バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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ホピパ0章とアニメ
オーナー「やりきったかい?」
香澄「はい!」
オーナー「何も見えていない。あんたが一番出来てなかった」

2nd Season
香澄「いつか頑張ってRoseliaみたいにライブします!」
友希那「その努力に意味は?覚悟が足りてない」
香澄「」

香澄ェ...

やっと曲出せる 歌詞がダメだから
歌詞の内容勝手に解釈!


ジブンフューチャー

 俺たちはSPACEに入り、どうしたらいいか分からず入口付近でワタワタしていた。

 

 

「そこのあんたたち、ライブハウスは初めてかい?」

 

 親切な人が教えに来てくれたのかと思ったら・・・

 

 白髪の主張が強い白黒混じったグレイヘアの女性。

 

 

 うん、オーナーだわ。

 

 

 まさかのいきなりご本人登場である。

 言い方が失礼だけど原作より少し若いな。ちょいと黒髪混ざっている。

 

「初めてです」

 

 そう答えるとオーナーはフッと軽く微笑む。

 

 思っていたより優しそうだ。原作で香澄たちとのやり取りを見ていると厳しいように感じられた。

 しかし、その厳しさは音楽(バンド)に対してだ。音楽を愛するが故に厳しく、女性にも活躍の場を広げて欲しい思い故に厳しい。

 

 

 それほどまでに厳しいのだ。

 

 

 生半可な覚悟で彼女(オーディション)に臨むようものなら「ステージから降りな」と言わんばかりに失格にされるだろう。彼女の目を誤魔化すことはできない。

 

 後々、そのことで香澄たちPoppin' Partyが関わるのだがそれはまたの機会に語るとしよう。

 

 

「高校生かい?」

「はい」

 

 まあ、俺も勇次も制服着てて明らかに中学生には見えない顔つきだもんな。

 

「そっちのあんたはさっきから落ち着かないね」

 

 入ってからオドオドしたり、キョロキョロして完全に挙動不審な勇次。ホント、お願いだから落ち着いて。俺まで注目されるでしょ。ただでさえ男がいなくて俺たち、注目されてんだから。

 周りを軽く見たところ男が数人しかおらず、女性だらけだ。

 

「ねぇ、オーナーと話してる男の2人。めっちゃカッコよくない?」

「ん〜、どれどれ············ってめっさイケメンじゃん」

「そこでめっさ使うな!」

「私は爽やか系のイケメンくんの方かな?」

「私はなんかオドオドしてるけど大きいのに守ってあげたくなる方のイケメンくんかな?」

「あの2人、デキてるのかな?」

 

 デキてねぇよ。最後の人だけおかしいだろ!

 

 中学生になってからこういった男を品定めするようにジロジロと見て、ヒソヒソとされることが多くなった。女性が男から舐め回すように見られたり、胸に視線が行くのを嫌がる気持ちがよーく分かった。

 俺たちを見て、オープン的に会話するのある意味スゴイわ。声のボリューム落とそうね。

 

「彼、女性と会話するのが苦手ですから」

 

 若い女性限定ではあるが・・・。

 

「そうかい、高校生は600円だよ」

 

 受付で代金を払い、チケットを受け取る。

 

「なあ、光夜もバンド組んだらどうだ?歌上手いし、ピアノ············じゃなかった、キーボードできるんだろ?軽音楽部にも誘われてたじゃないか」

 

 ちょっ!?オーナーの前で音楽(バンド)の話はあかんって。

 

「へぇ、あんたピアノ弾くのかい?手を見せてみな」

 

 ほら、目つけられたじゃん。今一瞬、オーナーの目がギラッとしたぞ!?

 

「別に取って食いはしないよ。だから、そうビビるんじゃないよ」

「は、はい」

 

 恐る恐る両手をオーナーの前に出すと・・・

 

「······いい手だ」

「へ?」

 

 触ることはなかったが俺の手を見てオーナーはそう呟いた。

 

「オーナー!そろそろ······」

「ああ、じゃあ」

 

 スタッフに声を掛けられ、詳しいことは何も言わずに去って行く。

 

「おい、光夜?行くぞ」

「············ああ」

 

 どういう意味で「いい手」と言ったんだろ?

 

 ライブ前に勇次からペンライトを渡された。ライブには必須だもんな。ちゃっかり持ってきてて俺の分まであるとは・・・

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 初めて見るSPACEのライブは何というか・・・凄かった。

ステージに立つガールズバンドの皆、一人一人が生き生きとしていた。バンドの演奏の技術、完成度は違えど思いは同じ。その思いがひしひしと伝わってきた。

 

 

 一番感じたのは演奏(バンド)を・・・楽しんでいた(やり切っていた)

 

 

 ことだ。

 

 

 演奏を聞いて、俺はふと思ったんだ。

 

 

 

 俺もステージに立ちたい(やり切りたい)・・・・と。

 

 

 

 その後、俺は改めて考えされることになった。

 

 

 

 自分の将来(未来)について・・・

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 SPACEでライブを見てからここ数日のことはあまり覚えていない。ずっと自分の将来について考えていた。ただ、母さんに異常なほど何回も「大丈夫?」と言われた事と家で香澄と明日香が常に近くにいたのは覚えている。

 

 

 思えば、前世では夢や目標などなく、平々凡々と生きていた。

 それが今世ではどうだろう?過去に香澄と明日香、妹たちのために頑張ろうと決めたのはいい。では、自分は?自分のこれから(将来)はどうしたい?分からない。考えれば考えるほど未来という不安が俺の中で渦巻く。

 

 俺はそんな不安を抱えながら、気づけばSPACEに足繁く通っていた。そんなある日、オーナーは俺に話し掛けて来た。

 

「あんた、最近一人でよく来るね?」

「ええ、まあ」

「ライブ後、時間はあるかい?」

「はい」

「ちょっと話がある」

 

 話?なんだろうか?来すぎとか?

