異生神妖魔学園   作:さすらいのエージェント

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個性集まりし人外たち

案の定間に合わなかった。紺子が2年教室に入ろうとした途端チャイムが鳴ってしまい、しかも転んでしまったのだ。

紺子のクラスはもちろん全員席に着いている。担任であろう吸血鬼の紳士は「またか」という表情で転んだ紺子を見ていた。

 

 

吸血鬼「…どうせお前だろうと思っていた。その癖は去年から変わっていないな」

 

紺子「イッテェ……結局間に合わなかった…………」

 

車掌?「おいおい。教室間違えたか?」

 

紺子「うるっせぇな!そもそもカズミンのせいだよ!あいつが起こしてくれなかった!約束破りがってあの野郎!」

 

吸血鬼「そういうのを言い訳というのだ。作文用紙を入れておいて正解だった」

 

 

吸血鬼は教卓から作文用紙を取り出し、それを紺子に渡した。

 

 

紺子「明日までに書いてこいって言うんだろ?わかってるよ、んなこと」

 

吸血鬼「今日は入学式だから呼び出しは免除してやる。だが反省文は私が納得いくようなことを書け」

 

紺子「はいはい、わかったよ」

 

吸血鬼「ならば早く席に着きたまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吸血鬼「よし、注目!皆知っていると思うが、私は誇り高き貴族ドラキュラ家の一族、ヴォイエヴォーテ・ヴァレンタイン・ドラキュラ。今年に引き続きお前たちの学級の担任を務めることとなった。よろしく頼む。まずは自己紹介からだ。さっき遅刻してきた妖狐、まずお前からだ」

 

紺子「えあっ!?は、はい!私、出雲紺子っていいます!よろしくお願いします!」

 

 

真っ先に指名され、思わず声が裏返ってしまったが、それでもちゃんと名乗れた。

続けて紺子の後ろの番長風と少年が立ち上がる。

 

 

龍族の番長風の少年「俺は赤川龍哉!よろしく頼むぜ!」

 

 

龍哉という少年は見るからにして熱血そうな姿だ。

続けてさっき紺子に「教室間違えたか?」とからかってきた車掌が立ち上がった。

 

 

車掌?「ディーゴ・黒鉄だ!よろしく頼む!」

 

黒い妖狐「僕は鐵ライエルといいます。よ、よろしくお願いします……」

 

ヴォイエヴォーテ「声が小さいぞ、ライエル。もっと声を大きくしなさい。赤川とディーゴに比べてテンションが低すぎる」

 

ライエル「すいません…昔のトラウマが忘れられなくて………」

 

ヴォイエヴォーテ「まあいい。次」

 

 

ライエルの後ろの少女が立ち上がる。紺子に教室間違えてるよと指摘した少女だった。

 

 

食人鬼「私は大蔵居仁美~よろしくね~」

 

ドラゴンの少年「俺様が頂点だ!」

 

ヴォイエヴォーテ「愚か者っ!!」

 

 

突然ヴォイエヴォーテが怒鳴ったかと思うと、ドラゴンの少年に数匹のコウモリを飛ばしてきた。

 

 

ドラゴンの少年「うおっ!危ねぇな先生!」

 

ヴォイエヴォーテ「竜宮寺司…今は自己紹介の最中だ。名を名乗らなければならない時にそんな中二病じみたことを言うんじゃない!」

 

司「悪りぃ悪りぃ。全く、ドラゴンに害獣とはこのこった…」

 

ヴォイエヴォーテ「ありもしないことわざも言うな!本当に学級全員が真似したらどうする!」

 

司「でもさ、体罰はないだろ体罰は…」

 

ヴォイエヴォーテ「こいつの言うことは無視して、次!」

 

 

次に立ち上がったのは犬耳と尻尾が生え、両肩に犬の腹話術人形を乗せた少年だ。

 

 

???「三頭獄宴だよ、よろしくね。ほら、炎宴と死宴も」

 

犬人形(女)「え、炎宴……よろしく」

 

犬人形(オネエ)「あらあらぁ?いい子がいるわねぇ。死宴よ、よ ろ し く ね ん♡

 

ヴォイエヴォーテ「う、うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

 

なんとヴォイエヴォーテ、炎宴たちに謎の発狂。紺子たち全員は驚いてしまった。

 

 

ヴォイエヴォーテ「た、多重人格………私にはわかる………!!炎宴はコミュ障、獄宴は女、死宴はオネエ………!!」

 

龍哉「先生、大丈夫っすか!?」

 

ヴォイエヴォーテ「大声を出してすまない…では次…」

 

 

次は身長が180センチはありそうな少女が立ち上がった。

制服の胸元のボタンを外しているため胸が大きいが、どうやって立っているのか?彼女は人魚であろう、スカートからは尾びれがギリギリしか見えない。

 

 

人魚「私、魚岬辰美といいます。1年の頃紺子様に助けてもらったのをきっかけに紺子様に尽くしています」

 

ヴォイエヴォーテ「ほう…何に困っていたのかね?」

 

辰美「私、魔法を使えるんですが使えない時にはスケボーで移動するんです。私が立っていられるのは浮遊魔法のおかげなんですが、ある日の休日にスケボーごと転んじゃって動けなくなったんです…」

 

ヴォイエヴォーテ「どんな転び方したらケガするんだ?」

 

辰美「坂道で走らせたら止められなかったんですよね。ですがちょうどその近くに紺子様がいまして、その家に連れてかれてケガの手当てをしてくれたんです。あれから私は紺子様に全力で尽くすために頑張ってます」

