しかし今回、もしかしたら少しだけそのイメージを変えることになるかも知れません。
もしそうだとしたらすみません。一重に作者の技量不足です。
しかし作者の中では最初から同じイメージで書いていますので、もし違和感がある方がいらっしゃいましたら感想までお願いします!(自らハードルを上げていく)
そんなことより、「おか えり」と「ただ いま」って人名っぽくないですか?(それについて無駄な論争を妹と繰り広げた)
ではでは、本編をどうぞ。
全てのプレイヤーは無事、六人パーティーを七つ、三人パーティーを一つ完成させた。
もちろんその三人パーティーとは、俺とキリト、そして先程ついに名前が明らかになった、アスナの三人だ。
ディアベルの指揮の元、七つの六人パーティーは最小限の人数の入れ替えを行っただけで、役割別の部隊に編成された。
重装甲の
それぞれにきちんと役割が与えられていながら、しかしシンプルに纏められたそれらを他人事のように眺めながら(実際に他人事なのだが)、改めてディアベルのその手腕に舌を巻く。
これでも俺は、他のMMOタイトルで作戦参謀的なことをしたこともあるので、ディアベルの手際の良さがよく分かる。
対して知りもしない間柄の人間、それも大勢を纏め上げるのは、本当に大変なことなのだ。
ましてや、いつ暴れ出すとも知れないキバオウのようなやつがいる中で、だ。
まあキバオウに関しては、なんだかディアベルに対して、心酔とまでは言わずとも、それなりの敬意を持っている様子なので、ディアベルからしたらさほど気にはならないのかもしれないが。
しかし、そしてそれはそれとして、だ。
やはり俺は、今、申し訳程度に集まる俺たち三人の方へと、爽やかな笑顔を浮かべながら迫って来ているナイト様が、どうしても苦手なようだ。
ディアベルの接近に気づいた残り二人のパーティーメンバーは、生け贄を捧げるかのごとく俺より後ろに下がり、相対的に前に出された俺がリーダーだと思ったらしいディアベルは、真っ直ぐに俺の方へと向かって来た。
こいつら……絶対ボス戦で働かせてやる、リーダー命令で。
心の中でそんなことを思っている間に、目の前まで来てしばし考える様子を見せていたナイト様は、爽やかな声で俺に言った。
「君たちは、取り巻きコボルトの潰し残しが出ないように、E隊のサポートをお願いしていいかな」
……ようは邪魔にならないよう、隅っこで大人しくしてろってことですね分かります。
それに対しキリトからは、俺と同じように仕方ないと諦めるような溜め息が聞こえてきたのだが、しかしもう一人の方、アスナからは、明らかに私不満なんだけど、という空気が漂ってきた。
今さすがにこの場で文句を言われて、全体の雰囲気を悪くするのもどうかと思ったし、何より賛成出来ないなら帰ってくれてもいいよ、などと言われかねないので、俺は嫌な気持ちを押し切って仕方なく、アスナを制するように一歩前に出ながらディアベルに応じた。
「ああ、任せてくれ! そっちこそ、大変だとは思うけど全体の指揮は頼んだぜ!」
「! ああ、もちろんだ!」
ディアベルに負けず劣らず、なるべく爽やかな笑みを浮かべて応じる俺。
後ろが少し引いた気がするが気にしてはいけない。
俺が笑顔のまま右手を差し出し握手を求めると、最初は驚いた様子のディアベルだったが、すぐその意味を理解し、嬉しそうな表情を浮かべながらその手を取って力強く握ってきた。
暫くしてから手を離したディアベルは、きらっ、と白い前歯を光らせてから「じゃ!」と短く言って、俺に手を振りながら噴水の方へと戻っていった。
「何が任せてくれ、よ。ボスに一回も攻撃できないまま終わっちゃうじゃない」
俺が変わらず笑顔で手を振り続ける中、ディアベルが声の聞こえない距離まで離れた途端、案の定と言うべきか、アスナからそんな苦情が飛んで来た。
俺はディアベルが仲間たちの方に向き直ったのを確認してから手を下ろし、顔に貼り付けていた笑顔を取り去る。
それからようやく、不満顔のアスナに向き直った。
「悪かったよ。でもあんたに、他に知り合いがいないのも悪い」
「ぐっ……あなたには言われたくはないわ」
「いや、俺は本当にこの仕事で納得してるから」
地味に俺にも知り合いがいない認定をしてきたアスナの発言は軽くスルーする。
せめて
辛うじての知り合い関係である、自分を見つけた
すみませんね……知り合い少なくて。
別にいいじゃないか、取り巻き退治。
確かに旨みはないが比較的安全だろうし、何より楽だろう。
むしろこっちの方がおいしいのでは……そんなわけないか。
