記憶をそのままに   作:雪楓❄️

8 / 10

少し遅くなってしまいました。


お知らせになりますが、この作品はアニメ・原作のストーリー進行でいこうと思いますので、プログレッシブの内容を期待していた方は申し訳ございません。


不穏な情報

 

第一層攻略から半年以上が経ち、現在の最前線は第二十九層まで進んでいた。

いつからか、攻略組と呼ばれるようになった私たちの顔ぶれは殆ど変わらないものとなりつつあった。

第一層から攻略に参加しているメンバーが立ち上げた"DivineDragonsAliance"こと”聖竜連合”。第一層攻略レイドリーダーであるディアベルさんがトップを務めている”AincradLeaveForces”こと”アインクラッド解放軍”。そして、第二十五層から攻略組に参加したヒースクリフさんが設立した”Knights of the Blood”こと”血盟騎士団”。

現在の攻略組プレイヤーの多くはこの三つのギルドに所属しており、アスナさんやフィリアさんも血盟騎士団に所属している。

 

「何回も言いますけど、私はどこにも所属する気はないです」

 

「ディアベルはん、この人は無理やって」

 

何度目になるかわからないディアベルさんからのお誘いを、私はいつもと同じように断りをいれた。

攻略組ギルドの一つであるALFは元々はキバオウさんが設立し、現在はディアベルさんがリーダーを務めている。

なぜそのようなことが起きたかというと、ディアベルさんが第一層攻略後一時期最前線から退いていた間に現在のALFとDDAの派閥が出来てしまっていたことがあり、

ディアベルさんが最前線に戻ってきた時には両者ともディアベルさんを欲した結果、ディアベルさんは中層プレイヤーの育成を理由にALFの加入したことが理由である。

 

「やっぱり、だめかぁ。気が向いたら頼むよ」

 

そう言ってディアベルさんはキバオウさんを含む、メンバーを連れその場を立ち去って行った。

立ち去っていくメンバーの何人かが少し肩を落としたように見えたのは気のせいだと思いたい。

 

(……キリトさんはどこに行ったのやら)

 

私は一週間程前から姿を見せない”元”ソロ仲間のことを考えていた。

彼は、一週間ほど前に攻略組ではないギルドに加入すると同時期に「少し最前線を離れる」とメッセージを送ってその姿を消した。

とは言え、フレンドの欄からどの層にいるかなどは分かるため心配などはしていないが、彼がいないのは攻略の効率が著しく落ちる。

 

「やぁ嬢ちゃん。暇かイ?」

 

少し考え事をしていた私に声をかけてきたのは、フードを被った怪しい人物。

 

「ナンパなら私以外にした方がいいですよ、アルゴさん」

 

「ローちゃんノリが悪いナー」

 

髭のペイントが特徴的の彼女は今では、このアインクラッドで最高の情報屋である。βテスターを嫌っている、キバオウさんやDDAのメンバーですらも彼女の情報は信頼しており、そのことからも彼女の腕の良さがわかる。

 

「それでなにかようですか?」

 

「ローちゃんは、察しが良くて助かるヨ。この情報の裏取りを頼みたいんダ」

 

そう言ってアルゴさんは1枚の紙を手渡してきた。

 

”第二十七層迷宮区におけるトラップの追加”

 

書いてあったのはそれだけだが、私はその一文を見て頷いた。

 

「既にフィーちゃんには話してあるから、頼んだヨ」

 

そう言うとアルゴさんはいつものように消えていった。

既に攻略済みの階層とは言え、中層プレイヤー達にはとってはこの情報が事実であれば大問題であり、命を落とす可能性も高い。

追加されているトラップとして考えられるのは、ブービートラップであるがそれですら実力が階層相当のプレイヤーにとっては命取りになってしまう。

 

(……それじゃあフィリアさんと合流しよう)

 

私はゆっくりと腰を上げるとフィリアさんがいるであろう、KoBの集会場所の宿屋へと向かった。

 

 





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