僕みたいなのが天使に恋をしてしまいました。   作:きゃっち・みー

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種族を超えた禁断の恋

僕はトカゲ。いつものように家族と一緒にご飯をとりに辺りを散策してたんだ。そしたら絶好の穴場スポットを見つけた。

まだ建って間もない家のお風呂場。そこは不定期に電気がついてて虫が沢山寄っていた。トカゲの僕でも簡単によじ登れる程の窓だった。

幸運な事にその穴場を知っているのは僕だけだった。早速窓によじ登り、数分動かず息を潜めて待ってみる。すると虫が寄ってきたのでゆっくりゆっくりとにじり寄りパクッと噛みつき味わって食べた。ここにいればとても簡単にご飯を食べられる。僕は狩りが得意ではないのでここを愛用することに決めた。

そしていつものようにご飯をとりに窓に張り付いていたんだ。この日は少し暑くて僕はちょっとバテたんだ。そしてお風呂から伝わってくる熱気が気になって普段は見ないお風呂場の中を覗いて見たんだ。

そしたら彼女がいたんだ。お風呂に入る為全裸でご機嫌に鼻歌を歌いながら泡のついた髪を洗い流している所を。僕はそれがあまりにも美しくて、見惚れてしまっていた。彼女の歌う鼻歌はとても美しく、彼女の髪は何よりも輝いて、彼女の微笑みはまるで天使のようだった。すぐ横にご飯が飛んでいるにもかかわらず僕は彼女だけを見ていたんだ。それから10分ぐらい経った頃だろうか。僕は彼女にアピールしてみたくて小さい声で鳴いたがお風呂からでている水の音で掻き消えてしまう。少し動いてみようかとも思ったが彼女は今目をつぶっているし、僕が臆病で他のトカゲに気づかれたくないと思ってしまい動けず、大声をだすこともできなかった。天使に気づいてほしいのに気づいてもらう方法がなくてとても歯痒い気分になりながらも彼女を見つめていると彼女は立ち上がりお風呂場を出ていってしまった。どうやらお風呂ですることを終えてしまったらしい。

僕はそれを目で追いながら名残惜しい気持ちと共に隣にいたご飯を食べた。

あぁ…。彼女は一体どんな子なんだろう?虫は食べるのだろうか、どういう生活をしているのだろうか、彼女のことを考えれば不思議とご飯を食べている時よりも充実した気分になれるのだ。

その後家族が呼びに来たので自分達の住処へと帰った。

その後も何日も何日も彼女の家に足を運んだ。

次第に彼女を見る為だけに通うようになった。

そして僕は禁断の感情を持ってしまった。

「あぁ、僕も人間になって彼女と共に過ごしたいな」

その思いは次第に強くなり抑えきれなくなっていった。そして僕は必死に人間になる方法を探したがそんなものは見つかる訳なく、僕は絶望の淵に立っていた。それを見た兄のトカゲ兄さんは僕のことを心配して話をきいてくれた

「トカゲの弟よ、最近元気がないようだが何があったのだ?」

「トカゲ兄さん…僕は人間になりたいんだ」

それをきいたトカゲ兄さんは最初は驚き僕を変な物でもみるかのようにマジマジとみつめていた。

「な、なぜ人間になりたいんだい?トカゲの暮らしだって悪くないじゃないか」

驚きが落ち着いた後は慌てたように理由をきいてきた。それもそうだろう、僕だって他人に同じように質問されたら気が触れたと思ってしまうだろう。

「勿論この暮らしだって最高さ。優しい家族達がいるからね。でも僕は見てしまったんだ、天使をね。彼女は人間なんだ、普通はトカゲと人間が恋をするなんて考えられないよ。でも僕はそれをわかってても諦められないんだ!僕はどうしても人間になりたい!例え一生トカゲに戻れなくても、兄さん達に会えなくなってもね」

トカゲ兄さんは考えた。トカゲの弟は本気で言っているんだと、目の前にいるトカゲの弟の目は強い意志で輝いていた。

今までトカゲの弟は家族の中でも気弱で自信がなく、少し情けないトカゲだった。だが今の弟は違う。何よりも強い意志で人間になりたいと願い、それを実現しようとしている。それを兄としてバカバカしいと突き放すのは考えられない。弟が困り、助けを求めているのなら俺は助けてあげるべきなのではないのか?そう考え弟の肩に手を置き目を合わせる。

「トカゲの弟よ、俺には人間になる方法は知らない。だが、一緒に探すことはできる」

それをきいた弟は満面の笑みでありがとうと言い、俺に抱きついた。

少しびっくりしたが優しく頭を撫でながらこれからの事を考える。人間になる方法だなんてそんな魔法のようなものなんかある筈はない。でももしかしたらという可能性がある。それを掴む為に2匹は共に旅にでる。

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