バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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原作までの話が1話1話短いのは許しておくれ。


おいでよ弦巻家

「戸山様、お迎えにあがりました」

 

 

 どうしてこう、忘れた頃にやって来るのかね?それにしてもおかしいな。俺、こころに名前だけしか言ってないはずなんだが……あっ。

 

 ……テレビか!?

 

 そうだよ、そりゃあバレますわ。最近は、とある雑誌で表紙を飾ったし、テレビに出演することも増えた。カラオケバトル放送から2ヶ月後に来たということは、俺がテレビに出演しているのを最近、こころが見たということだろう。

 こころのことだ。きっと俺が出演した番組を見て……

 

「あら?光夜じゃない!どうしてテレビに出ているのかしら?久しぶりに会いたいわ!」

 

 とこんな感じに言って、それを近くにいた黒服が聞いていた……と。うん、絶対そうだ。

 

 

「戸山様、車にお乗りください」

 

 

 黒服の一人がリムジンのドアを開けてそう言う。

 

 行かなきゃだめですか?視線を他の黒服たちに移すと皆、コクリと頷いている。え、こわ。拒否したらどうなるんだ?この状況で拒否権があるとは到底思えない。拒否って拉致られましたなんて笑えないからな。

 

 

 よし、行くか弦巻家に。

 

 

 黒服に俺は頷き返すとリムジンに乗り込んだ。リムジンはとても快適でした。冷蔵庫はあるわ、4Kテレビがあるわ、どれも高そうだった。いや、高いんだろうけど。とりあえず、金持ちヤベー。

 

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 〜弦巻家〜

 

 

 

 リムジンから降りて、弦巻家の門前。外構がすごい。屋敷って言うか宮殿?城と言ってもいい。中に入り、少し歩くと近くに噴水、遠くにはテニスコートが見える。黒服の人が先導して俺の前を歩く。前に1人、後ろに4人だ。

 本邸を目指しているとは思うのだが、広すぎじゃない?

 歩き始めること10分、やっと本邸らしき屋敷……宮殿に到着した。敷地内も車で移動した方がよかったんじゃないですかね?

 

 

 本邸の扉が開く。

 

 

 

「「「「「いらっしゃいませ、戸山光夜様」」」」」

 

 

 

 ……お、おう。すげーな。大広間にいるメイド・執事たちが全員、一斉にお辞儀する。一体何人いるんだよ。この人たち全員、メイド・執事が本職?あとで黒服の人に聞いてみよう。

 

 

「あら?騒がしいと思ったら光夜じゃない!」

 

 

 上、大広間の2階からこころの声がする。声がする方に視線を移した瞬間だった。

 

「……えいっ」

 

 

 こころが2階から飛び降りた。

 

 

 ……え、ちょっ!?嘘やろ!?5〜6mはありそうな高さから飛び降りるって大丈夫なのか!?いや、そんなこと考えてる場合じゃねぇ!

 

「久しぶりね、光夜!会いたかったわ!」

 

 無事に着地するとこちらに駆け寄って来た。マジかよ、どんな運動神経してるんだよ。

 

 会いたかった……ね。やはりというか予想通りだな。

 

「久しぶりだな、こころ」

「では、こころさま。我々は……」

「ありがとう、黒い服の人たち!」

 

 うん?ありがとう?少し気になるな。こころに聞いてみるか。

 

「なあ、こころはどうして俺を呼んだんだ?」

「会いたかったからよ!昨日、光夜がテレビに出てから黒い服の人たちに頼んで連れてきてもらったの!」

 

 き、昨日!?は、早くないですか?仕事早すぎだろ、黒服の人たち。俺のプライバシーどうなってんだ。芸能人になると無いに等しいのか、それとも弦巻家の黒服がヤベーのか……。

 

「そ、そうか」

 

 恐るべし、黒服(こころ専属?)

 

「それじゃあ、行きましょ」

「どこに行くんだ?」

「あたしの部屋よ!そこでお話しましょ!」

 

 ほう、こころの部屋とな。

 

「光夜、行くわよ!」

 

 こころはニカッと俺に笑いかけると俺の右手を掴む。こころの手、温かいなぁ。

 

 俺はこころに手を繋がれたまま、こころの部屋に移動するのだった。


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