異生神妖魔学園   作:さすらいのエージェント

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変態マッチョマンとドジっ子フェンリル

あの後シマは籠から出された。犯人は学園長だったが、放課後シメてやろうか。誰もがそう思っていた。

術科が終わり、次は体育。一旦教室に戻った紺子たちは体操服を持って体育館へ。更衣室では紺子を含めた女子たちが着替えている中、ガールズトークに夢中になっていた。

 

 

仁美「辰美って結構力持ちで羨ましいよね~」

 

辰美「そ、そうですか?私いつもジムで鍛えてますし…////」

 

紺子「私だって意外と力あるんだけどなぁ…」

 

高見「例えば?」

 

紺子「人を縛る。私の尻尾自由自在だから龍華だって捕まえられる」

 

龍華「いやいや、それ嘘だろ。俺を捕まえられるなんて……」

 

紺子「いーや、捕まえられるんだ。ハッ!」パンッ

 

 

その時、不思議なことが起こった。紺子の尻尾があり得ないほどの長さに伸び出したのだ。

尻尾は龍華を巻きつけ、ぐるぐる巻きにしていく。

 

 

龍華「ダーッ!!おい、ちょっとやめろ!!やめてくれー!!怖い怖い怖い怖い!!ていうかこれどうなってんの!?どうなってんだよこれ!!」

 

盾子「すっごいなぁ、紺子!私もやってみたい!」

 

龍華「ホントにスゲーよこれ…!め、目が回った………」

 

紺子「どうだ、私の尻尾はすごいだろ!」

 

龍華「ところで……お前の尻尾スッゲェモフモフだな」

 

紺子「ギュウギュウに締めつけられる痛みの中にちょっとした癒しを入れてるのさ」

 

冷火「れ、冷火も触ってみたいです!(矛盾してる矛盾してる!全身ギュウギュウだったらほとんど痛みしか感じないだろ!ちょっと出てる手で触れられたらそりゃ気持ちいいけど!)」

 

高見「ねえ辰美。あなた人魚でしょ?魔法で浮けるのはわかるけど、跳び箱とか大丈夫なの?」

 

辰美「それは………いや、それだけは苦手ですね。毎回崩しちゃいますし」

 

仁美「去年体力測定でいい結果出てたのに変なの~」

 

乱「こんこんの尻尾にもチューしてみた~い」

 

紺子「やめろ!?私の毛ついて処理大変になるぞ!」

 

乱「脱毛症?それとも夏毛への生え変わり?」

 

紺子「ちょっとずつ生え変わってるよ!」

 

辰美「紺子様~、昼休みには尻尾を手入れしましょうね~」

 

紺子「はぁ!?嫌だよ!!お前いっつもちぎれそうなほど引っ張るじゃねぇか!!」

 

龍華「そうだぞ!こいつの悲鳴2階から1階まで聞こえたからな!カズミンにやらせろよな!」

 

盾子「私一生のより紺子の尻尾の方が好きなんだよね」

 

乱「こんこんの尻尾にはチューできなくてもモフモフして癒された~い」

 

高見「あと耳もね」

 

辰美「み、皆さん言いたい放題ですね…」

 

龍華「ところで紺子……お前いつまで縛ってんだよ!」

 

紺子「必殺龍神ゴマ!!

 

 

 

ギュオオオオオオオオオ

 

 

 

龍華「ギニャァァァァァァアアアアァアアアアァァァアアア!!!

 

 

龍華は青い竜巻の姿となり、周りにも強風を起こし、辺りをメチャクチャに散らかす。

紺子たちも竜巻と化した龍華に巻き込まれそうになったため、急いで更衣室から出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方男子更衣室でも龍哉たちが着替えながら女子更衣室にいる紺子たちの話し声を聞いていた。

 

 

龍哉「………あいつの尻尾自由自在だったんだ。龍華の声ここまで聞こえてたぞ」

 

ライエル「僕も聞いたよ。『ダアァァ!』って言ってたもん」

 

ディーゴ「災難じゃけぇのう…」

 

