僕と軍師と召喚獣   作:本ワラビン

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第6話 Dクラス戦、終了

 

~ 美春 SIDE ~

 

「弱い、弱いですわ」

 

一対二の戦い方で多少は頭を使える戦い方をすると思いましたが、所詮FクラスはFクラスですわ。

冷静に対処すれば簡単に崩せますわ。

宣戦布告であれだけの啖呵を切ったから何かあると思いましたが取り越し苦労でしたわ。

 

「敵は雑魚ばかり、Fクラスを殲滅するぞ」

『おぉーー!!』

 

先方部隊の気合は十分ですわね。

美春の後詰部隊の出る幕はなさそうですわ。

やはりFクラスはFクラスですわ。

美春にはこんなことで時間を使う暇はないのですわ。

振り分け試験前から所在が分からないお姉さまを探さないといけないのですわ。

きっとあの豚野郎……黒田凱斗のせいですわ。

あの豚野郎がお姉さまをどこかに監禁しているのですわ。

そして、あんなことやこんなことを……ジュル。

許せませんわ、豚野郎。

美春がお姉さまを豚野郎の魔の手からお救いしますわ。

そのためにも、さっさとと終わらせますわ。

 

~ 凱斗 SIDE ~

 

「凱斗、そろそろ離してよ」

「ああ、すまんな」

「別に嫌じゃないわよ」

「だったらもう少し繋ぐか」

「い、今は戦争中でしょ」

「そうだったな」

 

美波をからかうのはこれぐらいにするとして、戦況はどうなっているかな。

 

「藤堂がやられたぞ」

「誰かこっちに援軍を……」

「い、いやだ。補習室送りはいやだ」

 

予想以上に攻め込まれていているな。

渡り廊下はDクラスが呼んできた化学担当の布施先生が展開している召喚フィールドがメインだな。

戦線を少しだ下れば俺たちが呼んできた学年主任の高橋先生の召喚フィールドになるから総合科目で戦えるが、これ以上戦線は下げたくないな。

ならば、化学で勝負と行きますか。

 

「横溝、待たせたな」

「おお、やっと来たかって、黒田と島田二人だけか……」

「他の奴らは後から来る。今は俺と美波の二人に任せて、補充試験を受けに後退するんだ」

「……わかった。この場は任せたぞ」

「美波、準備はいいか?」

「ええ、いつでもいいわ」

 

俺と美波は駆け出して、戦場の最前線で戦うFクラスとDクラスの間に割って入った。

 

「Fクラス黒田凱斗と」

「同じく島田美波が」

「「この場にいるDクラスを引き受ける!!」」

 

俺と美波の突然の登場と言葉にDクラスの面々は一瞬怯んだが、

 

「この場のDクラスを引き受けるだと、バカじゃねえのか」

「後から後悔しても知らねえぞ」

「ぶっ潰してやるよ」

 

すぐに戦闘態勢を取り始めた。

Fクラスのバカが増えただけだと思っているのかもしれないが、俺と美波の召喚獣を見ても、その威勢を保てれるかな。

 

「「試獣召喚(サモン)!」」

 

黒い騎士鎧を身に纏い、ハルバードを持った俺の召喚獣と、軍服姿でサーベルを持った美波の召喚獣が現れた。

 

Fクラス  黒田凱斗

化学    205点

 

Fクラス  島田美波

化学    172点

 

「なんだあの点数は!?」

「BからCクラス並みだと……」

「なんであんな奴等がいるんだよ」

「ボヤッとしている暇なんてないぞ」

 

俺と美波の召喚獣は一閃してDクラスの召喚獣をそれぞれ葬った。

 

「戦死者は補習!!」

「「ぎゃあーー!!」」

 

そして西村先生が素早く連れ去っていった。

 

「怯むな!相手は二人だ。全員で当たれば倒せる」

 

その一言を号令に、残っていたDクラスの召喚獣は一斉に襲ってきた。

 

「後ろは任せたぞ、美波」

「ええ、任して」

 

ここで俺の召喚獣の武器ハルバードについて説明しよう。

日本語訳だと「槍斧」「斧槍」などとされ、その表記の通り槍の穂先に斧頭、その反対側に鉤爪状の突起がある長柄武器だ。

 

同時に襲いかかてきた相手を横薙ぎでまとめて斬り倒す。

 

タイミングをずらして襲ってきた相手には槍で突き刺す。

 

鉤爪部分で相手を引っかけて崩し、美波や他の奴らが倒す。

 

こういった状況に合わせてどの様な使い方が適切か冷静に判断することが必要だが、様々な状況を打破することができる便利な武器だ。

 

~ 美春 SIDE ~

 

「お、お姉さまと……黒田……凱斗……」

 

美春は今自分の目を疑いました。

先方部隊と戦っているのは間違いなくお姉さまとあの男ですわ。

何で、最下層のFクラスにいるのですか?