そんな感じで、自分の中で自己肯定と自己否定を繰り返して鬱になっていると、珍しくアスナが、俺に対して踏み込んだことを言ってきた。
「それよりあなた、随分と親しげに話してたけど、今の人のこと苦手でしょ」
「ん? ああ、そうだけど……よく分かったな。俺、そういうのあんまり顔に出さない方だと思ってたんだけど」
……しかしそれが分かっていながら、俺にディアベルの応対させたんですかそうですか。
よく勘違いされるのだが、俺は人付き合いは苦手ではない。嫌いなのだ。
というよりも、無闇にパーソナルスペースを侵されることが嫌なだけであり、逆に言えばそこまでいかない、上っ面だけの関係、というのは得意なのだ。
まあ疲れるので、あまり積極的に人付き合いをしたいと思わないのも事実なのだが。
大勢より少数、少数より一人がいいと思う今日この頃。
俺がこの世界で比較的、心を開いている相手といえば、キリトとアルゴ、あとはクラインくらいだろうか。
それからもう一人、目の前の彼女にも、最近はその傾向があるが。
この短い時間でそうなった理由は俺にも分からないが、おそらくは彼女の、自分を偽らない美しさのようなものに、惹かれているのではないだろうか。
……なにこれ自分で言っててハズカシイ。
と、とにかく、そんな彼女ことアスナがここで「べっ、別に、あなたのことをずっと見てたわけじゃないんだからね!」とか言い出したら面白かったのだが、もちろんそんなことはなく。
「別に、あなたがアルゴさんや、そこの剣士の人に接する時の態度と、さっきの人への態度が全然違ったから、そう思っただけよ」
「なるほど」
淡々と、自分の見解を述べるだけだった。
ほほう、つまり俺がディアベルを苦手と思っていることに気づいたのは、話した後だと。
だから俺にディアベルの対応をさせたのは仕方ないと。……仕方ない、か?
それにしても、アスナと話すのは楽でいい。
頭がいいのだろう。こっちの考えを読みながら話してくれるから話が早いし、話す内容も纏められていて分かり易い。
俺やキリトも無駄な話はしない方だから、三人でいても業務連絡のような話にしかならないのが玉に瑕だが。
まあそれはこれから追い追い、無事に三人とも生き残り続けたら変わっていくこともあるだろう。
俺とアスナの会話が一応終着を迎えたと思ったのか、さっきから影の薄かった黒髪の少年、キリトが、おずおずといった様子で話し掛けてきた。
「えーと、ちょっといいか。必要ないとは思うけど一応、POTローテの順番とか、どうする?」
「POT? ローテ?」
「おっとまじか」
まだ話しづらいのか、アスナのことを視界に入れながらも、主に俺に対して話していたキリトの言葉に、聞きなれない単語があったらしいアスナが反応した。
それも、初心者丸出しで。
その立ち振る舞いから、何となくそんな気はしていたのだが、やはりアスナは、MMOというジャンル、というかもしかしたら、ゲームをすること自体が初めてなのかもしれない。
それなのにも関わらず、一人で迷宮区のあんな深くにいたのだから、そのポテンシャルの高さは計り知れない。
「あー、キリト。こいつ多分、完全なMMO
「なっ……まじか」
俺の発言に対しむっとした様子のアスナと、攻略会議に出るほどの実力者がまさか初心者だとは思わなかったのか、思わずアスナに目をやり驚くキリト。
しかし理不尽にもキッと睨まれ、また慌ててこちらに視線を戻してきた。
キリト、哀れなり。
まあ実力の程は俺も実際に戦うところを見たわけではないので知らないのだが、少なくとも俺よりは役立つだろう。
「まあそんなわけだから。諸々の話は後で、実戦を交えながらでもしようぜ」
その後の第二回攻略会議は、つつがなく、AからGまでナンバリングされた各部隊のリーダーの短い挨拶と、ボス戦でのドロップアイテムや
アイテムについてはゲットした人のもの。お金に関してはレイド全員で自動均等割りという単純なルールで話がついた。
この世界では申告しない限り、どのアイテムが誰のストレージにドロップしたかは分からない。そういった理由でディアベルは、このルールを採用したのだろう。
そして午後五時半、昨日と同じらように「頑張ろうぜ!」「オー!」の掛け声を最後に解散となり、集団は三三五五ばらけて酒場やらレストランやらに入っていった。
余談なのだが、リーダー挨拶では
そして最後のG隊のリーダーの挨拶の後、さっきの短いやり取りで気に入られたのか、はたまた気を遣われたのかは分からないが、ディアベルの厚意で俺たちみそっかす部隊にも挨拶の機会が与えられた。
