英仏召喚   作:Rommel

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第12話 ―外交の拡大―

中央暦1640年2月25日

神聖ミリシアル帝国・帝都ルーンポリス、外務省庁舎―

 

ここ外務省庁舎では、ムーの大使であるオーディグス氏と外務大臣のぺクラス氏の会談が行われていた。

 

「して、本日の議題は何ですかな?」

 

ぺクラスが訊ねる。

 

「本日は我が国が新たに国交を締結した国を紹介しようと思いまして―」

 

オーディクスが言う。

 

「まさか、第八帝国では―」

 

ぺクラスが食い入るように訊く。

 

「いえ、もっと平和を重んじる国家ですよ。我が国はイギリスと国交を締結したのです。」

 

オーディクスが落ち着いた声で言う。

 

「イギリス...ああ、ロウリア王国を破った文明圏外国ですな。」

 

ぺクラスが興味なさげに言う。

 

「まあ此方をご覧下さい。」

 

オーディクスが言う。

 

「ほう...この魔写は貴国の都市を写したもので?」

 

ぺクラスが訊ねる。

 

「いえ、この魔写は『ロンドン』という都市の様子を撮ったものです。」

 

「―ロンドン?所々に見た事が無い文字が書かれていますが―」

 

「この都市は、その『文明圏外国』の首都なのですよ。」

 

オーディクスが笑みを浮かべながら言った。

 

「何ですと...」

 

ぺクラスが驚きのあまり言葉を失う。

 

「となると、この橋もイギリスにあるので?」

 

水を一口飲み、落ち着きを取り戻したぺクラスが「タワー・ブリッジ」の魔写を見て訊いた。

 

「ええ、更にこの橋は自動で開閉するのですよ。更にロンドンでは、地下鉄も走っているんですぞ。そして、近々その南にある『フランス』とも国交を結ぶ予定でして―」

 

オーディクスのその言葉を聞いたぺクラスは、自国に匹敵する程の技術力を持つ謎の国に、驚きを隠せずにいたのだった。

 

 

1941年5月25日午前10時

フランス共和国首都・パリ、エリゼ宮殿―

 

フランス大統領官邸となっているエリゼ宮殿では、閣僚会議が行われていた。

 

閣僚会議には、ペタン大統領を始め、ダラディエ首相やレイノー外相、ブルム内相など、政府の重鎮が出席していた。

 

「レイノー君、ムー連邦との国交締結ご苦労だった。」

 

ペタンがレイノーに言う。

 

「閣下、有難うございます。」

 

レイノーがペタンに言った。

 

「さて、今日の議題は何かね?」

 

ペタンがダラディエに訊ねる。

 

「今日の議題は、共産党を再び合法化するか否かです。」

 

ダラディエが言う。

 

「共産党か...奴らは厄介だからな。」

 

ペタンの表情が険しくなる。

 

「しかし非合法にしても、彼らは地下活動を始め、テロ活動も行おうとする始末ですからな。」

 

レイノーが憤る。

 

「ブルム内相、貴殿は人民戦線内閣時に共産党とも関わりがあった。彼らと交渉して貰えないだろうか?」

 

ペタンがブルムに頼んだ。

 

「分かりました。最善を尽くしましょう。」

 

ブルムが自信を持った声で言う。

 

「ただ、過激派は国外追放するしかないかと―」

 

レイノーが危惧するような声で進言した。

 

「尤もだな。その条件で交渉に臨んでくれ。」

 

ペタンがブルムに指示する。

 

「了解しました、大統領閣下。」

 

こうして、フランス共産党との交渉が始まったのだった―

 

 

中央暦1640年3月20日

クワ・トイネ公国、マイハーク―

 

イギリスとフランスの投資によって、この町は大きな変革を遂げた。

 

そんな中、ロデニウス戦争で大きな被害を受けたギムと公都クワ・トイネを結ぶ鉄道が開通し、その記念式典がギム駅で行われていた。

 

式典にはイギリスのイーデン外相、フランスのレイノー外相、そしてクワ・トイネ公国のカナタ首相らが集まった。

 

「遂にこの日が来ました、イギリスとフランスの皆さんには御礼申し上げます。先の戦争でも我が国は貴国に助けられましたので――」

 

カナタが握手を求める。

 

「いえいえ、我が国も貴国の発展に貢献できて光栄です。」

 

と、イーデンが笑顔で握手に応じた。

 

3人が和やかに談笑していると、クワ・トイネ外務省の職員がやって来た。

 

「お話し中失礼致します。英仏の代表団の方との会談を希望する方が訪れています。」

 

「どこの使者かね?」

 

カナタが訊ねる。

 

「フェン王国とアルタラス王国の二ヵ国の外交団です。」

 

職員が言う。

 

「実は我が国は二ヵ国との交渉を進めていたところでして、丁度良い機会になりましたよ。」

 

レイノーがカナタに言う。

 

「我が国も会談要請を出していたのですが、予定が合わないものでしたから中々――」

 

イーデンも続けて言った。

 

こうして、会談の場が持たれることとなった――

 




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