お姉さまの実力ならもっと上のクラスにいるはず……そういことですか。

あの豚野郎、黒田凱斗のせいですわね。

きっとあの豚野郎に無理やり脅されてFクラスになったのですわ。

可愛そうなお姉さま。

美春が必ずお助けしますわ。

 

「清水美春、行きますわ!」

 

~ 凱斗 SIDE ~

 

「戦死者は補習!!」

「「「「いやだー」」」」

 

あれだけの人数を一度に連行するとは……相変わらず人間離れしているな。

さて、途中で点数の補充を終えた須川も加わったから、敵の数と勢いも削いだことだし、俺と美波はいったん下がっても大丈夫……ではないな。

 

「死にやがれ、豚野郎!!」

「奇襲なら殺気を抑えて静かにやるものだぞ、清水」

 

清水美春か……少々厄介なのがいるな。

 

「美春」

「お姉さま。美春が豚野郎の呪縛から解放しますわ」

「お前も懲りないな」

「黙りなさい豚野郎。おとなしく美春に殺されなさい」

 

そう言いながら清水の召喚獣は勢いよく襲い掛かってくるが、

 

Fクラス  黒田凱斗

化学    205点

 

VS

 

Dクラス  清水美春

化学     94点

 

「勢いだけで勝てるほど、甘くないぞ」

 

Fクラス  黒田凱斗

化学    205点

 

VS

 

Dクラス  清水美春

化学    DEAD

 

「くっ、豚野郎のくせに」

「清水。お前が美波のことを好きなのはわかるが、お前の気持ちは一方的だ」

「なんですって!!」

「自分の気持ちや価値観を押し付けるだけならお前の気持ちは迷惑だ」

「……」

「補習室で頭冷やしてくるんだな」

「戦死者は補習!」

 

清水はこちらをじっと睨んだまま補習室に連れて行かれた。

 

「……凱斗」

「あいつが相手のことをきちんと考えられるなら、いい友人になれるかもな」

「悪い子じゃないんだけどね」

「さて、もう少しで須川や横溝たちが戻ってくる。それまで頑張るぞ」

「うん、そうね」

 

~ 美春 SIDE ~

 

豚野郎は美春のお姉さまに対する気持ちを一方的で迷惑だと言いやがりました。

それは侮辱されたと同じことですわ。

すぐにでも制裁を加えて、発言を取り消させた後に始末するところでしたが……

動けませんでしたわ。

美春は睨むことしかできませんでしたわ。

豚野郎が憎いのに……どうして……

黒田凱斗……

 

~ OTHER SIDE ~

 

「Fクラスの黒田と島田の猛攻が止まりません」

「渡り廊下の戦線、徐々に後退。このままだと押しきられます」

 

Dクラスの教室は混乱していた。

最低クラスに負けるはずがないと思っていた。

開戦直後は手間取ったが、すぐに持ち直して勢いに乗り、勝てると思っていた。

しかし、状況は一変した。

負けるはずがない、勝てると思っていた相手に押されているのだ。

それもたった二人の加勢によってだ。

このままでは負けるかもしれない。

不安が徐々にクラス内を漂い始めた。

そんな中、平賀源二はDクラス代表として決断する

 

「本隊を動かす!」

『代表!?』

「黒田と島田はBからCクラス並みだ。ならば本隊をぶつけてその二人を倒す」

 

本隊、代表と近衛部隊で構成されたDクラスで一番強い部隊だ。

その部隊をぶつければ確かに勝てる可能性はある。

 

「しかし、それでは代表の身に危険が及びます」

「そうです。代表が倒されたら我がクラスの負けです」

 

試召戦争の勝敗は基本的に相手の代表を先に倒すことだ。

代表が前線に出れば、当然集中的に狙われることになり、倒された時点でDクラスの負けは決定する。

 

「このまま待っても何も好転はしない。ならば、全戦力を総動員したほうが勝てる可能性は高い」

「確かにそうですが……」

「みんなを信頼しているからこその作戦だ。もちろん、それ以外にも考えはある」

「……わかりました。代表を信じます」

「よし、みんないくぞ」

『おおーー!』

 

~ 凱斗 SIDE ~

 

「変だな」

「変ね」

 

今、渡り廊下にはDクラスの生徒はいない。

そして、Dクラス側の布施先生の召喚フィールドは解除されていた。

 

「教室に籠城かな」

「その可能性はあるわね」

 

籠城か……ちょっとまずいな。

あの作戦は渡り廊下だから意味をなすからな。

 

「どうするの、凱斗」

「そうだな……ん?」

 

新たな召喚フィールドが展開されると同時に、Dクラスの生徒たちが雪崩れ込んできて、周囲のFクラスの生徒に次々と勝負を申し込んでいった。

 

『Dクラス近衛部隊、黒田凱斗、島田美波両名に古典で勝負を申し込みます。試獣召喚(サモン)

 

そして、120点前後を有する召喚獣たちが俺と美波を囲んだ。

 

「凱斗、これって……」

「ああ、ちょっとヤバいけどやるぞ」

「「試獣召喚」」

 

Fクラス  黒田凱斗

古典    132点

 

Fクラス  島田美波

古典    107点

 

「やはり、古典は苦手のようだね。帰国子女のお二人さん」

「お前が、平賀だな」

「ああそうだ。君たちにはここで倒されてもらうよ」

「倒されるわけにはいかないが、俺と美波では突破するのが難しそうだ」

「そうね。だから頼んだわよ、瑞希」

「はっ?」

 

俺が渡り廊下での戦闘にこだわった理由。

 

「Fクラスの姫路瑞希です。Dクラスの平賀君に古典で勝負を申し込みます。試獣召喚(サモン)

 

補充試験を終えた姫路に新校舎側の階段を使って回り込んで奇襲をすることだ。

 

Fクラス  姫路瑞希

古典    347点

 

VS

 

Dクラス  平賀源二

古典    128点

 

「ごめんなさい」

 

姫路の召喚獣は平賀の反撃を許すことなく、一撃で勝負を終わらせた。




今回からレイアウトを変更しました。

これで読みやすくなったと思います。

今までの話も読みやすいように修正しました。
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