「……」
「……」
「……」
「…ふぅ。この紅茶、美味しいですねノエルさん」
「ありがとうございます要様。このお茶請けもどうぞ」
「ええ。いただきますね」
「あんたゆっくりしすぎでしょ!?」
現在、月村邸にてお茶を貰ってます。
理由はもちろん、誘拐されたことにより知ってしまった月村の秘密について。
俺とアリサは、選択次第ですずかとの付き合いを考えなければならない。
今はすずかの姉が、誘拐犯の男を取り調べ中なのでそれが終わるまでお茶を飲んでます。
部屋には俺とアリサ、すずか、恭也さんにメイドのノエルさん。
すずかは顔を下に向けているため、表情を伺えない。
恭也さんは眼を閉じているが、俺が何かしないように見張っているのだろう。
「アリサ。静かにお茶を飲めないのか?」
「逆にあなたはこの状況でよくゆっくりできるわね…」
慣れだ。
カルデアにいると色々起こり過ぎて、日常茶飯事だからな。
「なに、俺の答えは既に出しているからな」
「え?…」
俺の言葉に、すずかが反応した。
まさかまた言わせるつもりか?
「すずかは聴いていただろうよ」
「…あ」
しょうがない。もう一回聴かせてやるよ。
「すずかと友達になって何が悪い?」
「ッ!うっ…ぐす…」
「ちょ!すずか!泣かないのよ…」
すずかは泣き出し、アリサの胸にすがり付く。
アリサも慌てはしたが、落ち着くまであやすだろう。
「…お前の答えはそうなのか?」
「そもそもあいつらの言う、化け物の基準が低いと思うけどね。…本当の化け物はこんなに可愛くないよ」
あの肉の柱である魔神柱なんかとすずかを比べてはならない。
「そうか…なら」
「なら、すずかの婚約者になって貰わないとね!」
恭也さんの言葉を切って、扉をバーンと開けて女性が出てきた。
「お、お姉ちゃん!?いきなり何を言い出すの!?」
「忍さん?」
突然の事にすずかは復活。
話は扉越しで聞いていたようだ。
見た目は活発な様子の女性の印象。
だが微かな死の匂いが、裏にも通じてる証拠だ。
誘拐犯の男を取り調べをするのも納得だし、今回は拷問もしておるだろう。
「私達夜の一族の秘密を知ったからには、ただでは帰さないわよ」
「だから婚約して身内にしちゃおうって魂胆か」
「まあ実際は特殊な契約を結ぶだけよ」
ふむ。
「アリサちゃん、盾君。私達月村の秘密を誰にも喋らない事をして約束してくれるかしら?」
「当たり前よ!すずかは大事な友達なんだから、絶対に守るわ」
「良いよ。誰にも喋らない事を誓おう」
すずかとの関係を終わらせるつもりもない。
こうして俺とアリサは月村の一族と契約を結んだ。
「ところで盾君」
「なんでしょう?」
「貴方はどこで殺しの技術を学んだのかしら?」
…今ここで話さなきゃダメか?
「私も気になる…」
「…思い出したくないけど、あのバラバラ死体は、あなたの仕業なんでしょう?」
「できれば俺も知りたい」
忍さんや恭也さんに話すのは構わなかったが、すずかとアリサも俺の事を知りたがった。
…元々秘密にするつもりは無かったから話しても構わないが。
「…別に話しても良い。けどもアリサにすずか」
「「うん?」」
「俺の事、聞く覚悟あるか?」
「「…」」
「これから話すことは全部本当だし、今後もその行いを止めるつもりはない」
「「…」」
「話を聞いて後悔はしないか?」