バンドリの世界に転生したって?   作:0やK

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戸山家の海水浴 前編

 夏と言えば?

 

 

 海だ!!

 

 

 ということで今、俺は砂浜に立っている。え?意味がわからない?

 

 

 キャンプ行ったから次は海に行くぞと父さんの提案により、戸山家は海水浴に来ている。

 人があまり多くない海へ行くため、朝早く出なければならない。その為、朝5時起きで6時には家から出発した。

 

 用意は前日に終わらせていたから着替えだけ済ませて、車に乗り込んだ。

 朝5時起きは香澄と明日香にはキツかったらしく、起こそうとしてもなかなか起きてはくれなかった。そのうち「お兄ちゃん抱っこ!」と香澄にせがまれた。

 

 そろそろ駄々を捏ねそうだったので「顔洗って、着替えたらな」と告げると香澄はパッと大きく眼を見開き、ベッドから飛び起き満面の笑みで洗面所へと走り去っていった。

 

 ええ・・・どうしてさ。

 

 その後、着替え終えた香澄が俺に突撃してきた。香澄を難なく受け止め、抱き上げてそのまま車へ移動する。

 

 

 おい、俺の胸板にスリスリすんな。マーキングかよ!?

 

 

 香澄はこの頃、抱っこがお気に入りだ。やっと顔に引っつかなくなったと思ったら、肩車と抱っこのダブルコンボである。

 

 明日香はどうしたと思うだろう?

 

 明日香はおんぶだ。抱っこもせがまれるがおんぶが圧倒的に多い。明日香も明日香で俺の背中でスーハーと匂いを嗅いでくる。スーハーと終わったと思ったらクンカクンカである。

 嗅いだ後はムフゥというなぞの満足感を得ている。

 

 ヤダァ、この姉妹コワイ。

 

 しかし、俺の匂いはそんなにいい匂いなのか?

 

 最近、頭に引っつかなくなった香澄と明日香がよく俺の匂いを嗅ぐ。この前、母さんに聞いてみたら「あんたの匂いはフルーティーよ」と言われた。

 

 

 フ、フルーティー!?そこまでか!?俺、いいボディーソープなんて使ってないぞ。

 

 

 自分では匂いなんて分らないからこの件に関しては諦めた。

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 車の後部座席に乗り込むと母さんが明日香を連れてきた。

 

「じゃ、よろしくね」と一言告げて助手席へ座り、さっさと眠りにつく。気づけばもう寝息をたてている。

 あなたはの○太くんですか?

 

 おい、寝るなよ!父さんがかわいそうだろ!?

 

 家に鍵をかけて出発の準備を終えた父さんが車に乗り込んできた。爆睡してる母さんを一目すると苦笑いしてた。カワイソウニ。

 香澄と明日香は俺の肩に寄りかかって寝ている。香澄は右、明日香は左だ。これが10年すれば両手に花になるのかぁ・・・。

 

 

 海辺に着くまでこの状態が続いたのであった。

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 現在、砂浜にいる俺は逆ナンされていた。

 

 

 どうしてこうなった!?

 

 

 時は数分巻き戻る。

 

 海に着いた戸山家は家族全員水着に着替えて、海へ向かっていたところ、女性陣がお手洗いに行きたいというので海の家の前の砂浜に集合することになったのだ。

 父さんが俺もちょっとお花摘みに行くと言い、トイレに一目散に走っていった。

 

 我慢してたのか・・・。

 てか、いい歳した男がお花摘みって言うなよ!気持ち悪い。

 

 

 ポツンと一人残された俺は海を前にして待つことが出来ず、海の家近くの砂浜に移動することにした。

 現在、時刻は11時半。お昼時のせいか海の家付近は人でごった返している。

 

「ねぇ、きみ?ねぇ、きみったら!」

 

 俺を呼んでたらしく、後ろを振り返るとそこにはギャルかと思いきや清楚系お姉さんがいた。

 

「はい?俺ですか?」

「そう!きみよ」

 

 よく見るとその清楚系お姉さんの後ろには同じ清楚系と言えるお姉さんが5人いた。

 

「ねぇ、きみ。見るからに暇でしょ?お姉さんたちといい事して遊ばない?」

「いい事ですか?」

 

 いい事とはなんだろうか?実は分かってはいるもののとぼけてみる。

 

「うん、いい事よ。きみ、お姉さんの好みなのよね」

 

 え?この人、ショタコンなの?あかんやろ。とりあえず、助けてと叫べばいいのか?

 

 どうするべきかと思いめぐらせていると

 

「お兄ちゃん!」

 

 香澄が後ろから抱きついてきた。そんな香澄を見て、お姉さんたちはオドオドしている。

 スク水だと!?学校の水着を着るなんて.....ナイスだ!

 

「ねぇ、お兄ちゃん。うしろのおばちゃんたちはダレなの?」

「ブッ!?」

 

 危ない、危なかった。脳内がスク水で埋め尽くされていたから香澄の不意打ちの発言に笑ってしまうところだった。

 

「お、おばちゃ········」

「誰がおばちゃんよっ!?」

「これでも26よ」

「そっかぁ、私もうおばちゃんかぁ」

「この子、将来やらかすわぁ(ブツブツ」

「····················え?」

 

 後半の3人大丈夫か?なんか納得してる人が1人。なぜか香澄の将来を予言してるが1人。最後の人はありえないって顔してる。特に納得してる人。認めちゃいけないだろ!諦めんなよ!

 

「ねぇ、お兄ちゃん?」

 

 ヒッ!?声、ひっく!この()怖いよぉ〜

 

 その時

「お兄ちゃん!」

 

 もう一人の我が妹、明日香が香澄と同様に抱きついてきた。水着カワイイ、ピンク色の子ども用の水着だ。

 

「アレ?うしろのおばちゃんたちはダレ?」

 

 ブルータス、お前もか。やはりこの姉妹、相通ずるものがある。

 

「ッ!?もう、いい。もう私かえるぅぅぅうう!」

 

 おばちゃん・・・じゃなかった、俺に話しかけてきたお姉さんが走り去るとそれを追うように他のお姉さんたちも走り去って行く。

 

「ハァ」

 

 俺が安心してため息を吐くと

 

「ねぇ、お兄ちゃん?さっきのおばちゃんたちはダレなの?」

 

 香澄が再び問いかけてくる。

 

 な、7歳児だよな?なのに、なんでこんなに目が据わっているの?ふぇえ、怖いよぉ。ちなみに明日香はこの光景をホェ?と首をかしげて俺と香澄を見ている。

 

 

 あぁ、明日香カワイイよ。

 

 

「お兄ちゃん?」

 

 

 ・・・・・・・ヤベェ。

 


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