ベイビーステップ ハルとナツ   作:ニャン吉

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第14話

side丸尾栄一郎

大会が近くなってから俺は諭吉君と話す事があった。

初戦の大林良っていう人のコトを聞いたりシードの事を聞いたりグレードの事を聞いたりと。

とりあえずハッキリとしたのはこのクラブで

男子の序列的に1位は春樹君で女子の序列1位は鷹崎さん。

男子の2位はタクマ先輩で女子の鷹崎さんから下と男子の僕以外のタクマ先輩よりも下は関東レペルのグレード2

自信が無いと思っている時に後ろから

ドーン

と背中を押されて驚いてボールをカゴから出しちゃった。

背中ドーンの犯人は鷹崎さんで後ろで春樹君が、頭を抱えている。そして春樹君は僕の考えを当ててしまう。そんな時2人が

「初めての公式戦が不安なのはしょうがない。特に初戦はな。未だに俺となっちゃんも緊張するしな。」

「そうだよエーちゃん。私もハルちゃんも不安なんだよ。

ハルちゃんじゃないけど1回戦は何がなんでも負けられないしね。凄いプレッシャーがかかるんだよ。

いきなり調子が悪くなるし相手と相性が悪い事なんていくらでもあるから絶対に勝てるなんて保証は無いしね。

でも私にはハルちゃんが着いていてくれる。なんかねハルちゃんが試合の始まりだけでも見てくれるだけで

私は大丈夫!

そう思えるんだ。

私もエーちゃんの気持ちわかるからハルちゃんが空いてたら2人で応援行くね。

それとエーちゃんも私の試合を見に来てね。」

「まぁ案内は任せろ。それと暇だったら試合をする事に見に行ってやる。」

「私もエーちゃんの試合をハルちゃんの試合が終わり次第、見に行くからね。約束ね。」

そう言って鷹崎さんと春樹君は立ち去っていった。

 

 

そして試合当日

神奈川ジュニアテニスサーキット

第1日目

俺の試合は早めに始まる事となった。

春樹君の試合も早めに始まったようだ。

春樹君の方のコートを除くと

 

「おいおい!なんで清水春樹がこんな大会に出てるんだよ!」

「あんなのに勝てるわけねえよ!」

と言う声と

 

鷹崎さん達同じクラブメンバーが

「ハルちゃん!頑張ってー」

「春樹君!攻めてー」

と女子達に声をかけられていた。

 

僕がアップに入ると鷹崎さんがこっちのコートに近づいてきた。

「エーちゃん。なかなかさまになってるじゃん。」

「試合だから一式そろえてみたんだけど」

「似合う似合う。」

「鷹崎さんは春樹君の試合を見なくていいの?15分前に始まったみたいだけど」

「もうすぐに終わるから大丈夫。こっちに来る時はストロークをしていたけど一言伝えるとあと五分で行くって言ってもう不安は無さそうだったしね。」

 

と鷹崎さんが教えてくれると春樹君がやってきた。

「春樹君?試合は?」

「勝ったよ。・・・大林良か。がんばれよ。」

「うん。」

「それじゃあなっちゃん。受け付けに行ってくる。」

「わかったー。カバン預かるね。」

と言って春樹君は受け付けへ走っていった。

 

side春樹

受け付ける報告を終えてエーちゃんの試合を見に行くと諭吉が

「博士ー!久しぶりです!」

「おう。諭吉か。その博士って言うのを辞めてくれないか?」

「ダメですか?・・・なら

教授出てどうですか?」

「博士にしてくれ。」

 

side大林良

 

初戦の相手は丸尾栄一郎。

STCの選手だ。

周りにいる選手は凄いの一言に限る。

「男子学生テニス日本1位の清水春樹

第7シードの深沢諭吉

後ろにいる鷹崎ナツは女子の全国常連

その横にいる槇原真純と横山花も関東の常連

12歳以下第1シードの天才児田島勇樹までいる。

それに第2シードの江川逞」

「良。あのメンツに囲まれてるんだ。丸尾栄一郎はただ者じゃないかもよ。」

「確かに周りのメンバーが凄すぎる。」

「良。がんばれよ。」

 

こうして俺の大会が始まった。

 

 

 


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