普段なら丁重にお断りするところなのだが、今後のためにも少しでもいい印象を与えておきたかった俺は、持ち前の親しげな軽口を披露して見事受け入れて貰うことに成功。
これで少しでも発言力を持てれば儲けもの、というものだ。
その代償として、会議が終わってからのご飯に誘われたりもしたのだが、「パーティーメンバーとの親睦も深めないといけませんので…」と、さも残念そうに断ると、向こうもそれなら仕方ないなといった雰囲気で「また一緒に食おうぜ!」と言ってくれたので、「ぜひ!」と、さも嬉しそうに返したところでようやく解放された。
その時の、短いパーティー期間で俺のやり口を知っているキリトの呆れっぷりと、あまりの豹変ぶりに珍しく驚くアスナがとても印象的で、少しいい気分になった。
「さて、と。それじゃあ近場で軽くお互いの実力確認と、それからスイッチの練習もしとくか」
未だに呆れと驚きが抜けきっていない二人を引き連れ、溜まったストレスを発散するため、俺は意気揚揚と町の外を目指すのだった。
〜〜〜
翌日、十二月四日、日曜日、午後十二時半、迷宮区最上階踏破。
と同時に、俺たち四十五人のレイドパーティーは、獣頭人身のレリーフがされた巨大な二枚扉、ボス部屋の前に到着していたーーー。
〜〜〜
昨日はあの後、MMO
その後はそのまま解散かと思いきや、アスナが物凄い葛藤の末、また俺の部屋の風呂を借りたいと申し出てきたりとか。
それを聞いたキリトが勘違いして、ありもしない関係に気を遣って立ち去ろうとしたのを急いで引き止め、誤解を解いたりだとか。
結局一緒についてきたキリトを追って、例の《アニールブレード》の最終交渉のために、アルゴがまた俺の部屋にやって来たりだとか。
そのアルゴの依頼人から提示された、三万九千八百コル、「いやそれだけあるなら、一から強化しても同じのが作れるだろ」という理解出来ない金額に仕方なく、アルゴから依頼人の名前の情報を買ったりだとか。
それがあの、ベータテスターを目の敵にしていた《キバオウ》だということが分かり、キリトと二人であれこれ推測を交わしたりだとか。
その最中に、お風呂から上がってきたアスナ(素顔)を見て、顔を赤らめながら慌てて部屋を出ていったキリトと、意味深な笑みを浮かべながら、これまた意味深な視線を送ってきたアルゴがいたりだとか。
そんなアルゴの視線に耐えきれず、またも逃げるように、アスナと入れ替わりにお風呂に入る俺がいたりだとか。
お風呂を上がると、また何か話があったのか、それでも待ちきれずにソファセットの一つに体を沈め、ぐっすりと気持ち良さそうに眠るアスナがいたりだとか。
声を掛けても全く起きず、仕方なく《ハラスメント防止コード》が発動しないか冷や冷やしながらアスナを寝室に運び、自分はソファセットを並べてそこで寝たりだとか。
代わりに朝は、またアスナに起こして貰えたりだとか。
それからやはり、《ハラスメント防止コード》が出ていたらしいアスナから、蔑むような目で見られたりだとか。
《不適切な接触》とみなされた時点で手が弾かれなかったことを不思議に思いながらも、黒鉄宮牢獄エリアにテレポートさせられないよう、今にもOKボタンを押しそうなアスナを必死に説得したりだとか。
何とか納得はして貰えたのだが、そのせいで今日は朝から完全に目が覚めているだとか。
未だにアスナから、冷たい目で見られているだとか。
合流してそれを見たキリトから、またも誤解されただとか。
まあ大したことはなかったので、そこら辺の話は割愛するとしよう。
そして今日、午前十時、俺たちは噴水広場に集合した。
なんとそこで、昨日キリトに破格の交渉を持ち掛けるも断られ、その上名前まで知られたはずのキバオウが、あまりにも堂々とした態度でキリトに、あまり出しゃばるなよといった旨の牽制をしていくという一幕があった。
よくよく見ると、キバオウの装備は昨日から全くと言っていいほど変わっておらず、およそ四万コルという金額を使ってまで己を強化しようとしていた人物の装備とは到底思えないものだった。
キリトを牽制していった理由は、どう考えてもキリトが元ベータテスターだからだろう。
しかしそれを知る者もまた、元ベータテスターだけの筈だ。
一応昨日キリトに聞いた限りでは、《キバオウ》という名前のプレイヤーはベータテストにはいなかったらしい。
ベータテストの時とは名前を変えている可能性も考えたが、あんな喋り方をするやつは、少なくともキリトの知る限りいなかったそうだし、何よりそれなら、あんなにも元ベータテスターを目の敵にすることはないだろう。
ならばなぜ、キバオウはキリトが元ベータテスターだと知っている? いや、そう思い込んでいる?
