バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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幼き魔王少女と・・・

 高校どこ行こう・・・

 

 ここ1週間そればかり考えている。月は10月、受験に向けて勉強しなくてマズイ時期だ。まあ、勉強面は問題ない。

 中学レベルなら復習程度に勉強すれば、難関校レベルでなければ余裕で合格できる。

 

 問題は志望校である。

 

 行きたい高校がないのだ。難関校は論外!そこそこの進学校がいい。

 

 本音を言えば……

 

 第1志望 花咲川女子学園

 第2志望 羽丘女子学園

 

 にしたいところだ。

 

 しかし、バンドリの創作みたいに共学化ではないらしい。まあ、そんな簡単に共学化したら廃校を阻止した某スクールアイドルも真っ青だわな。共学化しなかったのは理事会やOG総会とかでで歴史を重んじるOGが猛反対したからですね、分かります。OGつおい。

 

 

 最終的に俺は近くの進学校を志望校にした。

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 ある休日

 

 

 

 電車に乗り、行きつけのパン屋である山吹ベーカリーへ行く。

 商店街に入ったところで涙目で辺りをキョロキョロとしている少女が視界に入る。 ツインテールで髪色は紫色。

 

 ん?紫色?

 

 この世界で初めて紫色の髪を見たな。顔を見るとどこからどう見てもあこちゃんですね、はい。魔王エンカウント?

 ちーちゃんといい、こころといい何かと遭遇率が高い。そのうち、こころが俺に会いたいって言い出したら・・・って考えるだけでヒヤヒヤするわ。

 

 宇田川あこ。

 

 Afterglow、宇田川巴の妹で、

 原作において5バンド25人の中で最年少である中学3年生だ。

 本格派バンドRoseliaのドラム担当。

 元気で明るくフレンドリーな性格で、姉の巴が大好き。自分も姉のようにカッコよくなりたいと思い、ドラムを始める。

 それ故にカッコよさを日々、研究しており中二病染みた発言が多いが上手く表現できるほどに語彙力がないため「バーン!」といった擬音で誤魔化すことが多く、よく燐子に助けを求める。

 

「えーと、どうしたの?」

 

 話しかけないという選択肢はありえないので話しかける。

 

「えっと…その……」

 

 ビクビクとした様子でこちらを伺っている。その様子は怯えている猫みたいだ。知らない人に話しかけられたらこれが普通の反応だ。又は逃げるのが当たり前。ちーちゃんとこころが特殊なだけである。

 ちーちゃんは芸能界で仕事上、知らない人と話すことが多いから話しかけても大丈夫。

 こころは・・・うん、言うまでもないだろう。

 

 とりあえず、警戒心を解かせないと。

 

「闇に飲まれよ!」

 

 あ、間違えた。これ違うやつや。意味がなんかあった気がするけど覚えてないなぁ。

 

「カ、カッコいいっ!」

「お、おう」

「ねぇ、ねえっ!他には!?」

 

 今ので警戒心が解けた・・・だと!?

 

「そ、それより、さっきから何をキョロキョロしてたんだ?」

「うーんとね、お姉ちゃんたちがいないの」

「お姉ちゃん……たち?」

「うん」

 

 中二病染みた言葉はよく分からないから話を逸らす。姉の巴と一緒にとなると・・・Afterglowの幼馴染たちか。

 

「じゃあ、探しに行こうか?」

「いいの!ありがとう、闇のお兄ちゃん」

 

 

 闇のお兄ちゃん!?

 

 

探し回っている間に「闇の」を取ってもらおうと奮闘したが無理やった。これじゃ痛いヤツだよ。

 

 

 探すこと約30分

 

 

「あ、お姉ちゃん!」

 

 あこの視線を辿ると公園内に4人の少女がおり、そのうちの1人、赤髪のボーイッシュな女の子がこちらに気づく。

 

「あこ!?」

「みんな、行くよ」

 

 黒髪の無愛想な顔をした()の合図とともにこちらへ駆け寄って来た。

 

 

 

 え、ちょっ、まッ!?


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