宿毛泊地提督の航海日誌 2ndらいと!   作:謎のks

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 こんにちは、ご機嫌麗しゅうございます。作者です。
 さて、前回あとがき最後で告知しました「艦隊これくしょん十周年特別編、宿毛泊地「超」特別会議」をお送りしていきたいと思います。宜しくお願いします。

 …で、ここで注意事項があります。これからお見せする話には──とある小説作品の「リスペクトキャラ」が登場します。ご承知のほどを願います。

 リスペクトキャラとは、このサイト(ハーメルン様)でもご活躍されている「とある作者様」の艦これ作品内のキャラの要素を「五割~八割(当社比)」入れた一応当作品のオリキャラに御座います。ゲストキャラの扱いでなくキャラの要素を一部拝借し、宿毛泊地用にリビルドした設定になります。要は「一部パクリキャラ」です(問題発言)、それに加えて同作品内のネタをがっつり使用しています。
 これ怒られるんじゃないの? と皆さん思いますでしょうが、そこは既に”本人”から許可を得ていますので、ご了承のほどお願いします。何故許可を得られたのかはリスペクトキャラの元ネタと共に、あとがきで説明したいと思います。皆分かるかな?

 それでは、宿毛提督と吹雪が横須賀鎮守府を訪れる場面から見ていきましょう。
 因みにこの話に限り色々な鎮守府泊地の提督が出てくる都合上、我らが提督は「宿毛提督」と呼ばせて頂きます。
 因みにちなみに表題に「①」と付いてますが、話盛り過ぎて驚異の「3構成」となったからですね。そんな大したことしてないと思われますが、折角なのでこの宿毛泊地の「設定」についても深掘り出来たらと思います。宜しくお願いします。

 では、見ていきましょう…どうぞ!

 …最後に、当たり前だけどシリアスチックで真面目な話も多いので、ナレーターさんは居ません(今回は三人称語り)、悪しからず。

「(ナレーター)マァジっすかああああああああああああああああ!!?」



十周年特別編
第一回 提督総会議 ①


 

 ──横須賀鎮守府、正門前。

 

 煉瓦造りの囲いに覆われた広い敷地、開かれた門扉(もんぴ)から覗くと青く茂った木々と整われた草木の植えられた花壇に目が行く。その奥にはまた煉瓦で造られた、巨大で荘厳な建物があった。

 

 ──これが、当時の姿を再現した横須賀鎮守府、現庁舎である。

 

 旧庁舎は在日米海軍の司令部となっており、国際的な事情も加味した現庁舎設立に携わった艦娘運営鎮守府は、海上自衛隊の管轄区域に新たに庁舎を設置したと言う、何故海自の領域に居を構えられたかは、書類上で言えば艦娘は国の所有する「兵器」であるため。

 そんな横須賀鎮守府正門に今──一人の男と一隻(ひとり)の艦娘が立っていた。

 

「…来たぞ、横須賀に」

「はい…っ」

 

 緊張した面持ちの我らが宿毛泊地提督、そしてその秘書艦吹雪は、揃って横須賀鎮守府へ足を踏み込もうとしていた。その訳とは──彼らが先日に受け取った「招集通知書」に起因する。中にはこう書かれていた──。

 

「──前略、春も過ぎ梅雨入りも目前の今日この頃、如何お過ごしでしょうか?

 さて今日は、貴方がた宿毛泊地の代表者を横須賀鎮守府の「特別会議」に招待したいと存じます。付きましては提督、そして秘書艦をヒトリこちらに来て頂けると助かります。まぁ要は強制招集と考えてもらえたら、貴方たちの他に各地の日本拠点鎮守府泊地の代表者たちも来るのでそのつもりで?