セー「………ていうか獄宴、お前裸の上にパーカー着てるの?」

 

獄宴「うん」

 

 

ロッカーの中にはパーカー以外にも、炎宴と死宴も雑に置かれていた。

 

 

死宴「ちょっとぉ~ん♡雑に置かないでくれる~?」

 

炎宴「それで私たちも連れてってくれるんでしょうね?」

 

獄宴「連れてくに決まってるじゃん。ロッカーの中で長くて退屈な時間過ごすの嫌でしょ?」

 

許人「シマが助かってよかったけど、僕宇佐間先生苦手なんだよね」

 

一生「あの筋肉バカの先生か。筋肉増大させる時毎回ズボン破ってるよな。それに他人の筋肉にも見惚れるし、ゲイかよ。ホモかよ」

 

司「悪口ばっかり言うなよ。無理はさせない一面もあるし、意外と生徒思いなんだぜ?まさにマッチョマンに愛情、だな」

 

セー「また変なことわざ…」

 

ライエル「大狼先生もいろいろヤバイと思うよ?先生なのにドジっ子って……」

 

司「それ!去年ここに入ってきた時は爆笑しちまったな。今でも思い出すと笑いが止まらないぜ」

 

龍哉「あれでホントに先生なのかな?」

 

許人「しかもグレイプニルって……」

 

ディーゴ「グレイプニル?グレイプニルって何だ?」

 

許人「乱から聞いたんだけど、魔法の紐っていうか…足枷っていうか…」

 

???『ギニャァァァァァァアアアアァアアアアァァァアアア!!!

 

ディーゴ「誰の悲鳴だ?何があったか知らねぇけど、かわいそうに」

 

獄宴「もう女子みんな集まってる頃だし、そろそろ出て並んだ方がいいんじゃないかな?」

 

一生「そうだね。そろそろ出て並ぶか」

 

 

着替え終わった男子たちはすぐ更衣室から出た。またしてもとんでもない騒動が起こることを知らずに……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャイムが鳴り、全員が体育館の真ん中に並んだ。紺子は動きやすいようにか、体操服の裾を結び、へそ出し状態にしていた。

 

 

紺子「やっぱこの格好だと寒いな…」

 

ディーゴ「だったら裾ほどけばいい話じゃろ」

 

紺子「でもこの格好じゃないとしっくり来ねぇんだよ」

 

 

だがこの中に龍華はいない。ご存じの通り、先ほど紺子によって竜巻にされた。それが原因で現在トイレで胃の中のものを全て吐き出していた。

しばらくして体育館に剛力にお仕置きされた教師2人が入ってくる。顔面パンチされた筋肉ムキムキのハゲ頭の宇佐間、顔面にパイをぶつけられたフェンリルの大狼だった。

 

 

宇佐間「フハハハハハハ!ハーッハハハハハハ!」

 

大狼「はわわっ!ちょっと、宇佐間先生!?何笑ってるんですかぁ!?」

 

宇佐間「春なのにこの肌寒さ!ツルツルの頭の俺には参るねぇ!」

 

龍哉「冬終わったばっかなのにどんだけ元気なんですか?ていうか脇毛だけボーボーって……」

 

宇佐間「いやー、下の毛と脇毛はボーボーなのに頭はツルッツルなんだよなぁ〜。筋肉まだまだ育ち盛りなピッチピチの80歳なのに」

 

冷火(嘘つけよ!ジジイじゃねーか!見た目40のハゲたオッサンが80なわけあるか!)

 

辰美「それにしても宇佐間先生の筋肉、いつ見てもかっこいいですね。ハゲてなければですが」ボソッ

 

宇佐間「おお!?そこの人魚の君!俺の筋肉がかっこいいって!?」

 

辰美「はい」

 

冷火(聞いてねぇ!!さっきの『ハゲてなければですが』絶対聞いてねぇ!!)

