side春樹
荒谷が
「よーっ
みなさんお揃いで」
「久しぶりってほどでもないな。寛。」
「そうだな春樹。今年こそは第1シードのお前を倒して俺が神奈川no.1になってやる。」
「それを言うならまずは決勝に上がって来い。そういや今年は準決勝で俺とタクマがやるから寛は決勝に上がるチャンスだな。」
「それは俺が春樹に負ける前提で話してるのか?」
とタクマも突っかかってくる。
「俺に最近勝ったかよ。」
「練習と本番はちげえよ。」
「違うとしても練習で勝てない相手に本番で勝てるとでも。まぁいいや。寛。決勝で待つ。」
俺はそう言ってなっちゃんがもとへ行く。
side佐々木
なんか私は凄い場面を見ちゃった?
春樹君と他2人が凄い睨み合っていて、最後は春樹君が
「決勝で待つ。」
そう言って出て行っちゃった。
と思ってると鷹崎さんに話しかけられた。
「佐々木さん。」
「鷹崎さん。春樹君はいいの?」
と聞いちゃった。それに鷹崎さんも答えてくれた。
「今年から試合前にやる事にした儀式があるんだよ。プロの大会も近いから。」
「それを見てみてもいいですか?」
「いいけど邪魔をしちゃダメだよ。」
と言われて人気のないところにあるコートのベンチで座禅を組んでいる春樹君がいた。
「あれはね別にこういう所でやる必要は無いんだって。静かな場所でやりたいみたいだけど。」
「うん。近付ける雰囲気じゃないね。」
と言うも冗談じゃなくて間違えて近付いたら死ぬんじゃないかってくらい凄い迫力を持ってる。だから鷹崎さんも隣のベンチに座っている。
そんな時春樹君が私に向かって
「佐々木さん。エーちゃんの試合を見に行かなくてもいいのか?隣のベンチになっちゃんと座っているのは足音でわかる。」
と言われた。なんで足音でわかるの?そう思いながらも私は丸尾君の試合の応援に向かうのだった。
sideなっちゃん
ハルちゃんが私を自分の隣に呼んだので隣に座った。
まだ座禅を組んだままだけど少し緊張が解けるのを感じた。
今は第1段階の緊張をあえて高めるという工程を終えて第2段階の緊張を無くす段階に移ったみたいだ。
足を崩し始めて目を開けて私を見つめるなりいきなり
「やっぱりなっちゃんは綺麗だよね。」
「・・・どうしたのハルちゃん!いきなり。」
いきなり綺麗だと言われれば誰でも慌てるはず。私は悪くないもん。
と思っているとハルちゃんが
「やっぱりなっちゃんがいるだけで負ける気がしない。」
と言っている。
そして私にはその背中に金色のオーラの様なものが見えたのだった。
って違う!
簡単に言うと熱量は十分なのに気持ちはいつも以上に落ち着いてる。
以前にハルちゃんから聞いた
「ゾーン」
の時も私は同じ雰囲気をハルちゃんから感じた。
私も何度かゾーンと思われる状態には覚えがある。
まさかハルちゃんのこの儀式ってゾーンに近い状態を作り上げる為のもの?
と考えていると
「なっちゃん。ヘアゴムを1つ貸して。」
と言われたのでカバンから1つ取り出してハルちゃんに渡す。
するとハルちゃんは後ろ髪を縛りちょっとしたポニーテールみたいになった。