 これからの本土防衛並びに深海棲艦のこれからの動向を話し合いたく思います、どうかよろしくお願いします。──運営鎮守府代表、徳田」

 

 そう…日本各地に散らばる主要鎮守府そして泊地、そこで各々の領土領海を守るため奮闘した提督たちが、遂に一同に会するというのだ。宿毛泊地提督は「面白そうやにゃあ?」と──まるで遠足気分で──徳田の召集に応じて吹雪を連れて横須賀へ来訪した次第であった。

 

「(吹雪)一体どんな人たちが来てるのでしょう……ぅう、気になるんですが、泊地の皆大丈夫かなぁ? 一応私が留守の間は一番しっかりしてる「神通さん」に任せてあるのですが」

「(宿毛提督)大丈夫や、皆ぁも楽しんできぃ言いよったやんかや。余計なこと考えよったら失礼やろ、にゃあ!」

「(吹雪)そうなんでしょうけど…はぁっ、確かに気にしても仕方ないですね。行きますよ司令官!」

「(宿毛提督)おぅ!」

 

「(???)──お待ちして居ました、お二方」

 

 二人が意気を高め合っていると、前方から声が聞こえて来た。その方向へ振り向くと…立てた襟が似合う巫女服風の女性が近づいて来た。

 

「(比叡)ようこそ横須賀鎮守府へ、私はこの横須賀鎮守府第一司令長官の秘書艦を担当しております「比叡」です。来訪された方々を案内するよう言われています、この度はご足労頂き…ありがとうございます」

 

 ぺこり、と丁寧な口上とお辞儀で宿毛提督たちに挨拶した比叡は、我々が知っている快活なヒト柄とは違い「理知的な女性」を彷彿とさせる低い声色と落ち着いた雰囲気を感じさせた。格好からしても宿毛泊地の改二比叡と違い、此方は改二丙のようだった。

 

「(吹雪)は、初めまして! 宿毛泊地秘書艦の吹雪です! そしてこちらが宿毛泊地提督…っあ、二人は確か面識があったのでしたね?」

「(宿毛提督)おぅ横須賀さんと話しゆう時に、よぉお茶を持って来てくれよったわ。まぁ改めて宜しくにゃあ、しっかしお前…前から思いよったけんど、ウチの比叡とは随分雰囲気違うにゃあ? あっちはすぐ半ベソかいて「ひえ〜〜!」ち言うがよ、にゃはは!」

「(吹雪)司令官! 失礼ですから!?」

「(比叡)ははっ、まぁそうでしょうね。私も始めはまだ気が緩んでたのですが・・・ウチのが()()()()ではね?」

「(吹雪)・・・あ、やっぱりあの噂は?」

「(比叡)はい、残念ながら。頼りにはなるのですが…普段の素行さえ良くなれば文句はないのですが」

「(吹雪)分かります、ウチの司令官も似たようなもので」

「(比叡)そうですか、大変ですね…心中お察しします。お互い頑張りましょうね?」

 

 何処か威圧感のある佇まいだったが、話してみると気さくな笑顔を浮かべる温和な性格が見える横須賀比叡。吹雪は内心「この人とは仲良くなれそう」と安堵していた。

 

「(比叡)では此方へ、先にウチの提督…司令長官殿と会って頂きますね? ぁあでも強制ではないので、どの道他の提督方とも顔合わせをすることでしょうし」

「(吹雪)いえ! そんな無礼なこと出来ません、是非ご挨拶させてください!」

「(宿毛提督)別にえいと思うけんど。それに・・・吹雪にはちぃと刺激が強うなるかもち思うねん」

「(比叡)私もそう思ったのですが…まぁ最悪扉の前で中の様子を伺えば良いか?」

 

 比叡の意味深な発言に「どういうこと!?」と内心吹雪は考えたが…そんなこと言っても仕方ないと、横須賀比叡に連れられて横須賀提督へ挨拶に向かう二人であった…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 横須賀比叡に案内された先に、廊下の「第一提督執務室」と書かれた札が下げられた扉の前。長い廊下に複数の人や艦娘が行き来する中、その一角に両開き戸の大きな扉がある。

 

「ここが…横須賀提督の執務室」

 

 吹雪が感慨深そうに呟くと、横須賀比叡が扉に近づき先ず耳を寄せて中に物音が無いか調べる。少しすると今度は扉をノックして反応を確かめる。

 

「・・・反応無しか、一応中を確認します」

「おう」

 

 宿毛提督たちに見守られる中、横須賀比叡は右扉を引いて中に入り様子を見に行く。

 

