宿毛泊地提督の航海日誌 2ndらいと!   作:謎のks

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 やってしまった…。



2020年秋イベント編 e-4

──宿毛泊地提督の航海日誌、2020年秋イベ編!

 

 「護衛せよ! 船団輸送作戦【多号作戦編】」──

 

 

 

 

 

・・・・・

 

○「竹の輝き」

 

・ステージ「ルソン島沖/オルモック沖」

・難易度「甲」

・基地航空隊×3

・ギミックあり

 

 台湾方面への輸送船団護衛を完遂後、比島方面の防衛強化のため多号作戦を実施、機を捉え、反撃作戦を実施せよ!

 

 

 

 モチーフは恐らく「多号作戦」通称「オルモック輸送作戦」と呼ばれるもの、これはあのレイテ沖海戦に連なる作戦として有名である。

 

「またレイテかや」

「そう言わずに」

「(ミウスケ)この作戦が終わればクリアーだね?」

『(ふーちゃん)上手ク行クトハ…思エナイケド?』

 

 そう、この輸送作戦の特徴としては「e3を超えるギミック量、及び攻略に異常なほど時間が掛かる、空前絶後の長期戦MAP」である。

 

「聞くだけで胃が…」

「司令官…いつものように乙以下の難易度で挑めばよろしいのですよ、今回は…ねぇ?」

 

 あの甲勲章に異様なこだわりを持つ吹雪が、今回ばかりはと一歩下がる形を見せる。その理由は…?

 

「いえ、単純に閲覧者の皆さんから「今回はやめとけ」という念押しが聞こえてきそうで…;」

「(ミウスケ)ツイッ○ーの諸提督の悲痛な叫びがスゴい」

 

 今回は凶悪な難易度というより「日頃の兵站の成果」の有無により難易度が変わる所感、具体的には「制空権のための艦載機群の改修」など。

 

「要は運要素高めながよな? …ふぅむ、にゃあ吹雪オレらぁの今の備蓄はどうなっちゅう?」

「えっ?! えっと…各種大体「13万」程度、バケツは「300」ですかね?

「(ミウスケ)多くない? 楽勝じゃん!」

 

 e3までの難易度がこれでもかと簡単であったからか、少ない出撃数で済んだことにより資源の節約に繋がった。

 

「やろ? やき今回は「甲」でいこう思うねん」

「えぇっ!? そ、その…大丈夫でしょうか?」

「今回運が良ければ甲クリアーも夢やないやろ? 運営さんの本気を肌で感じてみたいしよ、皆ぁが「甲クソ」ち言ゆうにオレらぁが体感してなかったら体験型小説的に色々…にゃあ?」

「何ですかその謎の使命感は…;」

「(ミウスケ)まぁ…時間はあるみたいだし?」

 

 この時点で12月中旬、イベント終了までまだ幾分かの時間はある。

 

「大丈夫や、引き際は心得るきよ。それにもしかしたら甲勲章手に入れれるかもやし、お前も嬉しいやろ?」

「わ、私は……司令官がご無事ならそれだけで……」

「…ん、ありがとうにゃあ吹雪。けんどお前にばかり迷惑かけゆうわけにもいかんからよ、たまには頑張ってみるわ!」

「は、はい…お気をつけて、司令官」

『………』

 

 こうして無謀にも難易度甲で挑むことになった提督、しかし…それは彼がこれから「地獄を見る」ことの始まりだった…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ──数日後。

 

「(提督) チーン_(:3 」∠ )_」

「しれいかあああん!?」

「(ミウスケ)一目見て解る今回のイベント」

 

 提督は精も根も尽き果てていた。それもそのはず先程言ったように、今回の最終海域は攻略に異常な時間がかかる、どれ程のものか実際に解説していこう。

 

 ※こーりゃくちゃーと。

 

 先ずは第一ボス撃破、第二ボスマス出現ギミックをした後第二ボス撃破。ここまでは差して難しくもないので詳しくは割愛する。

 そして、第三ボスマス出現ギミックとして以下の行動をする。

 

 

 

 ○空母機動部隊or水上打撃部隊で

  ・X2(PT)マス S勝利

 

 ○基地防空 優勢 2回

 

 

 

 更にボスマスまでのルート短縮ギミックとして、以下の通りに行動する。

 

 

 

 ○基地防空 優勢1回

 

