージャージー』『ケンタッキー』から一斉射で多くのサーモバリック弾頭が放たれ、着弾……!
着弾地点周辺で多くのBETAを吹き飛ばし、肉片に変えていく……
オペレーター「射程内のBETA群消滅したと思われます。」
その時、モニターの通信ウインドウが開き、アレン中将の顔が映し出された
ジェームズ『こちら、空母ハリー・S・トルーマン、インド亜大陸東海岸側は作戦をフェイズ2へと移行。上陸部隊を揚陸させろ。水上打撃部隊は上陸部隊の支援に当たれ。』
ゲティスバーグ級装甲揚陸艦『ボルチモア』『カナダ』『フランクリン』『フレッチャー』が沿岸へと前進する
重光線級からの光線照射が来るも、英米共同で重装甲の強行型揚陸艦として開発され、電磁防壁さえ搭載されてるこの艦には効果が無かった
遂に陸地に接岸し、初めに戦車と自走砲の大部隊が揚陸される
次にFW-3『グラント』とアメリカの識別マークが描かれた謎の人型兵器が揚陸された
FMS-4『パーシング』
それがその兵器の名前であった
その頃、水上打撃部隊はアメリカ戦艦6隻及びイギリス戦艦2隻が砲撃を続けていた
巡洋艦等は既に主砲の射程外となってしまった為、巡航ミサイルによる攻撃に切り替えていた
~モンタナ級『オハイオ』艦橋~
オペレーター「北西約110㎞にBETA梯団16万捕捉。」
淡々と答え、モニターの戦域地図に報告されたBETA梯団6万の表示が映る
ブラッドリー「イギリス艦隊にも情報を伝達してやれ。」
オペレーター「了解。」
ブラッドリー「全艦、一斉射用意!」
照準を向けていた砲が多少の微調整を終え、自動で固定される
ブラッドリー「発射!」
掛け声とともに6隻の480㎜、406㎜サーモバリック弾頭が放たれ、イギリス艦隊も続いて撃ちはなった
巡航ミサイル群の攻撃も合わせた為、光線属種は巡航ミサイルを優先的に撃ち落とし、サーモバリック弾頭の迎撃は後手に回り、7割が壊滅した
しかし、その直後
オペレーター「レーダーに反応!重光線級からの初期照射3!『ニュージャージー』に集中しています!」
途端にブラッドリーは顔を青くした
『ニュージャージー』も初期照射が向けられていることを察知し、回避行動に移る
しかし、その程度では重光線級の照射を誤魔化すことは出来ず
本照射が開始され、3つのレーザー光線は『ニュージャージー』に命中し
『ニュージャージー』は大きな爆炎をあげる
ニュージャージー艦長「被害報告急げ!!」
ニュージャージー艦長は歯をくいしばり、声を荒あげる
他の戦艦が電磁防壁を展開し重光線級の照射を防げていたのに、『ニュージャージー』だけが展開してなかったのは何故か?
それは『ニュージャージー』が電磁防壁を搭載していなかったからである
改造工事の不具合が相次ぎ、電磁防壁が搭載されないまま、政治的パフォーマンスを上げたい欲のために実戦投入されたのだった
オペレーター「……第3砲塔損失、左舷後部副砲消滅、死傷者10名以上!」
ニュージャージー艦長「くそっ!……すぐに『オハイオ』に状況伝えろ。それと指示を仰ぐ。」
思った以上の損害の大きさにニュージャージー艦長は壁に拳をぶつける
そして、すぐに我を取り戻し、被害状況等をダンフォード少将の乗る『オハイオ』に伝達するよう命令した
オペレーター「『ニュージャージー』より被害状況が伝えられました。情報出ます。」
ブラッドリー「……『ニュージャージー』には戦線を離脱させろ。それと参謀本部に伝達。「さっさと電磁防壁をニュージャージーにつけろ!人殺しども!」
ブラッドリーはモニタに映された損害の大きさに唇をかみ締め、『ニュージャージー』には戦線離脱命令を出した
また、参謀本部には言いたいことを思いっきり言ったのだった
そして、アイオワ級戦艦『ニュージャージー』は右舷に回頭を開始し、戦線を離脱する
ブラッドリー「……」
ブラッドリーは後部カメラにて戦線を離脱する『ニュージャージー』を眺めながら、前方の窓から見える、未だBETAに占領されていた陸地を睨め付けた
同時に『ニュージャージー』除くアメリカ戦艦5隻が砲撃を行い、『ニュージャージー』に損傷を負わせた元凶を片付ける
ブラッドリー「あとは陸の奴らに託すか……」
陸の部隊は確実に作戦を遂行できるという絶対の自信を胸に、安堵したかのように電子タバコを吸い始めた
インド管区オリッサ州バラーンギール県
バラーンギール
インド洋沿岸より約200㎞の地点
機甲部隊は上陸からわずか4時間程度でこの距離を踏破していた
CP『
この時、機甲部隊は南西方向を向いており、随時向かってくるBETAを迎撃していた
連合機甲部隊
亡命インド軍第3機甲師団第15機甲連隊
スェノル「北西……忌々しい。」
自分が乗るM1A2MAV1戦車の左横で1人呟いた
スェノル「対応するしかないか……」
スェノルは直轄中隊を率いて迎撃に向かおうと決断した、その時
???『こちら、第28戦術中隊【デスエンブレムズ】、CP聞こえるか?我々とオーストラリアの人型部隊でそのBETA梯団を叩く。』
その直後、CPはスェノルに直接通信を繋いだ
CP『だそうだ。カラノフ大佐、異論は無いか?』
スェノル『異論は無い。さっさと対処してもらった方がこちらとしても助かる。』
スェノルは自分の部隊の指揮官としてではなく、連合機甲部隊の現地総指揮官として答えた
バラーンギール北西約50㎞
バーパリ
アメリカ合衆国軍第28戦術中隊【デスエンブレムズ】20機及び
オーストラリア=オセアニア連邦軍第6戦術機甲大隊60機が到着した
第6大隊長(……アメリカの奴ら、スラッとした形状で大丈夫なのか?)
