ベイビーステップ ハルとナツ   作:ニャン吉

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第2話

STCに着いて練習用のウェアに着替えて自販機の横でペットボトルのスポドリを片手に少し待つとなっちゃんが後ろから

「ハルちゃん!」

と声を掛けてきた。

それを見て俺が

「アップするか。」

と言ってコートに入る。

2人でストレッチを始めるとなっちゃんが

「もうすぐ中学最後の冬だけどまたフロリダに短期留学するの?」

と聴いてきた。

「親父も母さんも説得してあるから行くよ。」

と答えるとなっちゃんは笑顔で

「そう言うと思って私もお父さんとお母さんを説得して許可もらったんだ!」

と言って俺にピースをしてくる。

「これで8年連続の短期留学だな。」

「そうだね。そうちゃんとまた試合したいね。」

「そうだな。また勝ちに行くか。」

と言うとなっちゃんが

「私ね。ハルちゃんとそうちゃんの試合が一番好きなんだ。」

「なんでだ?」

「私にとってもハルちゃんにとってもそうちゃんにとっても大事な幼馴染だしハルちゃんとそうちゃんの試合を見てるとね・・・日本の学生テニスより活き活きして見えるんだよ。なんて言うのかな。・・・心と身体が精一杯楽しんでるみたいな感じ。」

となっちゃんの(心と体が精一杯楽しんでるみたいな感じ)

このセリフにはすごい覚えがあるのだ。

 

初めてそうちゃんと試合をした時は相手にならなかった。

なのに試合をしていくうちに本当にライバルと呼べるようになって去年の大会まで切磋琢磨してきた。

 

そして去年の最後の大会の後そうちゃんは

「フロリダへ行ってプロになる!」

そう言って去年の秋にフロリダへ飛んだ。

そして去年の冬のフロリダの短期留学の時の試合。

今までで1番の試合をした。

フロリダへ飛んで2ヶ月で相当強くなった。

だから俺もそうちゃんに負けない様に練習に食事に気を付けてしっかりとレベルアップしてきた。

 

その結果

日本の学生にライバルと呼べる選手がいなくなった。

 

なっちゃんはそんな時俺に言った。

 

「いつか・・・近い内にハルちゃんとそうちゃんに勝てる人がきっと出てくるよ!」

って俺に言ってくれた。

まだ出て来てないけど。

でもなっちゃんの言葉には何か力がある。それは俺が1番知っている。

近い内にきっと新しいライバルが出てくると。

 

そんな事を考えている間にストレッチを終えてコートの周りのランニングに入る。

 

「ハルちゃん!」

「なんだ?」

「冬のフロリダ。精一杯楽しんで一緒にもっと強くなろうね!ハルちゃんなら近い内にきっと日本だけじゃなくて世界でも1位になれるからさ」

と俺に、俺の大好きななっちゃんの満面の笑みを見せてくれた。

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