「(吹雪)・・・ここまでしないといけないんですか?」

「(宿毛提督)いやぁ、アイツやったらやりかねん。このぐらいやらんと」

「(吹雪)よく分かりませんが、流石に今日という日に限って不祥事を起こすとは…」

 

「(比叡)・・・っ! ちょ、ちょっと! 何やって!?」

 

 二人が話していると、突如横須賀比叡が驚愕の声を上げる。まさか──二人は不安が過りながらも執務室の扉を潜る。

 

「(吹雪)どうしま──…っ!!?」

「(宿毛提督)わや…やりよったわこいちゃあ」

 

 二人が執務室で見た衝撃の光景、それは──

 

 

「(???)っすうぅぅぅぅぅ! はああぁぁぁぁぁ………っ!! ぁぁ…良いよぉ榛名あぁ…君の生まれたままの姿……アタシに見せてぇ? そう……いい…良いよぉ………すうぅぅぅぅぅっ!!!」

 

 

 それは、イカガワシイ女性の描かれた所謂「抱き枕カバー」を頭からすっぽりと被り、その場でくねりながら息を強く吸い満たされたように吐くを繰り返す、何者かの姿だった・・・。

 

 

「(吹雪)ふ・・・不審者だあああああっ!!?」

「(???)っえ?! 不審者!? 何処っ?!! どこ、ぁあ前が、前が見えないよ!?」

 

 謎の生物は吹雪の言葉に驚いた様子で、慌ただしく身体をくねらせては辺りを見回すも、謎生物が後ろ(?)を振り向き回ると更にイカガワシイ──大事な部分は都合良く布で隠された──最早裸体の女性が、扇情的な艶めかしい顔でこちらを見ている「絵」が見て取れた。どうやらこの女性は「榛名」のようだ。

 見知った顔の他者の欲望に塗れた姿、SAN値直葬は免れない状況に宿毛提督は、吹雪には見せまいと片手でそっと彼女の目を抑えた。

 

「(比叡)あぁもう! 不審者は・・・お前だああぁっ!!」

 

 ──ドゴボァッ!!

 

「(???)フゥビラィ・ハンッ!!?」

 

 横須賀比叡は謎生物に鉄拳制裁を繰り出す、奇声を上げながら謎生物はそのまま床に崩れ落ち、ビチビチと獲れたての魚のように活きの良い動きを見せる。

 唖然とする吹雪を他所に、宿毛提督は床に転がる謎生物に足を掛けると勝ち鬨を上げた。

 

「(宿毛提督)獲ったどおおおっ!」

「(???)ビチッ、ビチチッ、ビチビチッ!!」

「(吹雪)司令かああああん!?」

「(比叡)やっぱりこうなるのか・・・はぁっ」

 

 横須賀鎮守府に、混沌とした阿鼻叫喚が響き渡る。横須賀比叡は痛む頭を抑えて溜め息を吐くのだった…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「(横須賀提督)そうです、私が「横須賀提督」です!」

 

「(宿毛提督)ぁよっこ〜すか、よっこ〜すか、よっこ〜すかっだからよっこ〜すか!」

「(横須賀提督)はい、だっふんだ!」

 

 謎生物改め横須賀提督は、特に悪びれる様子なく何処かで見たことのあるギャグを披露する。最後に見せる寄り目に頬を膨らませ、唇を尖らせるという変顔に、ギャグを振った宿毛提督は大爆笑していた。

 そんな二人に対し部屋の隅で蹲り意気消沈する吹雪と、彼女を宥める横須賀比叡が居た。

 

「(吹雪)・・・何でしょう、何もされてないのに何か大事なものを失った気分です」ズ〜ン

「(比叡)よしよし。っはぁ…言いましたよね長官、今日は大事な会議の日だから「それ」は止めてくださいねって!」

「(横須賀提督)ごめん! 我慢出来なかった!!」

「(比叡)してくれないと困るんですっ! …申し訳ありません、この人には後でキツく、キツぅ〜〜く言い聞かせておきますので」

「(宿毛提督)まぁこうなることは分かっちょったき、それより…吹雪! いつまでショボくれよるん、挨拶するがやろ?」

「(吹雪)っ! そ、そうでした。ご挨拶が遅れてすみません、私は宿毛泊地秘書艦の吹雪です! お会い出来て光栄です、横須賀鎮守府長官殿!」

「(横須賀提督)ぁあそんな畏まらないで。もっと気軽に「横須賀提督」とか「横須賀さん」とでも呼んでくださいね、私も吹雪ちゃんって呼んで良いかな?」

「(吹雪)はいっ。宜しくお願いします、横須賀…さん?」

 

