記憶をそのままに   作:雪楓❄️

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ロニエが主人公とは言いますが、一応転生と言う形で書こうと思います。

転生しているので、現実のこともよく分かっているのでその辺はご了承ください。




プロローグ

「本日遂に発売となりました、ソードアート・オンライン!!ネット予約分は秒殺、店頭販売分も先程見た通り猛者たちが手に入れて言ってしまいました〜…」

 

フルダイブ型ゲーム機【ナーヴギア】が茅場晶彦によって制作されてから数ヶ月。

今まで、ナーヴギア対応のタイトルは幾つか出ていたがそれらはナーヴギアのスペックを生かしているとは言えない程のものばかりだった。そんな中、ナーヴギア製作者である茅場晶彦の手によって発表されたタイトル。それが【ソードアート・オンライン】。

MMORPGである今作は、β版での評価も軒並み高くゲーマーたちの心に火をつけた作品と言える。

私もそんな心に火をつけられたゲーマーの1人と言えるかもしれない。

そんな一世風靡しているゲームのβ版テストに当選した私のリアルラックはかなりのものなのだろう。

お陰で、ニュースでやっているような争奪戦にも参加する必要もなかったのだから。

元々、そこまでゲームが好きという方ではなかったが、身体が弱くあまり外で活発に動くというタイプではなく、その影響もあって家の中にいることが多かった。それでも外で元気よく遊び回る同年代の子達を見て羨ましさを感じることもあった。

そんな中で出会ったのが、茅場晶彦によって開発されたフルダイブ型ゲーム機の【ナーヴギア】。仮想とはいえ、初めて自分の身体で思いっきり走り回れたときの感動は今でも忘れられない。

 

(………あの世界でなら、先輩に少しでも近付けるかもしれない)

 

転生。

そんな簡単な言葉で片付けていいものなのか分からないが、あの世界で天命を全うしたはずの私は気がつくとこの世界に再び生を受けていた。

親友と共に整合騎士を目指した日々も、修学院時代からお世話になり普段は頼りないけど有事の際には自分を犠牲にしてまでも相手のことを守れる優しさを持っていた先輩への憧れも。そして、先輩の親友でもあり私の親友が憧れ続けた先輩のことも。ほとんど忘れることなく、私はこの世界へと生まれ変わった。たった一つ先輩やアスナ様の顔や声の記憶以外を残して。

生まれ変わる前とは違い、剣術は疎か走ることさえままならないこの身体だが私にとってはあの頃先輩たちが話していたリアルワールドというものだとわかった時はなんだか感慨深く感じたのを今でも覚えている。

この世に生を受けてから既に15年。漸く、あの世界との違いを理解出来るようにはなってきた。

 

「お姉ちゃん〜、行ってくるね〜」

 

3つ下の妹は玄関の外から私の部屋の方に向かって手を振っている。

私の家族は至って普通の四人家族。

ただ少しばかりお父さんの稼ぎが一般家庭よりは多く、地元では少し有名な家である。

私以外の家族は有難いことにみんな健康体であるが、母も父も私の身体を心配し過ぎというほどに心配してくるので時々少し嫌になることもある。

妹は私とは違って身体も丈夫で、運動神経もいいため私とは正反対の人生を送っている。そんな妹に嫉妬したことが無いと言えば嘘になるが、それでも部活動を頑張っている妹は尊敬している。

 

「気をつけてね」

 

未だに手を振り続けている妹に向かって、窓を開けてギリギリ聞こえるぐらいの大きさでそう伝える。

妹は私の声が聞こえたのか、笑顔になるとそのまま部活へと出かけて行った。

 

(………そろそろ時間かな)

 

妹を見送り、私は部屋にある時計を見て機材の準備をして自分のベッドへと寝転ぶ。

 

「…………ふぅ」

 

枕元に置いてあるナーヴギアを手に取り、頭に装着し身体の力を抜き、配信開始の時間である13時00分になると同時に言葉を呟く。

 

 

「…………リンクスタート!!」

 

 




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