オーストラリア側の指揮官は初めて見るタイプの機体に当然の心配を口にした
???『こちら、第28戦術中隊【デスエンブレムズ】だ。貴官は……ウォルト中佐だったかな?』
ノレン『ああ、そうだ。第6大隊長改め、ノレン・ウォルトだ。貴官は?』
???『申し訳ない。アメリカ軍第28戦術中隊隊長を務める……』
クロード『……クロード・オリアン大尉だ。』
ノレン『オリアン大尉。よろしく。ところで何か私にあるのか?』
クロード『はっ、我々に先陣を任せていただきたい。』
ノレン『任せる……突っ込むのか?危険すぎる!』
クロード『もし、全滅するようなら私の責任です。どうか認めていただきたい。』
ノレン『……分かった……成功を祈る!』
FMS-4『パーシング』20機は反重力装置を起動し数センチ浮遊した
そして、推進装置を起動し600㎞/hに急加速し,BETA8万に突進した
クロード『全機、V字編隊に再編成!』
その一声とともに、20機は正面上方から見てV字になるように陣形を変えた
クロード『全機、Draw a sord!!』
「剣を抜け」の一言ともに機体の腰あたりから2つの円柱状の物体が両手に握られる
その数秒後、その物体の先端から光の線が伸び、一定の長さで止まった
それを見ていたノレンは面を食らう
ノレン「ビームソードだと!?……流石はアメリカだ。化け物じみている……」
クロード『全機、突っ込め!!』
クロード自身がV字陣形の先頭に立ち、BETA群先鋒の
クロード『喰らえ!』
まず、正面の1匹をXの字のごとく、4つに切り裂いた
そして、0.01秒の時間で周囲の突撃級のモース硬度15以上の甲殻を紙同然のように切り裂いていく
クロード『おい、ウォルト中佐!少しは働け!』
ノレン『すまない……全機、味方撃ちはするなよ!赤い奴らに撃ちまくれ!!』
さらに、オーストラリア=オセアニア連邦軍のFW-3『グラント』60機が120電磁投射砲4門による射撃を開始した
超音速で放たれる砲弾の連続射撃に
だが数だけは多かった
第28戦術中隊が突撃級を掃討し終えた時、未だに数は4万は下らなかった
クロード「やっとか……多いな。」
ノレン『オリアン大尉、戦車級は我々に任せてくれ。』
クロード『任せる。全機、要塞級を殲滅する!』
クロード率いる第28戦術中隊が速度を上げ始めた
その時突然、司令部より2人の指揮官に限定された通信が入った
CP『こちら、CP!合同部隊聞こえるな?偵察部隊より通信があった。現在相手しているBETA群の10㎞後方に20万を超えるBETA師団の反応が確認された』
ノレン『なっ!?』
ノレンはあまりの多さに衝撃を受け、照準がぶれる
クロード『……それは現在戦域に確認されているBETAの約半数近くに上るんじゃないか?』
CP『そうだ、我々も確信している。それで、どうする?』
クロード『奴らも出し惜しみしていたわけですか……』
その時、無礼ながらも回線が開いた
『こちら、第2空母航空団第192戦闘攻撃飛行隊【ゴールデン・ドラゴンズ】只今参上!』
『こちら、第17空母航空団第312海兵隊戦闘攻撃飛行隊【チェッカーボーズ】参上!』
『こちら、第1空母航空団第136戦闘攻撃飛行隊【ナイト・ホークス】参上!』
『カール・ヴィンソン』、『セオドア・ルーズベルト』、『ハリー・S・トルーマン』の空母の飛行隊が一同に集結し、F-36『ハンター』の総数は40機を超えた
さらに、
スェノル『どれほど強かろうと、その数を処理するのは大変だろう?』
連合機甲部隊を束ねるカラノフ大佐がその連合機甲部隊を率いて援護に来たのだ
ノレン『カラノフ大佐!?向こうはどうしたのですか?』
スェノル『ウォルト中佐か、向こうは既に掃討し終わっていた。上空に居るヤツらがいなければずっとあのままだ。』
ノレン『なるほど……』
ノレンは感嘆の目を向けた
突然
クロード『カラノフ大佐、我々の指揮権を預けます。』
ノレン『我々も同じく。』
そして、『我々飛行隊も指揮権をお預けします!!』
と、全ての部隊がスェノルに指揮権を預けた
スェノル「全く……フッ……」