 疑問形で尋ねる吹雪に、横須賀提督はニコニコしながら何度も頷いた。そして…間を置かず吹雪に対して鋭い眼光を向けながら、彼女の周りをゆっくりと歩き始めた。

 まさか何かやらかしたか、それとも大事な話か? 吹雪はその視線に気づくと固唾を飲んで横須賀提督の言葉を待った。

 暫く歩いた後、横須賀提督は元の立ち位置に戻ると──真剣な表情で「感想」を零した。

 

「(横須賀提督)──う〜ん、良いねぇ。やっぱり吹雪型は「まロい」ねぇ?」

 

「(吹雪)・・・ま、マロ?」

「(宿毛提督)()るくてエ()()「尻」っちゅう意味やで」

「(吹雪)っ!? ちょっ、そんな不健全な造語を!」

 

 吹雪は尻を両手で隠しながら後ずさる、顔が赤くなる吹雪に横須賀提督はニヨリと満足そうに笑った。

 

「(横須賀提督)ぉお〜、愛いねぇ。宿毛さんとこの艦娘とは思えないよ?」

「(宿毛提督)そうやろ〜、しっかりオレのケツ叩いてくれる、自慢の秘書艦やきにゃあ!」

「(横須賀提督)ほぉ、ケツを…スパンキンしてる? 夜の営みもそういう立ち位置なのね、くぁ〜っ、捗るわぁ〜〜!!」

「(吹雪)もう偉い人とか関係ありません、何なんですかこの変態はっ!?」

「(比叡)長かぁ〜ん? 話の続きは後で、私と二人きりでゆっっくりしましょうか?」

「(横須賀提督)ヒィッ! 長時間超絶説教(バジリスク)タ〜イム突入!? やだなぁ〜ちょっとした冗句っすよ〜?」

「(比叡)それで人サマの艦娘泣かせたら世話ない話ですよね? 反省の色ナシなら今すぐにでも…」

「(横須賀提督)すんまっせん! 半日説教はもう勘弁して下さい!」

「(吹雪)は、半日・・・;」

「(比叡)冗談はここまでにして…ではお二方、先に会議室へお向かい下さい、私たちも準備したらそちらに向かいます!」

「(吹雪)わ、分かりました! 司令官?」

「(宿毛提督)おう! じゃあの横須賀さん、今日ぐらいはお互いしっかりしようにゃあ?」

「(横須賀提督)うぃ。宿毛さんもあんまり羽目外さないようにね〜?」

 

 横須賀提督との挨拶を済ませ、宿毛提督たちは急ぎ他提督たちの待つ会議室へ向かった。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ──横須賀鎮守府、第一会議室

 

「(吹雪)失礼します」

 

 重厚感ある両開き戸をノックし、吹雪が一言置いて右戸を開いて入室する、その後に続く宿毛提督が目にしたのは──長大のラウンドテーブルにそれを覆う白いクロス、その周りを囲むように置かれた何席もの椅子に座る、複数組の男女の姿であった。

 

 

 ──一組は顔の整った若い男性と茶色のセミロングの少女。

 

 ──一組は鍛えられた筋肉が目を引く巨漢と水色髪の少女。

 

 ──一組はふくよかな体型のスキンヘッド男と快活そうな少女。

 

 ──一組はガタイの良い壮年の男性と黒いフードを被ったパーカーの人物。

 

 ──一組は茶髪の気の強そうな少女と落ち着いた雰囲気の和装女性。

 

 

 それらの男女は宿毛組の入室を見ると、どこか驚いているというか、物珍しいものを見たような反応を各々見せる。吹雪はそれを感じ取るとギョッとして彼ら彼女らを見回す、宿毛提督はそこまで気にする様子のない自然な態度で、入り口前にある机奥の席に居る見慣れた人物に歩み寄った。その人物──徳田は宿毛提督を確認すると、いつもの調子で話を切り出した。

