ハイスクールDxD〜黒の堕天使と炎氷(えんひょう)の弱騎士 作:シュオウ・麗翅
「あ〜よく寝たぁ……。」
ぐ〜っと背伸びをする飛斗。階段を降りてリビングに向かうと1人の少女が朝ごはんを用意していた。
竜胆龍騎(リンドウルキ)。飛斗の妹だ。
水色の髪をサイドテールにまとめ、前髪で両目を隠している。
エプロンを着て流し台に朝食を置く。
今日は味噌汁に目玉焼き、ご飯と焼きジャケ。食欲をそそる。
「ああ……お兄ちゃん……起きたの……?」
しどろもどろに言う龍騎。彼女は人と接することが苦手だ。兄である飛斗にもしどろもどろに話し、他人と話そうものなら単語ずつしか喋れないのだ。
「うん☆……ごめんね……今日はボクが当番なのに……」
竜胆家の食事担当は当番制である。
「……気にしないで……これしか取り柄がないから……。」
飛斗は気まづそうに食事をテーブルに運んで麦茶をコップに注ぐ。
飛斗はお茶の入ったパックとコップを置いて龍騎が座るのを待つ。
龍騎が来たところで食べ始め、静かな空気が流れ始める。
時折飛斗が学校での様子を聞き、龍騎が昨日のデートについて聞いてきた。
話という話はこれだけで、片付け用とした時に
ドォォォォァァォォン!!
何かが庭に落下した音がした。
飛斗は急いで庭に行くと、リスフィールの小屋の前に煙が上がっていた。
「リスフィール!!」
飛斗が急いでリスフィールの元へ向かうと、小屋もリスフィールも無事だった。
だがリスフィールは煙の中心をつんつんしている音が聞こえ、煙が晴れると
ーーー女性がボロボロの状態で倒れていた。
上半身は裸でもろ見えそうになっているが、特出すべきはそこではない。
下半身が異形だったのだ。
神話に出てくるスフィンクス……ケンタウロス……そのような感じだった。
「あはは……今日は休みかなぁ……」
飛斗本人は苦笑いだったという。
最低限の応急処置を終え、服も昨日買ったやつを着せる。
ベッドまで運んで寝かせる。寝顔を見たあとにスマホで学校に連絡する。
「あっ、先生?竜胆飛斗ですけど、すみません。今日は休みますね。え?理由?家の近くに動物が怪我で倒れて家で応急処置したんですよ。いま寝かせて様子を見てます。あっ、はい。じゃあ。」
電話を切ってふぅ……と一息つく。
急須で入れたお茶を飲んでゲームをする。
そうした静寂の時間が流れたのだった。
「……ここは……」
見知らぬ天井が見える。
あの時あの悪魔の一撃を受けて死んだはずなのに……
そう思っていると声をかけられる。
「ああ、お目覚め?」
あの女とは違う、桜色の髪が見えた。
腹が立つほどに、狂おしい程に憎悪が私を襲った。
だけど激痛で動けない。
「ダメだよ?あんなに怪我してたんだから。怪我人は大人しく寝るべき☆」
そう言って飛斗はバイザーに毛布をかけてやる。
バイザーは悔しそうな顔をしながら憎々しげに飛斗を見るが、手にはナイフでりんごの皮を剥くのが見える。
ただ不器用なのか危ないところがあった。
何とかして剥こうとするが、手が滑って指を切った。
「いった!!」
直ぐに血が出た指を口にくわえて血を吸う。
少し経ったところでまた剥き始める。
ところどころ危ないところがあったが、全部のリンゴが剥けて切る作業に移る。
流石に切ることは簡単に終わり、そのままバイザーの後ろに置く。
「じゃあボクは絆創膏を貼ってくるから食べて待ってなよ☆」
ウインクをかましてとてとてと歩く。
なんなんだと思いながらリンゴを食べる。
形はお世辞にもいいとは言えず、皮に食べられる部分がいくつもついていた。
八つ当たりをするようにリンゴにかじりつく。
「おおっ、回復早い!!」
扉の方を向くと飛斗が入ってきた。
怪我した指に絆創膏を貼った状態で湯呑みを持ってきた。
近くに座って中身を飲む。匂い的にお茶だろう。
「ボクは竜胆飛斗。しがない男子高生さ☆」
「……バイザーだ。てかお前そのなりで男ォ!?」
男とは思えない肌と可愛らしさだ。人形のような精密な感じで声変わりもしていないのだろう。
「あはは……よく言われるんだよねぇ……」
苦笑いをしながらお茶を飲む飛斗。
「いやぁ……リスフィールの時もこんな感じだったのかなぁ……」
しみじみと思い出すような仕草をする飛斗。うーんと考えてぽんと手を叩く。
「そうだ!!キミ、ここに住みなよ☆」
「はぁ!?」
コイツは何を言っているんだ?はぐれ悪魔でこのような身体だぞ?怖くないのか?と思ったが期待に溢れるようにキラキラした目をしていて断れる雰囲気じゃなかった。
「いやぁ……正直二人暮しは寂しくてねぇ……ここも元々は6人で過ごすスペースあるし、広くて広くて……リスフィールもいるけどそれでも寂しくて……話せる相手が欲しかったんだ☆」
ウインクして指をパチンと鳴らして伸ばす飛斗。いいこと思いついたぞ!!という雰囲気が強く、何より彼のお花畑のようなオーラが断ることを和らげているような感じがする。
「あ……ああ……」
私はコクリと頷いてしまった。
飛斗は【パァァァァ】と子供のような笑顔を浮かべて
「やったぁ☆家族が増えるよ☆やったね龍騎ちゃん!!」
「それやめて!!」
奥にいた龍騎がツッコミを入れる。
「バイザーはボクと龍騎の話し遊び相手、そして家族として迎えます☆リスフィールとも仲良く遊んでね☆」
バイザーはというと、この出来事に呆然としていたが、フッ……と軽い笑みを浮かべた。
バイサーと飛斗の出会いです。
バイサーはリスフィールと同じように扱います。つまりはペットポジションです。
竜胆龍騎(女)
身長、レイナーレより10センチ低いくらい
水色の髪をサイドテールに纏め、前髪で両目を隠している女の子。
性格は根暗で中学時代にいじめにあってたせいで登校頻度は少ない。
飛斗は助けようとしたけど無力で逆に返り討ちにあってたせいで二人とも負い目を感じているために気まづい雰囲気になる。
バイサーを迎えたのはこれが理由。寂しいからと、妹の心を開いてくれる存在になることを期待している。
イメージはクロスアンジュのクリス。