 ○輸送護衛部隊等で

  ・Qマス(第一ボス) S勝利1回

  ・Wマス(第二ボス) S勝利1回

 

 ○空母機動部隊or水上打撃部隊で

  ・Y2(空襲)マス 制空優勢1回

  ・Y3マス S勝利

  ・Y5マス A勝利以上

 

 

 

…以上で一通りのギミック解除は成功する。

 

「多いですねぇ…;」

「第二ボスが厄介なんや…なんやねんアレ、カットイン艦が片っ端から大破させられゆうし、当たっても妖怪いちたりないが出てくるしよ…病むわ」

 

 とはいえ、この解説だけで閲覧者たちが理解出来るか怪しい。そこで…?

 

「歌にして気持ちを表したいと思います! では聞いて下さい「老○と子○のポ○カ」!」

「ちょ、めっちゃ古い曲ですね!? 若い人そんなの知らないでしょ!」

「(ミウスケ)意外とそうでもないかも?」

「わぁ、マジか〜」

『(ふーちゃん)ツッコムトコロ、ソコ…?』

 

 

 ♪脳内BGM:老○と子○のポ○カ

 

 

 ♪てってってて〜ててれれれてて、てってってて〜ててれててて、てんっ!

 

「(提督)助けてぇ!」

 

「いきなり悲痛!?」

 

 ♪ズビズバ〜パパパヤ〜♪

 

「♪やめてけれ、やめてけれ、やめてけぇ〜れ事故ジコ!」

「これ二番じゃ?」

()()

「やめてけれ、やめてけれ、事故ジコパパヤ〜」

 

『(pt)ラララランランラ〜ラランラン事故ジコ♪』

 

『(ヌ級)ランランラ〜ラランラン事故ジコ♪』

 

「(受話器を持ったネコ)どうして…どうして…」

 

『(ツ級)事故ジコパパヤ〜♪』

 

『(くうさん)おお神さま、かみさま』

 

『(戦水)助けてパパヤ〜♪』

 

『(ハヤシィ) おお神さま、かみさま。助けてパパヤ〜♪』

 

 ♪てんっ!

 

 

 

「(提督)助けてぇ!!」

 

 

 

「司令官…あとしれっとネット界隈で有名なネコが!?」

「(ミウスケ)聴いただけで悲壮感漂う曲だった…」しみじみ

『ソ、ソウ?』

 

 ※因みにウチの姉はこの曲を「ボケ老人のワルツ」とか言いやがりました(密告)。

 

「(ミウスケ)ボwケww老人www」

「間違え酷すぎません?」

『コレダケ苦痛ニ感ジルノナラ、ヤメタ方ガ良インジャ?』

「でも今回は手応えもあるがよ、第三ボスの削り中に「ボス艦隊旗艦含め全撃破」を成し遂げたきよ!」

 

 ※長門タッチが上手いこと決まって随伴艦を削ってくれた、流れが良かったのかも?

 

「マジですか…;」

『(ふーちゃん)ウソデショ…甲難易度デアッサリボスガ倒サレルナンテ…!?』

 

 まさかの完勝というフラグブレイカーも真っ青な展開、これで良いのか運営~~!?

 

「うはは! ノッて来たでぇこんなん楽勝や! まぁ装甲破砕は予定通りやるけんどな、オレは油断しぃよったらすぐ足掬われるきにゃあ?」

「で、ですね…? うーん、本当に期待して良いのかな?」

 

 最終ボスを倒した提督たちは、驕らずにそのまま装甲破砕の準備に取り掛かる。

 

「で、手順は?」

 

 第三ボスの装甲破砕、第三ボスゲージが破壊可能な状態(ラストダンス状態)になった後──

 

 

 

 ○空母機動部隊or水上打撃部隊で

 

 ・Y2(空襲)マス 制空優勢

 ・Y3マス S勝利

 ・Y5マス S勝利

 

 ○輸送護衛部隊等で

 

 ・Wマス(第二ボス)S勝利2回

 ・K(空襲)マス 制空優勢

 

 ○基地防空1回

 

 

 

「う…嘘やろ〜〜っ!?」

 

 ここに来てあまりのギミックの多さに驚く提督、特に目を引いたのが…?