 

「──横須賀提督が最後ですか、やれやれ…一泊地提督だというのに社長出勤とは、感心しませんね?」

 

「(宿毛提督)にゃはは、そう言うなや。色々あったがよこっちも、にゃあ?」

「(吹雪)・・・私に振らないで下さい」

「(徳田)ははぁ、その様子だと・・・横須賀提督にやられましたね? 彼女も悪気があるわけではないのですが、ただ艦娘への愛情表現が独特…というか変態なだけなので?」ニヤニヤ

「(吹雪)もう思い出したくもないのでやめてください!?」

「(徳田)ははは! では彼女たちが来たら始めましょうか? 宿毛さんたちも指定の席に着いてください」

「(宿毛)よっしゃ! ん~オレらぁの席は?」

 

「(???)──お~い宿毛さぁん、こっちだよこっち~」

 

 宿毛提督の疑問の声に答えたのは、妙にガタイの良い長身の男性。宿毛提督の名前を呼びながらひらひらと右手を振る、見ると男性の左隣りは二席分の空きがあった。

 男性の声に振り向いた宿毛提督は、まるで偶然知己に出会ったような喜びの笑顔を咲かせる。

 

「(宿毛提督)おぅ! ”かっぷ”のおんちゃん!」

「(吹雪)か、カップ・・・?」

 

 吹雪は二人の親密さに懐疑的であったが、宿毛提督に連れられて男性の方へ歩み寄る。男性は吹雪に向かい朗らかに笑うと自己紹介する。

 

「ははは、どうも。単冠(ひとかっぷ)湾泊地の提督です。宿毛さんとは仲良くさせてもらってるんだよ」

 

「(吹雪)どういうことですか、司令官?」

「(宿毛提督)あんな、横須賀で定期報告しぃよる時に他の泊地提督とよう会うがやけんど、オレが自販機で缶コーヒー買って飲みよったらこの人が隣で煙草吸い始めてよ、それからよぉ話すことが多くなったがよ」

「(単冠湾提督)何だか彼とは話が合うみたいでさぁ、特に料理の話題は盛り上がるねぇ? ぼくも料理好きだからねぇ」

「(宿毛提督)おぅ、おんちゃんから教えてもろうた「石狩鍋」、艦娘の皆ぁに振る舞ったら気に入ってくれてにゃあ。また何か教えてにゃあ!」

「(単冠湾提督)良いよぉ、ぼくも君から教えてもらった「イタドリの煮物」、美味しかったよぉ~、また時間がある時にねぇ? それで…彼女が君の秘書艦?」

「(宿毛提督)おう! 吹雪や、どうや可愛いやろ?」

 

 宿毛提督の言葉にペコリと頭を下げる吹雪、その様子に単冠湾提督は…何だか感慨深そうに呟いた。

 

「(単冠湾提督)う〜ん、そうだねぇ。これぞ、正に、って感じだよねぇ。やっぱりウチの娘とは大分違うなぁ?」

「(吹雪)それはどういう──あれ?」

 

 単冠湾提督の言葉に疑問を持った吹雪だったが、それ以上に彼の隣に座っている秘書艦らしき人物…黒いパーカーのフードを被り、足を机の上に乗せながらスマホを弄っている、不良少女のような見た目の何処か近寄りがたい雰囲気の艦娘が気になり始めた。

 まさか──そう思った吹雪があるキーワードを口にしながら、彼女に声を掛けた。

 

「(吹雪)あの・・・もう会議前なんだから、()()()()()()()()()()?」

 

「(???)ウッセ、ウチが何しようと勝手だし。ちゃんと聞いてるし、ほっとけし、()()()()()()()()()()()()・・・あ?」

 

 ぶつぶつと文句を呟くも、何かに気づいた黒パーカーが吹雪の方を見やると、心底驚いたような表情──まるで時が止められたようなリアクション──を浮かべると、立ち上がり様にフードを脱いで顔を露わにして、目を凝らしながら吹雪をジッと見つめる。

 

 黒パーカー少女は金髪の愛らしい丸顔で──髪色以外()()()()()()()()()()

 

「(金髪吹雪)アンタ…まさか「バカ真面目」?」

 