 

宇佐間「く~~っっ!俺のかっこよくてプリティーな筋肉を褒めてくれる子がいるなんてなかなか見る目あるじゃないか!」

 

 

自分の両腕にキスをしながら言う宇佐間。彼のテンションについていけない大狼。

 

 

大狼「もうホントにこの人筋肉バカですぅ……そういえば龍華さんは?」

 

司「あいつならトイレで吐いてるぜ」

 

大狼「今日やることですが………」

 

宇佐間「今日は体力測定っ!君たちの運動神経、この目ではっきり見せてもらうぞ~!」ガッキーン!!

 

 

宇佐間は自分の筋肉をアピールするようなポーズを決めた。同時にこう思った。

 

 

宇佐間(今日も決まった!毎日鍛えられた我が筋肉は永遠に不滅!筋肉こそ正義!筋肉は裏切らない!筋肉を愛し、筋肉に愛された男!そう、俺こそがスーパー体育教師…宇佐間論子ッ!!)

 

大狼「な…なんか宇佐間先生が自分の世界に入っちゃったみたいなので、とりあえず始めましょう。体力測定になりますが、その前に体操です」

 

全員『はーい』

 

宇佐間「体操指導も俺の役目。みんな、俺についてこい!」

 

紺子「や、ヤバイ…!まさか、いつものあれが!?」

 

宇佐間「膨れ上がれ、我が筋肉よ~~!!」

 

大狼「う、宇佐間先s」

 

宇佐間「フンッ!!

 

 

 

バリバリビリィッ

 

 

 

上半身のタンクトップが破けた―――――

 

 

 

 

 

かと思いきや、破けたのは下半身。つまりジーンズだった。

パンツだけは破けなかったからいいものの、紺子たち女子全員は顔を真っ赤にして次々と顔を隠しながら悲鳴をあげる。

 

 

女子全員『キャーー!!キャーーーー!!

 

紺子「自宅でやれやー!!だからヤバイって言ったんだよー!!/////////」

 

龍哉(御神先輩もこれ見て泡吹きながら気絶したって聞いたっけ…)

 

大狼「はわわわわぁ!!また宇佐間先生のズボンがぁぁばばばばばばばばばば!!」

 

宇佐間「…ありゃりゃりゃりゃ、またやっちゃったか♪」

 

大狼「『またやっちゃったか♪』じゃないですよ!!何回破ったと思ってるんですかぁ!!」

 

宇佐間「少なくとも11万2338回かな?」

 

大狼「家でやったのも入れてですか!?どんだけ破ってるんですか!!」

 

宇佐間「いやー、一度膨れ上がらせると自分でも止められなくなるんだよなぁ。予備ズボン買い溜めしといてよかったよ」

 

冷火「なら早く履いてください!更衣室あるじゃないですか!//////////(絶対刑務所で無期懲役になるレベルだろ!!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大狼が代わりに体操を進めた。宇佐間はすぐに男子更衣室で新しいジーンズに履き替え、戻ってきた。

 

 

宇佐間「終わっちゃったか。まあ、俺にとってはズボン履くってのも体操みたいなものだと思ってるからね」

 

冷火(それが嘘だっつーんだよ!ダメだこの先生、世紀末筋肉バカだし超ド級変態だ!)

 

 

それからして、ようやく体力測定が行われた。

行ったのは握力、反復横跳び、立ち幅跳び、上体起こし、長座体前屈、そして20メートルシャトルラン。50メートル走とハンドボール投げは次の時間にやる予定だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業終了のチャイムが鳴り、全員整列。号令が終わると、全員それぞれ更衣室に入り、着替える。

竜巻にされた龍華だが、あれからついに不参加に終わっていた。あまりの気分の悪さに保健室送りにされたのだった。

 

 

龍華「紺子の野郎、あいつのせいで俺の出る幕が………格闘大会で優勝した腕を見せてやりたかったのに……………」

 

真島「んなもん先生に頼んで放課後にやりゃいいじゃねぇか。50メートル走とハンドボール投げがまだ残ってんだろ?それで見返してやりな」

 

龍華「放課後できればいいんだがな………(ダメだ、まだ頭クラクラする………)」




なぜ体育教師が2人いるんだって?
ある方によると、その人の学校の体育の先生が2人いたかららしいです。

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