俺と勇次はファミレスで昼を取った後、カラオケに行こうとしたのだが土曜日の午後だし、歌うなら6時間以上がいいよなということでカラオケは諦めた。
俺も勇次もカラオケはフリータイム派だ。というのも既に勇次と2回カラオケに行っている。
勿論、フリータイム!
2人以上なら絶対にフリータイム。これは譲れない。
複数人で2〜3時間だと歌っているうちにテンションが上がり始めたところで時間が終了し、歌い足りなくなるのが目に見えている。全然歌えない+無駄に金がなくなるのダブルコンボである。
みんなで楽しむのが大事とか言われても俺には理解し難い。
だから、2人でフリータイムが一番だ。
要はカラオケに来たのなら少しでも多く歌いたいのだ。普段は満足するまで歌えない。
ところ構わずに声を大にして歌うのは常識を疑われてしまうからな。
まあ、フリータイムじゃなくても朝から歌うヒトカラならぬ朝カラで3〜5時間を毎週日曜or祝日に歌っているんですけどね。朝カラだと料金が安くなって約1000円で済む。カラオケは午後が混むからね。午前中は10時過ぎまでホントすっからかんだから入って欲しくて安いんでしょう。
毎週午前中、カラオケに行こうとするとウチのシスターズが暴れだすので2週間に1回連れて行く。
そうすると全く歌えないのだがウチのカワイイ妹たちのためなら・・・
私は一向に構わん!
香澄。お前には
ねぇ、お願いだから『きらきら星』を日本語で歌うのはやめよ?うん、キラキラドキドキしたいのは分かるよ?
でもさ、世界的には『Twinkle,Twinkle,Little Star』が有名だしというか・・・それを日本語に翻訳したのが『きらきら星』だぞ?
今はいいよ、小学生だから。さすがにさ、高校生で『きらきら星』はないよ。
それを公衆の面前で歌うのを未来で見てしまったらお兄ちゃん、恥ずかしくて両手で顔を覆いそうだよ。
俺さ、『Twinkle,Twinkle,Little Star』歌ってみせたよね?明日香と一緒に目を爛々と輝かせてカッコいいって言ってくれたやん。
なのに、なぜ『きらきら星』なんだっ!?え?「キラキラ」が入ってないからイヤダァ?
くっ、俺は諦めんぞォ!
閑話休題。
現在時刻は16時。そろそろSPACEに行こうと勇次は言う。勇次の説明によると17時に開始で19時に終了らしい。
ライブハウス『SPACE』
「ガールズバンドの聖地」と呼ばれるガールズバンド専用ライブハウス。
SPACEと言えばオーナーだ。
特に「やりきったかい?」という台詞は有名だ。
オーナー、オーナーと言うが一体どれくらいの人が本名からを言えるだろうか?アニメを見てない人はほぼ答えられないだろう。アプリでさえ、名前はオーナーになっているのだから。
それがオーナーの本名だ。
まあ、本名を知ったところでオーナーはオーナーに変わりあるまい。むしろ、本名で呼ぶ機会あるの?
ライブハウス『SPACE』オーナー、都筑詩船。
彼女は元々、全国ライブツアーを行うバンドのメンバーだったが男だらけで「ライブハウスの怖くて危なそう」というイメージを払拭するためにガールズバンド専用のライブハウスを立ち上げたという。
ライブハウスを立ち上げて、最初は誰でもライブができるようにしていたのだが、ある日、やり切ったと言えない演奏を見て、ライブのステージに立つにふさわしいかどうかを見極めるオーディションを始めた。
基準は演奏の技術や完成度よりもバンドの熱意「やり切ったかどうか」にしている。
それが後に「ガールズバンドの聖地」と呼ばれる所以となった。
うん、そりゃあガールズバンド時代来ますわ。一昔前は男のバンドが主流だったのが今ではその逆だ。
うん、オーナーSUGEEEE〜〜〜〜!!!
調べてみるとSPACEからメジャーデビューしたガールズバンドもあるそうだ。
正にSPACEは調べない限りは知る人ぞ知る「ガールズバンドの聖地」ってわけだ。
ってとこで俺と勇次はライブハウス『SPACE』前にいる。
「時間そろそろだから早く入ろうぜ」
「ひっ」
「中には女性だらけっと············」
「光夜いなかったら死んでたわ」
と俺に笑いかけてくる。
殴りたいその笑顔。
「話さなきゃ問題ないんだろ?なら、さっさと行くぞ」
「お、おう」
大丈夫か、コイツ。
短いけどここで切らへんと次回のタイトル回収できへん