ロキ・ファミリアに問題児が来るそうですよ?   作:ジ・アビス・シーカー

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自分で読み返したりすると読み辛かったりして、まだまだと思うけど改善の仕方がわからない悲しみ


5話 亀裂

 勝負が終わった。

 

 圧倒的、周りからはフィンが手も足も出なかったように見えたろう。

 それは事実であり、実際フィンは十六夜に傷一つ付けることは出来ず負けたのだ。

 

 だが、最後フィンは十六夜の一撃に槍を合わせていた。

 それが十六夜には気に入らなかった。別に攻撃を合わせられたことにではない。自分が槍に刺されなかったことが気に入らないのだ。

 自分で手に入れた力なら素直にこの勝利も喜べただろう。

 

 しかし、この力は勝手に渡された力。

 こんな物を使って勝っても嬉しくもなんともない。

 確かに、獅子座の太陽主権が無くとも十六夜は間違いなく勝っていただろう........片腕を犠牲にして。

 これは自分が相手を下に見て手加減した対価として本来支払わなくてはならない罰なのだ。

 

「だが、手に入れちまった以上これも俺の力だ。折り合いをつけて行かねぇとな」

 

 そんな感じで少しモヤ付いているとリヴェリアがフィンに近づき腰につけていたポーチから取り出した瓶に入った液体をかけた。

 すると怪我が跡形もなく無くなりフィンが起き上がったので、近づこうと一歩踏み出そうとする。すると、横から拳が飛んできた。

 少し屈んでそれをかわすと、次は前から蹴りが飛んできたので、それを右腕で受け止める。

 蹴りを入れてきた者は防がれた思うとガードされた衝撃を利用して十六夜から距離を取った。

 

「随分と荒々しい入団祝いだな。ティオネ」

 

「うるさい!よくも団長を!!」

 

 よく見るとティオネだかじゃなく、他の団員も武器を持って十六夜のことを囲んでいた。

 

「ハッ、いいぜ掛かってきな!全員まとめて愛しき大地にキスせてやるよ!」

 

 ティオネを始めとした者たちが地を蹴り出そうとしたとき、中庭に怒声が響き渡った。

 

「武器をしまえ!!!!」

 

 その言葉と同時に途轍もない威圧が十六夜を攻撃しようとした者たちに降り掛かった。

 威圧に負けたのか、尻もちをつく者や跳ね上がる者たちも居たが全員例外なく声の持ち主の方に顔を向けていた。

 

 そこに居たのは怒りで顔を歪めたフィンであった。

 

「お前たちなんのつもりだ?家族(ファミリア)に対して武器を向けるなんて?」

 

 フィンは一番最初に攻撃を仕掛けたティオネに質問を投げかけた。

 

「彼が家族(ファミリア)!?ですが彼はd「十六夜は見事試練をクリアした。ならば彼は家族(ファミリア)になるのは当たり前だろ!」

 

 ティオネや他の団員は今の言葉に何も言えずに黙ってしまった。

 

「ハァ、お前たちが僕のために怒ってくれるのは嬉しいさ。だけど、今回の件は僕が十六夜を測るのに圧倒的に力不足だっただけの話。十六夜に怒り覚えるのはお門違いってやつさ」

 

「.....はい」

 

 ティオネは不満そうではあるがフィンの言うことなので一応頷いた。

 他の団員もティオネにつられ「すみません」などと言って反省している素振りを見せた。

 

「....じゃあこの話はここまでだ。今日の夜7時から遠征の打ち上げと十六夜の入団祝をいつもの店でやるから来るだよ。さぁ解散。あっ、十六夜は残ってね」

 

 団長の呼びかけで見学していた団員や十六夜に喧嘩売ってきた団員は解散していった。

 

「......あれは納得してない顔だったな」ボソッ

 

 フィンは先程の団員たちの顔を思い浮かべてこれから起こることに頭を抱えた。

 

 

◆◆◆__________

 

 暫く時間が経ち中庭にはフィン、リヴェリア、十六夜の三人だけが残った。

 

「先程は団員が迷惑をかけてすまなかった。団長として非礼を詫びさせてもらう」

 

「別に構いやしないさ」

 

「そう言ってもらえると僕としては助かるよ。ありがと」

 

「ところで晴れて入団出来ることになったんだが入団すると何か変わるのか?」

 

「ロキから恩恵を背中に刻まれるくらいだよ。恩恵には自分の名前とかステータスが記載されるんだ」

 

 それを聞くと十六夜はあからさまに嫌そうな雰囲気を漂わせた。

 

「他人に名札付けられる趣味はないんだが」

 

「まあまあ、これはファミリアの目印みたいなものだからさ」

 

 フィンは流石にこれは付けてもらわないと困るので十六夜を説得しようと試みた。

 もちろんこんなので納得するとは思ってもないが

 

「....目印か、皮肉なもんだな」

 

 つい向こうのことを思い出してしまった。

 向こうでは求めても求めても掴むことの出来なかった物が、この世界では求めてもないのに転がり込んでくるのだ。

 これを皮肉と言わずなんと言うのだろう。

 

「いいぜ、大人しく受け入れてやるよ」

 

 十六夜のこの言葉にフィンは驚いた。

 十六夜の性格上そう簡単に首を縦に降るとは考えていなかったからである。

 だが、フィンとしては好都合、十六夜の気が変わらないうちに話を切り上げる。

 

「話がまとまったところで逆廻十六夜。お前はどこでその力を手に入れた。よもや、産まれてから持っていたとは言うまいな」

 

 今までの静観していたリヴェリアが十六夜に問いかけた。

 

「.......ハッ、いつからなんだろうな。産まれたときからなのか、それともそれより前なのか、何にしても俺にはわからない。そしてその答えを知ることは一生ないだろうさ」

 

「...そうか。始めに行っておく、お前の力ははっきり言って異常だ。強すぎる力はときに持ち主にさえに牙を向き、強すぎる力は恐怖を生む。十分気をつけよ。しかし、もう手遅れかもしれんがな」

 

 それだけ言うとリヴェリアはマントを翻し後方にある通路に消えていった。

 

「じゃあ、後は夜まで自由だ。街に出て探索するもよし部屋でのんびり過ごすもよし、好きなことをして時間を潰しな。はいこれ、集合場所を書いた紙。ちゃんと送れずに来てよね。じゃ、僕はやることがあるからまた後で」

 

 フィンは紙を手渡しリヴェリアと同じ方向に消えていった。

 

「取り敢えず町にでも行ってみるか」

 

 十六夜は新たなる世界の街に期待で胸を躍らせホームを出た。




段々文字数が減ってきてる。ヤバイヤバイ
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