「(吹雪)やっぱりパーカー吹雪ちゃんだ! うわぁ〜懐かしいね、訓練校以来だよね、ホントに久しぶり!!」

 

 何と、二隻(ふたり)の吹雪は顔馴染みだった。

 吹雪が金髪吹雪の両手を握ってはブンブン嬉しそうに揺らす。当人たちを他所に、宿毛と単冠湾両提督は訳知り顔で詳細を語った。

 

「(宿毛提督)おぉ、この子かや吹雪が時々言いよった娘は。自分とは真逆の性格やけんど優秀な娘やって、しっかし…まさかかっぷのおんちゃんとこの秘書艦やったとはにゃあ?」

「(単冠湾提督)ぼくも話には聞いてたよ? 訓練生時代に真面目だけが取り柄の娘が居るって、いやいや…偶然にしては出来すぎてるねぇ、こんなことあるんだねぇ?」

 

 二人の話を耳にした会議室の面々は、何事かとざわついてからフタリの吹雪が艦娘訓練生時代の同期と知ると、今度は驚きを隠し切れない様子で黙っていた。

 

「(吹雪)もう、相変わらず黒パーカー着てるし。制服で居ないとダメって言ったじゃん!」

「(金髪吹雪)ウッゼ、テメこそ変わらず情緒爆音モードかよ。ダサいから隠してるだけだし、ちゃんと下に着てるし」

「(吹雪)それじゃあ暑いよって言っても、貴女全然聞かないんだもんね? 全く…でも、貴女の力量を認めてくれる人に出会えたんだね。秘書艦の大任を務めてるんだもの! 良かったね、やっぱり貴女はやれば出来る娘だね!」

「(金髪吹雪)…あ、そ。アンタこそ…秘書艦してるし、認められた感じ? ん…良かったじゃん、オメデト」

「(吹雪)っ! ・・・聞きましたか司令官! あの子がおめでとうって!! どんなに声掛けても無視か辛辣な言葉を返した彼女がっ! 私…感無量ですよぉ!」

「(宿毛提督)にゃはは! まぁお互い成長して丸うなったいうことよ、大方かっぷのおんちゃんが色々世話焼いてくれたがやろ、にゃあ?」

「(金髪吹雪)勝手に考えんな、テメには関係ねーし…」

「(単冠湾提督)はは、まぁまぁ。積もる話もあるだろうけど後でね、今は会議に集中しようねぇ?」

「(金髪吹雪)フンッ。(ぐうぅ〜〜)・・・あ」

 

 話がひと段落しかけたその時、金髪の吹雪から異音が…気の抜けるような音は「空腹の音」だと分かった。

 

「(単冠湾提督)おっと、まだ会議まで時間あるし…ほら」

 

 単冠湾提督は何かを察した様子で、慣れた動作で足元に置いたビニール袋に手を掛けると、中に入っていた手の平サイズの紙に包まれた食べ物らしきものを、金髪吹雪に差し出した。金髪吹雪はそれを黙って受け取り包みを半分剥がしては中身に齧り付く。湯気の出る白く丸いそれは──コンビニ・スーパー等でよく売られている中華まん、中身が黒いようなので「あんまん」であった。

 吹雪は信じられないような光景を目の当たりにした様子で、口をあんぐり開けてから我に返ってはツッコミを入れた。

 

「(吹雪)・・・いやいや、何ですか今の? え、あんまんを…提督に買わせたの?!」

「(単冠湾提督)いやぁ、彼女こう見えて結構「食べる」んだよ。特に中華まんが好物みたいでさ、時々ぼくも作るんだけど何せ時間がかかるからねぇ。市販のを買った方が早いし彼女も喜んで食べてくれてるし?」

「(吹雪)いえ、そういう問題ではなくって! …もうっ、そのぐらい自分で買わないとダメだって!!」

「(金髪吹雪)ンドクセ。」あむあむ

「(吹雪)し…司令官!」

「(宿毛提督)えいやん別に、二人が納得しぃよるならにゃあ? あと…おすすめの中華まんちある?」

「(吹雪)司令かあああん!!?」

「(金髪吹雪)・・・セ○ンのピザまん。」

「(宿毛提督)えいにゃあ! 今度買うてみよ〜」

「(吹雪)ちょ、そこは嘘でも○ーソンって言えやあああ!?」

「(単冠湾提督)賑やかだねぇ、はっはっは!」

 

