ベイビーステップ ハルとナツ   作:ニャン吉

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第32話

side丸尾栄一郎

 

第1セットを

6-4

で春樹君が取り

第2セットに入るとあの二人のストロークは激しい撃ち合いのようで打球の種類が全部違った。

まるで見ている人を魅了するような激しい打ち合い。

 

お互いにコートをいっぱいに使っている為に少しずつ息が乱れてきているのがわかる。

 

10分経つも第2セットの点が入らない。

そしてお互いの距離が徐々に近づいていく。

 

そしてついにボレー戦になった。先に逃げれば簡単に点は取れるけど逃げると今後は逃げて点を取った方は事実上、ボレー戦は負けになる。

だからこそお互いに引けないんだ。

少ししてこのボレー戦が終わりになる。

最後は春樹君が強力なボディを打ち込む事でなんとかラケットに当たった程度の打球はスマッシュには絶好の返球になる。

その打球をスマッシュでクロスへ打つ。

それに爽児君は反応するも届かずに空振りしてしまう。

ここでこのゲームの流れを掴んだ春樹君はそのままゲームを奪う。

 

第2ゲームは逆に爽児の怒涛の攻めに春樹君が少し着いていけずにゲームを取られていた。

 

 

春樹君のサーブゲームでいきなりアンダーのカットサーブを春樹君は見せた。

そのサーブは今まで見てきたものより遥かに鋭く大きく変化をしていた。

そしてこのサーブに爽児君は空振りするしか無かった。

 

2本目はキレのいいツイストサーブ。

また跳ね方が鋭くなっているように感じるのは多分気のせいじゃない。

僕とやる時は手を抜いている訳では無いのはわかるんだけど・・・最善を尽くすのと最高の試合をするのはまた違うものだと言うのを第1セットで学んだからね。

 

 

それより2本目のツイストサーブは爽児君が一歩下がって確実に強打を打ってきた。

でも春樹君はそれを読んでいたのか前進して打球を殺したドロップ。

2点目はあっさりと点が入った。

 

3本目のサーブは初めて見る左でのサーブだ。

右ほど速さは無いけどコントロールは左の方が上みたいだ。

それでも俺よりも速いけど。

 

と思っているとここでなっちゃんが

「ハルちゃん。ここから直感に任せるみたいだよ。」

そう言っていた。

 

左でのサーブが出てから試合の内容がガラリと変わった。

今までは春樹君の計算された上でのプレイだとしたらここからは完全にアドリブのプレイスタイル。

 

フォームもバラバラなのにコントロールが乱れない。

あれだけフォームを大事にしていた春樹君らしくない。

俺はそう思う。

でもこれだけははっきりとわかる。

春樹君はテニスが本当に好きで楽しそうにやっている。

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