 

「…第二ボスS勝利、しかも二回も? 一勝するだけでどんだけ時間かかる思うねん…;;」

 

 何が鬼畜と言われれば、このWマスとその前のUマスで、何と敵が「警戒陣」を使用してくるのだ。

 

「(ミウスケ)使用するとどうなる?」

「知らんのか? …()()()()()()()()()

 

 どういうことかと言うと…Uマス警戒陣だと敵を仕留め損ねたらターン終わりの雷撃戦にこちら側が「大破」に追い込まれる可能性がぐんと上がる、さらに第二ボス警戒陣に至っては…どんなに調子よく進み夜戦まで行ったとしても、敵旗艦が倒れる可能性は「0」に等しい。

 

「0は言い過ぎかもですけど…今司令官がやっていらっしゃるのですが、本当に倒れませんね? 魚雷カットインが入っても駄目なんですね?」

 

『(ハヤシ)意味ナインダヨォ~~www』

 

 

 

「オ ノ レ ハ ヤ シ ィ」

 

 

 

「司令官…これ以上はやめた方が宜しいのては? 私のことはもう良いんです、最近は浅はかな考えだと改めましたし…だから、ね?」

「…いや、いけるところまで行ってみようや。今回逃したら甲クリアーなんぞ一生無理や、第三ボスまで行けば…勝機はあるはずなんや」

「…っ、はい……」

「(ミウスケ)お兄ちゃん…」

 

 そして提督は、甲難易度の「沼」へと嵌まっていくのであった…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ※ここから先は作者の感じたことを徒然と書くので、一部の方に対し「不快な」表現を使用することをご了承下さい。

 

 ──テコリン♪

 

「…お、終わった……」

 

 ハヤシとの戦いを経た提督は、ふらふらと柳のように痩せ細った身体を揺らし、焦点の定まらない眼でパソコン画面上に移る艦娘たちに向き直ると…一礼。

 

「ありがとう……ありがとう………っ!」

 

 提督から沸き上がった最初の感情は…()()であった。

 

 

 感謝・・・

 

 

 

 

 

          

 

 

          

 

 

          

 

 

          

 

 

          

 

 

          

 

 

          

 

 

          

 

 

          っ!!

 

 

 

 

 

「司令官…」

 

 しかし吹雪はそんな提督に心配の目を向けていた。

 無理もないだろう、提督は明らかに憔悴しきっていた。同じような手順を延々とやらされるような感覚、艦娘が大破すれば問答無用で道中を最初からやり直し、例え目的地に辿り着いたとしても対象に勝つためには運も絡んで来る。嫌がらせとしか思えないギミックの数々、それでもこれで「手心」が加えられているのだから、普段なら我々の実力なら到底クリアーは不可能であろう。

 それでも、今回はここまで「甲」でやり遂げている。精神が疲弊しても提督は運には自信がある、幸い嫁艦であり特効艦でもある「時雨」が第二艦隊に居るので、彼女が旗艦をスナイプしてくれるなら、或いは…そんな思いもあった。

 

「あとちょっと…あとちょっとなんや……っ!!」

「………」

 

 提督は自分の頑張る姿を見て、この作品を観た人たちに何か熱い気持ちが伝われば…そう願ってどんなに辛くても甲クリアー目指して海域最深部を目指した。

 そう、ここまで来たら後には退けない。多大なギミックは全て解除した、後は…ボスと対峙するのみ…!

 

「(ミウスケ)えっと…編成はこちら! …;」

 

 

 

○決戦艦隊(機動・連合艦隊)

 

第一

・ホーネット

・サラトガ

・イントレピッド

・赤城

・利根

・由良

 

第二

・時雨

・足柄

・アトランタ

・木曾

・霞

・長波

 

 

 

「第一の由良は友軍艦隊の厳選のため入れとる、第二は時雨、霞、長波らに魚雷カットイン装備させとる。これでボス艦隊にどてっぱら開けられたら…!」

「し、司令官…目が据わってますよ?」

「…ん? あぁスマン。ちょっと眠いがよ…やりすぎやろか? 色々攻略法とか改修のススメとか見よったきよ」

「(ミウスケ)お兄ちゃんが艦これをやりこんでる…っ!?」

 

 日頃からだらけている提督だが、今回ばかりは本気のようだ。徹甲弾などの装備を改修したり艦隊のキラ付けも率先してやっていた。

 

「司令官…もう休んで下さい、最近眠れてないんじゃないですか? 日頃からの改修が大事ですからいきなりそんなことしても…」

 

 

 