 まさかの再会があったが、今は会議前にある状況。話もそこそこに宿毛組は指定の席に座り横須賀組の到着を待った。

 

 ──その間、宿毛組に各々の思いを巡らせる他鎮守府、泊地提督たち。

 

 

「(呉提督)(あれが「宿毛提督」、谷部さんの言うとおり見た限り普通の青年のようだが……?)」

 

「(佐世保提督)(あれが宿毛ん…軽かだけん男に見えて周りと打ち解くるとが早か、それだけ相手が惹かるる「何か」ば持っとーちゅうことか。…良か、良かね)」

 

「(ふくよかな男)(ほほぉ・・・これは?)」

 

「(気の強そうな少女)(…ふぅん?)」

 

 

 彼らがそれぞれ思考に耽っていると、会議室のドアからノック音が響く。外からは谷部の優しく穏やかな声色が聞こえる。

 

「(谷部さん)失礼します、横須賀提督をお連れしました」

「(徳田)どうぞ、お入りください」

 

 谷部は徳田の入室を促す声を聞いて一間置き、ドアを静かに開けては中に入る。

 

「(谷部さん)失礼します」

「(横須賀提督)やぁやぁ皆おまた~~…っぐぇ!!?」

「(比叡)ステ~イ、オーケィ?」

「(横須賀提督)・・・イエス、マム」

 

 横須賀提督が自分の秘書艦に襟腰を捕まれ、手綱を握られた動物のように大人しく自分たちの指定席に着く。

 

「(徳田)全員揃いましたね、それでは始めましょうか…「第一回提督総会議」を!」

 

 進行役の徳田の号令を以って、日本各地の提督を集めた会議…迫る脅威を鎮める対策を話し合うため、今討論の場が開かれた。

 




 はい、終わりましたね。この作品では珍しく一部「変態的」な描写がありましたが、驚かれた方は申し訳ありません。
 ではここで、前編からフルスロットルで爆進したリスペクトキャラ、提督と艦娘たちの元ネタ様をご紹介します。


 ──逆脚屋様作「バケツ頭のオッサン提督の日常」より、4人。

 五百蔵 冬悟(いおろい とうご)提督、及び秘書艦の吹雪(該当:単冠湾提督と金髪吹雪)

 磯谷 穂波(いそがい ほなみ)提督、及び秘書艦の比叡(該当:横須賀提督と横須賀比叡)


 …と、なります。元ネタ様とは似ても似つかないキャラも居ますが、それはまぁ金髪吹雪ちゃんのことですね。彼女を元のまま出すとウチの吹雪ちゃんと性格ほぼ同じ(?)なので、個性の相違狙いたく敢えて捻じ曲げました。他のキャラは…私的にはこんな感じかな? と思ったり。

 で、何故今回上記の作品のキャラ要素やネタをガッツリな使用許可が下りたかと言うと──端的に言って「作者同士がリア友」だからです、家も近所ですし、ガチで。
 ついでに吹雪過去編のあとがきに書いた「本当の宿毛泊地ビギニング」にて、私の相談に乗ってくれた友人が「彼」です。というか私は偏屈なので彼しか友だち居ません、ハァーッハッハ! (涙目)
 ここだけの話、彼は艦これ(オンライン版)をプレイして居らず、ネタとして知っているのみということですが…それを感じさせないほどのキャラ知識や敢えてのキャラ崩壊からの新しい一面を覗かせる「キャラ個性構築力」は、私も参考にさせて貰っている部分があります。あと彼のね…料理の描写とかは私じゃ真似出来ないと思う、物書きとしてリスペクト(という名の嫉妬)をしている一人なので、皆さんも宜しければ、是非ぜひ彼と彼の生み出す作品を懇意にしてくれたらと思います。(余計なお世話だという話ですがね?)

 逆脚屋様、この度はネタ使用許可を頂きありがとうございます。またどっか遊びに行こうな?

 ではまた、提督総会議編その②でお会いしましょう! (まだかかりそう・・・;)
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