英仏召喚   作:Rommel

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第13話 ―東方への進出〔前編〕―

1941年5月1日

イギリス、プリマス・デヴォンポート海軍基地―

 

17世紀に新世界へ向かった「メイフラワー号」が出航したこの町では、東方海域(旧北海)を調査する為の探索船団が出航しようとしていた。

 

出航の記念式典には、政府の閣僚らが集まっていた。

 

「遂にこの計画が実現されるのか!」

 

チャーチルが探索船団の主力艦、重巡「ロンドン」を見上げながら感慨深げに言う。

 

「構想から半年がかりですからね、何としても大陸を見つけて貰いたい物です。」

 

イーデンが期待を持った声で言った。

 

何故、探索船団が東へと向かう事となったのか、話は半年前に遡る。

 

 

1940年10月10日

ロンドン、海軍省―

 

ロデニウス戦争が始まる1ヶ月前、時の首相ネヴィル・チェンバレンは、グレートブリテン島東側海域の探索航海を、海軍首脳部に提案していた。

 

「確かに、我々は未だ帝国の西側しか知りませんからな―」

 

チェンバレンの提案を聞いた当時の海軍大臣であるチャーチルが頷きながら言った。

 

「友好国は出来るだけ増やしたいですものね。」

 

ルイス・マウントバッテン大佐も賛成の意を述べた。

 

「そして国を見つけることも勿論だが、上手く行けば植民地を手に入れることも出来ると思わんかね?」

 

チェンバレンが笑みを浮かべて言う。

 

「尤もですね、しかし現地の反抗や国際社会の目は大丈夫なので?」

 

マウントバッテンが訊ねる。

 

「保護下に置く、といった形にすれば良いだろう。」

 

チェンバレンが自信を持った声で反論する。

 

「しかし実行するとして、リスクは大きい。それに多くの艦船は派遣できんだろう。」

 

チャーチルがチェンバレンに言った。

 

「それは私も承知している。しかし幾らか強い艦で探索せねば、乗員に危険が生じかねん。」

 

チェンバレンが力強く言う。

 

こうして、近日中に計画会議を行うことが決定した。

 

 

そして1週間後には、この計画は承認され、「コロンブス計画」の作戦名(コードネーム)の元、実施に向け計画が始まった。

 

しかし、この「コロンブス計画」はロデニウス戦争の勃発によって棚上げとなってしまう。

 

 

1941年2月10日

ロンドン、ホワイトホール・内閣戦時執務室―

 

大蔵省庁舎の地下にあるこの執務室では、「コロンブス計画」の再開についての閣議が行われていた。

 

「ロデニウスにおけるロウリアの野望が砕かれた今、我々はあの計画を再開するべきだと思わんかね?」

 

チャーチルが愛用の葉巻「ロメオ・イ・フリエタ」を手に閣僚たちに訊ねる。

 

「海軍としては賛成です。」

 

マイハーク沖海戦の英雄、カニンガム海軍卿が言った。

 

「植民地省としても賛成です。帝国の植民地が失われた今、再び海外へと乗り出すのは良いかと―」

 

帝国主義者として知られる、現植民地大臣のソールズベリー伯も賛意を表した。

 

更に内務大臣や国防大臣らも賛成した事で、「コロンブス計画」の再開が決定したのだった―

 

 

1941年5月1日

イギリス、プリマス・デヴォンポート海軍基地―

 

「コロンブス計画」のトップであるマウントバッテン大佐は、旗艦である重巡「ロンドン」の操舵室に居た。

 

「さて、いよいよ出航だな。」

 

彼は腕時計に目を遣ると、副官のブライアン・バトラー中佐に言った。

 

「そうですね、大佐。国家の威信を懸けた計画なだけに、失敗できませんね。」

 

バトラーが緊張した声で言う。

 

「よし、全艦出航だ!速度10ノット、方向1‐7‐5だ。」

 

マウントバッテンが伝令兵に指示を出す。

 

「了解!全艦、速度10ノット、方向1‐7‐5!」

 

伝令兵が通信兵に伝える。

 

こうして、イギリスの東方海域調査計画「コロンブス計画」が始まったのだった―

 




今回はイギリスが植民地を求め、調査船団を旧北海へと向かわせるまでを書きました。
原作ではあまり触れられていない、惑星裏側の国家などが、これから出て来る予定です。
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