そう思った。
こころとの邂逅から早1年。
いや、出来事がないと言ったが本当はある。
それはスマホだ。
やっと両親の携帯電話『2年縛り』が終わったのだ。
最初はこの
話を戻すが俺はついにスマホを手に入れたわけだ。
スマホを手に入れた俺が何をするのか?言わずもがな、妹たちを撮りまくるに決まってる。
しかし、そう簡単にはいかなかった。
『反抗期』の存在である。
香澄は小4、明日香は小3だ。女子は男子よりも精神的成熟もとい精神年齢の成長が早いと言われている。反抗期の定義はあるが全員が全員、同じ年齢・時期に反抗期になるわけがなく、一人一人違うのである。
まあ、何が言いたいのかというと・・・・
嫌がられた。
スマホを手にした日、俺は香澄と明日香を撮りまくろうとしたが・・・
「イヤッ!」
顔をプイッと横に向ける香澄。明日香はお姉ちゃんの真似をするかのように同じく顔をプイッと横に向ける。
Kawaii
それでもスマホを香澄に向けると・・・
「イヤッッッ!!!」
・・・・・・・・・ん?
ここで初めて俺は気づく。
「は、反抗期キタアァァァァァ!!」
叫んでいる間に香澄と明日香はどこかへ行ってしまったらしく、リビングには最初からこちらの様子を伺っていた父さんと拒否られた俺の男二人だけだ。ふと、父さんの方に顔を向けてみると口元をニタァといやらしく歪めていた。その顔は絶対に『ザマァ』っ顔だろ!
パシャ!
イラッとした俺は、父さんのいやらしい笑顔を携帯のカメラに収めるとL○NEの母さん宛に画像を送信した。
香澄と明日香に「パパ、臭い」って言われれるよりは数百倍マシだよ。そのうち、思春期の女子によくある「お父さんと一緒に洗濯しないで!」とでも言われるだろうよ。
それにしても、俺の匂いは大丈夫だろうか?香澄と明日香に臭いと言われたら・・・うん、考えたくないわ。
においのことでまた母さんに聞いたら・・・
「うん、いい匂い」
ちょっ、ママン。止め……
満足するまでめちゃくちゃ抱きつかれた。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
さっき、母さんから日記ノート?を渡された。理由は分からないけどせっかくなので書いてみる。あとで見返したら面白いかもしれない。
三日坊主にはならないようにする。今日から書くぞ。
Diary
○月?日
香澄の反抗期がよく分からない。
写真を撮られるの嫌がるのはまあ、分かる。俺が撫でようとしたり、構おうとすると嫌がるのに香澄からこちらに構ってと言わんばかりに来るのだ。
気まぐれ・・・・・猫かな?
風呂に突撃してきたり、一緒に寝よってベッドに入ってくる。勿論、明日香も一緒だ。最近の明日香は香澄にべったりとしており、着々とシスコンになってる。いいぞ、もっとやれ!
でも、香澄ちゃん?そろそろお兄ちゃんとお風呂はマズいよ・・・。
今日も説得しようとしたら
「イヤッッッ!」
ハハ、ワロエナイ
前世でも妹いたけど小学校高学年から「○ね、クソ○郎」の罵詈雑言だったわ。優しくしてあげたり、構ってあげなかったせいだと思いたいです。
とりあえず、今はもうちょっとだけこのまま様子見かな?
これ以上酷くなったらアカン。小5になる前に、一緒にお風呂はなんとしてでもやめさせないと。
普通ならやめさせろっていうのが当たり前だろ?
でもさ、断ると目が虚ろになるんだぜ?
虚ろな瞳で
「お兄ちゃん?なんで?」
って言うんだ。
バレンタインの時も思ったけどアレはヤバイ、とにかくヤバイ(語彙力)
こんなふうになるなんて俺、知らなかったぞ!
明日香はまだ言うことを聞いてくれるからいいがこれから反抗期来ると思うとなぁ。
俺が中学校に上がるまで妹たちに構いすぎたせいで逆に今構ってと甘えに来てるらしい。少しずつ距離を置こうと思っていたのにこれでは意味がない。
少しずつ説得というか兄離れさせないと。あわよくば、ちょっとブラコンぐらいにしたいなあなんて。
あれ?
これ反抗期っていうより超ブラコンなだけじゃね?