そもそもなぜ、あれだけ忌み嫌っていたベータテスターから、その知識を存分に使った結果であろう剣を買おうとした?
それになぜ、名前を隠さなかった?
アルゴは仕事に私情は挟まないやつだ。
名前の情報を買う時も、ちゃんと依頼人に確認を取ってからだった。
隠せたはずのものを隠さなかった理由は……隠す必要がなかったから?
四万コルもの大金を、装備強化のために使えなかったのは、
そう考えると全て辻褄が合う。合ってしまう。
つまりキバオウには、ほぼ確実に、ベータテスト時代の情報を持ち、キリト
そこまで考え至って顔を上げると、いつの間にか噴水の縁に立ったディアベルが、軽い演説をしているところだった。
そして最後に、最早恒例となった「勝とうぜ!!」「オー!!」というやり取りをしているのを見て、その浮かれようと、決してそれに対してだけじゃない不安を覚えながら、俺はレイドパーティーの最後尾を、俺を待っていてくれた頼れる二人と一緒について行くのだった。
森を歩いている最中は、アスナの「何だか遠足みたい」という発言の通り、ゆったりとした雰囲気で、俺たちレイドパーティーは順調に進んでいった。
そして午前十一時、迷宮区到着。
迷宮区に入ってからは、レイドパーティー全体の連携の確認をしながらの進行となった。
何度か冷や冷やさせられる場面もあったが、ディアベルの的確な指示が光り、改めてディアベルのリーダーとしての資質を思い知らされた。
浮かれた雰囲気もあったかもしれないが、ディアベルさえいれば大丈夫と、そう思うには十分なぐらいに。
〜〜〜
「おい、ソウ。念の為に確認を……」
俺が長い回想とともに、難しい顔をしながらディアベルを見ていると、ちらちらとアスナに目をやりながらキリトが声を掛けてきた。
昨日も会話の流れで話す(質問に答えるなど必要最低限)ことはあったのだが、どうやらまだ自分から話しかけるのは難しいらしい。
これから一緒に戦うというのに大丈夫だろうかと、少し不安になる。
まあこっちは大丈夫か、キリトだもんな。
必要とあらば、臆することなく話すだろう。
「……ああ、そうだな。一応確認するけど、俺たちが相手をする《ルインコボルト・センチネル》は、頭と胴体の大部分を金属鎧で覆われていて、まともに攻撃してもあんまりダメージが通らない」
「解ってる。貫けるのは喉元一点だけ、でしょ」
「そそ。俺かキリトで向こうの武器を跳ね上げさせるから、すぐにスイッチで飛び込んで」
注文としては、決して簡単な部類ではないのだが、昨日の剣技を見せられては信用せざるを得ない。
正直、アスナに対する俺の評価は甘かったと言わざるを得ない。
さすが店売り装備で、しかもただ一つのソードスキルのみを頼りに、迷宮区深くまでソロで潜っていただけはあった。
あのキリトでさえ、流星のようなアスナの《リニアー》には、目を奪われていたのだから。
ソードスキルは、システムがモーション・アシストをしてくれるのだが、それに加え、プレイヤー自身が運動命令を出すことによって速度をブーストすることができる。
下手な動きをするとかえってアシストの邪魔となり、最悪ソードスキルが失敗しその瞬間、戦闘中において致命的な硬直時間が課せられることになる。
しかしアスナの《リニアー》は、その刀身が視認できず、ソードスキルによるライトエフェクトの軌跡しか捉えられないほどに早かった。
なんの知識もなくあれだというのだから、本当に恐れ入る。
