俺は剣を構えて、怪物に向かって斬り込んだ。今更ながら気づいたのだが、この
デバイスって便利~
怪物の右前足を、剣で軽く切り込み一旦後ろに下がる。
怪物は攻撃されたと認識して怒ったのか、左前足で大振りに叩いて来た。
予想通りの行動なので、前に前進して避けながら、胴体を深く切り裂いた。
胴を斬られたのが、よっぽど痛かったのか、怪物は大きく仰け反り、右側へと倒れこんだ。
うん。分かっていたけど、こいつ弱いな。
《いやまあ、踏み台らしく無謀にも戦いを挑む感じで良いんですが。マスター、なんで戦い慣れてんですか?》
「そんなに変か?」
《そりゃあ大人が戦い慣れしているならともかく、マスターは強すぎです。本当に小学生ですよね?》
「前世では嫌ってほど戦ったからな…」
それこそ死んだ、と思ったことなんて何回もある。最初はファヴニールの大きさで、どうやって倒せば良いのかなんて悩んだのが懐かしい。
後に魔神柱やティアマトなど、もっと大きな敵が現れて、そして戦った。戦うしかなかった。
撤退などは大丈夫だが、負けは許される戦いじゃなかったからな。
そんな事が続いたら、未知の敵には全力全壊で挑んでたものだ。
《マスターの前世って、一般人じゃなかったのですか?》
「むしろなんで一般人だと思ったんだ?」
なにやら、話が合わないぞ。
後で詳しく話し合ってみるか。
「盾君!」
「君!大丈夫かい!?」
一息ついている所に、なのはとフェレットがこちらに向かってきた。
先程のデバイスを使って変身したのか、服装が変わっていた。バリアジャケット?が何故制服なのか聞きたいが。
「それよりも、さっさとアレを封印しようぜ」
「凄い盾君!でも怪我してない?」
「本当に凄い…まさか圧倒するなんて…」
いや、早く封印をしような。
「そうでした!なのは、今から言う呪文を復唱して」
「う、うん」
なのはは手に持った機械的な杖を、怪物向けてフェレットと共に呪文を唱えた。
「「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアル
呪文を唱えると怪物は光に包まれた。光が収まるとそこには怪物の姿はなく、宝石が一つ落ちていた。
「こいつがあの怪物の正体か…」
見た目はただの宝石で
眼で見ると、確かに宝石内部に大量の魔力が入っていた。
機能は分からないが、これだけの魔力が不安定に入っていれば危険なのは間違えない。
「それをレイジングハートに入れておいて。その方が安全だから」
「お願いレイジングハート」
《了解しました》
なのはのデバイス…こいつより真面目そうでいいな。
「お前には拡張空間的な機能は、ついてないのか?」
《ありませんよそんな機能。むしろマスターが持っているでしょう》
なのはがデバイスに宝石を閉まったところで、俺は提案する。
「よし!逃げるか」
「え?なんで?」
「この惨状を見ても同じ事を言えるか」
俺がそう言うとなのはは周りを見回すと、怪物が暴れて塀は崩れ、道路は穴ボコだらけ。動物病院なんか壁に穴が空いている。
現状を理解したのか、なのはとフェレットは顔を青くしていた。
「だいぶ暴れたからな。住民の誰かが警察に通報しているだろう。どうする?この歳で警察のお世話になりたいか?」
「じゅ、盾君!早く離れよ!」
「ヤバいよなのは!なんかサイレンが聞こえてきた!」
「じゃあ逃げますか」
「ご、ごめんなさーいなの!」
とりあえず、家の近くの公園まで逃げますか。
俺たちは、後ろに聞こえるサイレンの音をバックに現場から走り出した。
…なのは、お前運動音痴じゃなかったか?なんで俺より早いんだ?