「駄目や!!」

 

 

 

「っ! …司令官」

「あっ…スマン。でもこの戦いを見て、何かを感じてくれる人たちも居るかもしれん。大層なこと言えるような作品やないけんど…オレは、それでもやってみたいんや、最後まで…!!」

 

 提督の考えは本物、しかし覚悟は果たしてどうであろうか? 焦りのあまり周りが見えていないのは事実であった。

 

「(…私のせいだ、司令官がこうなったのは…私が「甲勲章」なんて言って回ってるから…!)」

 

 吹雪は人知れず、己の浅はかな行いを恥じた。

 最終海域での甲難易度挑戦は、文字通り「己との戦い」であろう、一発で道中を踏破した上でボスをスナイプしなければならない。それには「天運」が味方しなければ到底成し得ない、精神が摩耗するのは「当たり前」である、成功した提督たちは日頃の兵站とこうした「トライアンドエラー」を繰り返して勝利を勝ち取っているのだ。

 

「…出撃や、皆頼むで」

 

 それでも頑固なのか、提督は執務室から孤独な戦いを、艦娘たちはまるで死地へ旅立つような険しい表情を崩さなかった。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ──ボスマス到達…敵深海群、発見。

 

   丁型駆逐艦

 深 海 竹 棲 姫

 

『結構ヤルンダナ…見直シタヨ……? 良イネ…嫌イジャナイ。ギッタギタニ…シテヤルヨ。本気デ……ヤッテ…ヤルゼェ…ッ!』

 

 そして辿り着いたボスマスにて、提督たちは「絶望」と邂逅した。

 

「……う、そ…っ!?」

 

 敵第一は旗艦の深海竹棲姫、随伴は空母棲姫改二体、戦艦水鬼改二体、重巡ネ級改一体。第二は軽巡ヘ級改flagship、軽巡ツ級flagship、そして…駆逐ナ級後期型IIflagshipが四体

 ナ級は最近「先制雷撃する駆逐艦」としてアップデートされている、おそらくこのナ級も先制雷撃を仕掛けてくる、もしそれまでに仕留め損ねれば…?

 

『(ナ級)ゲコォーーーー!!!』

 

 ──プシュー…ボガアァアン!!

 

「(インピさん)オォウ!!?」

「(長波)ぐっへ…!?」

「(サラトガ)やだ…お尻が…;」

 

 何とこちら側に三人もの被害者が、先ほどの仕返しと言わんばかりの猛攻…!?

 

『(竹棲姫)ドウシタ、サッキマデノ威勢ハヨォ? コレガ俺ノ本気ダ、サァ…全力デ来イヨ!!』

「くっ…!?」

 

 そして──ここから阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていく。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ──あれから、何回挑戦しただろうか?

 

 道中の空襲戦、PT子鬼戦、ヌ級戦にて大破を出すこともあった。辿り着けたとしても敵旗艦に傷一つ付けられないことなど()()だった。

 

「はぁ……」

 

 提督室に重いため息の音が響いた、甲難易度特有の「次も駄目かもしれない」という絶望とのせめぎ合い、それでも進まなければならない、勝利は厚い壁の向こう側にしか存在しないのだから…。

 

「……今ので何回目やろうか? 資材も底をつきそうやし…はぁ、でも今更やしなぁ」

 

 もう「10回は超える」出撃を繰り返していた、それまでの道中を換算すると30以上は出撃したか? 気付ば資材は「燃料30000、弾薬24000、バケツ80」までに落ちた。

 絶望が提督を襲う、このまま行ってもクリアーは絶望的、更に言えば難易度を下げることは、今までの苦労が水の泡になる気がした、到底下げられない状況…摩耗した精神と意地の狭間で提督は逃れられない敗北を痛感した…!!