 

ヴォイエヴォーテ「そうか……だが無茶はするなよ。次」

 

 

だが次に立ち上がったのはなんと、幼い少女だった。

 

 

幼い少女「鬼灯冷火です。よろしくお願いします(視線がうざい…てゆーか、みんな早くどっか向けよ………)」

 

ヴォイエヴォーテ「鬼灯は物静かだが、用もないのに話しかけたりちょっかいをかけたりするなよ。常にオドオドしているからな。では次」

 

シュゴーラン「シュゴーランの四郷乱です!先生、キスしましょう!」

 

ヴォイエヴォーテ「お前がキス魔なのはみんな知っている。だが忙しいからまた今度な。次」

 

 

次はセイレーンなのだが、見るとその顔は女性的でかわいらしかった。

 

 

セイレーン「…セー・シレインです。男です」

 

ヴォイエヴォーテ「何だとォォォォォォォォ!!!!

 

 

 

ズガッシャガラガラドッゴーン!!

 

 

 

一同『先生ェェェェェェェェェエエエ!!?

 

 

はい、文字通り気絶しました。それもそのはず、ヴォイエヴォーテにも女にしか見えなかったからだ。炎宴、獄宴、死宴を見た時より絶叫し、転がるように倒れてしまった。

 

 

セー「………ハハッ、仕方ないよね」

 

紺子「おい先生!大丈夫か!?もう少しで私に衝突するトコだったぞ!」

 

ヴォイエヴォーテ「だ、大丈夫だ。も、問題ない……」

 

紺子「それ絶対大丈夫じゃないセリフだよな!?」

 

ヴォイエヴォーテ「と、とりあえず………次、だいだらぼっち」

 

 

ヴォイエヴォーテが指すと、強面の少年が立ち上がった。

ところが、だいだらぼっちといってもあまりにも背が低かった。

 

 

だいだらぼっち「山如許人です。僕、チビなんだけど……よ、よろしくね」

 

ヴォイエヴォーテ「山如はだいだらぼっちといっても成長期がすでに終わっている。二次成長期が来たら150メートル、大人は基本的に1000メートル超えなんだが……」

 

八尺様「……ふーん、私は八尺様の彼方高見……」

 

ヴォイエヴォーテ「そしてこいつは言われる前に自己紹介するとは………次は誰だ?」

 

 

次に立ち上がったのは青髪のロングヘア、龍と炎が描かれた青いTシャツとスカートを身につけた少女だ。

 

 

龍神族の少女「俺が雨野龍華だ。よろしくな」

 

ヴォイエヴォーテ「雨野の両親は意識不明で病院にいるため、カフェで住み込みで働いている。出雲もそうだが、お前たちもたまには会いに行ってやってくれ。次は誰かね?」

 

 

龍華の次に立ち上がったのは狸耳と尻尾を持ち、甚平を着た、いかにも化け狸らしい少年である。

 

 

化け狸「信楽一生。親しい人にはイッキって呼ばれてるよ……よろしく!」

 

紺子「おいイッキ…お前の尻尾私よりモフモフでまた誰かダメにしようってか?ざっけんなよテメェ!おかげで私も眠くて眠くてたまらなくなっちまったからな!私にとってお前は邪魔くさいんだよ!」

 

一生「何だと!?おい狐、初日早々やるか!?」

 

紺子「いいぞ、やってやろうじゃねぇか!!どっちが上手く人間に化けられるか…」

 

ヴォイエヴォーテ「やめないか!!

 

 

喧嘩が始まると思った矢先、ヴォイエヴォーテが怒鳴り、紺子と一生目掛けてコウモリを数匹飛ばしたのだ。

 

 

紺・一「「いや(うわ)あああああああああ!!」」

 

 

コウモリにたかられ、悲鳴をあげる紺子と一生。特に紺子はコウモリに噛まれまいと必死に抵抗していた。

 

 

紺子「あーっ!!やめてぇ!!血吸わないでぇ!!狂犬病になる!!死んじゃう!!やめて!!殺さないでぇーっ!!」

 

ヴォイエヴォーテ「安心しろ、私のコウモリはお前たちのような奴らの血は吸わんし、殺しはしない」

 

一生「俺の血吸っても美味しくねーよーっ!!」

 

高見「人の話聞いてた?」

 

ディーゴ「殺さんから大丈夫じゃぞ!」

 

龍華「気にするトコそこ!?少しは心配しろよ!」

 

ヴォイエヴォーテ「気にするな。よし、最後のぬりかべ。名前は?」

 

 

ヴォイエヴォーテの言葉に最後に立ち上がったのは垂れ耳と尻尾を持った少女だった。

 

 

ぬりかべ「私、大壁盾子!よろしく!」

 

冷火(どこがぬりかべだよ…ガッツリケモミミと尻尾生えてんじゃねーか…)

 

ヴォイエヴォーテ「よし、これで全員だな。入学式まであと10分あるが……5分間自由時間としよう」

 

龍哉「あの2人無視!?」

 

 

コウモリが離れた紺子は教室の隅で座り込みながら頭を抱えて泣きながら「ごめんなさい」「許して」などと懇願しており、一生は恐怖のあまり気絶していた。

この後入学式会場である体育館に行く5分前になる頃には目を覚ましたという。




開始早々大騒ぎになってしまった。
次回はその後日談です。
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