ハイスクールDxD〜黒の堕天使と炎氷(えんひょう)の弱騎士 作:シュオウ・麗翅
疲れたあとのコーヒーは……うん、おいしい!!
「バイサーくんはこの町は初めてだろうから案内するね☆」
お昼ご飯を食べ終わって一息ついた3人。
飛斗がバイサーに向けて言った。
家族として迎える以上、町の構図は知っといた方がいいという配慮だ。
だがバイサーの下半身は巨大な虫のようなものになっており、下半身だけでも2mくらいある。
さらに上半身の人間部分と合わせて3m以上ある。
「だが、いいのか?私の身体はこんなんだぞ?」
「そこは問題なし!!リスフィールという前例があるし大丈夫でしょ☆」
「おにいちゃん……楽観視しすぎ……」
疑問を投げかけるバイサーに、大丈夫でしょと軽く言う飛斗。
リスフィールを初めて散歩した時は皆から驚かれたが、今ではすっかりとリスフィールも町に馴染んでいる。だからこその散歩だ。
そんな飛斗を心配する龍騎。
「じゃあ善は急げだ☆行くぞー٩(ˊᗜˋ*)و♪」
「はぁ……どうなっても知らんぞ。」
バイサーは背を向けて歩く。
その背を見て飛斗は思いついた。
……そうだ!!リスフィールみたいに背中に乗ろう!!
そう思うと龍騎を抱き抱えてバイサーの背中に跨る。
「お……お兄ちゃん!?」
「どうして背中に乗る!?降りろ!!」
龍騎は飛斗に抱きかかえられたことに驚き、バイサーは乗られたことに少し怒った。
「じゃあ☆しゅっぱつだ〜☆」
子どものようにニコニコしながら飛斗は無邪気に言う。
バイサーは少し怒りに顔を染めるが、子どものようにはしゃぐ飛斗を見てはぁ……とため息をついて出発した。
「おお〜☆すごい!!ファンタジーだぁ〜(((o(*゚▽゚*)o)))」
バイサーが歩く度に目をキラキラさせて興奮する飛斗。
バイサーは例えるなら魔物娘や人外娘といったところだろうか。
怪物と人間の合成獣、ケンタウロス、それがバイサーだ。
龍騎は諦めたように手を額に当て、バイサーはモヤモヤした気持ちを表情に出す。
そんなこんなしてるうちに駒王学園に着いた。
「ここがボクと龍騎の通ってる駒王学園さ☆」
指をさして紹介する。
飛斗は2年、龍騎は1年だ。バイサーがそこに入ったらどうなるか考えたが、下半身の都合上無理な話ですぐにやれやれと言った感じで諦めた。
既に下校時間は過ぎているため、バイサーを連れて校門に入ることが出来た。
生徒がバイサーを見て驚愕しているが、飛斗は気にとめずに寧ろ喜んでいた。
下駄箱の入口の近くに行くと、飛斗の担任の先生が見えた。
「あっ……せんせー☆」
飛斗は横から顔を出して先生に呼びかける。
先生は気づいたのか飛斗の方へと走る。
「おお、飛斗か。って、龍騎も一緒か!!」
「……こ……こんにちは……」
あっはっはっと豪快に笑いながら言う先生とオドオドしながら小さく言う龍騎。
しかもバイサーに乗っている飛斗の影に隠れながらだ。
トラウマからか、他人を避けるほど苦手なようだ。それを見た先生はバツの悪そうな顔をする。
「そ……そう言えば動物の治療で休むと言っていたが……」
話題を変えようと無理矢理話す先生。
その問いに待ってましたと言わんばかりに目を輝かせる飛斗。
「よくぞ聞いてくれました☆今乗っているこの人こそボクが拾った新しい家族のバイサーだよ☆」
(*`ω´*)ドヤッと顔を嬉しさで染める飛斗。
先生はというと、また色物か……と言った感じだった。
「お……おう……」
「バイサーを案内するついでに先生に報告しに来ました☆じゃあまた明日〜☆」
手を振りながら言う飛斗に、先生は見送るように手を振った。
……ヒポグリフの他にペットを拾ったのか……
そう思いながら先生は職員室に向かった。
場所は変わって駒王町。
「そこをまっすぐ行くと喫茶店があるの☆そこのケーキが美味しいんだよ〜(((o(*゚▽゚*)o)))」
( ´艸`)のような顔をして案内する飛斗。
龍騎は飛斗と一緒に来たことがあるため、また食べたいと思う気持ちがあり、バイサーはどうでもいいと言った雰囲気をしていた。
喫茶店に着くと、見覚えのある顔が見え、1人は知らない顔だった。
金髪のシスター服の女の子。どう見てもこの町の人じゃない。
留学生かな?と思った飛斗と龍騎。
そして女の子を企んでいる顔で抱いているレイナーレと助けようとする一誠に遭遇する。
「バイサー!?」
一誠はバイサーを見てより気を引き締めるが、それをぶち壊す者がいた。
「わ〜い☆モッフモフだぁ〜☆」
「きゃあああ!?」
そう、竜胆飛斗である。
レイナーレの翅を見た瞬間、翅をモフってレイナーレが焦っている。
それを見た一誠はポカーンとした表情で佇み、バイサーと龍騎はやれやれと言った感じだったそうな。
何度も締まらない。それが竜胆飛斗クオリティである。
バイサーと飛斗と龍騎と一誠とアーシアとレイナーレの邂逅です。
どうなることやら