 

「…まだや、まだ資源はある。こうなりゃ資源が底着くまでやる、またキラ付けしたら…!」

「──司令官」

 

 提督の後ろから声を掛けるのは「吹雪」だった、しかし提督はその声に応じずずっと画面から眼を離さなかった、大破は一瞬の攻防から決まるので、視線を逸らす訳にもいかなかった。

 

「もう止めて下さい、私が司令官に甲勲章を取ってほしかったのは、少しでもこの戦いに集中してもらいたかったから。今の貴方は…充分頑張りました、そこまでして甲に挑む理由もないでしょう?」

 

 吹雪の尤もな意見に、提督は振り返らずにそれでも甲挑戦の意図を語った。

 

「…スマン、吹雪。オレにも理由が出来たがよ、今の世の中…皆嫌な思いばぁしよるやろ、そんな中でこんなストレス溜まること…ぁあ悪口っちゅわけやないけんど、どうしても打ちのめされるようなゲーム性で、それでも頑張りゆうんやったらよ…日頃からボケかましよるオレがボコボコにされよるの見よったら、少しは疲れも和らぐか…そう思うてにゃあ?」

「司令官…そんな身を削るようなこと、司令官がやる必要はないですよ。そんなことしたって…誰も、喜びません、よ……っ!」

「っ! 吹雪…お前、泣いて…?」

「──っ!」

 

 吹雪の眼に一筋の雫が流れていることに気づいた提督、驚きながら振り返る…そんな彼に対し吹雪が次に起こした行動とは──

 

 

──ギュッ

 

 

「…!?」

 

 涙目になりながら吹雪は提督の胸に飛び込むと、そのまま()()()()()。提督の懐に両腕を回し、震える身体で抱擁する。

 

「…ごめんなさい、私が日頃からいらないことを言ってしまって。貴方を…知らない内に苦しめていた…秘書艦失格です」

「吹雪…違うねん、お前が気にすることは何も…!」

「私はっ、甲勲章なんかより司令官の方が大事です、貴方が無理して戦うぐらいなら…そんなもの必要ありません…!」

「吹雪…でもオレは」

「これ以上無理をすると仰るなら…いっそ──」

 

 

 ──私と「()()()()」して下さいっ!

 

 

「っ!? ちょ…吹雪落ち着け! 自分が何を言ゆうか分かっちゅうがか?!」

 

 何とストレートなプロポーズ、提督も思わず困惑の顔を隠せない。

 もちろん吹雪には駆け落ちしてまでこの場を離れる気はない、しかし…強情な提督のことなのでこれ以上何を言ってもこちらを振り向きはしない、なので…彼がこちらを振り向くように仕向け、自分の気持ちをぶつけて目を覚まさせようとした次第だった。

 しかし真っ赤な嘘というワケでもない。もし場の流れから「そうなった」としても、彼女は敬愛する司令官を支える「覚悟」があった、それは提督も肌で感じていた。

 

「これ以上進んだら、貴方があなたでなくなるような…そんな不安があるんです。だから…無理は絶対ダメです、逃げることが恥だなんて…そんなの誰も求めてませんよ、例えこの戦いが「あの時」の繰り返しであったとしても…昔みたいに意地を張っても、誰も喜びません、そんなの全然カッコよくないです」

「っ! …吹雪、お前……!?」

「貴方は…人に何と言われようと自分を見失うようなことはしない、そうでしょう…司令官?」

「…っ!!」

 

 提督に電流が走る、そして…吹雪の愛情に応えるように、提督は彼女の頭にそっと右手を添えた。

 

「…すまん、引き際を見誤ったわ」

「ふふっ、いいえ。…本当にごめんなさい司令官」

「吹雪が謝ることやない、悪いんは意固地張ったオレやきよ?」

「本当にそうですよ、もう……ふふっ♪」

 

 提督は正気に戻った、例え甲勲章などなくとも…傍には自分を心配する「大切な人」がいる、その手前で自暴自棄な行為など出来なかった。

 

「ホンマすまんかったわ、いやぁイケる思うたらどんどん沼ってもうたわ、なはは!」

「はいはい、分かりましたから難易度下げてさっさと終わらせて、ゆっくりしましょう…ね?」

「…おう!」

 

 こうして、提督は諸々の事情により観念して、難易度を「丙」に下げて最終海域に挑むこととなった。

 

 ※難易度変更:甲→丙

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

「あぁ〜っ! 悔しいぃ〜〜〜っ!!!」

 

 

「後少しでしたが、これ以上やったら資源的にも司令官的にも「駄目になる」ところまで来てましたね?」

「(ミウスケ)これはしゃーない」

 

 茶番で誤魔化してはいたが、結局のところ「力不足により逃げ出した」ことに変わりはないが?

