TS小娘とふた姉の日常   作:エルフスキー三世

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感想一杯もらえて嬉しくてお礼というわけではありませんが、8話に入れる予定がテンポ悪くなるので泣く泣く削った部分を再編して投稿してみました!!
落ちも何もないので、あくまでシオンの京子さん観察記録としてお読みください(


閑話……エッチ禁止中の京子さんの様子

 私のパンツが一枚消えた。

 京子が私にとお店で選んだ渾身の紐パンツである。

 というか私の下着は全部、京子のチョイスだけど……そのうちの洗濯前の一枚が消えたのだ。

 そして、京子の部屋で真空パックの袋に綺麗にたたまれた紐パンツを見つけた。

 枕の下にあった。

 微妙に湿ってた。

 元男としてナ二に使ったかはっきりと、克明に、そこはかとなく、理解してしまった。

 洗濯してある同じ色形のパンツを袋に入れて、そしらぬ顔をすることした。

 夜の文明の利器を発見する前なら保護者に相談していたかもしれない。

 

 

 キッチンで洗い物をしていた私は手を止め、リビングいる京子の様子を覗った。

 メイドゆえに、家政婦は見た状態でのステルスモード観察である。

 京子はいつも通りソファーに腰掛けて、しかしいつもとは違いテレビ(もしくは家事をする私の尻)は見ておらず真剣な表情で自分の手元に視線を向けている。

 その綺麗な指には平べったい小さな棒。

 

 それはアイススティック……ガリガ〇君とか食べた後に残る当たりくじ付きのアイス棒。

 

 凄く嫌な予感がした。

 京子はしばらく葛藤していたようだけど唐突に微笑んだ。

 世捨て人のような透き通った笑顔だった。

 そして私に観察されているとも知らず、自分の顔の前に薄いアイススティックを持ち上げ、頬を染め鼻の穴をスピスピ広げて、れろれろと舌先を伸ばし……。

 

「……京子」

 

 それ以上は視るに堪えなく、思わず止めてしまった。

 

「ひゃっ!? な、なにかしらシオン!?」

「なにしてるの?」

「ナ、ナニもしてないわよ!?」

「その背中に隠した物はなに?」

「シオンが食べてゴミ箱に捨てたガリガ〇君のアイススティックじゃないわ!!」

「……私が食べてゴミ箱に捨てたガ〇ガリ君のアイススティックなんだね?」

 

 京子って、たまに素で阿呆になるよね?

 

「コンポタ味だった……かも?」

「スデニ ナメテタノ デスカ?」

 

 引き気味で見つめる私に、京子が嫌々でもするかのように頭を左右に振った。

 

「くっ、駄目よ!! 例え愛しのシオンにでも、この私の大事なアイススティック(エクスキャリバー)はあげられないわ!!」

「なに言ってるの京子さん?」

「そんな蔑んだ目でお姉さんを誘惑しても無駄よ!! たとえ万人が今の御堂京子を恥と評しても、億万の金を積まれても、これだけは譲れないのよ!!」

 

 京子はアイススティックをぎゅっと握り、私に取られまいと豊かな胸の谷間に隠した。

 その様子は我が子を命がけで守る傷ついた野生動物のようで……でも、彼女が必死に守っているアイススティックはただのゴミです。

 砂場の棒倒しか、地面で○×ゲームやる棒代わりにしか使い道のないゴミなんです。

 当たりくじ、はずれだったんです。

 

 なんだか、もう、京子の姿があまりにも哀れで情けなくて涙がでそう。

 

 

 そんな京子の異変は家の中だけではない。

 カオルから電話がきて。

 

『なぁシオっち……最近の京、だいぶおかしいんだけど何かあったのか?』

「あったと言えばあったけど……京子がどんな風に変なの?」

『今日さ、お昼に校舎の屋上に行ったんだけど……空を見あげたと思ったら突然謎の宇宙語を話しながら両手を大きく振り回し、めっちゃ笑顔でポールダンスもどきを始めた』

「……はい?」

『というか、説明するのが危険なほどテクニカルに腰を前後させながらシオっちの名前も叫んでた……』

「そんな卑猥な行動中に叫ばないでほしいな私の名前」

 

 学校でなに発情してるかなあの変態(きょうこ)

 

『あ、言っておくけど、シオっちに嘘教えて担ごうとしているわけじゃないぞ? 今日だって静と二人で慌てて京に抱き着いて止めたんだから‼ これでもまだ控えめな感じで言っているんだからな‼』

「え、うん、カオルが嘘ついてるとは思わないけど……なんだか京子が迷惑掛けてしまったみたいで申し訳ありません?」

 

 謝罪をしたら、カオルが探るような神妙な声でたずねてきた。

 

『あ、あのさ……その……前から気になってたんだけど……お前たちマジでそういう関係(・・・・・・)だったりするの?』

「…………」

 

 カオル、意外と鋭い。

 それとも本物の女の子ならそういうことには敏感なものだろうか。

 ……ほんとのことは言えないのでとぼけておこう。

 

「そういう関係って? どういう関係?」

『え、恋人同士というか……いや悪い、変なこと聞いた……恥ずかしい忘れて……』

「うん、よく分からないけど忘れる」

『というかさぁ、今日ほどじゃないけど最近の京は毎日おかしなことばかりしてるんだよね……』

「ふーむ」

『まあ、幼稚園からの付き合いの私らにとって、アイツのエキセントリックな行動なんて今更なんだけど……それはそれとして、シオっちはしっかりとあのバカを調教して飼育しといてくれよな?』

 

 変人行動も幼なじみならノーカンというわけか。

 あと、スルーしたけれど……調教と飼育ってなにさ?

 

 

 とまあ、最近の京子はこんな感じです。

 それらの奇行も後数日で終わると思えば――はぁ、憂鬱だ。




エロなんて飾りです!
エロイ人にはそれがわからんのですよ!!
(直訳:エロ書こうとすると一人遊びを初めてしてしまう私を殺す気かっ!!)

一応エルフスキー三世の名前でR-18を検索してみると……ナニか出てくるかも?

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