「なぁ、一緒にFクラスにいかないか?」
「斬新な告白だな」
「気色悪いこと言うな。俺はお前の力を借りたいと思っただけだ」
「何をする気だ?」
「俺とお前がが組めば最低クラスからの下克上ができる。学力が全てじゃないことを証明しようぜ」
「それはお前の本心か?」
「……何が言いたい」
「面白い提案だが、私情のために力は貸せんな」
「お前を味方にしたかったんだがな」
「同じクラスではなくとも手助けはできる。おっと、そろそろ時間だな」
「また野暮用か?」
「ああ、これから飛行機だ」
「ババァもテスト前なのに人使い荒いな」
「今回は婆さんではなく、爺さんからの指名だ」
「お前に直接見てほしい何かがあるんじゃないか?」
「俺だけならそうだが、美波と一緒に来いということだからどうでもいい理由だと思うな」
「島田と一緒なら婚前旅行のお膳立てだな」
「笑えない冗談だが、あの爺さんならやりかねんな」
「お前も大変だな」
「お互いにな」
「Fクラスの件だが、気が変わったら何時でも言ってくれ」
「覚えておこう」
☆ ☆ ☆
「喧嘩したらしいね」
「これはわしと姉上の問題じゃ。口を挟まんでくれ」
「それは幼馴染として無理な話です」
「……姉上が悪いんじゃ。あんな言い方はないのじゃ」
「優子も不器用ですからね。反省してましたよ」
「……」
「優子の言っていることは間違っていませんし、僕はそれが演劇に活きると思います」
「どいうことじゃ?」
「知らない、理解できないよりも、知ってる、理解できるほうがいいってことですよ」
「……わしにできるじゃろうか?」
「できますよ。演劇のために努力は惜しまない人ですからね」
「お主にそう言われると、できる気がするのじゃ」
「もちろんです。その気持ちに応えましょう」
「うむ。手加減無用じゃ」
☆ ☆ ☆
「勉強を教えてほしいんだ」
「急ですね。どうかしましたか?」
「このままだと下位クラスだし、少しでも頑張ろうと思ってね」
「なるほど、建前はわかりました。本音はなんですか?」
「本音って、だから下位クラスに……」
「何年一緒にいると思っているんですか?」
「……今回のことで、みんなにも迷惑が掛かるんじゃないかな」
「今回のことは擁護できませんが、そんなことはないですよ」
「ありがとう。そう言ってくれるのはうれしいけど、そう思ってくれない人もいるよ」
「だから学力を上げようということですか?」
「うん。それと、みんなの優しさに甘えていた自分を変えたいんだ」
「……わかりました。そこまで言うなら手加減はしませんよ」
「ははは、お手柔らかに頼むよ」