少しは愚痴をこぼしたが満更でもない様子であった
スェノル『航空部隊は光線級に対する防御がある。光線級を優先的に潰せ!』
『了解!』
スェノル『第28戦術中隊は要塞級の殲滅を優先せよ。ただし無理はするな。』
クロード『了解!』
スェノル『第6戦術機甲大隊は戦車部隊と行動を共にしてもらう。いいな?』
ノレン『はっ!』
スェノル『さて……諸君らの健闘を期待する!』
『『了解!!』』
『Assault case!』
「突撃せよ」の一声でF-36ハンター40機以上が一気に急降下する
光線級は本能的にハンターに向けてレーザーを照射してくるが、電磁防壁に阻まれる
その光線級は再照射のインターバルに入るがもう遅かった
『FIRE ALL!!』
ハードポイントよりミサイル、いや、対地誘導弾ARGM-01『ファットドール』が何発も連続発射される
ファットドールは次々と光線級群に命中し、40㎜弾でさえ防げないその皮を灼熱の炎で焼いていく
『FIRE!!』
連合機甲部隊の自走砲連隊の射撃が開始された
米陸軍からはM109A6パラディンの155㎜とM116A1スチュアートの175㎜榴弾砲が発射される
英陸軍からはAS-90ブレイブハートの155㎜榴弾砲が発射される
亡命インド軍はM109パラディンを配備しており、155㎜榴弾砲が発射される
また、戦車部隊も砲撃をしていた
米陸軍はM1A4/FエイブラムスIVやM1A3エイブラムスⅢをもってして120㎜滑空砲弾を叩き込んだ
英陸軍はチャレンジャー3やチャレンジャー4の120㎜ライフル砲を叩き込んだ
亡命インド軍はというとアージュンIII戦車やM1A2MAV1、M1A1D、そしてT-90Mをもって120㎜滑空砲や125㎜滑空砲を叩き込んだ
さらに、洋上に居る艦隊からの低空飛行してきた巡航ミサイル数発がBETA群を襲う
スェノル『連続射撃続けろ!!1匹も逃すな!!』
6時間後
地形が変わるほどの攻撃によりBETA群20万以上は殲滅された
インド亜大陸上空
アメリカ太平洋軍所属
FS-1宙空両用戦略偵察攻撃機
『全軍に通達、BETAの反応は見られず、繰り返す!BETAの反応は見られず!!』
インド亜大陸のはるか上空で発せられるその声は調子が上がってるように聞こえた
ニミッツ級航空母艦『ハリー・S・トルーマン』艦橋
ジェームズ「あとは……バングラデシュの方か……頼んだぞ。」
ジェームズ・アレン海軍中将は艦橋の窓から視界の右に見えるバングラデシュ管区の陸地を見つめながら呟いた
※設定
・FMS-4『パーシング』
全高12m程度
主力武装はRNN-01ビームソード四丁
頭部に20㎜レーザー機関砲2門
肩部に連装40㎜速射レーザー砲2基4門
背部に予備武装として連装式40㎜レーザーバルカン砲及び20㎜レーザーバルカン砲複合銃二挺
また、多目的換装兵装として肩部展開型シールド、6連装ミサイルランチャー『ZENIT』
防御兵装は電磁防壁発生装置及び各種物理シールド
反重力機関を使用した推進方式で、浮遊にも反重力装置を使用している
超音速巡航2000㎞/hが可能であり、Gを防ぐ為コクピットは完全自立型の内部重力が働いており、外部からの影響はない
モデルはマブラヴに登場する戦術機、F-22ラプター
・ ジェームズ・アレン
アメリカ合衆国海軍中将
インドにおけるBETA戦時には戦時インド洋派遣艦隊司令を務めているが、常時であれば横須賀を母港とする第七艦隊、バーレーン・マナーマを母港とする第五艦隊、さらに新設されたフィリピン・マニラを母港とする第九艦隊を合わせた極東=アジア方面統合艦隊司令を務めている
なお、アメリカ・サンディエゴを母港とする第三艦隊、新設されたアラスカ州アンカレジを母港とする第八艦隊は、前者は艦隊総軍及び大統領直属軍、後者は北米軍に属している為、指揮下ではない
次回
chapter14 ガンジス川会戦
BETA群30万がバングラデシュへと侵攻する
迎え撃つのは統括軍第6中隊及びオーストラリア=オセアニア連邦軍第3機甲連隊
難民と避難が進まないバングラデシュの人々を守るため、戦う