side春樹
ランニングをしていると少し落ち着いてきた。
冷静になるとやっちまったとすごく思う。
1度水分補給と思って自販機の所に向かうと入口の所にペットボトルを持ったなっちゃんがいた。
「ハルちゃんがそろそろ1周終わる頃と思ったから飲み物買っといたよ。」
「ありがとう。悪いなさっきは。かっこ悪い所を見せた。」
「いいの。あの怒ったのだってハルちゃんの為じゃなくてSTCの皆の為でしょ?」
「そうだな。去年のライバルがいないと腐っていた時、なっちゃんは俺を近くで言葉でプレーの上達で支えてくれてここの皆だってどんどん上達してくれてここにいる皆でギリギリまで諦めずに最後までプロを目指そう!そう言っていた皆の意思がエーちゃんの[趣味]の一言に留められるのが我慢出来なくてな。」
「うん。」
「正直、あそこであんな事しても意味無いのにな。」
と下を向いていると横からなっちゃんが俺を抱き締めてくれた。
「大丈夫だよ。この事を皆に言ったとしてもきっと何なもならないよ。寧ろここの意志を再確認する為のいい機会にできたと思うよ。」
と俺をなっちゃんなりに慰めてくれた。
「なっちゃんと付き合い始めてから弱い所沢山なっちゃんに見られたな。・・・失望したか?」
「まさか。
去年のハルちゃんの言葉を1つ借りるけど。
愛してる人の弱い所って愛おしく感じるんだよ。
それにそんな事を言ったら私なんてもっと沢山ハルちゃんに弱い所を見せてるもん。中学最後の大会で亜季ちゃんに負けて泣きたくなってる時とか他にも色々泣きたくてもなかなか泣けない時はハルちゃんが私を抱き締めて胸を貸してくれて泣いてたりハルちゃんに怒鳴り散らしたりしたからね。ハルちゃんは私に失望した?」
「もっとなっちゃんの事が知れて嬉しかった。」
「でしょ?」
「そうだな。
それとなっちゃん。1つ頼みがある。
無理を承知で言うからな。」
「うん。」
「答えは直ぐには求めない。
俺達が高校卒業すると共に俺と一緒にフロリダへ移住してくれないか。」
「テニスに専念する為?」
「そうだ。
中学最後の冬の短期留学の時、そうちゃんは俺と本当にギリギリの戦いをした。俺は高校卒業と同時に人生の全てをなっちゃんとテニスだけに使いたいと思ってる。」
「高校卒業と同時にフロリダ。
そこでハルちゃんは人生の全てを私とテニスに。」
「その覚悟だ。」
「人生の全てをってどこまでが全て。」
「なっちゃんと一緒にいない時間は睡眠を覗いてテニス。
それ以外はなっちゃんとの時間に当てるよ。」
「私が高校卒業と共にプロになれるとは限らないんだよ。」
「なら俺が今までの賞金とかこれから稼ぐ賞金でフロリダのテニスクラブへ通わせるよ。もしくは俺の専業主婦?」
「私もプロになりたいからね。今のハルちゃんの話を聞いて決心したよ。私もプロになる。今度は目指すんじゃなくて一緒にプロになる!」
「そうか。俺もなるからな。・・・それと今週の日曜日にそうちゃんが1度実家に帰ってくるそうだ。三浦コーチには話してあるんだがそこで俺はそうちゃんと試合をする事になった。見に来ないか?」
「行く!絶対に見るよ!」
なっちゃんはそう言って俺の腕に抱きついてきた。