異生神妖魔学園   作:さすらいのエージェント

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オカマアラクネのEnglish Lesson♡

体育を終えた紺子たち2年生を待ち構えていたのは英語。いや、3年生たちも嫌がるようなものだった。

 

 

紺子「先生オカマなんだよな」

 

 

休み時間まで元気があったのに一気に顔色が悪くなった紺子。辰美が心配そうな表情で声をかける。

 

 

辰美「紺子様~、どうなさいました~?」

 

紺子「どうしたこうしたもねぇよ…次英語だろ?あの先生もどうも苦手なんだよな…」

 

高見「わかる。男なのに『レディよ』とか言ってさ」

 

仁美「あの人アラクネでしょ~?」

 

紺子「男のアラクネなんかいるかって話だよ。マジあり得ねぇわ」

 

 

やがてチャイムが鳴り、紺子たちは席に着く。教室に入ってきたのはオカマの名にふさわしく、女物の服を着て薄いメイクを施したイケメン男だった。

そのオカマの名は『荒狂ネイ』。アラクネというクモにされた女の名前から取られたが、全くクモに見えない。

 

 

荒狂「はーい、everybody♡English Lessonを始めるわよ~ん♡」

 

紺子(ほら、これだよ!しゃべる時英語混じるしショタ好きだし、不気味でしょうがねぇよ!)

 

辰美(あ~…だから紺子様あんなに顔色悪かったんですねぇ)

 

 

一方で龍哉とディーゴも。

 

 

龍哉「なーんか嫌な予感しかしないの俺だけ?」ヒソヒソ

 

ディーゴ「安心せい。俺もじゃ」ヒソヒソ

 

荒狂「あ~ら、あそこでかわいいpuppyちゃんたちが何かヒソヒソ話してるわね~?」

 

龍・ディ「「ゲッ!!」」

 

 

全部聞こえていた。荒狂は龍哉の前に近寄り、ニッコリ笑う。

 

 

荒狂「授業中に内緒話するのは今後nothingよ?あなたは友達思いのいい子だから二度とすることはないだろうけどね♡」

 

龍哉「は、はあ…(キモッ!!)」

 

 

それからディーゴにも近づく。

 

 

ディーゴ「何?何すか?」

 

荒狂「あなたも内緒話してたみたいねぇ?ちょっとしたpunishmentを与えないといけないわねぇ♡」

 

ディーゴ「punishmentって……え!?罰!?ち、ちょっと待ってくださいよ!!俺別に変なこと言って―――――」

 

 

 

ズキュウウウン!!

 

 

 

しゃべる間もなくオカマアラクネによる気持ち悪い接吻がディーゴを襲う!

 

 

龍哉「………………!!」

 

 

龍哉はあまりの展開に呆然とするばかり。いや、紺子たちもあんぐり口を開けていた。

さて、荒狂の接吻を受けたディーゴは。

 

 

ディーゴ「さ、最悪だぁぁ……俺も乱のキス何回か受けてるけど……今まで受けたキスの中で一番最悪なっ………オゥブッ!」

 

 

吐き気を催していた。トイレに行っていいですかと聞き、承諾されるとすぐ教室を出てトイレまで走っていった。

 

 

紺子(あんなの受けたくねぇ……乱がいてよかった………)

 

一生「人工呼吸してるのはドラマで何回か見たことあるけどあんなオカマにキスされるの初めて見た……」

 

盾子「き、聞こえてるよ…!」

 

一生「え?」

 

 

 

ズキュウウウン!!

 

 

 

振り向くと、そこには優しい笑みを浮かべた荒狂が立ち、一生にそのまま接吻を与える。

無論、一生はディーゴ同様トイレ送り。

 

 

紺子「ウッソだろ………」

 

乱「私のチューの劣化版?もしこんこんもあれにやられたら………」

 

荒狂「はいはい、茶番はここまで♡日直は誰かしら?」

 

龍哉「俺か…起立。礼。着席」

 

荒狂「改めまして皆さん、How are you?」

 

全員『あ、I'm fine...』

 

荒狂「うふふ、みんなfineなら先生嬉しいわ♡textbookを開いてちょうだい。最初の単元は過去形からね♡」

 

 

 

 

 

しばらくしてディーゴと一生が教室に戻り、席に着いてすぐに黒板の内容を写す。

 

 

荒狂「はーい、注目。この『was』というのは『~でした』って意味。例えば『I was a student』。私は、でした、生徒と並べて、『私は生徒でした』と文章が成り立ちます」

 

司(そうやって真面目に授業教えればいいんだよ!俺様もあれ見ただけで吐きそうになったわ!)

