バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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バレンタインと病み

 月日が経つのは早いもので(ry

 

 俺は中学へと進学した。何より去年、明日香が小学校に入学したのだ。ランドセルを背負った明日香を見て、狂喜乱舞していたら……

 

「お兄ちゃん大丈夫?」

 

 と明日香に頭の心配をされてしまった。

 

「お兄ちゃん()大丈夫?」と言われなかっただけマシかもしれない。

 くっ、なぜスマホがないんだ!?あったらメモリ全部を香澄と明日香で埋めてやるというのに・・・。

 あと、1年だ。それまで耐えろ俺!

 

 そんな俺と明日香を見た香澄は……

 

「ねぇ!わたしは?わたしは?」

 

 とグイグイ聞いてくるから、ナデナデしといた。

 

 

「ふにゃあぁ〜」

 

 

 やはり香澄、お前は猫だ!

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 季節は冬。

 まだまだ寒い2月、マフラーと手袋が必需品です。

 

 

 

 2月14日

 

 

 この日付を見ただけでお分かりいただけただろうか?

 

 

 そう、バレンタインデーだ。

 

 

 貰えない人に取っては残酷デーだ。

 最近では、女性が女性にあげる友チョコ、男性が男性にあげるホモチョコ。

 

 

 

 

 

 ホモチョコ。

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、こう言っておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、なんて儚いんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな2月14日。

 

 

 教室に入るとクラスメイトの女子が俺に近づいて来て開口一番……

 

「と、戸山くん!これ、受け取って下さい!」

 

 ほえ?俺にチョコだと!?

 

 家族以外貰った事がない俺にとって、女性から貰うのは初めてだ。小学校では貰えなかったでござる。

 

「ありがとう、お返しはちゃんとするね」

 

 と受け取ったのを頻りに、他のクラスメイト女子が続々とチョコを渡して来る。

 なんとか箱や袋に名前を書いてもらってお返しはできるようにした。お返し大事。チョコはエナメルバッグに教科書など全部どかして入れた。

 

 男子からは嫉妬の視線を感じる。ひと昔前の俺じゃん。

 

 放課後、部活に出るとそこでもチョコをもらった。

 ちなみに部活は美術部だ。運動部にすると帰りが遅くなってウチの姉妹が荒ぶるから中学校では文化部の美術部にした。土日、全くと言っていいほどにないからね。美術部の男子部員は俺を含め2人しかいない。絵を描くよりお話をしてる女子が多い。

 おしゃべりしたいのは分かるけど手を動かせ、手を!そして、何で俺にばかり話しかける?集中できんやろ!

 

 

 その後、気分がいいまま帰宅した。

 

 

 数十分後

 現在、俺はリビングにて正座中である。

 

 

「あの〜、カスミサン?アスカサン?正座くずしていいですか?」

「「ダメ!」」

「あっ、ハイ」

 

 

 ここまでの経緯を簡潔にまとめると

 

 

 帰宅する

  ↓

 リビングに入ったらニコニコ顔の香澄と真顔の明日香がいた

  ↓

 そのエナメルバッグパンパンだね?見して?

  ↓

 反抗する前に、香澄にバッグを奪われて開けられる

  ↓

 あ、オワタ\(^o^)/

 

 

 

 というわけだ。

 

 

 

 その間に父さんが帰ってきて・・・

 

「ハハハ、大人の嫉妬は見苦しいが、子どもの嫉妬はカワイイな。にしても光夜モテモテだな。父さんもたくさんもらったがロッカーに置いてきたぞ」

 

 

 あ、あんた最低だ!?

 

 

 多くて持ち帰れないならわかるが、バレンタインチョコをもらったその日に置いてくるとは最低な野郎である。

 

「へぇ、その話詳しく聞きたいわね」

「へ?」

 

 気づけば父さんの後ろには母さんがいた。どうやらこちらも詰んだようだ。ヘッ、ザマァ。ガシッと襟元を掴むと隣の部屋に連れて行こうとする。

 

「ま、待て!香織!最後に一言、言わせてくれ」

「遺言かしら?」

「違うわ!それより光夜、明日香を見てみろ」

 

 言い終えると母さんに連れて行かれた。

 そんな捨てられた子猫みたいな目すんな、同情しちゃうだろ。父さんに言われたとおり明日香に目を向ける。

 あっーれ〜?なんでこの娘も目に光がないんだ?ハイライトさん、どこですか?仕事忘れてますよ?

 しかし、完全にではなく多少、目に光はある。ちょっと濁ってるレベルだ。

 

「あ、明日香ちゃん?ど、どしたの?」

「知らない」

 

 目に光が戻るとプイッとそっぽを向かれてしまった。

 

「お兄ちゃん!」

「は、はい!」

 

 もうすぐ小学校3年生になる妹に気圧される俺こと戸山光夜13歳、実に情けない。

 

「わたしとあっちゃんがいるのにどうしてこんなにもらうの?」

 

 何気に香澄が嫉妬したのこれが初めてじゃね?やべ、超嬉しい!後はこれで「私とあっちゃんというものがありながら(ry」なんて言ったら最高だね!

 でも、貰わないとかそれなんて無理ゲー?告白なんてされてないし、されたことないから全部義理チョコでいいよね?

 

「みんな、友達から貰ったやつからだから」

「ふぅ〜ん」

 

 え?ウチの妹、本当に8歳の小2ですか?こ、怖いんですけど.……。

 許しを得たらしく、香澄と明日香がチョコを持ってきた。ハイライトさんもちゃんと仕事してる。助かった〜。

 

「はいっ!お兄ちゃんにチョコあげる」

「あ、あすかも〜!」

「ありがとな、二人とも」

 

 頭をわしゃわしゃと撫でると、二人は気持ちよさそうに目を細める。

 

 というかウチの妹たち、ブラコンすぎない?

 まだ幼いから普通なのか違うのか分からない。中学のダチに聞いたところ、そんなに仲良くないと聞いた。

 

 え?マ?

 

 小学5、6年になれば臭い、キモい、死ねって言われる?じゃあ、ウチは反抗期になるまで全力で可愛がるわ(シスコン)

 

 母さんに聞いたら、「アンタも十分にシスコンよ」って言われた。

 

 

 

 

 知ってたけど言わせて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんでやっ!?


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