ベイビーステップ ハルとナツ   作:ニャン吉

31 / 32
第31話

side春樹

いよいよ爽児との試合だ。

ルーティンは終えた。

他のことも抜かりなし。

なっちゃんも来ている。

ここで俺が負けるのだけは見せられないからな。

 

side爽児

春樹。

俺が今まで練習を含めて追い詰めても1度も勝てなかった相手。

プロになる為にと言ってフロリダに来たけど本当は春樹に勝つ為。

 

side春樹&爽児

 

この試合

負ける訳には行かない!

 

sideなっちゃん

 

私にとっては2人の晴れ舞台。

2人とも応援したい!

「ハルちゃん、そうちゃん。

頑張って。」

私は小さい声でそう呟くだけだった。

 

 

side春樹

 

サーブは爽児から始まる。

いきなりワイドに正確にコントロールされたフラットサーブだ。

スピードもキレもある。

 

追いついて俺は前進して来た爽児の足元にトップスピンを返す。

でも爽児はそのショットに対して1度も止まりライジングで打ち返してくる。

 

「普段の奴ならあれで点を取れるんだけどな。」

と俺は呟いてラケットを左手に持ち替える。

そして高い起動を描くロブを線上目掛けて打ち上げる。

 

それに爽児は届かないと判断して下がりバウンドした所を強烈なフラットショットで返してくる。

でも下がったのならやる事は1つ。

 

勢いを殺したドロップショットしか無い。

 

最後尾にまで下がった爽児は追いつけず先制点は俺に入る。

 

 

15-0

 

爽児の2本目のサーブはセンターからセンターへの最短距離の最速と思われるフラットサーブだ。

 

ある程度読んでいた俺は追いつきそれをスライスで返してからしばらく俺と爽児のストローク対決に入る。

 

そのストロークはパワーもそうだが変化も小さいがかけられている。

でも俺も爽児に同じ様に変化をかけたストロークを返す。

 

しばらくすると爽児がドロップに切り替えた。

爽児のドロップは跳ねる!

そう思って前進するも爽児のドロップは思いのほか跳ねずに俺はギリギリ空振りしてしまう。

 

side丸尾栄一郎

この試合は凄い。

まだお互いに1ポイントずつしか取っていないのに

それにハードショットは囮に使って本命は2人ともドロップ。

この試合、ノート1冊で足りるかな?

 

sideなっちゃん

2人とも凄い。

いや・・・わかっていたけど本当に置いて行かれたんだと思っちゃう。

 

そう思っているけどやっぱりハルちゃんとそうちゃんの試合は凄くみていて面白い。

ハルちゃんのプレイスタイルにそうちゃんのプレイスタイルは恐ろしく相性が悪い。

でもそうちゃんはそれをわかった上でハルちゃんを倒そうと全力を出している。

そしてハルちゃんもそれを分かっているから手を抜かない。

そんな2人の試合だからこそ何回見ても凄いと思える

私はそう思っている。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。