 

荒狂「ですが何でもwasで通用するとは思わないでください。去年の復習として、例えば『I was baseball』。『私は野球でした』とおかしな文章になりますね。『I play baseball』、つまり『私は野球をします』と直し、playの後ろにedを足して過去形にすれば『I played baseball』……『私は野球をしました』となるんです」

 

セー(……ダメだ、ほとんどチンプンカンプン)

 

荒狂「playはただ後ろにedがつく単語ですが、yが変化してiになり、iedになるものもあります。それを変えないで減点される子が意外と多いのよね♡」

 

冷火(なぜそこで♡をつける!?)

 

荒狂「子音とyで終わる『study』なら『studied』、母音とyで終わる『enjoy』なら『enjoyed』といった風にね♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何事もなく授業が進む。途中誰かがキスされることもなく、練習問題を解いたり指示にしたがって教科書にある単語や文章を朗読するなど真面目だった。

だが紺子たちにとっては恐怖しかなかった。またヒソヒソ話したらあのキスでトイレ送り。そう考えると寒気が走る。

 

 

荒狂「もうそろそろチャイム鳴るわね。今日はhome workを出すけど、内容は今日やった過去形と単語、文章の並べ替え♡単語は虫食いになってるからわからなかったらtextbook見てもいいわよ♡」

 

 

そう言いながら宿題であるプリントを出し、配る。

紺子たち前列にいる者はプリントを後ろに回す。そのうちに授業終了のチャイムが鳴った。

 

 

荒狂「はーい、今日のEnglish Lessonはここまでー♡龍哉ちゃん、号令♡」

 

龍哉「起立、礼、ありがとうございました(やっぱり気持ち悪い……)」

 

荒狂「Thank you very much♡」

 

 

教室を出ていく荒狂。紺子たちにとってはようやく地獄から抜け出せたような気分だ。

 

 

紺子「あ゛~~~、気持ち悪かったぁ………」

 

辰美「紺子様、保健室行きましょうか?」

 

紺子「行くほどでもねぇだろ。それにいちいち心配しすぎ。過保護かよ」

 

辰美「ですが去年助けられたのでそれぐらいの恩返しはしようと思いまして…」

 

一生「あんな先生に……あんなアラクネにキスされるなんて……」

 

 

机に突っ伏して元気のない声で呟く一生。元から苦手だったのをキスされたせいでさらに苦手になってしまったようだ。

その様子を振り返って見る紺子。

 

 

紺子「キス相手が乱じゃなくて残念だな」

 

 

 

ズキュウウウン!!

 

 

 

その口を封じるように乱が紺子にキス攻撃。そのまま自分の顔に押しつけるように手で紺子の後頭部を押さえ、彼女の口内に自分の舌を交わらせる。

 

 

紺子「!!?……!!?」

 

乱「んっ……」

 

 

紺子は全身が麻痺したように震えながら動けなくなる。

 

 

紺子(い、いや!何これ!こいつのキス今までで全然違う!)

 

獄宴「乱!ねえ、ちょっと乱!?」

 

炎宴「さすがにこれはすごく激しいね…」

 

死宴「これがディープキスっていうんじゃない?」

 

紺子(息が…息ができないっ…!お願いやめて!ねえ、誰か見てないで助けて!私、死んじゃうよ……!ねえ、助けてよ!!)

 

 

周りの聞く耳も持たず、紺子との舌の交わりを楽しむ乱。

紺子は息ができない苦しみ以外にも脳内はピンクに染まり、それは不思議な快楽へと変わっていく。

 

 

紺子「っ……んん…っ………」

 

 

互いの口からよだれが漏れ、互いの舌は蛇が絡み合うかのようにじゃれ合う。いや、紺子の場合舌が無意識に舌が動いているのだろう。

 

 

乱(こんこん、いつ見てもかわいいよぉ…♡こんこんにチューするのは私だけで十分…………♡)

 

紺子(やめっ…てぇ……っ……♡こんなことして…何が楽しいってんだよぉ…………♡)

 

 

乱は容赦なく紺子の舌を絡ませる。

この時、さっきまで抵抗しようとしていた紺子の腕もどんどん力が抜け、だらんと垂れ下がってきていた。

 

 

紺子(何なんだよこの気分…力が……抜けてくよぉ……)

 

乱「ん……っ……」

 

紺子(も、もうっ……だっ、ダメェ………いし…意識…が………………ぁ……………………)

 

 

クラスメイトの声がどんどん遠退いていく。

やがて紺子の思考は停止し、意識は快楽と共に深い闇へと落ちていった。


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