 

「あぁ…オレの完敗や。ホンマに悔しいわぁ、これからは毎日兵站積まにゃあいかんわ」

「(ミウスケ)それにしても吹雪ちゃん、大胆だねぇ?」ニヤニヤ

「うぅ…本当に心配だったんですよ;」

『マァ、彼ガ無事ダッタシ…良インジャナイ?』

「(ミウスケ)…で? どうだった?」

 

 一端でも甲の雰囲気を感じる体験であったが、実際はどうなのか?

 

「オレとしては…」

 

※甲難易度の感想は以下の通りです。

 

・余程装備を整えなくては、どんな歴戦提督でも沼るのは必至。

・付け焼き刃の頑張りだと、沼ったときの絶望感が凄い(頭がぐにゃあ…ってなる)。

・(今回に限ってだが)周りの提督が難しすぎと嘆く気持ちが分かった(何度ナ級に殺意を抱いたか…)。

・どうしても苦行感と運営に対する理不尽な気持ちを感じる。

・縛られる時間が長い。

・沼ると甲クリアーに対して執着を持つ。次第に資源を無駄に消費する。

 

「(ミウスケ)結論は?」

「最後の海域の甲難易度は、下手な覚悟でやるべきやない…精神的な余裕のないヤツは「絶対に」やったらいかんっちゅうことやな?」

「うーん、流石に運営の本気ですねぇ、手強い」

「でもコレが運営さんのやりたかったことや思うきよ、時間が縛られるち言ゆうけんど、甲クリアーする覚悟あるんやったら、やり込む価値はあるで? 削りの時に最終ボスを完封した時のスカッとした気持ちは嘘やないきよ?」

「まぁ、暫くは最終海域は乙以下の難易度になりますかね?」

「そうやにゃあ? そもそも装備の改修が適当やりよったり、基地航空隊の練度付け直しも出来んかったし…色々敗因はあるわ」

 

 ※6ー3までしか進んでいないクソ雑魚プレイヤーです。

 

「(ミウスケ)まぁ今回は資材不足もあるよね?」

「そうよぉ、先に書いた思うけんど最終的に資材が底を尽きかけたき、どっちにしてもにゃあ?」

 

 ともあれ、丙でクリアー出来ないほど宿毛艦隊も弱くはない、ゲージは回復したものの一気に攻め入り撃破した。

 

「はぁ…なんかもうしょうがないやろうにゃあコレは。皆ぁが運営に対して文句言ゆう気持ち、よぉ解ったわ。トラウマやわこんなん」

「ですね? よっぽど自信のある人しか今の甲難易度は無理ではないでしょうか」

 

 ※バランスがどうとかじゃなくて、ゲーム性の問題…かな?

 

「ゆるーり楽しみたい皆ぁは、乙以下で楽しむことをオススメするわ。これからも戦いがインフレしていく思うし」

「どんなに報酬が豪華でも、自分の体調をよく考えて判断しましょう。我々は艦隊強化を目指しつつ、ゆっくり歩んでいきましょう!」

 

 まさか一介のゲームで体調不良の注意喚起が起こるなど、誰が予想しただろうか? あまりのガチぶりに「イェーイ!」など言っている暇はなかった。

 

『(ふーちゃん)ホントネ…今回ハ運ガ良ケレバ、ダカラマダマシカモ?』

「(ミウスケ)私たち、そもそも運ゲーするだけの資材もないしね?」

「あぁ、これからは資材集めも改善せにゃあな?」

 

 と、これから甲難易度に挑む提督でこの小説を閲覧している方が居れば、少しでもこの体験が参考になれば幸いである。

 

「さって…と。最後に言わなアカンことあんねん」

「(ミウスケ)なぁに?」

 

 提督は徐に吹雪に向き直ると、感謝の言葉を伝えた。

 

「ありがとうなぁ吹雪、お前が居らんかったら…オレは心が擦り減るまでラストダンス踊りよったわ」

「い、いえ。司令官をサポートするのは秘書艦として当然で…」

「そうか? けんどホンマ今回のは悔しくてにゃあ…やきこれからは色々制限しよったものを外してこう思うねんな?」

「は、はぁ…あまり無理は禁物ですよ?」

「いや、ちゃうねん。…ぁあ、まどろっこしいわ!」

 

 提督は煩わしそうに言うと、ズボンのポケットから何かを取り出し吹雪に見せる。それは…?

 

「…っ!? そ、それは…!」

「おう、ケッコンカッコカリ用の「指輪」や。これからはケッコン艦増やさなぁ思いよったき、えい機会やろ? 吹雪──」

 

 ──オレと、ケッコンしてくれんか?

