新しく書き直そうかなとか若干思いつつ、書き続けてます
ちなみに、今作のロニエの設定はキリトとアスナの記憶以外は完全にもっているほとんどオリジナルキャラのようなものです!
「まだ流石に誰もいない……」
始まりの街を即座に出たおかげで、一番にホルンカの村に辿り着くことが出来た。
レベルが3である私のスキルスロットは二つ。片手剣と索敵スキルで埋まっている。索敵スキルと隠蔽スキルで悩んだが、生存率を考えて索敵スキルにした。
この世界に生まれてからというもの病弱だったおかげで人付き合いというものが苦手になってしまったこともあり、ある一人のネットゲーム仲間以外とは組んだことすらないため、ソロでプレイになることはわかっていたからだ。
「オネェーちゃん、早いナ」
索敵スキルの反応から誰もいないと思っていた私は一瞬身体がこわばったが、その声の主の語尾には聞き覚えがあった。
「あなたもでは?」
向こうが彼女だったとしても、私のこの容姿を知っているわけもないため知らない人として話す。
「オネェーちゃんが道中のモンスターは倒してくれたおかげでナ。それよりもオネェーちゃん、ローちゃんダロ?」
「…なんで分かったんですか?……アルゴさん」
βテスト時からの付き合いである彼女。情報屋としては優秀なのだが、お金さえ払えばどんな情報も売るため自分の秘密だけは知られたくない相手であったりもする。
「広場にいる全員がほとんど動けない中、いの一番に走り出してる女の子なんてローちゃんぐらいだろうからナ。それにその容姿はあの中じゃ目立ってたからナ」
アルゴさんの言うように、あの広場で私のようし容姿はかなり目立っていたと思う。ただでさえ、少ないであろう女性プレイヤーであるうえにこの髪色に病的に白い肌と目立つ要素しかない。
「…………ところで、ローちゃんに情報収集を頼みたいんダガ、引き受けてくれないカ?」
「情報収集をですか?」
私はアルゴさんの言っていることの意味がいまいちわからなかった。
「正式サービスとβテストの違いを調べてほしいんダ。もちろん、報酬は支払うゾ」
「わかりました」
特に断る理由もない。
このゲームにおいて、今は情報がなによりも重要であるからだ。より多くのプレイヤーを助けるためにも。
「それじゃあ、よろしくナ。あ、そうダ。ローちゃん、ローブでも買って顔隠した方がいいかもナ」
そう言うとアルゴさんは隠蔽スキルにより姿を消した。
「なんだったんだろう…。でも、ローブは被った方が良さそうかな」
私は道具屋でローブを買い、早速目的のクエストを受けることにした。
◇◇◇◇
クエスト時間が運に左右されるこのクエスト。私の予想は外れることはなかった。おかげで、レベルこそ一つ上がったが。
「私のラックってあるのかな?」
クエストを受けてから何時間経ったかすら考えたくなかった。クエストを受けたころはまだほんのり明るかった空にはたくさんの星が輝いていた。
「帰って、アルゴさんに報告しなきゃ」
そう思い村の方へと歩きだそうとしたときだった。
パァァァン!
「まさかっ」
βテストのときに聞き覚えのある破裂音。時々現れる実付きのリトルペネントの実を誰かが割った音だった。
考えるよりも先に私は急いでその音の方へと駆けだした。
破裂音のした場所には一人のプレイヤーの反応と10を優に超えるリトルペネントの反応、それとは別にプレイヤーの反応がない少し奥になぜかリトルペネントが集まっていた。
囲まれているプレイヤーを助けるために、【レイジスパイク】でリトルペネントの群れに入り込む。
「大丈夫ですか?」
振り返ることもなく、私は声をかけた。この状況では一瞬の油断も命取りになるからだ。
「その技…もしかして、ロニエか?」
そう声を掛けられ私は一瞬驚いた。
私を技で判断するような人はたった1人しかいなかった。
フードを被っているとはいえこの容姿。あまり人には見せたくなかった。
「……キリトさん?」
偶然先輩と同じ名前の彼とは、βテストのときによく一緒攻略をしていたパートナーだった。
一緒にいたのはお互いにソロの気質があり、気が合ったことが大きな理由だと思う。だけど、私の一番の理由は彼と話しているとどこか先輩を思い出すからだった。
「助かったって言いたいところなんだけど、お礼はここを無事生きて抜けられたらする」
「はいっ!」
私とキリトさんはりリトルペネントへと向かい突っ込んだ。
◇◇◇◇
何時間経ったかわからない。
HPバーもレッドゾーンギリギリで、アイテムも全て尽きている。加えて、ローブも早速破壊されてしまったためキリトさんに素顔をさらしてしまっている。それでも、それでも生き残ることが出来た。
「生き残れたな……ありがと、助かった」
「無事生き残れて良かったです。キリトさん」
圏外にもかかわらず、私とキリトさんはその場に座り込んでしまっている。生き残ることが出来たという安心感と、何十体ものリトルペネントを相手にした精神的な疲労感から緊張の糸がとれた身体は動かなかった。
「少し休んでから戻りましょうか。この辺りのソースは当分は枯渇してるはずですから」
「あぁそうだな……」
私は索敵スキルで周りの状況に注意しながら、その場で休憩した。
◇◇◇◇
「それにしても、驚いたなロニエが女の子だったなんてな」
ホルンカの村に着くなり、真っ先にローブを買い装備したものの既にキリトさんには素顔を見られてしまった。
「…えぇ」
数少ない女性プレイヤーに加えて、日本人離れした瞳の色にグレーの髪色。現実世界でも疎まれることの多かったこの容姿。
キリトさんも、口には出さないがおかしいと感じているだろう。
「それじゃあ、私行きますね…」
既にクエストのクリア報酬も受け取っているため、この村に留まる意味はない。
それにキリトさんに容姿のことを言われる前にこの場を去りたかった。
「あ、ロニエっ」
キリトさんが呼び止めるように私の名前を呼んでいたが、私は振り返ることもなくホルンカの村を出た。
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