響オルタさんは怨讐の化身を呼んでしまったようです   作:まだお

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感想評価ありがとうございます。

そろそろ巌窟王の呼ばれ方のネタが無くなって来ました。


響オルタさんは伯爵から鋼鉄の決意を習うようです

頭が何だかぼんやりとする。

体に力も入らないしまるで水の中にいるみたいにふわふわと浮いている感じ。

わたしは何となくあぁ、夢の中なんだなと理解した。

昔はご飯に埋もれる夢とかをよく見てたっけ。

まぁ、あの時から夢の内容といえば誰かがわたしを責めるようにして睨みつけてくるものばかりに変わってしまったけど。

わたしは自嘲気味に笑いながら今日は誰が出てくるのかと身構える。

ただ、そんな予想に反してわたしの前に出てきたのは見覚えのない男の人だった。

わたしよりちょっとだけ年上に見えるその人は、船の上でたくさんの人達に囲まれて幸せそうにしていた。

周りの人達も男の人の背中を笑いながら叩いたり、口笛を吹いたりしてまるでお祝いしてるようにも見える。

男の人は頬をかきながら照れたように笑っていたけど、扉が開くような音がしたと思ったら急に顔を輝かせた。

あまりにも嬉しそうな顔をしてるから、わたしもつられて音がした方に顔を向けるとそこにはウェディングドレスを着た綺麗な女の人が立っていた。

女の人は男の人が手を取って何か話しかけると、照れたようにしてうつむいていてしまう。

この2人を見てわたしはこの夢が誰かの披露宴の途中なのだと理解する。

夢の中で自分以外が主役だなんて不思議な感じだけど、あの夢をみるよりはマシ…かな。

見てるこっちが火傷しそうなくらい仲がいい2人には胸やけするような気分だけど、ここまで幸せそうにされると妬む気にもならない。

でも、他の人とはいえ披露宴の夢を見るなんてわたしにもこういう願望があったのだろうか。

思えば今まで彼氏どころか男の人とデートすらしたことないや、わたしのデートの相手といえば決まってあの子だったし。

別に羨ましい、なんてことはないけど何だかなぁ。

このまま披露宴が続いていくのだと思っていた瞬間、会場一帯で物騒な音が鳴り響く。

わたしが何が起きたのだろうと驚いて周りを見渡すと、そこには兵隊のような格好をした人達が何人も立っていた。

その中でも1番偉そうな人が、何かの紙を突きつけながら怒鳴り声をあげると男の人は顔を真っ青にして座り込み、女の人は信じられないという顔をして手で口を覆いながら泣いてしまう。

すると兵隊の人達は座り込んだ男の人を無理矢理立たせて、どこかへと連れて行ってしまった。

男の人は最後まで何かを叫び、一生懸命に女の人や周りの人に呼びかけ続けていたけどその声も段々と遠ざかっていって…

 

 

そこで、わたしの目は覚めた。

目を開けると見知らぬ船の上ではなく見慣れた自分の部屋。

周りに人はいないし部屋に特に変わった様子もない。

やっぱりさっきのは夢で間違いないみたいだ。

わたしはため息をつくと自分が結構な汗をかいていることに気づく。

 

「気持ち悪い…シャワー浴びよ」

 

凄くリアルな夢だったしそれに影響されちゃったのかも。

それにしてもあの男の人、間違いなく会ったことはないと思うけど、どこかで見たような気がする。

わたしは考えごとをしながら服を脱いで浴室に入り、蛇口をひねった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は淹れたてのコーヒーを一口飲むと新聞に目を通す。

何をするにせよまずはこの世界のこと知らなければならない。

大元は共犯者(マスター)の住んでいた日本とそう違いは無いようだが、ノイズや装者なる存在の事もある。

情報とは行動する上で成否を分ける重要な要素となるものだ。

多ければ多いほどよかろう。

ひと通り目を通し目星しいものを見つけ終わったところで高い叫び声の後に、こちらへと向かって駆け込んでくる足音が聞こえてきた。

その発生源であろう少女は俺の前に仁王立ちし動物のように唸り声を上げている。

 

「朝から随分と元気な事だ。俺としてもそちらの方が鍛え甲斐がある」

 

「誰のせいだと!あんた一体お風呂に何をした!」

 

「ほう、早速アレを使ったか。何をしたと言われても元々備え付けてあった物を少しばかり弄ったに過ぎん」

 

「どこを弄ったら蛇口から煮え滾る熱湯が出てくるの!?温度を下げたら下げたで凍りつくくらい冷たい水をが出るし!」

 

「我が怨讐の炎にかかればマグマが如き温度を出させるなど容易い事だ」

 

「燃やしたの!?それにマグマの如きってどういうこと…」

 

「ふっ、安心しろ。我が怨讐の炎は燃やすものを違えない。例えそれが代行者を名乗る人外の者であろうが水道に流れる水であろうがな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの目の前で何故か得意気な顔をしてるいるこの大馬鹿男は少しも悪びれる様子がない。

どうやら今回の件は、昨日話していたわたしを鍛えるという言葉を実行に移した結果のようだ。

意味が分からない…

 

「何でわたしを鍛えることとお風呂の蛇口から熱湯が出ることが繋がるの?」

 

「お前の場合、まず鍛えるならばその精神からだ。強靭な精神を得るには地獄の如き灼熱、冥府の如き極寒に限る。冷気については専門外だが中々上手く出来たものだと自負している。それにお前が若き娘ということも配慮して肌に跡の残らぬ完璧な設計だ」

 

「言ってる意味全然分からないし」

 

「…要はお前の体に極度の負荷をかけることにより痛みによる耐性をつけるということだ。極限の状態で体を動かすには技術だけではどうにもならん。」

 

つまりこの前のように痛みで体が動かない、という状況をつくらないためということだろうか。

それにしてもわたしに断りもせずにいきなりやるなんて…

 

「これが鍛錬のため、ていうのは分かったけど一度元に戻してよ。このままじゃシャワーだって浴びれないし」

 

「待て、アレは俺が一晩かけて作り上げた至高の一品と言っても過言ではない。まだ、全ての機能を使う前に壊してしまうなどと」

 

「いいから早く元に戻して!このままじゃ汗臭いまま外に出ないと行けないでしょ!」

 

「くっ、我が叡智の結晶が僅か一日も持たずに崩壊する事になろうとは…せめてファリア神父の名言27集だけでも」

 

「うるさい、ばか!」




なお、他にもサウナ機能や氷の部屋、無駄にむせる煙の出る部屋などと色々あった模様。
道具作成のスキルで作れるということにしといてください。
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