昨日のうちに装備も、店売りの《アイアン・レイピア》から、ドロップ品の《ウインドフルーレ+4》(俺のストレージで眠っていたもの)にグレードアップしており、戦闘中の無駄な動きも俺とキリトの指導によってほとんどなくなった。
今のアスナと戦闘において並べる者は、今ここにいる者の中でも一握りだろう。
俺たちが後方で最終確認をしている中、前方で他の七パーティーを並ばせ終えたディアベルは、さすがにここで、音にも反応する人型モンスターを呼び寄せてしまう「勝とうぜ!!」をする訳にもいかず、代わりに銀の長剣を高々と掲げ、大きく一度頷いた。
俺たち以外の四十二人のレイドメンバーも、同じように各々の武器をかざし、大きく頷いた。
緊張感の高まる中、青いロングヘアをなびかせて振り返ったディアベルは、左手を大扉の中央に当て、
「ーーー行くぞ!」
と短く一言叫び、思い切り押し開けた。
ーーー広い。
初めてボス部屋に入った感想はそれだった。
左右の幅、約二十メートル、奥行き、約百メートルの長方形型の空間。
二十階のマッピングはほぼ終わっている(俺は参加していない)ので、空白のエリアから得た数値として事前に知ってはいたのだが、実際に目にするとそれより遥かに広く感じる。
普段、現実世界にいた時に、これ程広く、ひらけた空間を見ることがなかったのも原因の一つかもしれない。
危なくなったら撤退を、とも密かに考えていた俺だが、手前で戦っていたならまだしも、奥で戦うことになったらそれも難しいだろう。
そんなことを考えていると、ぼっ、ぼっ、と音を立て、左右の壁の松明が手前から奥へと順に燃え上がっていき、それにつれ段々と、部屋の内装も明らかになっていった。
ひび割れた石床や壁。その各所に飾られた大小無数のドクロ。部屋の最奥に鎮座する、粗雑かつ巨大な玉座。
そしてそこに坐する、何者かのシルエットーーー。
それを見たディアベルは、高く掲げたままだった長剣を、さっと前に振り下ろし、それを合図に、総勢四十五名からなるボスモンスター攻略部隊は、盛大な雄叫びを上げつつ、一気にボス部屋へと雪崩込んだ。
そして先頭と玉座との距離が二十メートルを切ったあたりで、それまで微動だにしなかったシルエットが猛然と跳んだ。
空中でぐるりと一回転し、地響きとともに着地。
鋭い牙の並ぶ顎をいっぱいに開き、吠えた。
「グルルラアアアアッ!!」
獣人の王、《インファング・ザ・コボルトロード》は、自らの玉座の間に侵入した不届き者を排除するため、右手の骨斧を高々と振りかざした。
ご読了ありがとうございました。
ソウ君についての印象はどうだったでしょうか。
許容出来る範囲だったのなら良かったです。
それより途中の、〜〜〜間の文について、省略し過ぎだろ! と思ったそこのあなた!
その通りでございます大変申し訳ございませんでした。
さすがに話数を掛けすぎましたし、内容が被らない気がしないでもなかったですのでこうさせて頂きました。
はい、その通り。一話ごとの文字数が少ないのが原因でございます。
四千字ぐらいで切りたくなる病気にかかっているようです。
あと今回、ソウ君がアスナに対して「惹かれている」という表現を使いましたが、ニュアンスとしましては「憧れている」の方が近いです。
ああなりたい。けどなれないし、なれたところでそれは自分じゃない、みたいな。
自分が持っていないものに憧れている感じです。
だから決して「恋愛」的なものではないとご容赦下さい。
それはそうと次回は遂に戦闘回!
ちゃんと書けるかなという不安はありますが、やはり皆様お好きなようなので頑張りたいと思います。
長々と失礼しました。
ではでは、感想お待ちしております!