バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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今まであったイベントストーリー、全部は無理だから一部は香澄たち2年に上がったら入れようと思ってたのに……シーズン2だと!?
シーズン1を今後どう組み込むか…
これは長くなるゾ
2nd Seasonに話が行くのはいつになることやら(白目)


カラオケバトルでバレる

 

 

 

 ──カラオケバトルで優勝した。

 

 

 

 正直、拍子抜けだった。もっとこう、熱いバトルが繰り広げられるのかと思っていたのに。香澄風に言うなれば「キラキラドキドキ」するのかと思った。緊張という意味であれば、ドキドキはしたが。

 

 今回のテーマ、タイトルが「新人王決定戦」、参加資格は18歳以下でカラオケバトルに初出場となる人である。

 大物芸能人、番組のゲスト、観客が大勢いる中で歌うのだから緊張するはずだ。俺があまり緊張せず歌えたのは始め、一番手だったのが大きい。

 

 だから、何も気負わずにいつも通り歌えたやりきれた。得点は予選、決勝ともに100.000点だ。予選で俺の後に歌った人たちが気負っていたのは俺のせいではないと思いたかったが、無理な話だろう。俺だって自分の前の人がいきなり100点出されたら気負ってしまう。

 決勝は自分ともう一人の2人で点数が最後に出るから問題なく、やりきって歌えた。

 

 まあ、運も実力のうちと言うし、結果オーライというやつだ。このカラオケバトルのためにヒトカラで同じ曲をエンドレスして歌っているのだから100点は当然の結果と言える。

 あと、あまり緊張しなかったのは一番手だったというのもあるが、それとは別にもうひとつある。それは、文化祭の後夜祭ライブだ。

 

 ウチの文化祭の後夜祭は体育館のステージで芸やダンス、バンドなど最後は生徒同士、盛り上げて文化祭の〆を飾る。後夜祭は自由参加だが、後夜祭に参加せずに帰る人は少ない。ウチがマンモス校で人が多く、盛り上がりが激しいから、その熱が冷めずに後夜祭に行く為、帰る人が少ないのだろう。

 そこで俺は生徒、先生含む、1000を超える人の前で歌った。

 正直、この後夜祭ステージに出て歌っていなかったら、カラオケバトルで緊張してしまい、

いつも通りだね(やりきる)どころではなかったと思う。

 

 そもそもの話、どうして俺が後夜祭ライブに出たのか?それは友達に「ボーカルをやってくれ」と頼まれたからだ。その友達はクラスメイトなのだが、軽音部は人気で入部する人も多い。そうなると自然と文化祭や予餞会でステージに立つ機会がなくなる。2、3年生が優先となるからその機会は回ってこない。

 それなら、後夜祭ステージに出ようということでバンドを組んだのはいいが、ボーカルがいないじゃねぇかとなり、ギター、ベースのどちらかがボーカルやれよ、嫌だよと。

 そこで俺に白羽の矢が立ったのだそうだ。その軽音部の友達とカラオケに行ったことあるから、それで俺に頼んだのだろう。

 

 こうしてバンドを組んだ俺たちはステージに立った。ステージに立った俺はもう、それはそれは緊張した。手がワナワナと震え、心臓がバクバクと速くなる。共にステージに立った友達に「肩の力、抜けよ」と言われ、俺は気づいた。

 

 

 そうだ、ステージにいるのは俺だけじゃ……一人じゃないんだ。

 

 

 そう分かると、不思議と緊張が和らいでいった。

 その後、無事に演奏することができた(やりきった)

 

 そして、この後夜祭ライブが俺に、より歌の自信を与えてくれるのだった。

 

 

 カラオケバトルで優勝後、事務所を通していろんな所から仕事のオファーが来た。何故か音楽関係ではなく、バラエティ番組や雑誌モデルとかだ。

 

 正直、ワケが分からなかった。

 

 そう思い、戸田さんに聞いてみたら……

 

「戸山くん。キミ、タレントやらない?」

 

 と言われた。話をよくよく聞いてみると、カラオケバトル前から戸田さんがあれこれ裏で手を回していたらしい。

 

 ……あなたが原因か。

 

「戸山くんが今、歌手デビューしても他の歌手やアーティストの中に埋もれてしまうのが目に見えているからね。それに高校生だと、時間的にも精神的にもキツイだろう?」

 

 ……なるほど、それならタレントとして活動して名を先に売ろうって事か。タレントであるならば、あまり問題はない。

 

「分かりました。俺、タレントになります」

 

 今まで歌手にしか眼中になかったが、そうじゃないのも面白そうだ。特にモデルに興味がある。

 

 

 それからトントン拍子でタレントとしてデビューした。最初は雑誌のモデル、俺の事がカラオケバトルから話題を呼び、テレビへ。トーク番組などのテレビで何回かお呼ばれして出演していると、俺は高校生タレントとして顔と名がそこそこ知られるようになった。

 トントン拍子と言ったが、その前に一つの問題というか事件が起きた。

 

 

 香澄と明日香にバレた。

 

 

 何がバレたって?全部だよ!カラオケバトルのこと、芸能事務所に所属していること、タレントとして活動して行くこと。カラオケバトルで優勝した日が収録であり、俺はその2週間後に放送されるのを失念していた。

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 

 カラオケバトルが放送される日曜日。

 

 

 風呂に入って夕飯を済ます。そして19時からのカラオケバトルを見るために家族全員、テレビ前のソファに腰掛ける。もちろん俺の隣には明日香と香澄がいる。右に香澄、左に明日香。さりげなく俺の腕をホールドするのやめてくれませんかねぇ。

 その後、カラオケバトルが始まり、タイトル「新人王決定戦」と最初にある「今夜のカラオケバトルは(ry」で軽く内容を紹介する時に俺がチラッと映った。その瞬間、香澄と明日香がギョッとした顔で俺を見てくる。

 

 

 

 ……HAHAHA、オワタ\(^o^)/

 

 

 

 これでオワタは3回目だったような……。

 香澄と明日香を見てみると、その顔にはどういう事か説明して?と言いそうな顔をしている。

 

 

「ねぇ、お兄ちゃん?」

「ひゃ、ひゃい!?」

 

 ひっく、声低いよ!香澄ちゃん!思わず、ビビって変な声出しちゃったよ。とりあえず、逃げようかなぁ。意味ないけど。

 

 

    ガシッ ガシッ

 

 

 ……あっ。

 

 

 両サイド、香澄と明日香により俺の両腕ががっちりとホールドされた。

 

 

 戸山姉妹からは逃げられない。

 

 

「お兄ちゃん、後で説明してね?」

「アッ、ハイ」

 

 左にいる明日香も説明してね?と言いたそうにコクコクと首を縦に振っている。

 後でってカラオケバトルの番組が終わるまで?え?1時間もこの状態でいるの?

 

 

 

 ………マジで?

 


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