side春樹
俺が本格的に準備を終えて帰ろうとすると寛がやってきたからなっちゃんに少し待ってもらって2人で少し離れた場所へ行く。
「春樹。まずは決勝まで来たんだ今度こそは勝たせてもらうぜ。」
と威嚇する様に言ってくる。
「いいね。タクマとの試合も楽しいけど寛との試合はそれはそれで楽しいんだよな。」
と答えるとお互いに少し笑って寛が
「女子の方は今大会人数が少ないから決勝終わったんだろ?」
「そうだな。なっちゃんは優勝したよ。」
「そうか。」
「だから毎度で悪いが今大会も優勝を譲る訳にはいかないんだ。」
と俺が言うと寛は
「そうか。でもな俺もいつまでも春樹とタクマさんの下の神奈川の3番手なんて地位にいるつもりは無い。春樹がプロで出ていようが関係無い。そのプロを倒して俺も堂々とプロになる。それだけだ。」
と言われて俺は確信した。
寛はエーちゃんとの試合に門を1つこじ開けた。
恐らくは俺の開いた10ある門の6つ目を
タクマも10ある門のうち9つ目まで
爽児は最近10の門を開いた。
でも確信はある。
まだ先がある。
多分一つ一つが才能の壁とかそういう類のものだ。
俺も今年10個目を開いたばかり。
でも寛とやるといつも思う。
「あいつが上手くなるのはあっという間だ。それが今回は精神面の成長がエーちゃんとの試合できたな。」
と独り言を言ってから俺はなっちゃんの所へ戻り
「おまたせ。」
となっちゃんに伝えるとなっちゃんが
「待ってないよ。荒谷君。なんだって?」
「宣戦布告。今回は勝つって。」
と俺は少し笑顔を作って言うとなっちゃんが
「ハルちゃん。悪い顔になってるよ。」
と笑顔を見せる。
寛との試合
俺はルーティンを終えてコートに入る。
sideなっちゃん
今日はハルちゃんに強引にエーちゃんを連れて来るように言われていたから連絡を入れたら来ていたよ。
荒谷君にハルちゃんの試合。
普通に戦えばハルちゃんは圧勝すると思う。でも昨日の帰り道でハルちゃんは荒谷君はエーちゃんとの試合で成長したって言っていた。
と思っていると試合は始まった。
「今日は最初から直感に任せるみたいだよ。」
と思わず声に出していた。
「春樹君の直感のスタイル。」
とエーちゃんもしっかりと見ていた。
試合はとにかく激しいものだった。
ハルちゃんはまだ1度もポイントを奪われていないにも関わらずだいぶ走らされている。
しばらくするとハルちゃんの目が変わった。
多分入ったんだ。
第2ゲームの5-0
タクマとの試合と同じタイミングで入ったみたい。
そこからは凄かった。
荒谷君の全サーブをリターンエースでゲームを取りハルちゃんの勝ちが決まった。
そして私はエーちゃんに
「ベスト4は表彰されるからエーちゃんもだよ。
ホラッノートは片付けて表彰式の準備しないと」
と言ってエーちゃんの背中を押してからハルちゃんのもとに向かうのだった。
side丸尾栄一郎
俺がカバンの所へ行くと誰かがいた。
「あっ!
ど・・・どうも。」
と言われた。
な・・・なんだこの人!?
人のノートを勝手に!?
と思っていると
「ごめんごめんキミがハルとナツの言ってた[ノートのエーちゃん]君?」
「へ?」
の後、ノートを勝手に見ている人は色々話し出した。
と思ったら携帯が鳴り出して慌てて
コーチによろしくと言われて去っていった。
その時聞いた名前は
池爽児
テニスの雑誌で春樹君と2人で注目されている高校生のプロテニス選手だ。