sideなっちゃん
ハルちゃんのゾーンに近い状態を作り出すと思われる儀式。
この大会中は常にゾーンに近い状態を維持していた。
そして今回の大会は異例な準決勝で第1シード対第2シードの試合がある。
この試合もあの儀式を行ってから入り相変わらずゾーンに近い状態を作り出している。
ちなみにエーちゃんは荒谷君との準決勝で負けた。
でもいい試合だった。
それよりも今はハルちゃんの試合。
集中しているしハルちゃんVS気合十分のタクマ
たぶん二人共最高の状態で試合に挑んでいる。
三浦コーチも
「今日の試合は凄いことになりそうだな。」
と言っていた。というか横で見てる。
「ナツ。ハルはゾーンに入っているのか?」
と聞かれて
「ハルちゃんは入り方は知ってるそうでしたけど自分の意思では入りきれないってのもあるし言ってました。本人曰くゾーンは大きな扉をこじ開けて深い深い水の中に沈んでいくイメージだそうです。」
「そうか。扉を開けて水の中に沈んでいくイメージか。」
「はい。」
と話しているとハルちゃんがサーブを打とうとしていた。
ハルちゃんはセンターに立ちタクマのコートのセンターに最短距離で最速のサーブを打ち込んでいた。
「凄い。タクマが追いつけないなんて。」
「最短距離を最速のフラットサーブか。すごい武器だな。フラットサーブの速さが相手に反応出来る速さならチャンスボールだがエースを取れれば1球で格付けを出来る。」
と三浦コーチが言っている間にハルちゃんが2球目のサーブを最長距離でタクマからエースを奪った。
それを見て三浦コーチが
「ハルはタクマの心を折に来ているのかもしれん。今のはどうやってかわからんがバウンドからして野球と同等レベルのバックスピンを掛けて無理さり得点したんだろう。」
「バックスピンのサーブって普通ならホームランですよね?」
「あの長身とジャンプ力を活かしてより高い所からサーブを打つ事で強引に点を取ってるんだ。バックスピンなら終始のスピードの差が小さい筈だ。」
「ハルちゃんはホントに凄いな。」
「ああ。なんでまだ学生テニスをしているのかが不思議な位にな。」
と三浦コーチも言っている。
「たぶんハルちゃんはタクマに本気になってもらいたいんだよ。そうちゃんとハルちゃんとの才能の差に嘆いていた時のタクマを見ていたハルちゃんは少し辛そうだったから。」
と私が言うも三浦コーチの意見は違った。
「あの3人でタクマが一番勝てないのは練習の差だ。」
とコーチがいう。
「そうだ。この3人の才能は同レベル。だがハルは日々の練習の内容を濃くしているがタクマの練習内容はハルのように濃く無い。その差が試合をするとハッキリ出てくるんだ。爽児の練習内容もハルと同じ位濃いものだったからな。」