 

 数時間後、ライブハウスSPACEには俺とオーナーだけが残っていた。

 時刻は20時を過ぎている。うち()の門限は22時だから問題はない。先程、用事で帰るのが遅くなると連絡しといたから。

 

「待たせたね」

「それで俺に話とは?」

「気づいてないのかい?」

「え?」

「酷い顔してる」

「············」

「はぁ、その顔は気づいてないって顔だね」

「俺は············」

「············ついてきな」

 

 言われるがままにオーナーの後ろをついていく。

 

 

 

 そこは・・・

 

 

「上がんな」

 

 

 

 ステージだった。

 

 

「え?」

「あんた、ピアノ弾くんだろ?そこのキーボードで弾いてみな」

「···········えっと、弾き語りでもいいですか?」

 

 

 そっちの方が俺はやりやすいし、ピアノもといキーボードより歌の方が自信がある。

 オーナーの意図は依然として分からないままだが、演奏しろというならやり切る覚悟で演奏する。

 ステージによじ登り、マイクとマイクスタンドを弾きながら歌える場所において、キーボード前に立つ。

 それをオーナーはどこからか持ってきた椅子に座り、何も言わずこちらを見ていた。

 

 

「あー、あー、マイクテストマイクテスト」

 

 

 マイクの確認をした後、キーボードの音を確認する。

 

 

 

 うん、よし!

 

 

 

 

 そして、準備が完了する。

 

 

 

 

 前世からたくさん弾いて、たくさん歌った曲。

 

 

 

 

 歌う曲は・・・

 

 

 

 

 

 

 

「letter song」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これから先、俺はどうなのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何と出会って、何を見るのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分の隣には誰がいるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 愛する人は見つけられただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今の自分より素敵になってるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何より幸せだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも、未来なんて誰にも分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 未来を考えるのもいいけど今を大切にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 傷ついたこと悲しいことも思い出に変えて歩いて行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜〜♪」

 

 

 

 

 

 

 

 俺は未来に語りかけるようにして歌う。キーボードも歌の歌詞と共に思いを込めて弾いた。

 

 

 

 演奏が終わる。

 

 

 

 オーナーは俺を数秒間見つめた後、口を開いた。

 

「············やり切ったかい?」

「························はい」

 

 俺の今の心はやり切り、今までにない高揚感に酔っていた。ステージに立って歌うって演奏するってこんなにもいいものなのか・・・。 俺の中にあったはずの不安(迷い)はなくなっていた。心が晴れやかになって、気持ちがいい。

 ただ、歌って気を紛らわすならカラオケに行けばいい。ステージに立って歌うのとカラオケで歌うのでは比べるまでもなくワケが違う。

 

「いい演奏だった」

「ありがとうございます」

「ふっ、いい顔つきになったじゃないか」

「でも、オーナーはなぜ···········」

「別にお節介を焼こうとしたわけじゃない。ライブハウスは演奏を聞きに来るところだ。悩みや迷いを紛らわすための場所じゃないよ。ただ、何回も酷い顔で来られちゃたまったもんじゃないからね」

 

 うっ、否定できない。

 

「それでも、ありがとうございました」

「そう思うんだったら次からはもっといい顔して来な」

「はい!」

 

 最後にお礼と挨拶をして帰宅した。

 

 

 

 次の日、俺はとある番号に電話を掛けた。

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 光夜がSPACEのステージで演奏する前日

 

「ん?あんたは前に············」

「はい、前に来たことあります」

 

 塚本勇次。光夜の高校での友達1号である。勇次の友達は軽くオーナーに会釈する。

 

「今日は別のヤツと一緒かい」

「ええ、まあ」

 

 彼が一人で女だらけのSPACEに行けるわけもなく、他の友達を誘って来ていた。彼もライブの魅力にハマってしまったのだろうか?いや、彼の場合は女の子目当てかもしれない。

 面と向かって話せないヘタレなのに・・・。ヘタレなのに・・・。

 

 大事なことなので2回言いました。

 

 

 それはさておき・・・。

 

 

「ところであんたの友達。最近、一人でよく来るよ。土日や祝日以外、男は少ないから目立って噂になってる」

「マジっすか。あー、やっぱ原因はあれか」

「なんだい?知ってるのかい?」

「············ステージに立ちたい。アイツはそう言ってました」

「ステージ?ライブのかい?」

 

 光夜、実は勇次に「ステージに立てたらなぁ」的なことを言っていたり・・・否、聞かれたりしている。

 光夜としてはぼそりと独り言のように言ったつもりだが、独り言にしては大きい声だったため、近くにいた勇次に聞かれている。

 

 

「ええ、部活見学の時、軽音楽部の演奏中に確かにそう言ってましたから」

「へぇ、入ればいいじゃないか?」

「初めてSPACEでライブ見てからアイツ、なんか悩んでるようで········」

 

 光夜とひと月、共に行動しているだけあって、勇次も光夜のことを理解しているようだ。

 

「なるほど、ねぇ。だからステージを··········」

 

 オーナーは思い当たる節があるのか、納得したような顔をしていた。

 

「ええ、では、そろそろ········」

「ああ」

 

 

 勇次とのこの会話が理由でオーナーは光夜をステージに上がらせるのだった。ある意味、勇次のお陰である。




1/24 22時〜1/25 午前5時前まで
一時的にでしたが日間ランキング2位ありがとうございました。

タグに独自解釈、ご都合主義を追加しました。

m(_ _)m

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