 

「………え…?」

 

 キターーーッ!!

 

「(ミウスケ)プロポーズキタコレ!!!」

『(ふーちゃん)ムゥ…デモ、コレハ仕方ナイワネ。オメデトウ?』

「え…えっ、えぇ!? ど…ドッキリ?」

 

 残念ながら現実である! それでも流れ的には熱い展開、苦難を乗り越えた二人に祝福の鐘が鳴る!!

 

 ※甲クリアー出来なかったので、代わりになるとは思えませんが。

 

「嘘…え、榛名さんたちは?」

「そうながよな、でも三人は「名誉ケッコン艦」としてこれからも泊地を引っ張ってくれるち、事前に了解もらっちゅうき」

 

「(榛名)おめでとうございます〜(鬼仮面装着)」

「(黒時雨)おめでとう…(ニヤァ)」

「(長門)めでたいな」

 

「どう見ても二人ぐらい了承してませんよね!?」

「(ミウスケ)これからもケッコン艦増やすの?」

「うーん、とりあえず過去イベの主役たちとか? やっていけたらとは」

 

 そもそも吹雪が練度「98」なので、これから彼女のレベリングが控えている。それでも指輪を買える資金はあるようなので、99になれば即ケッコン出来る。

 

「ぁあ、あの…司令官。不束者ですが…宜しくお願いします!!」

「おう、期待しとるで…吹雪?」

「はい、お任せください!!」

 

 こうして、色々あったが何とか晴れやかな気持ちで2020年秋イベントは幕を閉じる──

 

???「…ふふん♪」

 

 しかし…彼らを見つめる何者かの影が、果たして…何が始まろうとしているのか?

 

「…結局ナレーターさん、戻らんかったにゃあ?」

「まぁ…次で戻ってくるでしょう、多分」

「(ミウスケ)何だかんだこっちのナレーターさんも惜しい気がする」

 

ナレーターさん「おいいいいい!! また仕事取られそうなんですけどおおおおおお!!?」

 

『(ふーちゃん)…ドンマイ』

 

 何かが聞こえた気がしたが、とにかく今日はここまで。ではまた来週~~!

 

 

 ──またまた次回に続く…?

 

 




○宿毛泊地ショート劇場

提督「んじゃいきなりやけど、今回の新艦娘紹介~」

ワシントン「USS Battle ship washinton. 正式に貴艦隊に所属となりました、これから宜しくね?」

竹「竹だ、よろしくな。やってやるぜ!」

吹雪「…ん?これだけ??」

「(ミウスケ)前回と比べなくても、大分減ってるね?」

吹雪「掘らなかったんですか? ザッと見ただけですが、下手したら「全艦娘」揃ってたんじゃ?」

提督「いや、まぁ…ねえ?」

 ※はっきり言わせてもらいます…出来るかあああああああこんな状況(資材と精神的疲労的意味で)でええええええええええ!!!

吹雪「ですよねぇ…;」

「(ミウスケ)まぁいつか全員揃うと思うよ…w」

提督「わろてるやん。」

吹雪「色々噛み合ってないだけだと思うんですよ…主に作者の責任なんですけど」

 ※マジすんません!!!

吹雪「…それにしても、本編で起きた異変。全然分かりませんでしたね?」

提督「何が原因やったろうにゃあ?」

???「教えてあげましょう!」

「(ミウスケ)誰だお前は!?」


宮河「宿毛泊地の可能性を広げる女…宮河!」


♪デ~デッデ~~デッデレ! テレッテレ~!!


吹雪「…え、宮河さん? 何故ここに?」

宮河「細かいことは気にしない!」

吹雪「バッサリ説明切られた…;」

宮河「それより…私の発明品、気に入ってもらえた?」

提督「お? まさか…今回の騒ぎは」

宮河「私の所為です!」

「(ミウスケ)明石さんにスイッチの設計図送ったのも?」

宮河「私です!!」

吹雪「ナレーターさんが一時的に変わったのも?」

宮河「それも私だ!!!」

ナレーターさん「マジブッコロ。」

吹雪「な、何故そんなことを?」

宮河「知りたい? それはね……次回で明らかになるかも!!」

提督「なんじゃそら。」

 ※何とは言わないけど、やるかどうかは「状況及び作者次第」ということで、悪しからず。
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