バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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あっちゃんはkawaii


戸山明日香 誕生

 香澄が産まれてから1年が過ぎ、我が家に新しい家族が増えた。

 

 

 戸山明日香。

 

 

 明日香の誕生に香澄は大はしゃぎだ。1歳児に妹が出来たとわかるのだろうか?

 とりあえず、香澄よ。離れようか?

 そう、今現在俺は香澄に引っつかれている。

 

 頭に・・・というか顔に。

 

 しかも、真正面からで目の前が香澄で見えない。真正面と言っても俺が横になっている時だ。

 あ、でも、乗っかってくるのではないからな。

 真上からと言いたいところだが、起き上がっても引っついてるし、離れない。

 

 もう真正面でいいだろ?

 

 引き剥がそうにも強くて離せないし、力を強くして引き剝がしたいところだが相手は1歳児。

 泣かせてはいかん。

 しかし、その力はどこから……。

 

 

 

 結局、俺は香澄が満足するまで頭に引っつかれたままだった。

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 さらに1年後、俺は小学生になった。

 香澄は2歳で舌足らずなしゃべり方で「にぃにぃ」と俺の後を付いてくるのだ。

 

 

 香澄カワユス

 

 

 明日香も負けじと付いてこようとするのだがハイハイは遅い。少し俺が離れると泣きそうになる。

 その前に抱っこしてあげるというのが最近のお決まりだ。

 

 

 明日香もカワユス

 

 

 「パーパ」「マーマ」とは言えるのに「にぃにぃ」はまだ言えないらしい。

 なぜか俺のことを「にぃーい」と呼ぶ。にぃーいって何や?にーにーと呼ぼうとしてるのだろうか?

 まあ、可愛いからいいや(シスコン)

 半年後には「にぃにぃ」と話せるようになった時は軽く死ねたわ。

 そんな香澄と明日香が互いに「キャッキャッ」としているのを眺めるだけで満足や。

 

 

 

 

 

 

 

   尊い

 

 

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 未だに香澄が俺の頭というか顔に引っつこうとしてくる。肩に乗るとかならわかるんだけど、なぜか顔にだ。

 母さんがその光景を見て、爆笑していた。

 

 (そんな笑える光景なの…)

 

 母さんは香澄を引き剝がそうと近寄って来たが、俺は香澄が引っ付いたまま起きあがって拳を握り、母さんに向けてサムズアップした。

 

「母さん、大丈夫だ。問題ない」と意を込めてね。

 

 香澄を見て、明日香まで俺の顔に引っついた時は「ブルータス、お前もか」って思ったね。

 姉妹揃って俺が横になる度にしてくる。

 

 もしかして、これが噂のだいしゅきホールド!?

 ああ、アレはもっと下の方だったな。

 2人には相通じるものがあるな。

 まあ、何にせよ似た者姉妹で何よりだ。

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 Side 戸山香織

 

 その日の夜

 

「あなた、また光夜が慈愛に満ちたような目をしていたの」

「誰にだい?」

「香澄と明日香よ。二人が遊んでるところを」

「ほぅ、ますます大物に近づいているな」

 

 なんの大物よ。

 

「香澄はもちろん、明日香も兄ちゃんにベトベトよ」

「うん、良いことだ。光夜はちゃんとお兄ちゃんやれているのかい?僕が休みの時以外は見れないからね」

「ええ、お兄ちゃんしてるわ。香澄は光夜の頭がお気に入りなのよ」

「え?頭かい?肩とか肩車じゃないのかい?」

「えぇ、頭よ。真正面からのね」

「え?真正面!?」

 

 驚くのも無理はない。私も最初、光夜が香澄に頭に引っつかれているのを見て腰を抜かしてしまったもの。

 光夜から引き剝がそうとしたら、光夜が体を起き上がらせて、香澄をくっつけたままサムズアップしてきたから。

 それを悠夜に言うと・・・

 

「サムズアップしたのかい!?」

「ええ、思わずその光景を写真に撮ってしまったわ」

「ナイスだ。で?見してくれるかい?」

「うん、これよ」

 

 携帯で撮った写真を見せたら悠夜は急に笑い出した。

 

「ハハハハハッ、これはいい。傑作だ」

「それだけじゃないの、明日香のもあるのよ」

「え?」

 

 素っ頓狂な声を出す悠夜。

 

「これよ」

「ウワハッハハハハハハっ、もうだめお腹痛い」

「静かに笑ってよ、3人とも起きちゃうでしょ」

「ごめん、ごめん。これで笑うなって方が無理でしょ」

 

 それには激しく同意だ。私も見た時は爆笑してしまったもの。

 

「香澄がしていたことを真似して明日香もやったのよ」

「似た者姉妹でなりよりだ」

「それに光夜、学校でも人気者だって先生言ってたわ」

「やはり、只者じゃないな光夜」

 

 そんな会話を就寝するまで続けるのであった。


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